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《社説②》:鹿児島県警の捜査 報道の自由脅かす手法だ

2024-06-23 02:01:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

《社説②》:鹿児島県警の捜査 報道の自由脅かす手法だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:鹿児島県警の捜査 報道の自由脅かす手法だ

 警察にとって不都合な報道の情報源を探るための強制捜査だったのではないか。そうだとすれば、報道の自由が脅かされる事態だ。

 福岡市に拠点を置くインターネットメディア「ハンター」の記者宅が4月、鹿児島県警の家宅捜索を受けた。内部情報を漏らしたとして県警巡査長が地方公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕された事件の関連だった。

 ハンターは2023年から県警の不祥事を追及し、関連する内部文書を入手して自社サイトに掲載してきた。巡査長の容疑はこれらの文書を流出させたことだった。

 押収されたパソコンには、県警の本田尚志(たかし)・前生活安全部長が、ハンターに寄稿しているフリー記者へ匿名で送った内部文書の画像が入っていた。ストーカー事件に関する記録などが含まれていた。 

 その後、本田前部長は逮捕され、国家公務員法(守秘義務)違反で起訴された。ハンター記者宅の捜索が端緒だったとみられる。

 本田前部長は記者への情報提供について、警察官によるストーカー行為などの不祥事を「県警本部長が隠蔽(いんぺい)しようとしたことが許せなかった」と話している。

 ハンターは昨年、捜査書類の速やかな廃棄を促す内部文書の存在も報じた。再審請求などで県警に不利になる捜査書類を残さないためだ。内部告発だったとハンターは主張している。

 報道にとって取材源の秘匿は死活的に重要だ。危険を冒して情報提供する人がいるからこそ、組織の不正を報じることができる。国民の知る権利に応え、公正な社会の実現という公益につながる。

 最高裁は取材源の秘匿について「重要な社会的価値を有する」との判断を示している。

 捜査当局もニュースソースの特定には抑制的だった。法務省は「報道の自由と取材源の秘匿は最大限尊重する」との趣旨の国会答弁を繰り返してきた。

 鹿児島県警の捜査手法は、積み重ねられてきた共通認識と相いれない。家宅捜索を許可した裁判所の判断にも疑問がある。

 インターネットの普及でメディアが多様化している今、報道を担うのは新聞やテレビだけではない。県警には捜索の経緯を丁寧に説明する責任がある。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年06月23日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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