《論点・01.11》:一本のろうそくたれ…安倍政権に苦言の大島理森氏「民主主義の危機」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《論点・01.11》:一本のろうそくたれ…安倍政権に苦言の大島理森氏「民主主義の危機」
政党への不信が強まっている。SNSが駆使された、東京都や兵庫県の知事選などがそれを現している。政界のご意見番として知られる大島理森・元衆院議長が、現在の政治情勢への危機感を語った。そして、過去の危機についても。【聞き手・岡崎大輔】

◆連立で意見違っても責任共有すべきだ
――少数与党に転落しながらも、石破茂内閣は引き続き政権を担います。先の総選挙からどのようなことを感じましたか。
衆院選は「政権選択選挙」です。しかし、2024年10月に実施された第50回衆院選で有権者は、自公両党に対して「政権を託す」という明確な意思を示したとは言えません。一方で、野党側にも、それを与えませんでした。国民は、自民の「政治とカネ」の問題も大事だが、物価高対策など日々の生活について政治は考えてくれていますか、というメッセージを込めたのではないでしょうか。「年収の壁」を訴えた国民民主党や、消費税の廃止を掲げたれいわ新選組が議席を伸ばしましたが、野党全体として政権を担う姿を示すまでは至らなかった故の判断ではないかと思います。
民主主義に必要な政党政治に危機感を抱きました。国民が主権者の民主主義は、政党政治が基本です。政党が国民と政治を結ぶパイプ役として機能しなければなりません。しかし、国民は政治家と政党が自分たちの方を向いてくれていないのではないか? 本当に政党は必要なの? 言葉にこそ表していませんが、そういった政党の存在に対する希薄性が生まれているのではないかと感じました。政党の「リバイタライズ(再生)」が必要です。
◆「全身全霊をかけて話す言葉を待っている」
――兵庫県知事選などでSNS(ネット交流サービス)が駆使され、既成政党への不信感が強まっています。
現職時代にSNSを実践してきた身でなく、最も不得手な分野なのですが、情報技術の進展を否定するつもりはありません。ただ、SNSを使いながらも、やはり、国民は政治家が全身全霊をかけて話す言葉を待っているのではないでしょうか。一人一人の議員、政党が主権者と語り合う場を作り、民主主義の分断を招かず、政治参加を促すためにも愚直に対話していくことが大事です。
私の政治の師、河本敏夫氏は「…、
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