路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【中山知子の取材備忘録・05.19】:東京都知事告示まで1カ月 小池百合子知事の態度表明は直前か…過去とは違う雰囲気の選挙戦に?

2024-06-10 07:45:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・05.19】:東京都知事告示まで1カ月 小池百合子知事の態度表明は直前か…過去とは違う雰囲気の選挙戦に?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・05.19】:東京都知事告示まで1カ月 小池百合子知事の態度表明は直前か…過去とは違う雰囲気の選挙戦に? 

 東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)の告示まで1カ月となった。現職の小池百合子知事(71)は3選出馬が既定路線とみられるが、出馬するともしないとも明かしていない。前回2020年の再選出馬表明は告示の6日前で、今回も態度表明はギリギリのタイミングではないかとみられている。都知事選告示日の6月20日は、通常国会会期末の6月23日に近い。岸田文雄首相の支持率低迷や野党の攻勢で、国会会期末には何が起きるか分からず、微妙な政治日程のさなかに告示される都知事選という側面もある。

小池百合子都知事(2024年4月30日撮影)
小池百合子都知事(2024年4月30日撮影)

 小池氏がどう動くとしても、今回の都知事選はこれまでとは雰囲気がちょっと違うものになりそうな気がしている。争点もさることながら、その「景色」の部分も含めてだ。

 5月17日、4月の衆院東京15区補選での行動をめぐり、公選法違反(選挙の自由妨害)の疑いで政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者ら3人が逮捕されたが、黒川容疑者らは4月末、早々と都知事選出馬を表明していた。今回の逮捕で出馬できるのか不透明だが、補選での一連の行為を考えると、選挙戦の混乱は避けられない。一方、「NHKから国民を守る党」が計30人の公認候補を都知事選に擁立すると発表した。前回は、都知事選では過去最多の22人が出馬したが、今回の規模はそれを超えるのは確実だ。

 小池氏は同日の定例会見で、つばさの党の3人逮捕を受けて「問題は、これを模倣していくような人たちが出てくる懸念もある」と警鐘を鳴らした。1990年代からさまざまな選挙の取材をしてきたが、ネット選挙解禁後、政治や選挙の風景がどんどん変わってきていることを肌で感じる。今回のつばさの党の行為は、現場で取材していて理解に苦しむものだった。選挙の現場の風景が劣化しているような気がするのは、私だけはないはずと感じる。

石丸伸二・安芸高田市長が出馬表明で小池知事へ対抗心 「政治のエンタメ化は軽薄なものではない」

 一方、今回の都知事選が注目される一因に、広島・安芸高田市の石丸伸二市長(41)が出馬表明したこともある。議会の様子や地元メディアとのやりとりなどの動画がネット上で拡散し、市議会で居眠りをする議員に「恥を知れ、恥を」と叫ぶ姿もで話題となった。17日に自身のYouTubeチャンネルにアップした出馬会見でも、「もてなす」という観点からの「政治のエンタメ化」に言及。都知事選の投票率を「爆上げしましょう」と呼びかけるなど、小池氏が得意とした「劇場型」を思わせるような空気を漂わせている。

 石丸氏は現職の地方自治体首長からの都知事選挑戦となるが、かなりレアケースだ。2011年都知事選で、当時の松沢弘文・神奈川県知事(現・参院議員)がいったん出馬表明をしたが、当時の石原慎太郎都知事の4選出馬表明で出馬をとりやめ、神奈川県知事も任期満了で退任した。松沢氏は、石原氏が国政転身で任期途中で辞任したことに伴う2012年都知事選に出馬したが、猪瀬直樹氏に敗れている。

 首長経験者が都知事選に出馬したケースもあるが、2007年都知事選で石原氏と争った宮城県知事経験者の浅野史郎氏、2011年都知事選に出馬した宮崎県知事経験者の東国原英夫氏もともに敗れた。石丸氏はそうした「他の自治体首長からの転身挑戦」というジンクスとも戦うことになる。

 石丸氏の動向を含め、さまざまな動きを注視しているとみられる小池氏は、8年前の最初の選挙戦では、自民党という「敵」との対峙(たいじ)や「緑グッズ」で聴衆を巻き込む形の「小池劇場」で圧勝した。前回はコロナ禍で選挙活動が制限される中、「2期目を目指す現職は強い」といわれる選挙戦を300万票超の得票でまた圧勝。そして今回、3度目に臨むかどうか。学歴詐称疑惑が再燃し、これまで掲げた公約へのさまざまな評価もある。

 都知事選に複数回出馬し、当選したのは直近では石原慎太郎氏だけ。思い出せば、石原慎太郎氏が都知事2期目のころ、3選出馬に際して、高額な海外出張費や交際費、都文化事業の身内の重用問題で強い批判を受けてかなりの逆風が吹いた。どことなく今の小池氏と重なる面もある。石原氏の3度目の選挙で選対本部長だった初代内閣安全保障室長の佐々淳行氏が、当初選んだキャッチフレーズは「反省しろよ慎太郎 されどやっぱり慎太郎」。石原氏は前回から27万票ほど票を減らしたが3選された。

 小池氏の動向が明かされるまでは表向き、静けさを保つ都知事選。立憲民主党など野党も水面下で独自候補を調整中で、残された1カ月という短期間の間に、一気に動き始めることになる。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」) 

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年05月19日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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