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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・05.26】:マンション再生/「老い」支える幅広い策を

2025-05-27 06:00:40 | 【超高齢化・過疎・孤立・終活・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅性自治体】

【社説・05.26:マンション再生/「老い」支える幅広い策を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・05.26】:マンション再生/「老い」支える幅広い策を 

 老朽化したマンションの再生を促すため、分譲マンション関連の一括改正法が、参院本会議で可決、成立した。来春の施行を目指す。

 所有者の多数決で決められる再生策として、現行法の「建て替え」のほかに「建物と敷地の一括売却」「1棟リノベーション」「取り壊し」の3種類を追加する。

 決議に必要な賛成を、所有者の「全員」から建て替えと同じ「5分の4」に要件緩和する。耐震性の不足などがあれば「4分の3の賛成」で再生可能とする。意思決定を迅速にして、災害時の損壊や管理不全による廃虚化を防ぐのが狙いだ。

 法改正により合意形成のハードルは下がるが、個人の財産に関わる問題のため、所有者の主体的な意思決定を後押しする仕組みや行政による支援の強化などが急がれる。

 国土交通省によると、2023年末時点で築40年以上の分譲マンションは137万戸あり、全体の約2割を占める。20年後には3・4倍の464万戸に膨らむという。住民合意や権利調整、分譲時に安く設定された修繕積立金の不足といった難問が山積し、再生はなかなか進まない。

 マンションの建て替え問題は、阪神・淡路大震災でクローズアップされた。全半壊の分譲マンション(10戸以上)172件のうち109件が建て替えを選択したが、合意形成は難航を極めた。完成までに最長15年かかるなど長期化し、再建後の再入居が半分以下の事例もみられた。

 老朽化による建て替えも同様の難しさを抱える。築年数の経過と、住民の高齢化という二つの「老い」に向き合い、建築や法律の専門家を派遣するなど幅広い観点からのサポートが求められる。

 近年は資材の高騰などで再建費用が膨らんでいる。国交省が17~21年の建て替え事例を分析したところ、1人当たりの平均負担額は約2千万円に上る。高齢の所有者らが建て替えをためらうのも無理はない。不安を抱く人への配慮が必要だ。建物の骨組みは残したまま内外装などを一新させる「1棟リノベーション」は費用を抑える効果が期待できる。

 改正法では、隣接地の所有者に対し、土地の権利と引き換えに大規模化して建て替えるマンションの区分所有権を与えられるようにする。戸数を増やして売却し、建て替え費用の一部を賄うことで負担を抑える手法は都市部で有効だろう。

 一方、高さ制限などで従前より高層化するのが困難なケースも考えられる。老朽化の解決策は建て替えだけではない。耐震改修への補助をより手厚くするなど、国や自治体は住まいの安全安心を高める多様な手だてを充実させねばならない。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年05月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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