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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《主張②・05.29》:2審も公安「違法」 上告より組織を立て直せ

2025-05-29 05:03:50 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

《主張②・05.29》:2審も公安「違法」 上告より組織を立て直せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《主張②・05.29》:2審も公安「違法」 上告より組織を立て直せ 

 公安警察にとっては、1審以上に厳しい判決であろう。

 生物兵器製造に転用可能な装置を無許可で輸出したとの外為法違反罪に問われ、初公判直前に起訴が取り消された大川原化工機(横浜市)の社長らが提起した国家賠償訴訟の控訴審判決で、東京高裁は1審に続いて警視庁公安部と東京地検の捜査の違法性を認め、国と都に賠償を命じた。

東京地裁に入る大川原化工機の大川原正明社長(右から2人目)ら=28日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

 一昨年の1審判決は、公安部の捜査を「必要な捜査が尽くされていない」として違法捜査だったと断じ、起訴した検察も「捜査不足」と違法認定した。取り調べも「偽計があった」との判断で違法としていた。

 2審判決はこれらを踏襲したことに加え、1審が認めなかった「逮捕・起訴の根拠となった外為法関連規定を公安部が独自解釈したことの不当性」に言及するところまで踏み込んだ。

 「犯罪の嫌疑の成立にかかる判断に根本的な問題があった」とまで述べ、「捜査期間は長期に及んでおり、方針を再考する機会は十分にあった」と指摘する2審判決は、1審よりも捜査に厳しい。だが客観的にみて判示には説得力がある。

 これを最高裁で覆すのは容易ではなかろう。警察や検察がそれでも上告するとなれば、国民にどう映るか。メンツ優先の匂いを嗅ぎ取られ、不信を抱かれると冷静に考えた方がいい。

 この訴訟では1審で現職捜査員から「事件は捏造(ねつぞう)」との証言がなされ、法廷を驚かせた。控訴審でも捜査員から「(事件化する理由は)組織としてなかった。日本の安全を考えるうえでもなかった」「(逮捕は)捜査の決定権を持つ人の欲だ」とまで証言された。 

 世界の自由貿易体制が軋(きし)み、中露が存在感を強める中で、日本にとって経済安全保障は極めて重要な問題である。輸出管理に関する捜査能力の弱体化は国益を損なうものだ。

 それなのに所管する公安の組織の乱れはいかばかりか。

 いま公安幹部が考えるべきことは、上告ではない。この捜査と訴訟で傷んだ組織の立て直しである。原告に謝罪し、事件を検証し、組織に不信感を持つ捜査員と和解し、捜査力を高めることではないか。

 公安といえども捜査は客観証拠の収集が基本である。この大原則を徹底させるべきだ。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2025年05月29日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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