路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説②】:元通訳の訴追 62億円失った賭博の底なし沼

2024-04-17 05:01:50 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【社説②】:元通訳の訴追 62億円失った賭博の底なし沼

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:元通訳の訴追 62億円失った賭博の底なし沼

 勝った時の快感が忘れられず、やめられない。負けを取り返そうと、かえって借金を重ね、その挙げ句、平気でウソをついて信用を失う。

 ギャンブル依存症の怖さをまざまざと見せつけられた。

 米連邦検察は、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の元通訳、水原一平容疑者を大谷選手の銀行口座から1600万ドル(約24億円)以上をだまし取った銀行詐欺容疑で訴追した。

 発表によると、水原容疑者は違法なスポーツ賭博で生じた借金を返すため、大谷選手に無断で送金を続けていた。賭けの回数は、2年余りで計約1万9000回に及んだという。1日平均25回という信じがたい頻度である。

 勝ちは総額約1億4200万ドル(約218億円)、負けは約1億8300万ドル(約280億円)に上った。賭博で約62億円を失った計算になる。水原容疑者が賭博にのめり込み、金銭感覚をマヒさせていった様子がうかがえる。

 勝負に負けると、「最後にもう一回だけ」と、賭けの限度額引き上げをブックメーカー(賭け業者)側に懇願していた。負けを取り返そうと、深みにはまっていく典型的なパターンだと言えよう。

 不審な送金が露見しないよう、大谷選手になりすまして、銀行に電話をかけた。会計士や代理人に口座の確認を求められると、「大谷選手が非公開を希望している」などと説明し、拒否していた。

 賭博を続けるため、犯罪にまで及んだことをどうにか隠そうと、ウソにウソを重ねたのだろう。

 賭け業者側は、水原容疑者と連絡が取れなくなると、「大谷選手のところに行って、どうすればお前と連絡が取れるか聞いてみようか」と脅しをかけた。

 追い詰められた水原容疑者は、借金を肩代わりしたことにするよう、大谷選手に口裏合わせを依頼したが、断られた。破滅するまでやめられないところに、ギャンブル依存の深刻さがある。

 国内では、公営ギャンブル以外の賭博は禁止されている。しかし近年は、スマートフォンでいつでも賭けられる違法なインターネットカジノが横行しており、依存のリスクは高まっている。

 海外には、選抜高校野球の試合結果を予想するスポーツ賭博サイトまで開設されている。

 日本でも一時、スポーツ賭博の解禁を求める動きがあった。安易に導入すれば、どのような結果を招くことになるか。今回の事件は、明確に示している。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年04月17日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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