路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説②】:非行少年の調査 つらい体験が背景に

2024-01-24 08:04:40 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・家庭での虐待・いじめによる自殺・児相】

【社説②】:非行少年の調査 つらい体験が背景に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:非行少年の調査 つらい体験が背景に 

 全国の少年院に入所する少年の9割近くが子どものころに親から暴力を受けるなど「小児期逆境体験」をしていることが分かった。つらい体験によるトラウマ(心の傷)が非行や犯罪に影響した可能性がある。こうした体験にも考慮した更生支援の充実が必要だ。
 
 法務省の法務総合研究所が2021年、少年院に入所していた13~19歳の少年591人(男子526人、女子65人)を対象に、18歳までにつらい体験をしたかどうか、12項目について調査。結果は23年版の犯罪白書に特別調査として盛り込まれた。
 
 それによると「家族から殴る蹴るなど体の暴力を受けた」が61・0%、「心が傷つくようなことを言われるといった精神的暴力を受けた」が43・8%に上り、家族にアルコール依存者や違法薬物を使っている人がいた割合もそれぞれ10%を超えた。
 1項目以上に該当する人は全体で87・6%に上り、虐待体験の割合が高い女子に限ると94・6%に達した。
 
 少年非行と子どものころの逆境的体験との関係に関する研究は1990年代から米国などで進んでおり、逆境的体験が心身の健康を損ねたり、非行や自傷行為などリスクの高い行動につながったりする可能性が指摘されてきた。
 
 日本の非行少年も同様に逆境的体験をしていることは、少年非行に関わる現場の人たちや研究者によって指摘されてきたが、今回の調査はそれを裏付けた形だ。
 少年たちが非行に走ったり罪を犯したりした背景に、子どものころの逆境的体験があるという観点から少年非行や犯罪の原因をとらえなおし、更生や支援のための施策を再構築する必要がある。
 
 子どもたちのつらい体験に寄り添い、心の傷を癒やすのはもちろん、子どもたちにつらい思いをさせた保護者を含む家族への支援も欠かせない。
 
 さらに、少年たちの地域での居場所づくりや就学・就労支援、子どもの虐待防止や貧困対策の強化など、社会全体で重層的に取り組むことが必要となる。
 
 少年院など非行少年に対する再教育の場だけでなく、学校現場などでも子どもたちのつらい体験や心の傷と向き合うことは重要だ。今回の調査結果をあらゆる場で生かし、社会をよりよい方向に変えていく、大切な一歩としたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年01月24日  08:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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