路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《社説①》:米軍機密情報の流出 戦時の連帯損なう失態だ

2023-04-18 02:04:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・G7サミット・G20】

《社説①》:米軍機密情報の流出 戦時の連帯損なう失態だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:米軍機密情報の流出 戦時の連帯損なう失態だ

 ロシアのウクライナ侵攻に関する米軍の機密文書がソーシャルメディアに大量に流出した。

 ウクライナ軍の防御態勢や米欧の支援計画を記した資料、同盟国を対象に盗聴によって情報を入手したことを示す文書があった。

 米連邦捜査局(FBI)は空軍州兵の21歳の男を機密流出の疑いで逮捕した。基地で通信機器の保守を担当し、国防総省の情報システムへのアクセス権があった。流出は昨年後半からという。

 米軍の失態と言わざるを得ない。なぜ機密の流出を防げなかったのか、情報管理体制に不備はなかったか、戦況への影響はないのか。究明が急がれる。

 とりわけ深刻なのは、今春に想定されるウクライナ軍の攻勢に向けた作戦計画の内容を示す資料が漏えいしたことだ。

 米欧による訓練が4月末までに終了することや、追加の支援がなければウクライナの防空システムの弾薬が5月に底を突くことが記されている。

 手の内を明かす内容だ。流出を受けて作戦の一部を変更せざるを得なくなったと一部の米メディアが報じている。重大な事態だ。

 ウクライナ国内の攻撃目標をロシア側から入手したことを示す資料もあった。ロシアは漏えいルートを特定し、対抗策を講じるに違いない。

 同盟国に関する文書には、ウクライナのゼレンスキー大統領や韓国大統領府を通信傍受の対象としていたことを示唆する記載もあった。戦争にどう対応するのか、出方を探ろうとした節がある。

 両国政府が火消しに走ったのは、米国との関係を悪化させることで対露陣営の結束が乱れることを警戒したためとみられている。

 同盟国へのスパイ活動は10年前にも表面化し、批判を浴びた米国は同盟国を監視対象にしないとする方針を打ち出した。それがほごにされているなら背信行為だ。

 逮捕された州兵は入手した極秘資料を撮影し、10代を含む少人数の仲間が参加するアプリ上で「口外禁止」と断って共有した。それが投稿サイトに拡散された。

 機密文書が安易に流出し、安全保障上の重大なリスクを招く。こうした事態が繰り返されるなら、米国の信用は失墜するばかりだ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年04月16日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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