【政界地獄耳・05.08】:なんとも間の悪い国家公安委員長の“外遊”
『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・05.08】:なんとも間の悪い国家公安委員長の“外遊”
★毎度のことながらゴールデンウイークは首相・石破茂を筆頭に閣僚19人のうち14人が外遊へ出かけた。うち7人はアジアに出向いた。この連休中はインドとパキスタンが緊張状態にあり、ついにインド国防省は7日、隣国パキスタンにある「テロリストのインフラ」9カ所に対してミサイル攻撃を行ったと発表した。無駄だとは言わないが、アジア外遊で緊張地帯を迂回(うかい)するだけでよかったか。それがどう生かせたかもわからないものも多く、閣僚の海外出張は“外遊”といわくつきに扱われる。
★その中でも霞が関からも自民党内からも「大丈夫か」と言われているのが神奈川5区選出で当選6回。国家公安委員長、国土強靭化相、領土問題相、内閣府防災、海洋政策相を兼務する坂井学だ。坂井は菅内閣で官房副長官を務めている。また石破鳴り物入りの「防災省」設置担当を経済再生相・赤沢亮正と共に担う立場だ。その防災問題にのめり込み、石破から刷り込まれたのか国際的な避難所基準「スフィア基準」に強い関心を寄せ、スイスのジュネーブにある国連防災機関を視察。さらに災害発生から48時間以内にトイレやシャワー、温かい食事を提供するキッチンカーなどを整備、被災者に安心してもらうことを実践しているイタリアにも足を運んだ。3日から6日の視察で「とても大事なことだが大臣視察ほどだったか。防災については我が国にも一日の長があり、段ボールの寝床の改善は見に行かなくともわかる。防災では他にやるべきことはたくさんある」(自民党ベテラン議員)。
白井秀征容疑者=3日、東京・羽田空港
■自宅以外で燃やされたか 川崎の元交際相手遺体遺棄事件―神奈川県警
★公務をとがめるつもりはない。ただ国家公安委員長は国内の治安維持のトップだ。外遊前の4月30日には川崎遺体遺棄事件で地元・神奈川県川崎市の民家から遺体が見つかり死亡した女性の元交際相手が逮捕された。その後、県警のずさんな対応が発覚。交通事故は連休中も多発したが、最も悪質なのが5日に同県横須賀市で起きた飲酒運転の車による、路線バスなど少なくとも8台が絡む事故。この事故で11人が負傷。委員長の外遊と事案を結び付けるつもりもないが、なんとも間の悪い外遊となった。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2025年05月08日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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