路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【選挙】:政治刷新前面「政治とカネ」舌戦…東京15区は自民が公認候補擁立断念、9人乱立の混戦模様に

2024-04-17 08:14:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【選挙】:政治刷新前面「政治とカネ」舌戦…東京15区は自民が公認候補擁立断念、9人乱立の混戦模様に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【選挙】:政治刷新前面「政治とカネ」舌戦…東京15区は自民が公認候補擁立断念、9人乱立の混戦模様に

 16日告示された衆院3補選は、自民党派閥による政治資金規正法違反事件など、「政治とカネ」の問題が噴出する中で迎えた。各地の候補者たちは政治の刷新を前面に掲げ、激しい舌戦をスタートさせた。

 ■衆議院3補欠選挙告示、政治改革・経済対策など論戦スタート…自民は2選挙区で「不戦敗」確定

 ■東京15区

 東京15区補選は、公職選挙法違反事件で逮捕され、有罪が確定した柿沢未途・前法務副大臣(自民党を離党)の辞職に伴うもの。2019年には同じ15区選出の自民議員だった秋元司氏(52)が汚職事件で逮捕され、地元・江東区の前区長は、柿沢氏の支援を受けた昨年の区長選で公選法違反に問われている。不祥事続きの逆風下、自民は公認候補の擁立を断念。野党や無所属、諸派から9人が乱立する混戦模様となった。

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候補者らの演説に耳を傾ける人たち(16日、東京都江東区で)=佐々木紀明撮影

 第一声に臨んだ候補者らは、こうした「政治とカネ」の問題を一斉に批判。立憲民主党の酒井菜摘氏(37)が「大好きなこの街で、政治の汚職が広がっていることは許せない」と政権批判を強めれば、日本維新の会の金沢結衣氏(33)は「江東区から、しがらみまみれの政治を刷新していこう」と強調し、自民に代わり保守層の取り込みを図る。国民民主党が推薦する無所属の乙武洋匡氏(48)は「『逮捕者が出た江東区』。そんな言われ方をするのは最後にしましょう」と述べた。

 補選にはこのほか、参政党の吉川里奈氏(36)、無所属の前参院議員の須藤元気氏(46)、いずれも諸派新人の福永活也氏(43)、根本良輔氏(29)、飯山陽氏(48)が立候補。秋元氏も、事件で実刑判決を受けながらも無罪を主張して上告中で、立候補を届け出た。

■島根1区

 自民の細田博之・前衆院議長の死去に伴う島根1区補選は、3補選で唯一、自民候補が出馬し、与野党が対決する構図となった。細田氏が政治資金規正法違反事件の中心だった安倍派で会長を務めていたこともあり、両候補とも「政治とカネ」を強く意識した訴えを展開した。

 自民新人の錦織功政氏(55)は、派閥による政治資金パーティーの禁止や収支報告書の透明性確保などの政治改革に取り組む決意を示し、「残りの生涯をささげ、誠心誠意働く」と述べた。

 一方、立民前議員の亀井亜紀子氏(58)は、「全国の有権者が怒りに燃えながら、投票に行くことができない。私たちは貴重な機会をもらった」と強調。「島根県から声を上げ、日本の政治を変えよう」と訴えた。

■長崎3区

 自民党派閥の政治資金規正法違反事件が引き金となった長崎3区では、立民と維新の候補が名乗りを上げる一方、自民は候補擁立を見送った。

 第一声で立民前議員の山田勝彦氏(44)は「長崎3区には、全国が注目している。金権政治を許さない民意を全国へ届ける」と強調。維新新人の井上翔一朗氏(40)は「自民党のいない異例の選挙だが、改革を本当に実行できるのがどの政党で、どの候補者なのかを示したい」と訴えた。

 他方、自民県連の幹部は「野党はここぞとばかりに政策を訴えるだろう。政権与党として情けない」と候補の不在を嘆いた。

 ◆人口減は 経済は…有権者 候補へ注文相次ぐ

 3選挙区の有権者からは、政治改革や景気対策などへの注文が相次いだ。

 東京都江東区の会社員、末永里美さん(40)は最近、物価高による食費や育児費の負担増に悩んでおり、自民党派閥による政治資金規正法違反事件にはしばしばあきれたという。「公約実現に努力し、お金の使い道をちゃんと説明できるクリーンな人が必要だ」と訴えた。

 「裏金問題が盛り上がっているが、この国が抱える問題はもっとたくさんある」と危惧するのは、松江市の会社経営、青木緑男さん(58)。島根県は人口減が加速しており、「これから地元を支える若い世代への支援に本腰を入れてほしい」と政策論争に期待した。

 「賃金が上がらず家計が厳しい」と漏らす長崎県佐世保市の会社員、久野綾さん(31)は「子育てや経済の面で実効的な政策を進めてくれる候補者を選びたい」と話した。

 ◆「不戦敗」選択肢奪う

 谷口将紀・東京大教授(政治学)の話「東京15区と長崎3区では自民党が『不戦敗』したことで、与野党の論戦が交わされなくなり、有権者は選択肢を奪われる形になった。投票率の低下が懸念され、こうした状況を政治が招いたことを自覚する必要がある。補選の最大のテーマは『政治とカネ』。選挙結果は、後半国会最大の焦点の政治資金規正法改正を巡る議論にも影響を与えるだろう」

 ◆身近な課題 忘れないで

 コラムニストの辛酸なめ子さんの話「庶民感覚とかけ離れたお金の問題ばかり注目され、国民の間では政治への諦めムードが漂い、補選は盛り上がりを欠いているように映る。物価高や少子化といった身近な課題の議論が進まない恐れがあることも心配だ。候補者は女性や若い世代が多いので、ぜひフレッシュな顔ぶれで活発な論戦を行い、政治の停滞したムードを吹き飛ばしてほしい」

 ■東京の選挙速報・最新ニュース

 ◆あわせて読みたい

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【選挙・世論調査】  2024年04月17日  08:14:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・04.09】:政治資金規正法改正後に解散!? 自民楽観論と世論のズレ

2024-04-17 07:40:00 | 【政治とカネ・政党交付金・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会名による政治資金...

【政界地獄耳・04.09】:政治資金規正法改正後に解散!? 自民楽観論と世論のズレ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・04.09】:政治資金規正法改正後に解散!? 自民楽観論と世論のズレ 

 ★6日、島根県入りした立憲民主党代表・泉健太は28日投開票の衆院3補選の中でも唯一の自民党との直接対決となる島根1区について「政治改革が停滞するのか、進むのか。(結果次第で)大きく分かれる。自民党を勝たせたらもっと堕落してしまう」と力を込めた。政界は首相・岸田文雄の日米首脳会談後の来週から集中審議などが始まり、政治とカネの再発防止策の議論に入る。<button class="sc-ecFPXR gOsCzR" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-ecFPXR gOsCzR" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">安倍派幹部の処分</button>

                  安倍派幹部の処分(『ABEMAヒルズ』)

 ★党内の処分が終わったからと言って、自民党は放免になるわけではない。議論は政治資金規正法の改正に進むが、法改正までやってもやるべきことを法改正に盛り込まなかったり、再び新たな政治とカネの問題が発覚すれば、元のもくあみだ。政治改革関連法案の徹底した見直し、首相も認める政治資金のデータ化による透明化、自民党総裁選規定の改定などがなければ意味がない。当然、野党も厳しくチェックすべきだが、自党の都合が脳裏によぎるようでは自民党の批判はできない。政界には多少のザル法でもこの規正法改正が後半国会で通れば、解散に打って出られるという楽観論が出ているし、先の泉のように野党もこの状態で解散に持ち込みたい。

 ★週末、地元に帰って支援者との会合をこなしてきた自民党議員たちは一様に、「そんな楽観論は後援会のメンバーや支持者からも出てこない。相当厳しい空気だ。まして一般有権者や無党派層は野党にちょっといいタマが出てくればあっという間にこちらは足をすくわれる」と早期解散を否定する。ある中堅議員は「地元には時間をかけて説明責任を果たし、不祥事なきように安全運転をしばらく続けなければ解散などできない。うち(自民党)も各党も世論調査などを繰り返しているだろうが、この信頼回復は簡単ではない」と言う。幹部たちが浮かれムードで6月解散などと言い出したら、自民党は本気で下野する覚悟も必要だ。自民党は本当の党改革を実行する“誰か”が出てこない限り、また間違いを起こしそうだ。(K)※敬称略 

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年04月09日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2025大阪・関西万博】:バス運転手が集まらない必然…締め切りまで2カ月半、180人まだ半分未満の深刻

2024-04-17 07:08:30 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【2025大阪・関西万博】:バス運転手が集まらない必然…締め切りまで2カ月半、180人まだ半分未満の深刻

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2025大阪・関西万博】:バス運転手が集まらない必然…締め切りまで2カ月半、180人まだ半分未満の深刻

 会場建設が遅れているだけでなく、交通手段もヤバそうなにおいがプンプンしてきた。開催まで1年を切った大阪・関西万博で、会場までの旅客輸送を担うシャトルバスの運転手が不足しているというのだ。万博協会は本紙の取材に対し、最も会場に近いJR桜島駅と万博会場を結ぶバスで、運行に必要な運転手180人のうち、15日時点で80人しかめどが立っていないと回答した。

<picture>現在募集中だが…(C)日刊ゲンダイ</picture>

    現在募集中だが…(C)日刊ゲンダイ

 万博開催時に運行されるシャトルバスは他にも、大阪府内の主要駅と万博会場を結ぶルートや、付近の駐車場と会場を結ぶルートが計画されている。万博協会とJR西日本が主体となって運営されるJR桜島駅発着のルート以外は、在阪のバス業者が主体となる。肝心の運転手は全国のバス業者にも呼びかけて集める方針だが、計画は難航している。

 ■「日常生活の交通手段を犠牲にできない」

 在阪バス企業の事業者団体である大阪バス協会に取材すると、こう話した。

 「現状、運転手は不足しています。2024年問題もあり、普段運行しているバス路線を維持するだけでも手いっぱいな状況です。そのうえでさらに、万博の運転手を集めなければなりません」

 社会インフラとしての路線バスを維持するためにも、万博などのイベントは後回しにせざるを得ない。

 「できるだけ万博に協力しようと努めてはいますが、みなさんの日常生活の交通手段を犠牲にしてまでやることではないと。普段の業務に支障がないよう、あくまで協力できる範囲でのシャトルバスの運行になると思います」(大阪バス協会)

 シャトルバスを巡っては、こんな求人がある。大阪市の関係企業である大阪シティバスは、会場内と付近の駐車場を結ぶシャトルバスの運転手を現在募集中。万博開催期間の有期雇用で、勤務時間は1日4時間半~5時間程度、時給は2000円と、バス業界では高額だ。同社の広報は「半年間の有期雇用ということを考慮し、時給を設定した」と話した。

 この募集の締め切りは6月30日。賃金アップで臨時の人手を確保したいところだが、好条件でも運転手が集まらなければいよいよ、万博の輸送計画は破綻か。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・2025大阪・関西万博】  2024年04月17日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2025大阪・関西万博】:万博の華「タイプA」参加国が3分の2に→芝生広場案が浮上…それでも吉村府知事ヘラヘラ軽口

2024-04-17 07:08:20 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【2025大阪・関西万博】:万博の華「タイプA」参加国が3分の2に→芝生広場案が浮上…それでも吉村府知事ヘラヘラ軽口

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2025大阪・関西万博】:万博の華「タイプA」参加国が3分の2に→芝生広場案が浮上…それでも吉村府知事ヘラヘラ軽口

 「『亀戸餃子』を食べに行こうかなと。その思いで今ここにやってきました!」──。16日に告示される衆院東京15区(江東区)の補欠選挙(28日投開票)に向け、大阪府の吉村知事が14日、日本維新の会の新人候補の応援のため都内に駆け付けた。江東区名物「亀戸餃子」をネタに軽口を叩いていたが、ヘラヘラしている場合じゃない。

<picture>汗かいてますアピール(衆院東京15区補選、「日本維新の会」新人候補応援に駆け付けた吉村洋文大阪府知事=14日)/(C)日刊ゲンダイ</picture>

 汗かいてますアピール(衆院東京15区補選、「日本維新の会」新人候補応援に駆け付けた吉村洋文大阪府知事=14日)/(C)日刊ゲンダイ

 ■海外独自パビリオン断念続出

 来年4月13日の開幕まで1年を切った大阪・関西万博が、いよいよエライことになってきた。参加国が独自に設計する「タイプA」のパビリオンは当初56施設に上る予定が、ここにきて40カ国程度に減ることが判明。14日の読売新聞朝刊が報じた。

 すでに少なくとも8カ国が予算などの都合でタイプAを断念していたが、さらに増える可能性がある。記事によると、今月13日時点で、タイプAを希望する17カ国で工事業者が未決。政府と万博協会はタイプAでの参加が難しい国をリストアップし、協会が建設したパビリオンを参加国が共同利用する「タイプC」などへの移行を促すという。

 「万博の華」と言われるタイプAが当初計画の約3分の2まで減ってしまえば形無しだが、万博協会の副会長を務める吉村知事に反省の様子はない。

<picture>しかも大阪・関西万博「タイプA」パビリオンの着工は全体のわずか2割…(12日現在)/(C)共同通信社</picture>

 しかも大阪・関西万博「タイプA」パビリオンの着工は全体のわずか2割…(12日現在)/(C)共同通信社

 ■吉村府知事は「遊びに来てもらえたら」

 14日、門前仲町(江東区)で行われた街頭演説で、「最後に一点だけ」と切り出し「1年後に大阪で万博やりますんで来てください」と呼びかけ。「まあいろいろ言われてるんですけど、未来社会こうなるんだーっていうのを一生懸命やっていますんでね、遊びに来てもらえたらなあと思います」と軽いノリで締めくくった。

 吉村知事は「一生懸命」と言うが、タイプAの建設が夏までにメドが立たない場合、万博協会は建設予定地の返上を求め、跡地を芝生の広場として活用する案などを検討しているという。

 「転用ならテントを張ったりして簡易なイベントスペースを用意できるはず。そもそも、万博リング(大屋根)に350億円もつぎ込むのをやめて、その額の半分でも、タイプAを断念せざるを得ない参加国に補助できなかったのか。線路のガード下に店舗が連なるように、リングの1階部分にパビリオンを並べるような『ウルトラC』を考えたらどうかと思います」(建築エコノミスト・森山高至氏)

 万博会場は想定来場者数に対して食事スペースの不足が指摘されている。芝生の広場が増えれば、ピクニック気分でランチの場所を確保できるくらいのメリットはありそう。

 ピンチはチャンス。いっそ、のびのびと芝生広がる「原っぱ万博」でエエんちゃう?

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース マネー 【トピックスニュース・2025大阪・関西万博】  2024年04月15日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・04.15】:万博まで1年 魅力高める情報発信に努めよ

2024-04-17 07:07:40 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【社説・04.15】:万博まで1年 魅力高める情報発信に努めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・04.15】:万博まで1年 魅力高める情報発信に努めよ

 2025年4月13日に開幕する大阪・関西万博まで残り1年を切った。しかし、機運は高まっていないのが現状だ。万博の成功に向け、魅力を向上させる情報発信に努める必要がある。

 ■費用膨張や建設の遅れも

 万博への期待が高まらないのは、どのようなイベントかイメージがわかないことが理由の一つだ。今回のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だが、どのような「未来社会」を示そうとしているのか十分に伝わってこない。

 加えて、会場建設費の膨張や海外パビリオンの建設の遅れなどの問題が生じている。建設費は当初の1・9倍となる2350億円に膨れ上がった。国民の厳しい目が注がれているのも、万博開催の意義が周知されていないためだろう。万博の大きな見どころである海外パビリオンの中で参加国が建設する「タイプA」を巡っては、53カ国のうち既に着工しているのは14カ国にすぎず、17カ国はいまだに施工業者が決まっていないというから深刻だ。

 昨年末の大阪府と大阪市の調査によれば、万博に行きたいという人は1年前の41・2%から33・8%に落ち込んだ。特に首都圏は19・5%と惨憺(さんたん)たる数字だ。首都圏の客を呼び込めないのであれば、海外からの誘客はさらに厳しいだろう。

 海外パビリオンの具体的な展示物はまだほとんど公表されていないが、今秋には発表される見込みだ。開幕が近づくにつれ、徐々に万博の魅力が伝わる面もあろう。とはいえ、現在の機運の乏しさは見過ごせない。

 万博開催にはもともと、地盤沈下が続く関西経済活性化の起爆剤とする狙いがあった。ただ、万博誘致が決まった18年11月と現在とでは国内外の情勢が大きく変化したことも事実だ。

 21年の東京五輪は新型コロナウイルス禍のさなかに行われたが、万博はコロナ禍後に開催される。コロナ禍だけでなく、ロシアによるウクライナ侵略やイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘などを通じ、私たちは「いのち」の大切さに改めて向き合うこととなった。その意味で、万博のテーマは時宜を得ていると言える。テーマの重要性を効果的に発信できるよう工夫を凝らしてほしい。

 万博に関しては、能登半島地震の被災地復興を優先すべきだとして中止を求める意見も出ている。だが、復興も万博も共に重要だ。関係者によれば、被災地では土木工事が中心で、万博のパビリオンなど建物の整備と作業内容は重複しない。万博開催に向け課題が山積していることは事実だが、誤解は解消しなければならない。

 平和や文化発展に貢献を

 今回の万博は半年の会期で2820万人の来場を想定している。八つの「シグネチャーパビリオン」では、生物学者の福岡伸一氏や映画監督の河瀬直美氏ら8人のプロデューサーによる展示で「いのち輝く未来社会」を体感できるという。

 平均寿命が世界一の日本で行われる万博から「いのち」の大切さや可能性を発信することで、全人類の健康や福祉、さらには世界の平和や文化の発展にも貢献してほしい。

 元稿:世界日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年04月15日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張・04.14】:大阪万博まで1年 国挙げて準備加速したい

2024-04-17 07:07:30 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【主張・04.14】:大阪万博まで1年 国挙げて準備加速したい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張・04.14】:大阪万博まで1年 国挙げて準備加速したい

 2025年大阪・関西万博開幕まで1年を切った。会場予定地で建設中の大屋根(リング)は8割方組み上がり、各施設やパビリオンの建設工事も本格化している。

 だが機運の高まりは十分とは言い難い。

 会場建設費をめぐっては建設資材の高騰などで2度上振れし、当初の1・9倍の2350億円に膨張した。費用がさらに拡大する懸念や、海外パビリオンの準備の遅れなどは、盛り上がりを欠く要因にもなっている。

 万博は国家事業である。政府は責任をもって着実に進めるとともに、魅力や意義を国民にもっと発信することが必要だ。

 経済産業省が会場建設費のさらなる増加を防ぐため、第三者委員会を設置し、万博費用の点検などを行っているのはよいが、税金を投入している以上、費用に対する不安の払拭に一層努めることが求められる。

 海外パビリオンは、自前での建設を予定している53カ国のうち14カ国が着工済みである。だが、17カ国は施工会社も決まっていない。今月から建設作業員の時間外労働に上限が設けられ、工程管理はさらに難しくなっている。政府は大阪府・市、万博を運営する日本国際博覧会協会などと連携し、スピード感をもって進めてもらいたい。

 万博の開催を監督する国際機関、博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長は11日に大阪市内で行った記者会見で、ロシアのウクライナ侵略やガザ紛争などが起きていることを踏まえ、「世界が団結する機会になる、世界にとって重要な万博だ」と改めて意義を強調した。「未来に、人類に大きな影響を与える」とも語った。

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をうたう大阪・関西万博は、令和7年4月13日から半年間、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で開かれる。平成17年に行われた愛知万博の120カ国を上回る161カ国・地域が参加を表明しており、約2820万人の来場が想定されている。民間シンクタンクの試算によると、経済波及効果は最大3兆3667億円に上る。

 世界が一つになって描く万博を成功に導く。開催国としての責務を果たすために、国を挙げた取り組みをより加速させるときだ。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年04月14日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・04.13】:万博まで1年 開幕の高揚感を生み出せるか

2024-04-17 07:07:20 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【社説②・04.13】:万博まで1年 開幕の高揚感を生み出せるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・04.13】:万博まで1年 開幕の高揚感を生み出せるか

 大阪・関西万博は、来年4月13日の開幕まで残り1年となった。にもかかわらず、盛り上がりを欠いたままだ。

 政府や関係機関は、開催に向けて課題を着実に解決し、万博の理念や魅力の発信に力を注がなければならない。

 万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)は、1400万枚の前売り券を販売する計画だが、売り上げは1割に満たない130万枚にとどまっている。

 大阪府と大阪市が昨年末に実施した全国調査では、万博に行きたいと答えた人が34%と、前年よりも7ポイント減少した。時間とともにムードが低下しているのは、国民の不信感の表れではないか。

 原因の一つは、費用の膨張にある。昨年公表された政府の試算では会場建設費が当初想定の1・9倍となる2350億円、運営費は4割増の1160億円だった。物価高騰などの影響だという。

 建設費の多くは国と大阪府・市が負担することになっている。運営費は入場料で大半を賄うが、来場者が少なければ、公費で赤字を穴埋めする事態も懸念される。

 経済産業省と万博協会は、予算執行の管理を目的とする新組織をそれぞれ設置した。ここで収支を厳格に監視し、負担増に歯止めをかけなければ、国民の不信感を 払拭ふっしょく することは難しいだろう。

 盛り上がりを欠くもう一つの要因は、展示や催事の内容が十分に伝わっていないことにある。

 万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。目玉に乏しいとはいえ、ロボットに囲まれた日常を体験したり、未来の自分の映像に出会えたりできる最先端技術の祭典である。

 未来社会の姿を広く伝えると同時に、世代や関心事に応じて戦略的にアピールすることも重要だ。最近の円安で増えている訪日外国人に、伝統文化や日本食への関心を高めてもらえるよう、積極的に働きかけることも欠かせない。

 建設工事は今後ピークを迎える。自前で海外パビリオンを建設する53か国のうち、17か国はまだ施工業者が決まっていない。

 建設が間に合いそうもない国に対しては、万博協会が用意する簡易なパビリオンに変更するよう、早急に決断を促すべきだ。

 万博会場の建設に業者が集中し、能登半島地震の復興を妨げないかと懸念する声もある。政府は、復興は土木工事、万博は建築工事が中心のため、事業は重複しないとしているが、復興に悪影響が出ないよう目配りしてほしい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年04月13日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・02.10】:どうする大阪万博 能登の復興に集中すべきだ

2024-04-17 07:07:10 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【社説・02.10】:どうする大阪万博 能登の復興に集中すべきだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・02.10】:どうする大阪万博 能登の復興に集中すべきだ 

 山積みの懸念を置き去りに、突き進んで大丈夫なのか。

 2025年大阪・関西万博の開催に、国民がいっそう厳しい目を向けている。

 年初の能登半島地震で深く傷ついた北陸地方の暮らしと、まちの復旧が急がれる中、大規模な万博工事が妨げになると憂う声が各界から噴出しているからだ。

 あまつさえ万博の事業費は膨らみ続け、参加国パビリオンの建設遅れを含め、疑念が渦巻いている。1年2カ月後の開幕に間に合うのか、さらに国民負担が増えないか。万博も復興も共に行き詰まりかねない。

 岸田文雄首相は今国会の施政方針で「被災地の再生に責任を持つ」とした。ならば官民の総力を注ぎ、復旧・復興に支障なきよう万全を期すべきだろう。前回のドバイ万博も新型コロナウイルス禍で1年延期された。

 本紙は昨年から万博の延期・縮小の検討を主張してきたが、震災を踏まえ、改めて強く求める。国会でも議論を深めたい。

 共同通信の全国世論調査で、能登地震を受けて万博開催をどうするかの問いに、「計画通り実施」は27%にとどまった。これと同率の「延期すべき」と「時期を変えず規模縮小」に「中止」の18%を合わせると7割超が見直しを求めている。

 問題なのが、万博パビリオン建設の本格化による建設資材、作業人員の不足やコスト高騰だ。被災地各所での道路寸断や断水の復旧に加え、5万棟超の家屋被害に伴う応急的住まいの建設に響きかねない。

 それでも大阪府の吉村洋文知事は「二者択一ではない」、経団連の十倉雅和会長は「万博は建築主体の段階で、土木中心の復興に悪影響は及ぼさない」として計画通りを主張する。

 だが工事現場では土木、建築問わず不足する人手の奪い合いとなっており、人件費と資材価格の上昇などで23年の建設業倒産は前年比4割増に上った。

 21年の東京五輪も会場整備に伴う資材高と人材難が、東日本大震災の復興を遅らせたと指摘された。人やモノを集めにくい地方の影響は大きく、復興も万博も「二兎(と)を追う」のは現実的とは思えない。

 万博費用の相次ぐ膨張への不安も大きい。会場建設費は物価高などを理由に上積みを重ね、当初の2倍近い2350億円に。国の負担として、他に日本館建設や途上国の出展援助も含め約1650億円に上ると昨年末になって明かされた。

 別に運営費1160億円の大半を入場料で賄う計画も危うい。府・市調査で「万博に行きたい」と答えた人は、この2年で5割台から3割台まで落ちている。

 赤字が出れば国民負担がさらに増えかねない。万博の強行に固執しながら国や地元側が責任を押し付け合う現状では、「いのち輝く未来社会のデザイン」のテーマ自体が問われよう。

 元稿:京都新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月10日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本維新の会】:挙党体制で万博PR…建設費増で党批判強まり吉村・大阪府知事自ら「トップセールス」も

2024-04-17 07:04:50 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【日本維新の会】:挙党体制で万博PR…建設費増で党批判強まり吉村・大阪府知事自ら「トップセールス」も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本維新の会】:挙党体制で万博PR…建設費増で党批判強まり吉村・大阪府知事自ら「トップセールス」も 

 日本維新の会が、2025年大阪・関西万博を巡る逆風に苦慮している。会場建設費の増額などで万博を推進してきた党への批判が強まっているためだ。次期衆院選に影響が出かねない事態に、挙党態勢で万博をPRしていく構えだ。

 ■[検証 万博の現在地]<2>前進と足踏み 海外「二極化」…焦る協会 働きかけ強める 

 「国内外に西日本の魅力を発信する絶好の機会だ」

 維新の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は9日、香川県庁を訪れ、池田豊人知事に万博をアピールした。8日には広島県庁を訪問しており、関西以外では開催機運が高まらない中、吉村氏が「トップセールス」に乗り出した格好だ。

 13日で開幕まで1年となる万博を巡り、維新が発信を強めているのは、開催への批判の高まりとともに、党勢に陰りが出ているためだ。

 資材高騰などにより、会場建設費が当初の想定から約1・9倍となる最大2350億円に増えることが判明した昨秋以降、党の支持率は低迷気味で、読売新聞の全国世論調査では、昨年7月に9%に達していたが、今年3月は5%だった。

 この間、馬場代表は「万博は国家イベントだ」と語り、政府と一体となって取り組むと強調するが、党内には「国に責任を転嫁するような姿勢が、反発を招いている」との見方もある。

 維新は、次期衆院選で野党第1党の奪取を目標に掲げている。今月28日投開票の衆院3補欠選挙では、東京15区、長崎3区に独自候補を擁立し、いずれもライバルの立憲民主党と議席を争う展開となる。

 立民幹部は「維新は『身を切る改革』を掲げながら、万博の無駄遣いは止められない」と語り、攻勢を強めていく考えだ。維新幹部は「万博開催への理解が進まなければ、衆院選は厳しい戦いになる」と危機感をあらわにしている。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 社会 【話題・日本維新の会・2025大阪・関西万博】  2024年04月10日  06:59:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ラサール石井 東憤西笑・04.04】:吉村府知事「玉川徹は大阪万博に“出禁”」発言が大炎上! 詭弁を弄して謝罪・撤回する気なし

2024-04-17 07:04:30 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【ラサール石井 東憤西笑・04.04】:吉村府知事「玉川徹は大阪万博に“出禁”」発言が大炎上! 詭弁を弄して謝罪・撤回する気なし

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ラサール石井 東憤西笑・04.04】:吉村府知事「玉川徹は大阪万博に“出禁”」発言が大炎上! 詭弁を弄して謝罪・撤回する気なし

 ニュースにもなったが、吉村大阪府知事による維新のタウンミーティングでの発言が炎上している。

 吉村氏は万博の悪名高き木造リングを「これを見にくるだけのために来る人もいる」と自画自賛し、「批判するのはいいけど、入れさせんとこと思って、もう『モーニングショー』は禁止。玉川徹“禁止”って言うたろうかなと思う」と発言した。

<picture>吉村洋文大阪府知事(C)日刊ゲンダイ</picture>

      吉村洋文大阪府知事(C)日刊ゲンダイ

 もちろんジョークであることはわかる。しかしホームパーティーでの発言ではない。横山大阪市長も横にいるステージ上で支援者の前とはいえ公の場だ。

 万博は国のイベントだ。全国民に開かれている。「批判した者は出禁」は府知事としても万博協会の副会長の立場からしてもふさわしくない。何の権限があるのか、あんたから言われたくない、と非難が殺到だ。

 しかも腹が立つのは、後日の記者会見で、全く謝罪も撤回もなかったことだ。

 「支援者の前で気が緩み、思わず言ってしまった。本気ではなかった。個人名まで出したのは不適切だった」と謝罪すればいいだけなのに、また「謝ったら死ぬ病」が出た。

 実際に「『出禁』にする権限がない」んだから問題ないと言い訳した。これはおかしい。「死ねばいいのに」と言っておいて「私に呪いの能力はない。殺人は罪なのだから法を犯すはずがない。だからセーフだ」と言っているようなもので、全くの詭弁である。

 「批判に偏っている。反論だけでなく、賛否の賛も取り上げて欲しい」との思いから「知事や万博協会の立場ではなく、政治的発言だ」と言うが、批判される出来事が多いから批判されるのは当たり前だ。批判の途中で「でもこんないい面もありますよ」なんてバランスを取ったら逆に報道ではない。

 ■大阪をバカにするな

 失言のたびに自分の立場を変化させてゴマカすのもおかしい。二足も三足もワラジを履いてはいるが、履き替えてるわけじゃない、同時に重ねて履いてるんだから、首長がいちコメンテーターにこう言えばパワハラで圧力になる。だいたい冗談なら、隣の横山市長が「これこれ。そんなことできますか。皆さん来て下さいね」とすかさずフォローするべきだ。そんなスキルもないなら、ジョークなんかやめろ。

 これを受けて維新の馬場代長がXで「イッツ・ア大阪ジョーク」と呟いたが、大阪をバカにするな。こんなの大阪でもなければジョークでもない。それより現場のメタンガス爆発を謝罪して説明するべきだ。

ラサール石井
著者のコラム一覧
 ■ラサール石井 タレント

 1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

 ■関連記事

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・話題・大阪・関西万博・連載「ラサール石井 東憤西笑」  2024年04月04日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・02.01】:関西万博延期の駆け引き 経産省のメンツ保ち維新の弱体化狙い

2024-04-17 07:04:10 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【政界地獄耳・02.01】:関西万博延期の駆け引き 経産省のメンツ保ち維新の弱体化狙い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・02.01】:関西万博延期の駆け引き 経産省のメンツ保ち維新の弱体化狙い 

 ★1月27日、経済安保相・高市早苗は長野市内の講演で、能登半島地震の復興を優先するため、来年開催予定だが予算が膨らみ続け、工期も遅れている大阪・関西万博の開催を延期するよう、首相・岸田文雄に進言したと発言。また高市は30日付で超党派の「万博を成功させる議員連盟」に退会届を提出。総裁選挙を視野に猛アピールに出た。

 ★29日の会見で官房長官・林芳正は「(開催を)遅らせる必要があるとは認識していない」と火消しに走り、30日午前の閣議後会見で経産相・斎藤健も「現時点で万博関連の資材調達によって(能登半島地震の)復興に具体的に支障が生じるとの情報に接していない」とし、「万博の開会を遅らせる必要があるとは認識していない」と防戦一方だ。官邸では昨年11月、官房長官・松野博一(当時)が首相に延期または中止をしたらどうかと進言。首相は言下に「万博は予定通りやる」と答えたとされる。「経産省が省を挙げて万博を推進、企業にカネも出させている。簡単に中止とか延期とか言われても困る」と首相を説得し続けたからだ。

 ★だが能登半島地震の復興を理由にするのは千載一遇のチャンスとばかり、官邸は水面下の根回しを始めていたところに、高市プランのように出されると否定せざるを得ない。案の定、高市発言に日本維新の会代表・馬場伸幸は早速「高市大臣の『万博を延期すべきである』ということが翻らないということになれば、政府は万博を予定通り推進していくということに変わりがないと表明されているので(高市が)政治家の信念で言い続けるのであれば、辞職をされるべきだ」と閣内不一致で攻め始めた。首相も高市の所管である機密情報に触れる権限を付与する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)制度」の今国会の提出で機嫌を取り「最終的には総理の判断に従う」という言質を取った。首相高市共通認識には万博延期経産省メンツを保ち、維新弱体化狙いがあるだろう。さまざまな駆け引きが動き始めた。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年02月01日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・01.11】:不祥事頻発「日本維新の会」が問われる万博の責任

2024-04-17 07:04:00 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【HUNTER・01.11】:不祥事頻発「日本維新の会」が問われる万博の責任

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・01.11】:不祥事頻発「日本維新の会」が問われる万博の責任 

 「昨年年を振り返ると、うちの党は躍進したが、粗製乱造の年でもあったと感じますわ」――そう苦笑いするのは、日本維新の会の国会議員だ。

 昨年12月月20日、奈良地裁の法廷にやって来たのは、奈良県斑鳩町で維新に所属していた元町議・大森恒太朗被告。地元の自治会費745万円あまりを着服して業務上横領で逮捕され、初公判が開かれた。維新にはこうした不祥事が後を絶たない。その維新に、失敗必至とみられる大阪・関西万博の責任が問われることになる。

                   ◇   ◇   ◇

 大森被告は神妙な顔で、「間違いない」と公訴事実を認めた。維新を除名になり、町議も辞職した大森被告だが、検察側の冒頭陳述などから維新在籍時にカネを着服していたことがが分かっている。

 そして年末。週刊文春が報じたのは、維新に所属する岬まき衆議院議員(比例東海)によるパワハラ騒動だ。岬氏については、本サイトで既報の通り、過去の参議院選挙出馬時に選挙公報に「虚偽」の経歴を掲載して、党から処分を受けた過去もある。

 岬氏は選挙公報に『亜細亜大学 非常勤講師、杏林大学 非常勤講師』と記していたが、当時、岬氏を推薦していた名古屋市の河村たかし市長率いる地域政党「減税日本」が大学に問い合わせたところ、在籍していないとの回答を得ていた。岬氏はそれを誤魔化そうとしたのか、支援者にこんなメールを送信し、拡散させている。

《私は亜細亜大学では国際関係学部、杏林大学では総合政策各部にて年生を主対象にインターン直前、就活のビジネスマナーやコミュニケーションの単位に関わる正式な授業のコマ講義として担当いたしました》

 だが、その中に「非常勤講師」という肩書はない。書けなかった、と見るべきだろう。

 岬氏は経歴詐称問題で、名古屋地検特捜部に刑事告発までされた程だ(嫌疑不十分で不起訴)。素行にも問題があるようで、岬氏の元秘書がこう話す。

 「岬は、2021年の衆議院選挙で当選してから女王様のように振舞い、勘違いした言動で秘書が次々に辞めさせられ、問題になっているんです。彼女のパワハラはじつに理不尽なもの。車の渋滞で1分到着が遅れただけで『どこ見ているの、遅れている。それで秘書なのか』と罵詈雑言。文春の記事にあったように、猛暑の中で『ポスターを10枚貼れ、終わるまで帰ってくるな』と命じて、ある秘書は熱中症になりました。気に入らないことがあると、秘書に土下座をさせて謝らせる。8人もの秘書が辞めていったというのも本当です。報酬を約束をしても、難癖をつけて支払わないなど、とても国会議員とは思えません」

 苦しめられたのは秘書だけではなかったうようで、SNS上には、岬氏の「被害者」とみられる人が警察に被害届を出したという趣旨の投稿が見られる。

 しかし、前出の維新議員によると、岬氏は「辞めた秘書に問題があるから仕方がない」「他の議員より厳しいかもしれないが、普段からきつくしないと選挙になるとよけいに大変だ」などと抗弁し、周囲を呆れさせているという。岬氏がそうした強気に出る背景には別の理由があるともいう。岬氏の選挙区である愛知5区の地方議員が舞台裏を明かす。

 「経歴詐称疑惑が浮上した時に、岬さんを議員辞職させるべきという声もあった。しかし、なぜか軽い処分になった。馬場伸幸代表や柳ヶ瀬裕文総務会長らにすり寄って、なんとか助けてもらったと聞いている。岬さんがこだわっているのは、維新という組織ではなく議員バッジ。愛知5区で当選していたのは自民党の神田憲次衆議院議員だが、税金滞納で財務副大臣を更迭されたばかり。地元の自民党のボスが神田氏を引きずり下ろし、岬氏を維新から自民党に鞍替えさせて出馬させたいとの意向があるからです」

 愛知政界の「ドン」として知られるのは水野富夫県議。県議会議長も務めた当選11回の重鎮だ。水野氏の事務所には毎朝、市役所や県庁職員、地元企業などの「陳情」で行列ができるといい、テレビでその模様が放映されたこともある。その水野氏と岬氏には、接点がある。

 「岬さんの地元事務所も自宅も、水野県議に近い業者が用意したものですからね。それに水野県議は神田代議士を徹底的に嫌っているので、岬擁立はあり得ない話でではない。岬さん自身、維新ではトラブルメーカー。統一地方選前には、なんら決定権がないのに候補者の面接を行って『なぜそんなことしているのか』と批判の嵐でした。つまり維新では、総スカン状態。自民党から誘いがあれば、彼女としては願ったりかなったでしょうね」(前出・地方議員)

 ハンターで報じたように()昨年5月、維新所属だった笹川理大阪府議が、同じ維新の宮脇希大阪市議へのセクハラ、パワハラで離党を余儀なくされた。維新はその後、「ハラスメント調査」を実施し14件の申告があったという。しかし、半年以上経過しているにもかかわらず、いまだに調査結果は公表されていない。大阪維新の会の幹事長でもある大阪市の横山英幸市長は、記者会見で「年内を目指しています」と説明していたが、年が明けても調査結果が公表される兆しはない。

 所属議員による不祥事が後を絶たない維新だが、代表の馬場氏をはじめ幹部に反省の姿勢は見られない。この無責任政党が主導して決まったのが問題山積の大阪・関西万博。インフラ整備を含め1兆円前後のカネがかかるイベントは既に破綻寸前となっており、維新の責任を問う声は日増しに高まっている。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・日本維新の会・大阪・関西万博】  2024年01月11日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【選挙・衆院東京15区補選】:政治にはカネがかかると言われても…不祥事が続く江東区の有権者たちに渦巻く怒り、不信、モヤモヤ

2024-04-17 06:10:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【選挙・衆院東京15区補選】:政治にはカネがかかると言われても…不祥事が続く江東区の有権者たちに渦巻く怒り、不信、モヤモヤ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【選挙・衆院東京15区補選】:政治にはカネがかかると言われても…不祥事が続く江東区の有権者たちに渦巻く怒り、不信、モヤモヤ

 16日告示された衆院東京15区補選。自民党の政治資金パーティ裏金事件で政治不信が高まる中、選挙区の江東区は政治とカネを巡る事件が相次いでいることもあり、有権者は各候補者の姿勢を見極めようと厳しい視線を注いだ。(衆院補選取材班)

 ◆「人の心をカネで買ってはいけない」

 複数の候補が演説したJR亀戸駅前。これまで地域に根差してきた人に投票してきたというアパート経営者の目黒和彦さん(75)は、候補者を見て「知っている人はあまりいない」とぽつり。政治にある程度お金がかかることには理解を示しつつ「陣中見舞いと買収の線引きはあいまいだけど、人の心をお金で買っちゃいけないよね」と指摘。「政治とカネ」を巡る問題には、「透明性が必要」と話した。
 
衆院東京15区補欠選挙が告示され、街頭演説に集まった有権者ら

衆院東京15区補欠選挙が告示され、街頭演説に集まった有権者ら

 買い物帰りの主婦(70)は「買収など悪いことにお金が使われている。政治にお金は必要ない」と断言。昨年4月の区長選を巡る公選法違反事件の不信感から、求めることとして「誠実にやってくれる人」を挙げた。駅前でバスを待っていた無職男性(74)は、候補者たちを見て「自分たちの利益のために出馬しているのではないか」とピシャリ。「不正に厳しい姿勢で望んでいるような人はいない」と話した。

 ◆「どの候補も自分はクリーンだと言う」

 仕事先へ向かうために同亀戸駅にいた会社員男性(61)は、新人候補の街頭演説に足を止めた。「選挙しなければいけなくなった理由である自民党の候補が出ないことで、論点がぼんやりした選挙になっているのは残念」と指摘。「どの候補も自分はクリーンな候補だと言う。消去法で選んでいくしかないかな」とぼやいた。

 公職選挙法違反罪で有罪判決を受け、議員辞職した柿沢未途氏の地元、門前仲町近くに住む高橋京子さん(68)は「国民の収入が減っているのに、物価高や増税で出ていくお金が増えた。なのに政治家は大金を動かしていい思いをしている」と憤る。「政治にお金は必要だけど、きちんと都民に還元してほしい」と願った。

 ◆「問題ばかり、区民として恥ずかしい」

 昼前に富岡八幡宮そばの商店街を歩いていた菅沼悦子さん(75)は年金暮らし。「政治にお金はある程度は必要だけど、選挙のために配ってはだめ。正しく使ってくれないと」。クリーンな政治を訴える候補者の演説を聞いても「今は良いことを言ってるけど、そのうちみんな長いものに巻かれてしまうんじゃないか」と不信感を募らせた。
 
衆院東京15区補欠選挙が告示され、街頭演説に集まった有権者ら

衆院東京15区補欠選挙が告示され、街頭演説に集まった有権者ら

 東京メトロ東陽町駅近くで買い物に向かう途中だった無職掛川佳子さん(71)は「江東区では問題を起こす人ばかりというイメージが付いて区民として恥ずかしい。選挙や政治になぜそんなにお金がかかるのか理解できない。選挙は候補者の人柄をじっくり見て、立派で尊敬できる人を選びたいが、こう不祥事ばかり続くと何を信じたらいいのかわからない」と困惑した様子だった。

 ◆「他候補の批判、どこを向いているのか」

 また仕事の休みで区役所を訪れた男性会社員(61)は「政治にはカネがかかるから裏金の問題が起きたのだろう。全て収支報告書に記載して国民にオープンにし、誰に見られても大丈夫な活動をすべきだ」と強調した。
 
 同区東陽の交差点で午前、諸派新人の訴えを見ていた同区深川の自営業楢崎太郎さん(60)は「選挙をやるのには金がかかり、政治に金はある程度必要だと思う」と話す。一連の政治とカネの問題については「けしからん」と怒り、区では不祥事が原因で選挙続きとなっていることに「いいかげんにしてほしい」とぼやいた。
 
 近くの自営業女性(61)は「政治に金が必要ではいけない」ときっぱり。「金が必要なら、お金を持っている人しか選挙に出られず、政治が限られた人だけのものになってしまう」と話す。各候補の訴えについて「他候補のネガティブな批判になっている。どこを向いているのかわからない」とぼやいた。

 ◆「カネをかけるしかできない政治は変えねば」

 同区東陽の公園で午前、子どもを見守っていた近くの主婦、櫛部日花(はるか)さん(26)は政治と金について「選挙などである程度必要かもしれないが、一般市民から見たら金額的には大きいと思ってしまう。収支を明確にしてほしい」と話す。「働いている人も育児をしやすい環境を整え、子どもに優しい社会になってほしい」と候補者に期待した。
 
候補者と握手する支持者

候補者と握手する支持者

 午前9時半ごろに諸派新人が政治刷新を訴えていた都営地下鉄門前仲町駅近くで、無職佐藤和之さん(83)は「カネをかけた政治しかできない今の政権は変えないといけないんじゃないかと思う」と話した。国政選挙では自民党の候補に投票をしたこともあったが「報道をみていると、今のままでは何も裏金の問題は根本的には変わらないと思った」といい、これまでとは違う候補に投票しようと考えているという。

 ◆「みんな大変だからクリーンな人を」

 午前10時ごろに同駅近くで散歩をしていた女性(47)は「政治家は政治にはお金が必要だと言われても、おかしな使い方をしているお金も絶対にあると思うし、賛成できない」とあきらめ顔。投票に行くかどうかも含めてまだ決めていないという。
 
 午前11時すぎ、無所属候補者の事務所前を通って毎日買い物に行くという江東区の無職保坂節子さん(82)は足を止め、道路に停車中の選挙カーを眺めていた。「若い人がマンションのローンとか、子育てにお金がかかるでしょう。みんな大変だから、お金にクリーンな人を選びたい」と話した。政治にカネは「ある程度、必要だと思う。子育てや高齢者福祉に使ってほしいね」。

 ◆「政治改革より政治家改革が必要」

 午前11時半ごろ、東陽町駅近くで候補者の演説を聴いていた無職の男性(80)は「事務所をいくつも運営するためには一定の金が必要だと思う」と一定の理解を示すものの、相次ぐスキャンダルに「政治家はどこかに下心があるのではないかと思ってしまう。金の使い方が汚い人は絶対選びたくない」と語った。
 
 昼過ぎ、江東区役所に手続きに来た契約社員の鈴木昇治さん(55)は「裏金というけど、何のために使ったのか、詳細を明らかにできるなら問題ないと思う」。「使い道によっては政治にカネは必要。国会議員なら国のために、国際平和のために働いて」と注文した。
 
街頭で候補者の演説に耳を傾ける人たち

街頭で候補者の演説に耳を傾ける人たち

 午後2時ごろ、買い物帰りに豊洲駅近くで演説を聴いたパート従業員の越後良美さん(69)は「裏金問題も庶民なら逮捕されてもおかしくない話。どれほど金が欲しいのかと思う。政治改革よりも政治家改革が必要」とあきれた様子だった。
 
 午前11時半ごろ、東京メトロ豊洲駅前で新人の演説を子連れで聞いていた主婦(38)は「今の政治は不均衡。それが自民党とカネの問題にもつながっている」と話した。政治活動の資金は「議員が政策や成果を分かりやすく発信するためなどに必要」とした上で「正しく使って」と求めた。

 ◆「領収書は1円単位まで出してほしい」

 昼前、演説会場の近くにいた無職の増田勝重さん(77)は「投票の決め手がない」と困り顔。政治とカネの問題には「国会議員は自分たちに都合の良い法律を作っている。税務監査を民間と同じように厳しくやってほしい」と批判し、政治活動に資金は必要と認めるが「領収書は1円単位まで出してほしい。政治資金パーティーなんか必要ない」と注文した。
 
 会社役員女性(66)は「野党にも与党にも期待できない」、無職の男性(85)も「50年以上、投票してきたけれど今回は行かない。政治は当てにならない」と政治への不信感を口にした。
 

  元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【選挙・16日告示された衆院東京15区補選】  2024年04月17日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:衆院3補選 不戦敗が自民の劣化を物語る

2024-04-17 05:01:55 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説①】:衆院3補選 不戦敗が自民の劣化を物語る

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:衆院3補選 不戦敗が自民の劣化を物語る

 政権を担う政党が、選挙で有権者に選択肢を示せないのはあまりにふがいない。かといって野党への期待が高まっているとも言い難い。 

 今回の補欠選挙の構図は、日本の政治がいかに深刻な状況に陥っているかを物語っている。

 衆院東京15区、島根1区、長崎3区の補選が告示された。自民党の派閥の政治資金規正法違反事件が表面化してから、初の国政選挙だ。来年10月の任期満了までに行われる次期衆院選の前哨戦にも位置付けられている。

 選挙結果は、岸田首相の解散判断だけでなく、内閣の命運にも影響を与えそうだ。

 自民は、元議員が政治とカネの問題で辞職した東京15区と長崎3区については劣勢とみていずれも不戦敗とし、細田博之前衆院議長の死去に伴う島根1区だけ新人を擁立した。島根1区は、立憲民主党の候補と一騎打ちとなった。

 東京15区では、立民や日本維新の会のほか、小池百合子東京都知事に近い政治団体が擁立した候補らが乱立した。長崎3区は立民、維新の野党対決となった。

 不戦敗は、国民に選んでもらうに値しない、と自ら認めたことになる。信頼を取り戻したいのであれば、不祥事を反省し、なすべき改革を断行したうえで、候補者を擁立して地道に支持を訴えていくのが筋だろう。

 つい最近まで「1強」と呼ばれた自民が つまず いた原因は、派閥の政治資金規正法違反事件だ。ただ、事件を踏まえ、真相解明や法改正に誠実に取り組んでいれば、ここまで党勢が衰退することはなかったのではないか。

 一方、立民など野党も不満の受け皿になれていない。

 野党は、原則非公開の政治倫理審査会へのテレビ入りにこだわった。安倍派の議員らを追及する場面を中継して自民を おとし めようとしたようだが、独自の追及材料もないため解明が進まず、かえって国民の不満を高めてしまった。

 少子化対策など社会保障に関しては、負担増に反対するばかりだ。大衆迎合的な主張は、国民に見透かされていよう。

 読売新聞の全国世論調査では、「支持政党なし」と答えた人が2か月連続で5割を超えている。昨年10月に行われた衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の両補選とも、投票率は過去最低だった。

 無党派層の増大や低投票率は、政治が有権者に見放されつつあることを示している。その責任は与野党双方にある。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年04月17日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:元通訳の訴追 62億円失った賭博の底なし沼

2024-04-17 05:01:50 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【社説②】:元通訳の訴追 62億円失った賭博の底なし沼

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:元通訳の訴追 62億円失った賭博の底なし沼

 勝った時の快感が忘れられず、やめられない。負けを取り返そうと、かえって借金を重ね、その挙げ句、平気でウソをついて信用を失う。

 ギャンブル依存症の怖さをまざまざと見せつけられた。

 米連邦検察は、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の元通訳、水原一平容疑者を大谷選手の銀行口座から1600万ドル(約24億円)以上をだまし取った銀行詐欺容疑で訴追した。

 発表によると、水原容疑者は違法なスポーツ賭博で生じた借金を返すため、大谷選手に無断で送金を続けていた。賭けの回数は、2年余りで計約1万9000回に及んだという。1日平均25回という信じがたい頻度である。

 勝ちは総額約1億4200万ドル(約218億円)、負けは約1億8300万ドル(約280億円)に上った。賭博で約62億円を失った計算になる。水原容疑者が賭博にのめり込み、金銭感覚をマヒさせていった様子がうかがえる。

 勝負に負けると、「最後にもう一回だけ」と、賭けの限度額引き上げをブックメーカー(賭け業者)側に懇願していた。負けを取り返そうと、深みにはまっていく典型的なパターンだと言えよう。

 不審な送金が露見しないよう、大谷選手になりすまして、銀行に電話をかけた。会計士や代理人に口座の確認を求められると、「大谷選手が非公開を希望している」などと説明し、拒否していた。

 賭博を続けるため、犯罪にまで及んだことをどうにか隠そうと、ウソにウソを重ねたのだろう。

 賭け業者側は、水原容疑者と連絡が取れなくなると、「大谷選手のところに行って、どうすればお前と連絡が取れるか聞いてみようか」と脅しをかけた。

 追い詰められた水原容疑者は、借金を肩代わりしたことにするよう、大谷選手に口裏合わせを依頼したが、断られた。破滅するまでやめられないところに、ギャンブル依存の深刻さがある。

 国内では、公営ギャンブル以外の賭博は禁止されている。しかし近年は、スマートフォンでいつでも賭けられる違法なインターネットカジノが横行しており、依存のリスクは高まっている。

 海外には、選抜高校野球の試合結果を予想するスポーツ賭博サイトまで開設されている。

 日本でも一時、スポーツ賭博の解禁を求める動きがあった。安易に導入すれば、どのような結果を招くことになるか。今回の事件は、明確に示している。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年04月17日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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