路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【中山知子の取材備忘録・12.25】:「首相退陣はサミットの日本開催年に多い」岸田首相が永田町あるあるジンクスに臨む2023年

2023-01-31 07:45:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【中山知子の取材備忘録・12.25】:「首相退陣はサミットの日本開催年に多い」岸田首相が永田町あるあるジンクスに臨む2023年

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・12.25】:「首相退陣はサミットの日本開催年に多い」岸田首相が永田町あるあるジンクスに臨む2023年

 2022年も残り1週間。永田町をめぐっては今年、安倍晋三元首相の銃撃死という衝撃的な出来事が起き、この銃撃事件を機に自民党をはじめ国会議員と旧統一教会との関係が表面化。野党や世論に押し切られる形で、旧統一教会の被害者救済新法成立に動いた岸田政権では閣僚の辞任ドミノが続いて大ピンチに陥ったが、支持率が急落した低空飛行のまま岸田首相は政権運営を続けている。

岸田文雄首相(2022年7月18日撮影)
岸田文雄首相(2022年7月18日撮影)

 年末恒例の大仕事である2023年度当初予算案が閣議決定され、国会ははや、年末年始モード。各所で「良いお年を」の声が聞かれるが、「政治とカネ」の秋葉賢也復興相の交代(という名の更迭)に、首相がいつ踏み切るかという大きな宿題がまだ残っている。年の瀬まで、閣僚の「辞任ドミノ」でばたつきそうな様相で、今年の岸田政権を象徴するような景色だ。

 来年2023年は、5月に岸田首相がが地元の広島で議長を務めるG7サミットが予定される。首相の思い入れは並々ならぬものがあるとされるが、「悲願」でもある広島サミットを機に、政治が動き始めるかもしれない。

 というのも、永田町には「日本でサミットが行われる年には政権が替わる」というジンクスがあるからだ。首相はそのジンクスに直面することになる。

 時の首相や政権に絡む永田町のジンクスといえば、「子(ね)年の政変」「中日がリーグ優勝した年は時の政権が退陣」「首相公邸に入居した首相は短命」などいくつかあり、実際そのとおりになったケースがかなり多い。近々では「日本で五輪開催の年→時の政権が退陣」が話題になったが、1964年東京大会の池田勇人氏、1972年冬季札幌大会の佐藤栄作氏、1996年冬季長野大会の橋本龍太郎氏に続き、1年遅れで東京大会が行われた2021年、菅義偉前首相が退陣して就任したのが、岸田首相。実際の開催年だった2020年も安倍氏が退陣しており、「永田町と五輪のジンクスは生きていた」と大きな話題になった。

 「サミット開催年に政権が替わる」のジンクスについて、過去のケースを見ると、

 ▼1993年(平3)東京サミット 宮沢喜一首相が退陣、非自民の細川連立政権が誕生。自民党が下野

 ▼2000年(平12)沖縄サミット 開催準備を進めていた小渕恵三首相が急逝し、森喜朗内閣が誕生

 ▼2008年(平20)洞爺湖サミット 福田康夫首相がサミット後に退陣し、麻生太郎内閣が誕生、という流れだった。

 前回2016年(平28)の伊勢志摩サミットは、「安倍1強」の第2次安倍政権で、このジンクスは当てはまらなかった。また、日本で最初に行われた1979年(昭54)東京サミット、次の1986年(昭61)東京サミットも開催年に首相の退陣はなかったが、開催翌年に時の首相(大平正芳氏、中曽根康弘氏)がそれぞれ交代、退陣(大平氏は参院選中に急死)している。日本でのサミット開催と政変の関係は、全くないとは言い切れないのだ。

2016年の伊勢志摩サミットの際、報道陣に配布された記念品。日本開催ということで日本酒や熊野筆などがあった(2016年5月撮影)
2016年の伊勢志摩サミットの際、報道陣に配布された記念品。日本開催ということで日本酒や熊野筆などがあった(2016年5月撮影)

 岸田首相は今月に入って、防衛費増額をめぐる増税をはじめ、次世代原発の開発や建て替えの推進、既存原発の60年超の運転を認める方針を含め、政府の原発政策の基本方針大転換に踏み切るなど、賛否が割れる政策にどんどん着手。「支持率の低い首相がやるとは」「支持率が低いから割り切っているのでは」などの声が出る中、その「突き抜け方」の背景に、関心が集まっている。

 ただ、首相を取り巻く環境が厳しいのは変わりはない。2023年も苦しい政権運営が続けば、「サミット花道論」が出かねないとも、永田町ではささやかれている。「日本開催サミット年の政変」というジンクスをクリアするのか、足もとをすくわれるのか。広島サミットは5月。そんなに時間はない。【中山知子】

 中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2022年12月25日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・12.18】:岸田首相、ガス抜きしても「党高政低」で紛糾した防衛増税議論 説明力という決定打欠如

2023-01-31 07:45:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【中山知子の取材備忘録・12.18】:岸田首相、ガス抜きしても「党高政低」で紛糾した防衛増税議論 説明力という決定打欠如

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・12.18】:岸田首相、ガス抜きしても「党高政低」で紛糾した防衛増税議論 説明力という決定打欠如 

 岸田文雄首相が、一気呵成(かせい)にまとめようとした防衛費増額をめぐる増税方針が、自民党内の3日間の議論でもまとまらず、結論を先送りした生煮え&玉虫色の決着で、年内の党内バトルの幕を閉じた。岸田首相側と、自民党の「今の増税は反対」議員側の双方の顔が立つ形を取ることで、形の上ではまとまったように見えるだけで、議論の方向性はまとまっていない。「15日の決着ありき」という、増税方針とまったく同じ、中身ではなく表面的な見え方を優先した岸田首相と、首相方針への反対、疑問が渦巻く党内。増税の時期は来年決めることになり、来年も議論を続けるという落としどころに落ち着いただけだった。

「岸田ノート」に記された国民の声はどう生かされているのだろうか(2021年10月撮影)

 「岸田ノート」に記された国民の声はどう生かされているのだろうか(2021年10月撮影)

 自民党で行われた所属議員が意見を言える計3日間の会合では、怒号が飛び交う日もあった。「やるべきではない」「無理がある」「あり得ない」。反対派の議員が開いた会合では「不信任に値する」と、野党のような発言もあった。

 政権と自民党の力関係を、気象予報に例える形で第2次安倍政権時に定着したワード「政(政権)高党低」とは対照的に、「党高政低」といわれる力関係の変化がにじんだ機会でもあった。

 賛否さまざまな意見があっても、最後はまとまるというのが、自民党で長く続いてきた「伝統のお家芸」だが、今の状態では、来年、またもめることは避けられない。もめごとが先送りされただけだ。そもそもこの3日間の議論も、反対派の議員に持論を言わせる「ガス抜き」の場。過去にも党内対立があった議題でも同様の対応はあったが、2日目の議論の際には「官邸は、我々(反対派)の体力が消耗するのを待っているのだろう」という声も聞いた。日に日に賛成派の議員の出席が増えるなど、表面的な決着ありきの舞台は、しつらえられていた。

 自民党のように所属議員の多い政党の人は、数の力の大切さを知っている。前述した、まとまっていなくても表向きはまとまったように見せる「伝統芸」は、酸いも甘いも知り尽くした自民党ならではだと思っている。逆に、政権時代に消費税増税をめぐって党内議論がまとまらず、結果的に分裂した旧民主党を取材していた頃は、日付が変わってもまとまらない党内議論を、会議室前の廊下に座って待ち続けたものだった。

岸田首相の防衛増税方針を受けて開かれた自民党政調全体会議では、異論が噴出(2022年12月9日撮影)
岸田首相の防衛増税方針を受けて開かれた自民党政調全体会議では、異論が噴出(2022年12月9日撮影)

 政治には「落としどころ」が大切といわれる。それでも、今回ばかりは「いい落としどころではない」と話す自民党議員もいた。

 今回の党内バトルを生んだのは、ひとえに岸田首相の説明が足りず、根回し不足が一因だった。水面下での党幹部へのさまざまな働きかけはあったようだが、それが自民党内、ひいては国民に伝わる時間はほとんどなかった。「防衛」も「増税」も、日本人にとってはともに、敏感になってしまうキラーワード。これがダブルで重なった「防衛増税」だけに、突然首相の指示、方針表明があればびっくりするのも無理はない。

 耳に痛い話でも、昨今の国際情勢を考えれば、防衛力を進化させることに、耳を傾ける向きもあるはずだ。方針表明から決定まで1週間ではなく、増税の話であっても正面から正々堂々と説明を続けていたら、もう少し風向きも違ったのではないかと感じる。

 岸田首相は「聞く力」を重視し、12月8日に、サッカー日本代表の森保一監督の「森保ノート」と交換した「岸田ノート」に、国民の声を書き留めているのが売りだった。書き留めるのは、聞いた内容を実現に向けて参考にするためだろうが、もしかしたら今は聞きっぱなしの状態ではないだろうか。聞きっぱなしでは、自身の血肉になって、それを自身の言葉とする機会も限られてしまう。

 岸田首相の「話す=説明する力」の不足は、今回に限ったことではない。安倍晋三元首相の国葬になぜ踏み切ったのか問題の際にも批判が出たし、臨時国会で続いた大臣3人の更迭の際にも、更迭という重い判断をした割には、納得のいく説明を口にしなかったように感じる。日々の国会答弁も同様だった。

 支持率下落からV字回復の見通しがたたないまま、2022年末を迎えている岸田首相。身内をきちんと説得した上で、それを正々堂々と国民に説明することができなかった今回の「自民党防衛増税劇場」は、岸田首相の説明力のなさをまた露呈した機会になってしまったように感じる。【中山知子】

 中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2022年12月18日  11:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2023年01月29日 今日は?】:日本観測隊が南極上陸、昭和基地を開設

2023-01-31 00:00:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2023年01月29日 今日は?】:日本観測隊が南極上陸、昭和基地を開設

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2023年01月29日 今日は?】:日本観測隊が南極上陸、昭和基地を開設

 ◆1月29日=今日はどんな日

  日本観測隊が南極上陸。昭和基地を開設(1957)

第一次南極地域観測隊の上陸地点
福島ケルン
昭和基地
SYOWA STATION signboard.jpg
19広場に立っている昭和基地の看板。後ろは管理棟(2018年12月撮影)

 ◆出来事

  ▼政府が初の戸籍調査を実施。日本の総人口3311万人(1872)▼ノルディックスキー・ジャンプで高梨沙羅がW杯通算50勝を達成(2017)

 ◆誕生日

  ▼岡村孝子(62年=シンガー・ソングライター)▼HYDE(69年=L’Arc~en~Ciel)▼濱口優(72年=よゐこ)▼きゃりーぱみゅぱみゅ(93年=歌手)▼向井地美音(98年=AKB48)▼平野紫耀(97年=King&Prince)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2023年01月29日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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