【政界地獄耳・12.30】：なんとなく続いていく岸田政権
『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【政界地獄耳・12.30】：なんとなく続いていく岸田政権
★首相・岸田文雄は無理を通すタイプでもなければ、党内でも強烈なタカ派でもない。それでも歴代政権が着手できないでいた政策を瞬く間にまとめ上げている。「経産省に牛耳られていた官邸の秩序が財務省に変わっただけと思うかもしれないが、官邸主導で役人の“失われた10年”に終止符を打ち、役所の政策を進めてくれる従来型の自民党政治に戻したことは特筆すべき」（自民党議員）。なるほどそういう見方もあるのかと思うが、その分国民の人気は芳しくなく、人気浮揚策は自ら任命した閣僚らを順次更迭という自分の足を食って生きながらえている状況だ。
★財務省は安倍政権の大盤振る舞いとコロナ禍で財源が乏しくなり、増税のタイミングに頭をひねっていたが、岸田はあっさり解決、防衛費増強は国民の後押しもあり防衛省のみならず米国軍産複合体に支えられる米バイデン大統領にも評価され、原子力発電所の稼働期限延長や新増など経産省がびくびくしていた案件もあれよあれよとまとめ上げた。安倍・菅政権という長期政権の後、就任して1年で衆院選挙、参院選挙といずれも勝利し、党内に文句が出ないようになるまでは昼あんどんのように振る舞っていたものの、今年後半からは官僚の信頼と期待を受け、大きくかじを切ったといえる。
★一方、岸田も従来の官僚の振り付け通りにしていけば、外堀を埋め尽くした後の最終決断に政治力や政治判断を使えば指導力があるかに見え、ある程度の実績が見込めることを念頭に支え合う関係ができたといえよう。この相互関係は大きく政策や政権がぶれることなく安定感を呼ぶ。むろん党内には反発も出るだろう。しかし、今、総理・総裁の権力を乗り越えるだけの力を持ち合わせている党内勢力は皆無だ。結果、岸田政権はなんとなく続いていくのかもしれない。（K）※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。（文中は敬称略）
元稿：日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 ２０２２年１２月３０日 ０７：５６：００ これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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