路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【注目の人 直撃インタビュー】:松原文枝監督が見た“ハマのドン”藤木幸夫氏 カジノ阻止「決めるのは市民」と最後までブレず

2023-05-01 06:30:50 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【注目の人 直撃インタビュー】:松原文枝監督が見た“ハマのドン”藤木幸夫氏 カジノ阻止「決めるのは市民」と最後までブレず

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【注目の人 直撃インタビュー】:松原文枝監督が見た“ハマのドン”藤木幸夫氏 カジノ阻止「決めるのは市民」と最後までブレず

 ◆松原文枝(映画「ハマのドン」監督)

 2年前の夏、横浜で「カジノ誘致」の是非を争点にした市長選が行われ、反対派の市長が誕生。当時の菅首相退陣の引き金になった。菅首相に反旗を翻した「ハマのドン」を追ったドキュメンタリー映画が来月5日から公開される。日本にカジノはいるのか、民主主義とは、保守とは何なのか、などさまざまなテーマが浮かび上がる。監督に話を聞いた。

<picture>映画「ハマのドン」監督の松原文枝氏(C)日刊ゲンダイ</picture>

 映画「ハマのドン」監督の松原文枝氏(C)日刊ゲンダイ

              ◇  ◇  ◇

 ──本作はテレビドキュメンタリーとして放送され、数々の賞を受賞し映画化となりました。取材しようと思ったのは?

 当時も今も社会の状況は変わっていないと思うんですが、「忖度」だとか、物を言えば何らかの不利益を被る。霞が関の役人が飛ばされたり、政治家は小選挙区の公認権があるから、総理総裁に物を言えない。そんな中で、権力側にいた人が権力に対して立ち向かうのは、普通じゃなかなかできないことです。

 負ければひどい仕打ちを受けるのに、カジノ政策を進めてきた菅さんのお膝元で、藤木さんがよく「反対」と言ったなと驚きました。世論の反対が大きいにもかかわらず、カジノ解禁法も実施法も強行採決で通している。安保法や共謀罪など、いろんな法律が「選挙で勝てば民意を得たり」みたいなことで強引に決めていた状況だったので、はっきりと物申す人が出てきたことを描きたいなと思ったんです。

 ──藤木さんは神奈川県で一番古い自民党員なんだそうですね。

 自民党員だし、なにより権力者ですよね。映画にそのシーンがあるのですが、新年会に行くと、衆議院議員も参議院議員も県会議員も市会議員も、藤木さんを前に壇上で1列になって深々とお辞儀をする。1列でも収まりきらず、次から次へと挨拶にやってくる。それだけ権力側にいるわけです。そんな権力者が最高権力者に対して、反旗を翻す。その時は官房長官でしたけど、これは本当に驚きでした。

 ──藤木さんと菅さんはどこかで手打ちをするだろう、という臆測も出ていました。そんな危惧はありましたか?

 菅さんが総理に就任する前の2020年8月に、藤木さんに挨拶に行って、一緒に撮った写真が雑誌に出た。これでカジノも進むだろうみたいな記事もあったんですが、後で聞いたら、カジノの話は何ひとつ出ていなかった。一番ドキドキしながら撮っていたのは、小此木さん(菅内閣で国家公安委員長)が横浜市長選に出馬表明した時です。からめ手というか、奇策というか。主張を百八十度変え、カジノ反対を掲げて出てきたわけですから、すごい衝撃でした。

 藤木さんと小此木さんの関係は深い。菅さんとの全面対決も避けられます。多くの関係者が藤木さんは小此木さんを推すんじゃないかと言い、その可能性は十分あるなとは思ったのですが、藤木さんに聞くと「カジノ撤回が決して保障されているわけではない」と受け止めていた。最後までブレなかったですね。

 ──なぜブレなかったのか?

 藤木さんの反対の理屈は明確かつ正論。「横浜市民が決めることだ」とずっと言ってきたんですよね。住民投票を求める19万筆を超える署名の力の大きさを、彼は感じ取ったんだと思う。住民投票の署名は、単に名前を書いてもらうだけじゃなく、住所と年齢も書き、印鑑を押す丁寧な作業です。それをコロナ禍で19万も集めてきたという力を、藤木さんは選挙をやってきたこれまでの経験からも実感していたと思うんですね。勝てる確信はなかった、と最後に聞いたら言っていましたが、あの19万を前に、引き下がれなかったんだと思う。

 ■カジノ業者は「日本に新たな弊害は不要」

 ──映画の大きな2つのテーマが「カジノ」と「民主主義」です。カジノについては、横浜は誘致撤回となりましたが、大阪は国が正式に認定した。映画に登場した、米国でカジノビジネスを仕事にしている日本人が「日本にカジノは必要ない」と断言していたのは、説得力がありました。

 彼は「日本支援」だと言って取材に応じてくれました。日本をいい国にしたいから、と。カジノを仕事にしているわけですから、よく話してくれたと思います。確かに彼らは儲かる。運営側にはものすごく利益が出る。一方で、彼はカジノで大負けした人たちがどういう状態になるのか、よく見ているんです。家をなくし財産をなくし、一家離散などの弊害が出ていることを知っている。「カジノをしたければ、米国やマカオに行けばいい。日本に新たな弊害を生み出す必要はないでしょう」と言うのです。

<picture>映画「ハマのドン」/©テレビ朝日</picture>

  映画「ハマのドン」/©テレビ朝日

 ◆目の前で政治が変わっていくのを学んだ

  ──民主主義については、「19万筆」の力のすごさですよね。主人公は藤木さんですが、住民たちの頑張りも大きかった?

 ものすごく大きかったですね。カジノを何とか阻止したいと、初めて運動し、選挙もやって。そもそも住民投票条例の署名を集めるために、一軒一軒、訪ね歩いた。映画で選挙ビラをポスティングしている場面があるのですが、夜8時ぐらいで夏だったけれどもう暗い。

 でも「まだ行きます」と隣の駅まで行ってポスティングを続けていた。何とかしたいという気持ちが人を動かす。そこに藤木さんという人が入ってくることで、さらに頑張ろうという気持ちになっていく。そんな光景が目の前で展開され、こうやって政治は変わっていくんだ、と私自身が学びました。

 ──ただ、それは藤木さんみたいな人がいたから政治を変えられたのでは? 他でも起き得るでしょうか?

 他でも起きて欲しいですね。横浜市民のカジノ反対の気持ちが強かったことと、やはり藤木さんの存在は大きかったと思います。91歳なんですよ。それで、あれだけのエネルギーで、あれだけの言葉を使って市民たちに呼びかける。それを継続的にやった。

 自民党の人が自民党に対して立ち向かっていく、という勝負をかけたところが、みんなを動かす力につながったと思う。他の地域であっても、同じようにリスクを取って動く人が出てくると、そこに力が乗り移って、次の力を生み出す。藤木さんのような保守の人の中にも、いまの政治のあり方はおかしい、と思っている人はいるでしょうしね。

 ■人を巻き込んでいく力

──保守の人たち、ですか?

 藤木さんを見ていて、なるほど、と思わせたのは、人を巻き込んでいく力。でも本来の保守ってそうですよね。考えに違いがあったとしても、何かの実現に向けて、人を巻き込んでいく。人を大事にするとか、地域を大事にするとか。藤木さんが「レディアンツ」という野球チームをつくっていましたけど、お互いが協力し合いながら社会をつくっていこうよ、みたいなものが、古き良き保守を体現していると思いました。

──そういう意味では、古き良き保守を思い出してくださいというメッセージでもあるわけですね。最近の自民党は本来の保守らしくない?

 「分断」ってしなかったじゃないですか。さまざまな意見を聞こうとか、大事にしようとか、あったと思うんですよね。今はちょっと考え方が違うと敵みたいな。違うんだから攻撃するとか。意見が違ってもいい、議論しましょう、という藤木さん的なるものが、少し前の自民党にはありましたよね。

 *この記事の関連【動画】もご覧いただけます。

 (聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)

▽松原文枝(まつばら・ふみえ) 1966年、青森県生まれ。90年東京大学卒。金融機関を経て、91年テレビ朝日入社。92年政治部・経済部記者。2000年からの「ニュースステーション」や「報道ステーション」ディレクターを経て、同番組のチーフプロデューサー。15年に経済部長、19年から総合ビジネス局イベント事業部イベント戦略担当部長。報ステ特集「独ワイマール憲法の“教訓”」でギャラクシー賞テレビ部門大賞。

【映画あらすじ】

 2019年8月“ハマのドン”こと藤木幸夫が横浜港をめぐるカジノ阻止に向けて立ち上がった。御年91歳。地元政財界に顔が利き、歴代総理経験者や自民党幹部との人脈、田岡一雄・山口組3代目組長ともつながりがあり、隠然たる政治力を持つとされる保守の重鎮だ。

 今の時代が、戦前の「ものを言えない空気」に似てきたと警鐘を鳴らし、カジノを推し進める政権中枢の時の最高権力者、菅首相と全面対決した。

 決戦の場となったのは21年夏の横浜市長選。藤木が懸けたのは、住民投票を求める署名を法定数の3倍をも集めた市民の力だった。裏の権力者とされる藤木が、市民とカジノ反対の一点で手を結び、「カジノ誘致」の国策阻止を成し遂げた。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・連載・「注目の人 直撃インタビュー」】  2023年05月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【人生100年時代の歩き方】:「めっちゃ儲かるやん」は本当? 売り上げ、納付金、年間来客数への素朴な疑問

2023-04-23 07:46:00 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【人生100年時代の歩き方】:「めっちゃ儲かるやん」は本当? 売り上げ、納付金、年間来客数への素朴な疑問

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【人生100年時代の歩き方】:「めっちゃ儲かるやん」は本当? 売り上げ、納付金、年間来客数への素朴な疑問

  大阪府と大阪市のカジノを含むIR(統合型リゾート施設)にゴーサインが出た。計画では、経済波及効果が年間1兆1400億円、雇用創出を年9万3000人としており、早くも関西経済界は「捕らぬ狸のナントカ」で電卓を叩いている。大阪府の吉村知事も「大きな一歩」と発言しているが、そんなにカジノって儲かるのか?

<picture>大阪IRのイメージ図(MGMリゾーツ・インターナショナル、オリックス提供)</picture>

 大阪IRのイメージ図(MGMリゾーツ・インターナショナル、オリックス提供)

              ◇  ◇  ◇

 大阪IRの整備計画に国のOKが出たことで、大阪府・市は当初の計画通り2029年の秋から冬ごろの開業を目指す。

 計画では敷地約49万平方メートルに総床面積は約77万平方メートル。目玉のカジノ施設は1カ所に限られ、面積も施設全体の3%以内に制限されることになった。カジノへの入場の際は、日本人と在日外国人は6000円(24時間)の入場料が徴収される。

 「IR全体の年間売り上げは約5200億円。来訪者は年間約2000万人を予定しています」(大阪府・IR推進局)

 年間約5200億円のうち、8割に当たる約4200億円をカジノで稼ぎ、残りの1000億円が総客室数2500室のホテル、レストラン、ナイトエンターテインメント、国際会議場利用料などの売り上げになる。

 大阪府・市にはIR事業者からの納付金が年間約740億円、さらにカジノ入場料約320億円の計1060億円が入ってくる見込みで、これを府と市で仲良く半分こする。住民福祉サービスやギャンブル等依存症対策(約14億円)、防犯や売買春抑止を含めた警察力の強化(約33億円)などに使っていく計画だ。また、年間来訪者2000万人のうち、約7割の1400万人は国内客となる見通しで、富裕層の訪日外国人を取り込むという当初の思惑からは大きく外れている。

 「今回は、世界最大のカジノ企業である米MGMリゾーツが資本参加する『大阪』が選ばれ、オーストリアのCAIが参加する『長崎』は“待った”がかかった。業界2位の米シーザーズ・エンターテインメントの『和歌山』、同3位の米ラスベガス・サンズの『横浜』の動きが今後どうなるかに注目です」(カジノ事情に詳しいジャーナリスト)

 “アメリカ”の威光が大きかったような気もするが、晴れて選ばれた大阪は大満足に違いない。なにしろ、1兆1000億円余りの経済効果が見込め、9万人を超す新たな雇用も生まれ、さらには年間1000億円超の納付金・入場料(ショバ代)も入ってくる。だが、それが「捕らぬ狸」にならないか、いくつか疑問点を挙げてみよう。

<picture>ラスベガスのある米ネバダ州でもカジノ税の税収は年間743.8億円(2016年度)/(C)日刊ゲンダイ</picture>

  ラスベガスのある米ネバダ州でもカジノ税の税収は年間743.8億円(2016年度)/(C)日刊ゲンダイ

 ◆年間5200億円の売り上げは多すぎないか?

 世界最大のカジノ企業「MGMリゾーツ・インターナショナル」でも、年間の売上高は約1兆3000億円(2021年)。ラスベガスのシティー・センターやベラージオ、MGMマカオなど世界中で複数のカジノを運営する企業だ。これに対し大阪IRは1施設で5200億円を稼ぐつもり。ちょっと無謀のような気もするが、実現すればいきなり世界4、5位のカジノ企業に躍り出る。MGMリゾーツはコロナ中も苦戦したが、2022年12月期も営業利益は17億ドル(約2300億円)の赤字だ。

 大阪IRの場合、大小50以上のカジノ施設があるマカオや同15カ所の韓国がライバルとなるほか、2021年に10兆円市場に達したオンラインカジノとも競争しなくてはいけない。

 ■1人6000円の入場料で客は入るのか?

 大阪IRは入場料だけを見ても、1人6000円で、年間約320億円の収入と試算している。国に半分の3000円を持っていかれるので、大阪府・市は1人3000円もらえる。入場者は6000円払った時点でかなりの負け額だが、そういう人が約1060万人(回)足を運んでくれて、ようやく320億円になる計算。1日当たり約3万人だ。

 前述の通り、カジノの面積は施設全体の3%に制限されるため、完成する施設は大規模パチンコ店が2つくらい入る程度のサイズ。そこに24時間営業とはいえ、訪日外国人とは別に1日3万人が詰めかけたら、ぎゅうぎゅう詰めどころの騒ぎではないはず……。

 ■年間約740億円の納付金は過剰では?

 大阪IRは事業者から徴収する認定都道府県等納付金を年間約740億円と見積もっている。カジノ施設の設置及び運営者から徴収するショバ代のことだ。

 ところが、首相官邸が公表している資料によると、ラスベガスのある米ネバダ州でもカジノ税による税収は年間743.8億円(2016年度=カジノ数は271施設)。このほか、スロットマシン(1台250ドル)やテーブルにかけるゲーミング税の77.8億円を足しても合計約820億円だ。

 現在の為替に直せば1000億円ほどになるが、大阪IRは同じくらいの金額を徴収できると思っている。繰り返すが、大阪IRは1つの施設だ。

 ■年間2000万人も客は来るのか?

 年間来訪者は日本人が約1400万人、訪日外国人が約600万人。カジノ目的だけの人もいるが、多くの人は会議やイベントで訪れることになるだろう。

 しかし、カジノとの二枚看板である「国際会議場」と「展示場」の広さは計画段階からどんどん削られ、国際会議場(大小10室)が延べ1万2960平方メートル、展示場(ホールA、B)は延べ2万平方メートル。両方を合わせても東京ビッグサイトの3分の1、幕張メッセの4分の1しかない。ちなみに、東京ビッグサイトの年間入場者数は約1400万人、幕張メッセが約700万人なので、大阪IRの年間2000万人がどういう基準で出したのか謎だ。

 大阪IRの初期投資額はおよそ1兆800億円で、約半分の5300億円をMGMリゾーツとオリックス、地元関西企業が出し、残りの約5500億円は銀行からの“借金”だ。「大阪にカジノができたら、めっちゃ儲かるやん」と思っている人がまだいたら、いま一度冷静になってみたい。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース マネー 【トピックスニュース・連載・「人生100年時代の歩き方」・大阪IR事業】  2023年04月23日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【主張】:大阪IR認定 懸念解消へ対策の徹底を

2023-04-15 05:03:50 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【主張】:大阪IR認定 懸念解消へ対策の徹底を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:大阪IR認定 懸念解消へ対策の徹底を 

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の第1号として、政府が大阪府市の整備計画を認定した。「観光立国」の起爆剤となることが期待されている。

 一方、ギャンブル依存症や治安悪化につながるのではないかとの懸念は根強い。政府と府市は十分な対策を講じ、地域に経済的な貢献ができる施設となるよう取り組まねばならない。

 府市は米大手MGMリゾーツ・インターナショナル日本法人とオリックスを中核株主とする「大阪IR株式会社」を事業者とし、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)に整備する。延べ床面積77万平方メートルのうち、カジノ施設は6・5万平方メートルで、6千人超を収容できる国際会議場や富裕層向けの高級ホテル、展示施設などを併設し、令和11年秋から冬に開業予定だ。

 府市は年間来場者数を約2千万人と見込み、年間売り上げは約5200億円と想定、その8割はカジノが占める見通しだ。経済波及効果は近畿圏で年間約1兆1400億円と試算する。

 懸念されるギャンブル依存症対策として、政府は関連法で日本人客の入場回数は週3回、28日間で10回までに制限する。外国人は入場無料だが、日本人からは1回6千円の入場料を徴収し、マイナンバーカードによる本人確認も必要だ。マネーロンダリング(資金洗浄)防止策として、100万円を超える現金とチップを交換した客の情報は事業者が国に報告することを義務付けている。

 政府は「世界最高水準の規制」をするとうたうが、負の側面も持つIRへの対応策に手抜かりがあってはならない。海外カジノの事例を徹底的に検証し、反社会的勢力が介入する隙を生まないよう万全の対策を進めるべきだ。

 カジノ誘致は平成21年、府知事だった橋下徹氏が構想を表明し、地域政党「大阪維新の会」が旗を振ってきた。9日投開票の大阪ダブル選は、維新IR反対派を寄せ付けずに完勝したが、得票のすべてがIR賛成いうわけではないだろう。府市住民理解を得られるよう、丁寧説明尽くさなければならない。

 一方、IR整備法が「最大3カ所」整備可能とした枠は埋まっておらず、長崎県の計画は審査継続となった。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年04月15日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説②》:大阪のIR計画認定 カジノ推進に尽きぬ疑問

2023-04-15 02:05:40 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

《社説②》:大阪のIR計画認定 カジノ推進に尽きぬ疑問

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:大阪のIR計画認定 カジノ推進に尽きぬ疑問

 そもそも賭博頼みで地域振興を図ろうという無理のある政策だ。新型コロナウイルス禍の影響を十分考慮しているようには見えない。立ち止まって考えるべきだ。

 大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)にカジノを含む統合型リゾート(IR)を整備する大阪府・市の計画を国が認定した。初の認定である。

 計画では、最大6000人以上収容の国際会議場や劇場なども設ける。年間売り上げ見込み約5200億円の8割程度をカジノが占める。

 IRは、第2次安倍晋三政権時代に観光戦略の目玉として法整備が進んだ。カジノのほかホテルや展示施設などを1カ所に集め、訪日客を呼び込む狙いだ。

 国は当初、最大3カ所での開設を想定し、多くの自治体が誘致を検討した。だが、ギャンブル施設を招くことへの住民らの反対は根強く、撤退が相次いだ。

 横浜市では誘致反対派の市長が誕生し、和歌山県議会も誘致案を否決した。手を挙げたのは結局、大阪と長崎県だけだった。資金調達面の課題が指摘される長崎の計画は今回、継続審査となった。

 統一地方選前半戦の大阪府知事・市長選ではIR誘致推進を掲げる大阪維新の会が勝利した。

 だが、毎日新聞の出口調査では誘致賛成53%、反対45%と民意は割れた。女性は反対が上回った。

 維新が掲げた「大阪都構想」では2度も住民投票が行われた。IRについても19万人以上の住民が署名で実施を求めたが、維新の影響力が強い府議会で退けられた。

 IRは法律で「民設民営」と定められている。だが、大阪の計画を巡っては、液状化などの土壌対策費約790億円を市が負担することになったため、不当な「優遇措置」だとして、住民らが訴訟を起こしている。今後、人工島の地盤沈下対策などで公費負担が増える可能性もある。

 コロナ禍で生活スタイルは一変した。テレワークやオンライン会議が広がった。大規模会議場のニーズや、カジノ目的の訪日客の動向など不確定な要素が多い。

 IRを巡っては、多くの問題が未解決のままだ。府・市は2029年の開業を目指しているが、このまま進むべきではない。再考する時間はまだ残されている。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年04月15日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【クローズアップ】:期待大 大阪IR、前途多難 整備計画 政府、初の認定

2023-04-15 02:05:20 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【クローズアップ】:期待大 大阪IR、前途多難 整備計画 政府、初の認定

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【クローズアップ】:期待大 大阪IR、前途多難 整備計画 政府、初の認定

 斉藤鉄夫国土交通相は14日、大阪府・市が提出したカジノを含む統合型リゾート(IR)整備計画を認定した。政府によるIR計画の認定は初めてで、カジノ開業に向けて大きく前進した。外国人観光客の入り込みなど、経済効果が期待される一方、候補地の地盤沈下の恐れやギャンブル依存症対策などの課題も残されている。

 

カジノを含む統合型リゾート(IR)が計画されている夢洲(中央下)=大阪市此花区で2022年2月、本社ヘリから加古信志撮影

カジノを含む統合型リゾート(IR)が計画されている夢洲(中央下)=大阪市此花区で2022年2月、本社ヘリから加古信志撮影

 ◆観光業への「起爆剤」狙い/会議誘致・集客は不透明

 日本初のIRとなる予定の大阪府・市の整備計画は2029年秋~冬の開業を目指し、年間来場者数を国内から約1360万人、海外から約630万人の計1990万人と見込む。国は30年の訪日客数の目標を6000万人と掲げており、政府の観光戦略にとって、目標達成に向けた「起爆剤」としての期待は大きい。担当の斉藤国交相は14日の閣議後記者会見で「IRが日本の魅力を世界に発信する観光拠点になるよう期待する」と述べた。

 政府は今年3月末に閣議決定した中長期に取り組む観光施策の方針を示す「観光立国推進基本計画」で、訪日客の増加と同時に「質的強化が必要」と明記。25年にインバウンド(訪日外国人)の1人あたり消費額を、新型コロナウイルス禍前の19年比で約25%増の20万円に引き上げる目標を掲げた。観光地の魅力を高めるとともに、海外の富裕層を取り込むことを前提としている。、残り2447文字(全文2998文字)

 ※この記事は有料記事です。「春得 最初の2カ月間は無料! 全ての有料記事が読み放題」 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。 いますぐ登録して、続きをお読み下さい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【クローズアップ】  2023年04月15日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【大阪IR認定】:観光の起爆剤か公費の浪費か 依存症対策も未知数

2023-04-15 02:05:15 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【大阪IR認定】:観光の起爆剤か公費の浪費か 依存症対策も未知数

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪IR認定】:観光の起爆剤か公費の浪費か 依存症対策も未知数

 斉藤鉄夫国土交通相は14日、大阪府・市が提出したカジノを含む統合型リゾート(IR)整備計画を認定した。政府によるIR計画の認定は初めてで、カジノ開業に向けて大きく前進した。外国人観光客の入り込みなど、経済効果が期待される一方、候補地の地盤沈下の恐れやギャンブル依存症対策などの課題も残されている。

 ◆コロナのような感染症が拡大すれば…

 日本初のIRとなる予定の大阪府・市の整備計画は2029年秋~冬の開業を目指し、年間来場者数を国内から約1360万人、海外から約630万人の計1990万人と見込む。国は30年の訪日客数の目標を6000万人と掲げており、政府の観光戦略にとって、目標達成に向けた「起爆剤」としての期待は大きい。担当の斉藤国交相は14日の閣議後記者会見で「IRが日本の魅力を世界に発信する観光拠点になるよう期待する」と述べた。

 

カジノを含む統合型リゾート(IR)が計画されている夢洲(中央下)。後方には梅田のビル群が見える=大阪市此花区で2022年2月、本社ヘリから加古信志撮影

カジノを含む統合型リゾート(IR)が計画されている夢洲(中央下)。後方には梅田のビル群が見える=大阪市此花区で2022年2月、本社ヘリから加古信志撮影

 政府は今年3月末に閣議決定した中長期に取り組む観光施策の方針を示す「観光立国推進基本計画」で、訪日客の増加と同時に「質的強化が必要」と明記。25年にインバウンド(訪日外国人)の1人あたり消費額を、新型コロナウイルス禍前の19年比で約25%増の20万円に引き上げる目標を掲げた。観光地の魅力を高めるとともに、海外の富裕層を取り込むことを前提としている。

 大阪のIRはカードゲームなどで遊べるカジノのほか、VIP向けの高級ホテルなども併設する。政府の基本計画が目指す通り、観光の「高付加価値化」で産業の育成につなげたい考えだ。日本総合研究所の石川智久・上席主任研究員は「IRは25年の大阪万博が終わった後の建設需要の反動減を和らげる効果がある。京都など周辺の観光地の滞在型リゾートの需要増も期待できるのではないか」と分析する。

 ただ、IRを観光戦略の柱に据えるにも課題は山積している。…、残り2197文字(全文2956文字)

 ※この記事は有料記事です。「春得 最初の2カ月間は無料! 全ての有料記事が読み放題」 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。 いますぐ登録して、続きをお読み下さい。

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 経済 【企業・産業・大阪府・市が提出したカジノを含む統合型リゾート(IR)整備計画を認定】  2023年04月14日  20:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【大阪IR】:計画は及第点 規模評価も経済推計に「粗さ」指摘

2023-04-14 22:49:30 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【大阪IR】:計画は及第点 規模評価も経済推計に「粗さ」指摘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪IR】:計画は及第点 規模評価も経済推計に「粗さ」指摘 

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)が国内で初めて、大阪で開設される見通しとなった。政府が14日認定した大阪府市のIR整備計画は、国土交通省の有識者審査委員会による千点満点の採点で657・9点を獲得。合格ラインが600点以上とされる中、何とか及第点に届いた形だ。評価されたのは施設規模や事業遂行力の安定性。一方で集客や経済効果の試算については「一部に過大推計となる粗さが見受けられる」と指摘された。

大阪IRの全体イメージ(MGMリゾーツ・インターナショナル、オリックス提供)

 審査委は竹内健蔵東京女子大教授が委員長を務め、経済や観光などの専門家7人で構成。非公開の会合を令和3年7月~今年4月まで27回にわたって開催した。審査対象は5分野25項目で、各項目に5~150点が配点された。

 審査報告書によると、審査項目「施設の規模」は配点10点で8・6点。大阪IRの規模(延べ床面積約77万平方メートル、敷地面積約50万平方メートル)は、シンガポールIR「マリーナベイサンズ」(同約60万平方メートル、同約19万平方メートル)などと比べて同規模以上と評価し「日本を代表する観光施設にふさわしい十分なスケールを有している」とされた。

 海外で有名IRを手掛ける「MGMリゾーツ・インターナショナル」とオリックスが事業者の中核株主となる点も、「MGMがIRの運営経験、オリックスが日本でのビジネス適合という点で補完し合う関係を構築している」として、事業遂行能力では配点50点中37・9点を与えた。

 「地域経済への効果」は配点50点で37・1点。計画が想定する約1兆800億円の初期投資額や、約11万6千人の雇用創出効果を評価しつつ、開業3年目に約1987万人を見込んだ来訪者数の推計値については「裏打ち以上に意欲的な数字となっている面がある」として、過大推計となるおそれを指摘。推計の精緻化とともに、推計値が実現されるよう高い意識でIRの魅力増進に取り組むよう注文を付けた。

 また大阪IRへの反対運動や住民訴訟が提起されていることを踏まえ「地域住民との良好な関係構築には課題が残る」とした。

 ■ギャンブル依存に懸念も 国は「定期的検証」要請

 ■甲子園13個分の敷地にカジノや会議場

 元稿:産経新聞社 産経ニュース WEST関西 ライフ 【地方自治・大阪市・政府が14日認定した大阪府市のIR整備計画】  2023年04月14日  22:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【大阪府市】:甲子園13個分の敷地にカジノや会議場 「大阪IR」の姿は?

2023-04-14 19:15:30 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【大阪府市】:甲子園13個分の敷地にカジノや会議場 「大阪IR」の姿は?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪府市】:甲子園13個分の敷地にカジノや会議場 「大阪IR」の姿は? 

 大阪府市が誘致を進める、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の区域整備計画が14日、政府に認定された。IRの予定地は大阪湾にある人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)。大阪・関西万博の会場ともなっている埋立地の北岸が整備エリアとなり、甲子園球場約13個分の敷地に今後カジノをはじめ、大規模な国際会議場などが設置される。

大阪IRの全体イメージ(MGMリゾーツ・インターナショナル、オリックス提供)

 大阪府市のIR整備計画によると、約49万平方メートルの敷地は大きく4つのゾーンに分けられ、巨大な噴水が目を引くオープンスペース「結びの庭」ゾーンを取り囲むように、エンターテインメント施設を中心とする「関西ゲートウェイ」▽国際会議場などで構成する「イノベーション」▽海岸沿いの「ウォーターフロント」-の各ゾーンを設ける。

 目玉の集客施設となるカジノは、新設される地下鉄駅近くのゲートウェイゾーンに整備。消費額に応じて「マス」「プレミアム」「VIP」の3層に分けられたフロアには、ルーレットやバカラなどディーラーのいるゲームができるテーブルを計約470台、スロットマシンなどを約6400台配置する。各所に飲食店や酒類を提供するサービスバーも設ける。

 運営のノウハウは、米ラスベガスやマカオなどでIRを手がける「MGMリゾーツ・インターナショナル」が提供する。

 収容人員は1万人あまり。日本人の入場料は6千円で、訪日外国人客(インバウンド)は無料で利用できる。20歳未満の入場は禁止される。

 カジノが注目されがちなIRだが、全体に占める割合は総床面積の3%に満たない。ホテルは国内有数の規模で、富裕層に対応した最高級の部屋も用意。首脳級会合にも対応可能な国際会議場や2万平方メートルの展示場を備えるMICE(マイス)施設もある。

 IR区域への来訪者数は開業3年目で1987万人と予想。利用客の内訳は海外629万人、国内1358万人と見込む。(花輪理徳)

 元稿:産経新聞社 産経ニュース WEST関西 ライフ 【地方自治・大阪府市・政府が14日認定した大阪府市のIR整備計画】  2023年04月14日  19:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政府】:大阪のカジノIR、認定へ 長崎の計画は協議中

2023-04-12 01:28:00 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【政府】:大阪のカジノIR、認定へ 長崎の計画は協議中

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政府】:大阪のカジノIR、認定へ 長崎の計画は協議中

 カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の開設に向け、大阪府・市が提出した整備計画について政府が認定する方向で最終調整していることが11日分かった。一方で長崎県の計画については審査の継続を含めて対応を協議しているとみられる。政府による認定が実現すれば第1弾となり、日本初のカジノ開業が正式決定する。府・市は2029年秋―冬の開業を目指す。

 IR建設予定地の人工島・夢洲(手前)=大阪市

 IR建設予定地の人工島・夢洲(手前)=大阪市

 両地域は昨年4月、施設構成や事業の収支見通しなどの「区域整備計画」を提出。国土交通省の有識者委員会が審査していた。(共同通信)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政策・カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の開設・大阪府・市が提出した整備計画について政府が認定する方向で最終調整】  2023年04月12日  01:27:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【菅首相】:カジノ招致の「収賄問題」をめぐり、自民党内でささやかれている「ヤバすぎる噂」

2023-04-12 01:27:50 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【菅首相】:カジノ招致の「収賄問題」をめぐり、自民党内でささやかれている「ヤバすぎる噂」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅首相】:カジノ招致の「収賄問題」をめぐり、自民党内でささやかれている「ヤバすぎる噂」 

◆「反対派」黙認のワケ

 「寝耳に水。開いた口が塞がらない。青天の霹靂。狐につままれたよう。いくら言っても足りませんよ」(自民党横浜市議)

小此木八郎国家公安委員長が、横浜市長選への出馬を決めた。しかも、最大の争点にして菅政権の肝煎り政策であるIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致反対を掲げるというから、自民党内は大混乱に陥っている。

小此木八郎(Photo by gettyimages)

 背景に何があるのか。こんな憶測が飛び交った。

 「小此木さんは国政でこれ以上の出世は望めないし、代議士より市長のほうが給料も高いから、本人が希望したという説。候補が見つからず、神奈川県連会長が自ら出るしかなくなったという説」(神奈川県自民党関係者)

 ところがここにきて、出馬の「真の理由」が関係者のあいだで取り沙汰されている。

 IR関連企業からの収賄容疑で逮捕された元自民党の衆院議員・秋元司被告が、取り調べで菅総理の名前を出したからだ―そう囁かれているのである。

 菅総理は地元・横浜へのIR誘致の旗振り役を自任してきた。たとえ「あらぬ疑惑」であっても、名前が挙がるだけで命取りとなりかねない。

 「小此木さんは、言わずと知れた菅さんの師・小此木彦三郎さんの息子。政界で最も近い存在である小此木さんにIR反対をぶち上げさせ、菅さんはそれを黙認することで火の粉をかわそうとしているとすれば、この異常事態も納得できます」(神奈川県選出の国会議員)

 小此木氏の出馬が決まったのは、菅総理が赤坂議員宿舎の一室で頻繁に開く「神奈川県人会」。6月19日夜に総理、小此木氏、河野太郎氏が集まり、ケータリングをとって話し合ったという。

 「しかしいくら総理でも、こんなことを密室で決められたら困りますよ。地元では、すでに膨大な数の企業がIRに乗っている。菅さんは横浜全体を敵に回すつもりなのか」(前出・自民党横浜市議)

 大きな禍根を招く選挙となるのは間違いない。

 ■『週刊現代』2021年7月3日号より

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 政治 【週刊現代・政局・カジノを含む統合型リゾート(IR)・担当:講談社 週刊現代編集部】  2021年07月12日  08:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【検証・維新政治】:㊤IR実現へ「負の遺産」活用 効率重視の行政、誤算も

2023-04-12 01:26:20 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【検証・維新政治】:㊤IR実現へ「負の遺産」活用 効率重視の行政、誤算も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【検証・維新政治】:㊤IR実現へ「負の遺産」活用 効率重視の行政、誤算も 

 大阪湾に浮かぶ「負の遺産」-。昭和52年以降、埋め立て処分場として整備された人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)には、都市開発事業の頓挫や2008年五輪招致レースに敗れた歴史にちなんだ不名誉な異名がある。

 現市長の松井一郎が長らく代表を務めた地域政党「大阪維新の会」は平成23年に大阪府知事と市長のダブル選を制した後、この「負の遺産」を活用する方向にかじを切る。

成長の起爆剤に位置付けるのが、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)。令和11年の開業を目指し、事業期間は35年。国際会議場や展示施設などのMICE(マイス)施設や宿泊施設を備える。

 国政政党代表でもあった松井は府知事時代、安倍晋三政権で官房長官を務めた前首相、菅義偉(すが・よしひで)とのパイプを生かし、IR実現のための法整備に動いた。

 府が昨年4月、国に提出したIR区域整備計画によると、近畿圏への経済波及効果は年間約1兆1400億円、雇用創出効果は同約9万3千人。一方、反対派は経済波及効果について訪日外国人(インバウンド)の増加を前提とし、採算の見込みがないと批判。ギャンブル依存症への懸念も根強い。

 府知事で大阪維新の会代表の吉村洋文はカジノについて「厳格なルールに基づいて運営する」と説明し、松井は「負の遺産をほったらかしにするのでなく有効な資源に変える。観光を経済の柱の一つとし、産業として太くする上でIRは必要だ」と強調する。

IR事業者の展示会を視察する松井一郎大阪府知事(手前右から2人目)と吉村洋文大阪市長(手前右)=平成30年4月、大阪市北区(肩書は当時)

 ◆30年先みた指針

 夢洲は2025年大阪・関西万博の会場でもある。令和6年にまちびらきするJR大阪駅北側の再開発地区「うめきた2期」(同市北区)とともに、政府が掲げる最先端都市「スーパーシティ」構想の国家戦略特区に指定された。 

 先行地区を含む「うめきた」全体の再開発事業は維新発足前に始まったとはいえ、まちづくりの青写真は平成24年に府市が策定した設計図「グランドデザイン・大阪」にある。夢洲やうめきた2期を含む市内の地域を対象に目標時期を定めてインフラを整備し、民間企業を呼び込んで経済成長を促す計画だ。

 当時府知事だった松井はグランドデザイン策定に関し「東京に比べ、大阪は成長のためのインフラ開発が遅れていた。20年、30年先をみて大阪市内を中心にビジネスチャンスを生み出す拠点を整備するための指針を作った」と語る。

 府市双方が同様の事業を手掛けて無駄を生む「二重行政」を解消するため、大阪市を廃止し広域行政を府に一元化する統治機構改革としての「大阪都構想」は2度の住民投票で否決された。それでも成長関連事業が一体的に進んだのは「バーチャル大阪都」と称し、府知事と市長が連携する維新政治の結果といえる。

 ◆計画甘く公費支出

 実績を上げてきた維新政治には暗雲も立ち込めている。IR事業者への賃借予定地で土壌汚染や地震発生時の液状化リスクが判明。土地所有者の市が対策費として約790億円を負担することになった。 

 市有地の売却益などで構成される港営事業会計から支出するため、府市は「市税などの一般財源は投入しない」との立場だ。松井も対策費について「20~30年の賃料で回収できる」と言い切るが、市議会では対策費のさらなる上振れを懸念する声が上がる。

 また夢洲にアクセスする高速道路「淀川左岸線」の2期区間工事でも土壌汚染や軟弱地盤が見つかり、約1800億円の対策費が発生。完成予定時期は令和9年春から6年遅れる見通しとなった。

 ある市議は「府市が行財政改革で人件費を削減した結果、見積もりなどの専門技術を有する職員も減り、計画の甘さにつながったのではないか」と指摘する。

 府市によると、平成23年度に計2611人を数えた建築・土木分野の技術職員は29年度に2359人まで減少。万博やIRなどの大型事業を控え、令和4年度は将来の採用枠を先取りした形で2499人まで増やしたが、7年の万博閉幕後は再び減る見込みだ。

 市幹部は漏らす。「維新体制で民間への業務委託を進めてきたが、地元住民や企業との調整は府市の職員が担う。日ごろのインフラ管理に大型公共工事が加わり、業務量は増えている。現場は、かなりしんどい」

 いかにコスト配分のバランスを取って成長・発展につなげるか。効率化を重視した維新の行政運営は岐路にさしかかっている。(敬称略)(山本考志)

                  ◇

 4月6日の松井氏の政界引退を前に、平成23年の大阪ダブル選以降続いてきた維新政治を検証する。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース ライフ 政治 【産経WEST・大阪維新の会・地方自治・大阪府市】  2023年03月16日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【毎日新聞・世論調査】:IR誘致、賛成が反対を上回る 大阪ダブル選

2023-04-05 08:05:40 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【毎日新聞・世論調査】:IR誘致、賛成が反対を上回る 大阪ダブル選

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【毎日新聞・世論調査】:IR誘致、賛成が反対を上回る 大阪ダブル選

 大阪府知事・大阪市長のダブル選(4月9日投開票)について毎日新聞が実施した電話世論調査では、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致について賛成が反対を上回った。ただし、女性や高齢者は反対が多くなる傾向も見られた。

 
大阪IR誘致への賛否

 IRは大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)への誘致を府市が進めており、現在は国が認定審査中だ。一方、予定地では土壌汚染が判明したほか液状化の恐れがあり、市が対策費約790億円を支出する。ギャンブル依存症の問題も懸念されており、誘致の是非はダブル選の争点の一つになっている。 

 世論調査でIR誘致への賛否を聞くと、賛成が45%、反対が38%だった。支持政党別にみると、地域政党・大阪維新の会では賛成が67%と突出して高く、反対は14%。自民党支持層でも賛成が46%で反対の37%を上回った。一方、無党派層では賛成が27%、反対が47%で賛否が逆転している。立憲民主党や公明党、共産党の支持層でも反対が上回った。

 性別や年代によっても賛否が分かれた。男性は53%が賛成で、反対は35%にとどまったのに対し、女性は賛成が34%、反対が41%と逆の結果になった。年代別では60代以上がいずれの年代でも反対が賛成を上回ったのに対し、50代以下では賛成の方が多かった。特に40代は賛成が59%に対して反対が25%、50代も賛成が50%に対して反対が28%と2倍程度の差があった。【近藤諭】

 大阪府、大阪市の有権者を対象に1、2日の2日間、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話するRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。府知事選では1826人(固定電話1148人、携帯電話678人)、市長選では872人(固定517人、携帯355人)から回答を得た。調査は日経新聞、毎日放送、関西テレビ、共同通信と協力して実施した。

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 政治 【政局・選挙・大阪府知事・大阪市長のダブル選・世論調査】  2023年04月02日  19:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【さすが維新・大阪府市・05.29】:大阪カジノ「住民投票」賛同署名が法定数超えも、維新・松井&吉村は投票実現阻止へ!  

2023-04-05 08:03:30 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【さすが維新・大阪府市・05.29】:大阪カジノ「住民投票」賛同署名が法定数超えも、維新・松井&吉村は投票実現阻止へ!  ■都構想では「究極の民主主義」と言っていたのに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【さすが維新・大阪府市・05.29】:大阪カジノ「住民投票」賛同署名が法定数超えも、維新・松井&吉村は投票実現阻止へ!  ■都構想では「究極の民主主義」と言っていたのに

 吉村洋文知事・松井一郎市長の維新コンビ暴走を繰り広げている大阪カジノに対し、府民民意が示された。カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の賛否を問う住民投票の実施を求める署名運動が25日に活動期間を迎えたが、署名運動をおこなう市民団体は26日、住民投票実施の条例案を吉村知事に直接請求するために必要な法定数約14万6000筆を超える15万7716筆賛同署名が集まったと公表。現在、署名の回収・確認作業がおこなわれているというが、27日には18万3719筆とさらに増加している。

大阪カジノ「住民投票」賛同署名が法定数超えも、維新・松井&吉村は投票実現阻止へ! 都構想では「究極の民主主義」と言っていたのにの画像1

日本維新の会HPより

 大阪カジノをめぐっては、松井市長が2016年に「カジノに税金は一切使いません」などと説明していたにもかかわらず、昨年12月になってカジノ建設予定地の夢洲の土壌汚染対策費790億円を大阪市が全額負担すると発表するなど、市民・府民を欺きつづけている。こうした横暴な姿勢に対し、今回、府民は「住民投票によってカジノ誘致の賛否を府民に問うべき」と突きつけたのだ。

 ところが、住民投票の賛同署名が法定数を超えたことについて26日の定例会見で問われた松井一郎・大阪市長は、さっそく、この示された民意を否定する発言をおこなったのだ。

 今回の結果について毎日新聞の記者から質問を受けた松井市長は、「やっぱり(大阪カジノに)反対の方もいるんだろうなとは思う」と言い、「もう議会の議決を得て国に申請しているわけですから、そういうみなさんがいま懸念されている問題点、リスクをしっかりヘッジしながら進めていきたい」と発言。さらに記者が「国への申請に与える影響についてどう考えているか」を問うと、こんなことを言い出したのだ。

 「影響? いまはもう事務的手続きで国といろいろやっていますから、そういうみなさんの思いというものはしっかり受け止めますけども、手続きになんらかの影響を与えるということにはならないと思います」

 府民は住民投票の実施を求めていることが示されたのに、「影響はない」と言い切る──。挙げ句、松井市長はこうも述べた。

 「手続きとしては、議会制民主主義のなかで議決をいただいて物事を動かしていくというのが、我々に与えられている使命」

 ようするに、松井市長は今後、吉村知事に住民投票実施の条例案が直接請求されても、府議会で過半数を占める維新ならびに公明党の“数の力”によって否決すればいい、と考えているのだ。

 ◆「大阪都構想」では住民投票を「究極の民主主義」と言い2度も強行したくせに

 ふざけるのもいい加減にしろ、という話だろう。というのも、松井氏と維新はこれまで、「大阪都構想」の賛否を問う住民投票について「究極の民主主義」と言い、2度にわたって住民投票強行してきたからだ。

 実際、2015年の「都構想」住民投票の告示日の街頭演説で松井氏は「大阪の役所の仕組みをみなさまの一人ひとりの意思で変えたい。究極の民主主義で大阪は変わっていける」と発言し、否決の結果が出たときも「(市民が)本当に悩んで判断した結果。この結果を真摯に受け止める。究極の民主主義で決まった」と述べていた。

 にもかかわらず、松井氏は否決されてわずか5年しか経っていない2020年に、またも「都構想」住民投票を推進。同年8月におこなわれた大阪市と大阪府の臨時議会では、コロナ感染防止のために住民説明会などの説明の機会が十分持てないことから住民投票の強行に反対の声があがったが、ここでも松井氏は「大阪の未来をみなさんに判断いただく究極の民主主義だから、住民投票は現時点では11月を目指しておこないたい」と強行。こうして100億円超の公金がつぎ込まれた2度にわたる住民投票が実施されたのだ。

 ところがどうだ。現時点で20万人近い府民が住民投票によって大阪カジノ誘致の賛否を問うべきだという民意を示すなか、住民投票を「究極の民主主義」と強調してきた張本人である松井氏は歯牙にも掛けず、住民投票実施の条例など府議会で潰してしまえ、という姿勢をあらわにしたのである。

 松井氏といえば、2019年にもTwitterで〈憲法を改正するか否かは、究極の民主主義である国民投票で判断されるもの〉などと投稿していたが、民意を無視しようとする今回の態度をみればわかるように、松井氏は都構想や改憲といった自分たちが推進したいものにだけ「究極の民主主義」という言葉を用いているだけで、実態は徹底して民主主義を軽視しているのだ。

 ◆カジノ賛否を問う住民投票を求める府民の声を無視し封じ込めようとする維新の横暴

 そもそも、松井氏率いる維新は、今回の署名運動に対して嫌がらせのような行動にまで出ていた。というのも、署名運動の活動期限だった25日に市民団体側は17時から阿倍野区の天王寺駅にほど近いあべのキューズモール前で「これまでの集大成」として署名ステーションを設置したのだが、これに対して維新は、署名ステーションから徒歩5分ほどの場所にある天王寺MIO前で、休日でもない平日だというのに17時から街頭演説会を実施。なんと吉村知事まで駆けつけたのだ。どう見ても署名活動への嫌がらせとしか思えないが、嫌がらせも虚しく署名数が法定数を超えると、今度は「影響はない」などと言い放ったのである。

 維新にとって「1丁目1番地」である都構想については「究極の民主主義」と掲げて住民投票2度強行しておきながら、法定数を超える府民の署名を集めた大阪カジノ誘致の賛否を問う住民投票の実施は議会の数の力によって否決しようとする──。このご都合主義二枚舌こそが、松井氏ならびに維新の本質・実態なのだ。

 もちろん、この松井氏維新蛮行を伝えることこそ、メディア責務だ。吉村知事による新型コロナ失策によって大阪府コロナ死亡者数全国都道府県ではじめて5000人を超えたが、なおも吉村知事責任徹底追及する報道はほとんどおこなわれていない。一方、今回の署名運動についても、在阪メディアは活動期限を迎えるまでほとんど報じようとしなかった。しかし、それでも法定数を超える署名が集まったという事実は、府民大阪カジノに対する関心の高さをよく表している。この民意を、維新ならびに在阪メディアスルーすることは、けっして許されないだろう。

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【告発・いしん府市政治】  2022年05月29日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【維新・大阪府市・04.23】:吉村・松井がゴリ押し 大阪カジノ構想には誘致否決の「和歌山以上」の問題が! 

2023-04-05 08:03:20 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【維新・大阪府市・04.23】:吉村・松井がゴリ押し 大阪カジノ構想には誘致否決の「和歌山以上」の問題が! ■想定はカジノ業者の一方的試算、条件も業者の言いなり

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【維新・大阪府市・04.23】:吉村・松井がゴリ押し 大阪カジノ構想には誘致否決の「和歌山以上」の問題が! ■想定はカジノ業者の一方的試算、条件も業者の言いなり 

 大阪松井一郎市長と吉村洋文知事が前のめりで推し進めているカジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐり、大きな動きがあった。大阪と同じくカジノ誘致を進めてきた和歌山で20日、国への申請案を県議会が否決。事実上、カジノ誘致が頓挫したのだ。

吉村・松井がゴリ押し 大阪カジノ構想には誘致否決の「和歌山以上」の問題が! 想定はカジノ業者の一方的試算、条件も業者の言いなりの画像1
日本維新の会HPより

 これは当然の判断だ。IRを推進してきたはずの自民党県議からも反対の声があがっていたように、資金調達の見通しがあまりに不透明で問題だらけだったためだ。

 この和歌山県議会の決定を受けて、松井市長は「大阪はメガバンクが融資を約束してくれている。和歌山とはIRで目指すところも違い、(否決で)大きな影響はない」などと語ったが、バカも休み休みに言え、という話だ。

 というのも、大阪には、和歌山と同様、いや、それ以上の問題があるからだ。

 実際、大阪の国への申請案やこの間の吉村知事・松井市長の説明だけでも、大阪のカジノ構想は破綻の危険性が非常に高いと言わざるを得ないデタラメなものだらけだ。ところが、大阪の場合は、府・市ともに維新が牛耳っているため、議会が問題をスルーして可決してしまったのである。

 ご存知のとおり、松井市長と吉村知事はこれまで「IR、カジノに税金は一切使わない」「公で金を出すものではない」と説明してきたにもかかわらず、大阪市はカジノ建設予定地の夢洲の土壌汚染対策にかかる790億円を全額公金で負担することを決定。行政が地盤改良の費用を負担するのは異例中の異例であり、市が費用負担を決めた背景には“松井市長の強い意向”があったとされている。

 だが、市民を欺いているのは、この地盤改良のための公金投入だけではない。

 まず、問題のひとつが、松井市長や吉村知事が喧伝する年間来訪者数や売り上げなどの「数字の根拠」だ。

 ◆年間来訪者2000万人はカジノ業者の一方的試算 観光需要が戻らない場合は業者が撤退できる条件

 大阪IR整備計画では想定年間来訪者数をが2000万人と謳っているが、これは東京ディズニーランドのコロナ前の年間来場者数1800万人を上回るもので、その上、新型コロナの影響をまったく考慮していない途方も無い数字だ。しかも、集客について国は「カジノ以外の国際会議場、イベントで6割くらいは集めてほしい」としている(しんぶん赤旗4月22日付)。2019年に大阪でおこなわれたG20サミットでは、吉村知事が「関係者や報道陣が3万人も来ると言われている」などとアピールしていたが、G20サミットレベルの国際会議を400回開催してやっと年間1200万人になる計算だ。

 ようするに、どう考えても「年間来訪者数2000万人」というのは無謀にも程があるとしか言いようがないのだが、さらに驚くべきことに、大阪のIR担当者にヒアリングをおこなった日本共産党の大門実紀史・参院議員によると、この見積もりの根拠を尋ねたところ、担当者の回答は「事業者計算したので分からない」というものだったという。つまり、事業者側が出してきた数字をそのまま鵜呑みにし、吉村知事松井市長は「来訪者2000万人」などと触れ回っているだけなのだ。

 だが、さらに問題なのは、大阪府・市が事業者側と結んだ基本協定の中身だ。

 府・市がカジノ事業者に選定したのは米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスが合弁で設立した「大阪IR株式会社」で、今年2月に3者は基本協定を締結した。だが、その基本協定書では「国の認定を受けた後で国内外の観光需要が新型コロナ以前の水準まで回復が見通せないと事業者が見込んだ場合、協定を解除できる」としているのだ。

 しかも、「コロナ以前の水準」がどの程度のものなのか、協定書ではその目安は示されていない。つまり、今後、事業者側が採算が見込めないなどと判断すれば、国の認定を受けた後でも撤退を言い出しかねない内容になっているのである。

 実際、MGMは2013年にベトナムで開業直前に撤退した前例があり、さらには3月16日に大阪市議会都市経済委員会に参考人招致された大阪IR株式会社の社長であるオリックスの高橋豊典氏も、撤退について「可能性というのは低いかなと思いますが、あるかなしやというご質問については、あるかもしれません」と発言している。

 ◆今後も「地盤沈下、液状化、土壌汚染、汚泥処分」が判明した場合は大阪が負担する条件も

 それだけではない。基本協定では「投資リターンに著しい悪影響を与える地盤沈下、液状化、土壌汚染、汚泥処分などといった事象の存在が判明した場合」にも言及。大阪市が事業者と協力し「一定の適切な措置を講じること」とされ、その条件が充足されなければ協定は解除できることになっている。

 前述したように、大阪市は土壌汚染対策にかかる790億円の全額を公金負担することを決めたが、この790億円に含まれているのは液状化、土壌汚染、地中障害物の3つに対応したものであり、〈地盤沈下などの費用は含まれていない〉(AERA.dot3月22日付)という。一方、前出の大阪市議会に参考人招致されたMGMのエドワード・バウワーズ氏は「地盤沈下している可能性がある」と言及。つまり、今後、地盤沈下を事業者側が問題視すれば、さらなる公金負担要求される可能性があるのだ。

 このほかにも、松井市長吉村知事は「IR経済効果年1兆2000億円!」などと言い張っているが、それらの数字の根拠を検証しようと共産党の大門議員やれいわ新選組大石あきこ衆院議員が情報公開請求をおこなっても、出てくるのは黒塗り文書という始末。ようするに、誘致断念に追い込まれた和歌山と同様、大阪のカジノ計画も、数字の根拠が示されない無茶苦茶シロモノなのだ。
 
 4月28日に期限を迎える国への整備計画の申請は、すでに議会が申請案を可決した大阪と長崎の2カ所となる見通しだが、カジノ推進ありきで動いている政府の姿勢を見れば、その後おこなわれる国の有識者委員会による計画審査できちんと問題が指摘されるとは考えにくい。いま大阪ではIRの賛否を問う住民投票の実施を求める署名運動がおこなわれているが、事業者の言いなりとなっている松井市長吉村知事暴走市民の力止めるしかないだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【不祥事・トラブル】  2022年04月23日  05:18:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【大阪府】:ダブル選でのIR住民投票 吉村知事「必要ない」議会で答弁

2023-04-05 08:03:00 | 【IR=カジノを含む統合型リゾート施設・IR推進法・ギャンブル依存症対策・賭博】

【大阪府】:ダブル選でのIR住民投票 吉村知事「必要ない」議会で答弁

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪府】:ダブル選でのIR住民投票 吉村知事「必要ない」議会で答弁

 大阪府の吉村洋文知事は1日、カジノを含む統合型リゾート(IR)に関連して、知事・大阪市長のダブル選(4月9日投開票)に合わせ府民に大阪への誘致の是非を問う住民投票を実施することについて「必要ない」との認識を示した。<button class="sc-yyapj QSknM" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-yyapj QSknM" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">吉村洋文氏=川平愛撮影</button>

吉村洋文氏=川平愛撮影(毎日新聞)

 府議会本会議で自民党府議団の原田亮幹事長の代表質問に答えた。自民は、ダブル選同日に住民投票を実施することを定めた条例案の可決を目指している。吉村知事は「IRの誘致もあくまでも政策の一つ。賛否があるからといって住民に判断を委ねるのは政治家としての責任放棄だ」と述べ、住民投票に否定的な姿勢を示した。【石川将来】

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 政治 【地方自治・大阪府・カジノを含む統合型リゾート(IR)の住民投票】  2023年03月01日  17:34:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする