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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:いじめ自殺認定 コロナ禍の考慮も重要

2021-03-24 05:03:55 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【社説①】:いじめ自殺認定 コロナ禍の考慮も重要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:いじめ自殺認定 コロナ禍の考慮も重要 

 登別市内で昨年6月、中学1年の男子生徒が転落死したことについて、市教委が設けた第三者委員会は、部活動でのいじめとコロナ禍による不安など複合的な要因で自殺に至った、と認定した。

 未来ある13歳はなぜ自ら命を絶たなければならなかったのか。教師をはじめ周囲の大人はどこかで手を差し伸べられなかったか。くみ取るべき教訓は多い。

 臨床心理士や弁護士らでつくる第三者委は関係者への聴取など調査を重ねた。概要とはいえ報告書を公表した点は評価できよう。

 いじめはどこでも起きる可能性がある。しかもコロナ禍による負担は全ての子供に重くのし掛かっている。教育関係者を含め大人はその前提に立ち、再発を防ぐ手だてを急がなければならない。

 第三者委などによると、生徒は中学入学後、コロナ禍で長期休校に入った。不安から長時間、ゲームや会員制交流サイト(SNS)に接し、成績や体力が落ちた。

 休校明けの6月から始めた部活動では、体形や技量をからかわれていた。第三者委はこうしたいじめなどの外面的要因と、コロナ禍や将来への不安などの内面的要因を自殺の理由に挙げている。

 学校側の問題や再発防止策に触れていないが、部活動の顧問が生徒へのからかいを認識していたほか、生徒は自殺直前に校内で悩みを見せていた。その兆候をつかみ切れなかったことは悔やまれる。

 教職員は校内の消毒などコロナ対策に忙殺されていた。だとしても最優先するべきは生徒の命だと意識することが重要だったろう。

 外出自粛などによる家庭での虐待リスクの高まりを考えれば、相談窓口の拡充や地域で見守る体制づくりは必要だ。子供が困った時に自らSOSを出せるよう教えることも忘れてはならない。

 2013年施行のいじめ防止対策推進法は児童生徒が重大な被害を受けた際、教委や学校が調査組織を設置するよう義務付ける。

 だが被害を訴えても調査に至らなかったり、遺族が調査結果に納得しなかったりする例は多い。登別では遺族の要請も踏まえ速やかに対応できた。参考になろう。

 今回の報告書概要は「真面目で優しい子ほど追い込まれるが、フォローすべき私たち大人が救えなかった」と記し、当事者の痛みに寄り添った姿勢がにじむ。

 生徒の無念や遺族の悲しみを胸に刻み、再発防止につなげるためにも、可能な範囲で報告書全文を公表するよう市教委に求めたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年03月24日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:絶望と光の窓

2021-03-24 05:03:45 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【卓上四季】:絶望と光の窓

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:絶望と光の窓

 漢字学者の白川静さんの「常用字解」(平凡社)によると、絶望の「絶」という字は、左右に分離すると「色糸」になり、「絶景」のように「このうえもなく」という意味もあるという▼糸を絶つという「絶」の字に相反する意味があるのは暗示的である。自著でそう指摘したのは柳田邦男さんだ。明日への望みが絶たれたように見えても、心が成長する転機になり得る可能性を秘めるかもしれぬと紹介した▼ただし、条件がある。柳田さんは「暗闇の中で転機の光をもたらす窓はどこにあるのか」と問いかける。生きることに絶望した人が、明日につながる糸を見つけ出すことは容易ではないからだ▼そこに光の窓はあったのだろうか。自宅アパートから転落し亡くなった登別市の中学1年生のことだ。市教委が設置した第三者委員会は、からかいなどのいじめを中心とした外的要因とコロナ禍の休校による不安などの内的要因により、生徒が自ら命を絶ったと結論を出した▼自我に目覚め社会とつながり始める思春期は、細い線の上を歩くようなものだ。周囲にはささいに見えることでも当事者には重しとなり、バランスを崩すこともある▼第三者委員会は「(子どもを)フォローすべきは大人であり、教育機関や地域を含む社会である」と訴えた。絶望は日々の生活に潜む。そこに光の窓はあるか。社会を構成するすべての大人が問われている。2021・3・24

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2021年03月24日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:福岡5歳餓死 特異な事件で済ますな

2021-03-13 07:23:50 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【社説②】:福岡5歳餓死 特異な事件で済ますな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:福岡5歳餓死 特異な事件で済ますな

 あまりに痛ましく、奇怪な事件だ。福岡県篠栗(ささぐり)町で、五歳男児を餓死させたとして、母親とその知人の女が逮捕された。周囲は異変に気付いていたが、児童相談所や町は有効策を打てなかった。

 保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕されたのはともに無職の母親(39)と知人の女(48)。母親は篠栗町のマンションで三人の息子と暮らしていたが、三男(5つ)に十分な食事を与えず、昨年四月に餓死させたとされる。二人は「ママ友」として知り合った。知人の女は母子の生活に深く関与し、食事の量まで管理していたという。
 マインドコントロール下とでも言うべき奇妙な支配関係だったようだ。知人の女は「あなたの夫は浮気している」と信じ込ませ、母親は二年前に離婚。その後もさまざま理由をつけては不安や孤独に陥れ、生活保護費など一千万円以上を巻き上げた疑いが持たれている。母子はわずかな食事を分け合うように生きていたという。
 毎年数十人の子が虐待死し、法整備とのいたちごっこが続く。警察庁によると、虐待事件は二〇一四年から急激に増え、二〇年は前年比8%増の二千百三十三件を摘発した。コロナ禍で親のストレスが子どもに向かった可能性が指摘され、過去最多を更新した。暴力や放置などで同七人増の六十一人が亡くなった。
 諸施策の柱は、虐待情報を受け付ける専用ダイヤル「189」の開設や、情報から四十八時間以内に児相が確認に出向くなど事態の早期把握だ。家庭内の問題として躊躇(ちゅうちょ)せず、行政や警察が積極的に介入するケースも増えている。
 その結果、とりわけ児相の責務は増している。人手不足による現場の疲弊も報告される一方で、子や親の現実を直視せず、組織に都合の良い解釈をするなど、依然として残る事なかれ主義や閉鎖体質を追及する元職員もいる。
 福岡の事件では、母子を心配した小学校や幼稚園、住民、親族が情報を寄せていた。児相や町は四十回、家庭訪問や電話などで状況の把握に努めたというが、なかなか本人たちに会えなかったようだ。五歳児が力尽きる一カ月前に面会できたが、三人にけがなどの外傷はみられず「差し迫った危険はない」と判断したという。
 福岡県は第三者機関を設け、事件を検証する方針だ。なぜ有効策を打てなかったのか、生活保護を担当する福祉事務所や警察との連携は十分だったのか、詳細が明らかにされなければならない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年03月13日  07:23:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【きょうの潮流】:私たちは、本当に子どもの声を聴けているのだろうか。

2021-03-01 04:15:10 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【きょうの潮流】:私たちは、本当に子どもの声を聴けているのだろうか。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【きょうの潮流】:私たちは、本当に子どもの声を聴けているのだろうか。

 同じおとなとして、ドキリとする問いかけでした▼日本スクールソーシャルワーク協会がオンラインで開催した冬季研修会。上からの一斉休校が子どもや家族と出会う場を奪い、貧困、虐待、孤立が深化したと語られました。学校再開で問題は一気に噴出。「最初に助けを求めていた時に、彼らと出会えていなかった」と悔やみます▼そんな中でも、それぞれの持ち場でSOSをキャッチしようと必死でした。それまでのつながりの糸が引き出した「しんどい」という悲鳴。さらに新たな糸を紡ぐため、コロナ禍の下で地域の「居場所」を開き続けた努力も。待ちの姿勢にならない取り組みが、子どもの命をなんとかつないできました▼大切なのは、子どもにとって一番身近な学校を「安心・安全」の場にすること。が、教職員にも余裕はないのが実情です。子どもがぽつりと言った一言が、実は本質ではないか。その思いを丁寧にすくい上げるゆとりが、今こそ必要です▼あるワーカーは言います。「私だけでなく教師、同世代の子ども、すてきなおとなたちと出会えるチャンスをつくるよう心がけてきた」と。大切なのは、子どもの声を聴くおとなが増えること。どこかだけに責任を押し付けることなく、声を受け取るおとながつながろうと呼びかけています▼そして聴き取られる経験の積み重ねが、意見表明へつながり、やがて支援を求める力になるのだとも。子どもの声、あなたに届いていますか。

 元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【きょうの潮流】 2021年02月25日  04:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【埼玉県】:「殴る蹴るは日常…この世の地獄だった」 児童養護施設で虐待か、元入者が通告

2021-01-23 11:43:30 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【埼玉県】:「殴る蹴るは日常…この世の地獄だった」 児童養護施設で虐待か、元入者が通告

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【埼玉県】:「殴る蹴るは日常…この世の地獄だった」 児童養護施設で虐待か、元入者が通告

 埼玉県北部にある児童養護施設で幹部職員から虐待を受けたとして、元入所者の男性(22)が二〇二〇年十二月二十四日、県庁で記者会見し、県に虐待の調査や改善などを求めて通告したと明らかにした。男性は他の複数の子どもへの虐待も目撃したといい、刑事告発や民事提訴も視野に入れているという。

施設内で虐待を受けたと訴える男性

              施設内で虐待を受けたと訴える男性

 
 男性は施設に二~十八歳まで入所。男性によると、小学生のころ、幹部職員に突き飛ばされて額に傷を負ったり、正座する膝の上に足を乗せて体重をかけられたりした。
 
 額の傷の治療で訪れた病院では、付き添いの職員に「遊んでいて傷ができた」などと虚偽の説明をされたと主張。男性は別の入所者が蹴られたり、両耳をつかんで持ち上げられたりしているのも見たという。
 
 男性は「殴る蹴るは日常で、この世の地獄だった。子どもも他の職員も声を上げられない状況だった」と当時を振り返った。男性を支援する市民団体「施設内虐待を許さない会」の竹中勝美事務局長は「虐待を見抜けない行政側の責任も重い」と話した。
 
 施設長は取材に「通告があれば、しかるべく調査が今後入ると思うが、まだ何も分からない」と回答。県は各施設への毎年の監査で虐待の有無を確認しているが、担当者は「個別の事案については答えられない」としている。(近藤統義)

 元稿:東京新聞社 首都圏ニュース 埼玉県 【話題・埼玉県北部にある児童養護施設で幹部職員から虐待】  2021年01月23日  11:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【千葉県】:心愛さん「天国で幸せに」虐待死事件で児童黙とう

2021-01-23 11:31:20 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【千葉県】:心愛さん「天国で幸せに」虐待死事件で児童黙とう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【千葉県】:心愛さん「天国で幸せに」虐待死事件で児童黙とう

 2019年1月、千葉県野田市の小学4年栗原心愛さん(当時10)が虐待死した事件から24日で2年となるのを前に、心愛さんが通っていた市立二ツ塚小学校で23日、児童らが黙とうをささげた。

 野田市によると、土曜授業だったこの日、朝の会の放送で「心愛さんが天国で幸せに過ごせるようにお祈りしましょう」と呼び掛けられ、児童らは各教室で静かに目を閉じた。昇降口には花が手向けられたという。杉崎哲実校長は「このような痛ましい事が起きないように、全力で取り組むことを全職員で誓います」とコメントを出した。

 事件は19年1月24日、心愛さんが冷水シャワーをかけられるなどして自宅浴室で死亡し、父勇一郎被告(43)が傷害致死罪などに、母が傷害ほう助罪に問われた。勇一郎被告は懲役16年とした一審千葉地裁判決を不服として控訴。母は懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年の判決が確定した。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・千葉県・野田市の小学4年栗原心愛さん(当時10)が虐待死した事件】  2021年01月23日  11:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【埼玉県】:モップの柄を足の間に挟んで正座…虐待の一部を認め謝罪 熊谷の児童養護施設

2021-01-23 11:11:30 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【埼玉県】:モップの柄を足の間に挟んで正座…虐待の一部を認め謝罪 熊谷の児童養護施設

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【埼玉県】:モップの柄を足の間に挟んで正座…虐待の一部を認め謝罪 熊谷の児童養護施設

 埼玉県北部の児童養護施設内で幹部職員が繰り返し虐待をしていたとして、元入所者の男性(22)が県に通告した問題で、施設側が二十二日、県庁で記者会見し、モップの柄を足の間に挟んで正座させる虐待が七年ほど前にあったと認め、謝罪した。男性が訴えている他の虐待行為についても調査するとしている。

虐待があったと認め、謝罪する新木理事長(中)=県庁で

         虐待があったと認め、謝罪する新木理事長(中)=県庁で

 
 施設は熊谷市の「雀幸(じゃくこう)園」。昨年十二月に通告した男性は副園長に突き飛ばされて額に傷を負ったほか、複数の子どもが暴力を振るわれるのを見たと主張。別の元入所者も本紙の取材に、首を絞められたり食事を抜かれたりしたと証言している。
 
 会見した施設側によると、二〇一八年にも虐待の通告があり、県の指導で第三者調査委員会を設置。当時はモップを挟んだ正座が虐待として認定された。副園長は役職を解かれ、現在は子どもとは接しない事務部門で働いている。
 
 今回の通告については、施設の代理人弁護士が職員や元入所者らに聞き取り調査を進め、必要であれば再び第三者委を設けて報告書をまとめると説明。当時の副園長は現段階で「(正座以外の虐待は)やっていないと思われる」との認識を示しているが、今後詳細を確認するという。
 
 施設の新木裕信理事長は「虐待の事実が確認されたことは大変申し訳ない。機会があれば、(通告者)本人に直接謝罪したい」と陳謝。一方で「虐待が日常茶飯事のようにあったとは思っていない」とも述べた。 (近藤統義)
 

 元稿:東京新聞社 首都圏ニュース 埼玉県 【話題・埼玉県北部にある児童養護施設で幹部職員から虐待】  2021年01月23日  11:11:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:いじめ自殺提訴 訴えを重く受け止めよ

2021-01-16 07:49:50 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【社説②】:いじめ自殺提訴 訴えを重く受け止めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:いじめ自殺提訴 訴えを重く受け止めよ

 兵庫県加古川市の中二女子生徒が二〇一六年にいじめ自殺した問題で学校側が事実を隠蔽(いんぺい)した疑いが浮上した。多くの悲劇が繰り返される中、いじめ対策は進むが、現場への浸透になお疑問が残る。

 いじめ防止対策推進法は一三年、教育現場の隠蔽体質や事なかれ主義を浮き彫りにした大津市の中学二年男子生徒の自殺事件(一一年)を受け、施行された。児童生徒の生命や心身、財産に重大な被害が生じる疑いなどを認めた場合、学校側に調査委の設置などを義務付けた。過去のいじめ事案に共通する学校側の「重い腰」を踏まえ、事実確認後でなく、「疑い」が生じた段階での敏速な対応を強調した。
 加古川のケースで、女子生徒は中一のころからクラスや部活動で無視や仲間外れをされた。自殺から三カ月後に発足した第三者委は学校側が女子生徒の訴えを見過ごさなければ、自殺は防げたと指摘した。同級生らに聞き取ったメモを破棄するなど、隠蔽の疑いが今年に入り発覚し、遺族が学校側を相手に提訴したことも分かった。いじめの実態や対応の是非は法廷で厳しく問われるべきだ。
 いじめの認知件数は一九九〇年代と比べ桁違いに増えた。全国の国公私立の小中高校と特別支援学校での認知件数は二〇一九年度、六十一万件に達し、過去最多を更新した。認知の多さを「積極的な掘り起こし」の成果として肯定的に受け止めるようになったのは、愛知県西尾市の中学二年、大河内清輝さんが一九九四年にいじめを苦に自殺した事件後からだ。父祥晴(よしはる)さんは「子どもたちにもっと目を向けて」と訴え続けている。
 残念なことに、いじめ自殺は一向に減らない。総じて言えるのは文部科学省が一七年作成のガイドラインで「軽々に『いじめはなかった』『学校側に責任はない』という判断をしない」「児童生徒や保護者からの申し立ては学校側が知り得ない極めて重要な情報」と指摘するにもかかわらず、現場に十分浸透していないことだ。
 いじめ防止法は遺族の働き掛けで改正の動きがあった。いじめの対策委や対策主任の新設、不適切な対応への罰則規定など国会議員による検討も進んだが、一九年春以降は尻すぼみ。「教員の働き方改革」論議を受け、現場へのさらなる負担強化を避けたいとの配慮も背景にあるとされるが、いま、この瞬間も苦悩しているかもしれない若い命のことを決して忘れずにいたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年01月16日  07:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:児童虐待が過去最多 質量ともに体制の強化を

2020-11-28 02:05:55 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

《社説①》:児童虐待が過去最多 質量ともに体制の強化を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:児童虐待が過去最多 質量ともに体制の強化を 

 児童相談所(児相)への虐待相談件数が、過去最多を更新し続けている。昨年度は19万件を超え、前年度より2割増加した。

 子どもの前で家族に暴力を振るう「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」の増加が目立つ。身体的虐待や、ネグレクト(育児放棄)なども増えている。

 虐待への対応で中心的な役割を果たす児相の体制強化が必要だ。

 政府は、児童福祉司を2022年度までに約2000人増やし、5000人強に拡充する計画だ。

 ただ、児相の新設が進む東京23区などでは、職員確保に苦労している。相談の増加ペースが加速していることも踏まえ、国は人材育成にさらに力を入れてほしい。

 勤務年数が3年未満の児童福祉司が増えており、今年4月時点で半数を占める。経験不足が原因で、保護者との意思疎通に支障が出ることも懸念される。職員の増員だけでなく、虐待対応の「質」を上げることも重要だ。

 指導役のベテラン職員を偏りなく配置することや、研修の充実が欠かせない。数年で職場が変わる人事を見直し、経験が積みやすい環境の整備を急ぐべきだ。

 ストレスが大きい仕事だけに、職員のメンタルケアの仕組みも求められる。

 18年度には、心中事件を除く虐待で54人が亡くなった。死因はネグレクトが最も多い。背景には望まない妊娠や、子育て家庭の孤立化がある。

 このうち、事前に児相が関与できていたのは3割にとどまる。市区町村は妊娠期から相談できる窓口の周知や、乳幼児健診を受診していない家庭への働きかけを強化すべきだ。

 今年は新型コロナウイルスの感染拡大による影響も懸念される。在宅勤務中の親に暴力を振るわれたケースが出ている。支援が必要な家庭でも、感染が不安だという理由で、児相職員の訪問を断る例があるという。虐待が埋もれてしまっていないか注意が必要だ。

 児相や市区町村は、学校や保育所、子ども食堂などの民間団体と連携し子どもを見守ってほしい。

 保護者でなくとも連絡できる虐待の相談ダイヤル「189」がある。社会全体で地域の子どもに目を配ることも大切だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年11月28日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張】:いじめ最多 心の中に棲む「鬼」を断て

2020-10-30 05:01:40 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【主張】:いじめ最多 心の中に棲む「鬼」を断て

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:いじめ最多 心の中に棲む「鬼」を断て 

 全国の小中高校などで把握された、いじめが文部科学省の調査で過去最多を更新した。

 インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷といった、いじめの増加が顕著だ。陰に隠れエスカレートしやすく、自殺などにつながる深刻な事態も起きている。親や教師は認識を新たに、厳しく指導と対策にあたるべきだ。

 調査による、いじめの認知件数は令和元年度で61万件を超えた。前年度から7万件近い増加だ。

 心身に大きな被害を受けるなどの「重大事態」も前年度から100件以上増え、700件を超えた。深刻である。

 平成25年にいじめ防止対策推進法が施行され、被害者の立場でいじめを広く捉えるようになった。だが対策は伴っているか、見過ごされているものはないか。

 とくに気がかりなのは、いわゆる「ネットいじめ」が1万8千件近く、増加が目立つことだ。26年度と比べ、この5年で2倍以上になっている。

 スマートフォンなどを使った書き込みは、学校側は見えにくく、把握が難しい。統計数字は「氷山の一角」とみるべきだ。

 誹謗中傷が痛ましい事件につながるケースは後を絶たない。28年にはSNS(会員制交流サイト)に根拠ない噂を投稿されるなどした中学2年の女子生徒が自殺している。 

 ネット上の書き込みは、匿名でできることから、安易に行われ、過激化しやすい。

 だがけっして許されるものではない。匿名性に対し、プロバイダ責任制限法という法律で、発信者情報を開示する仕組みもつくられている。同法に基づき、ネット上で激しい中傷を受けた女性が投稿者を特定し、警察が侮辱容疑で書類送検した事案もある。損害賠償請求なども行われている。

 いじめ防止対策推進法でネット上の中傷はいじめと定義されている。卑怯(ひきょう)な違法行為は罰せられると、はっきり教えるべきだ。

 新型コロナウイルス感染拡大の中で、医療関係者の子供らへのいわれない差別や中傷なども問題となっている。

 いじめはどこにでもある。些細(ささい)なきっかけで悪意が誰かに向かう可能性がある。親は家庭で他人の悪口を言っていないか。心の中に「鬼」を棲(す)まわせない、断固たる意志を社会で共有したい。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2020年10月29日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説①】:2歳虐待死判決 命を救う連携を深めよ

2020-10-17 05:05:55 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【社説①】:2歳虐待死判決 命を救う連携を深めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:2歳虐待死判決 命を救う連携を深めよ 

 札幌市中央区で昨年6月に池田詩梨(ことり)ちゃん=当時(2)=が死亡した事件で、札幌地裁はきのう、母親の交際相手だった藤原一弥被告(25)に対し、懲役13年の判決を言い渡した。

 判決は、藤原被告による暴行と詩梨ちゃんの死亡との間に直接の因果関係を認めなかったものの、傷害と保護責任者遺棄致死の二つの罪を適用し、虐待事件としては重い量刑を下した。

 全身にけがを負った詩梨ちゃんは食事をほとんど与えられずに放置され、やせ細って短い生涯を終えた。裁判員がこの犯行を極めて悪質だと判断したと言えよう。

 関係機関の判断の甘さや連携の悪さなど、多くの課題が表面化した事件だった。悲劇を繰り返さぬよう、各機関は連携を深めて虐待の早期発見に努めねばならない。

 藤原被告が詩梨ちゃんの死亡につながる暴行をしたか、詩梨ちゃんの衰弱を知りながら保護しなかったのか―が主な争点だった。

 被告側は「一切やっていない」と無罪を主張し、懲役18年を求刑した検察側と全面対立していた。

 判決は、司法解剖を担当した医師の意見や、母親の池田莉菜被告(22)から藤原被告の暴力について相談を受けていたという証人の証言などを重視した。

 その上で、藤原被告が詩梨ちゃんを保護する立場にありながら暴行を加え、自己保身や遊興を優先させて救命に当たらなかったことを、「誠にむごく悪質」と厳しく非難した。

 この事件では、札幌市の母子保健などの各部署が情報交換を怠り、詩梨ちゃんの発育不良をそのままにし、児童相談所は虐待通告に適切に対応できず、最悪の結果を招いた。

 詩梨ちゃんを救う機会は何度もあったはずだ。ここからくみ取るべき教訓は多い。

 市は児童相談所の児童福祉司の増員や、道警との連絡体制の見直しなどを進めている。

 大事なのは新しい仕組みに実効性を持たせることだ。関係機関同士で意思疎通を重ね、スムーズな連携ができるよう努めてほしい。

 乳幼児への虐待は後を絶たない。今年1~6月の全国の児童相談所の虐待対応件数は例年同様、過去最多を更新するペースだ。

 新型コロナウイルス禍による外出自粛で外部の目が子どもに届きにくくなり、虐待が潜在化した恐れも指摘されている。

 関係機関が全力で子どもに向き合い、幼い命を守りたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年10月17日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:葛の葉の裏風

2020-10-17 05:05:45 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【卓上四季】:葛の葉の裏風

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:葛の葉の裏風

 「恋しくば尋ね来て見よ和泉(いづみ)なる信太(しのだ)の森の恨み葛(くず)の葉」。葛の葉姫に化けたキツネが正体を暴かれわが子を残し森に帰る際に詠んだ歌だ。悲しいまでの親子の情愛が心を打つ▼通称「葛の葉」。浄瑠璃や歌舞伎の「芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)」は、「夕鶴」と並ぶ異類婚姻譚(たん)の代表作である。助けられた動物が妻となって恩返しする話は、全国に似た伝承が残る▼折口信夫(しのぶ)によると、日本の婚姻の例え話は、外族から母が奪われてきたと読めるものが古くからあるそうだ。夫婦間の異なる価値観が家庭での破局を招き、そのしわ寄せが子どもに向かうことを示唆していたのかもしれない▼児童虐待死の事例を調べた国によると、実母のうちの約2割が配偶者や恋人からの暴力を受けていたことがわかった。家庭内のトラブルが幼い命を奪う原因になっているとしたら、あまりの無情に言葉もない▼秋の七草のクズの葉は裏が白く、風にそよぐ様を「葛の葉の裏見(うらみ)」という。冒頭の句のように「恨み」にかけたものもあるが、葉が風に裏返る様子から、「還(かえ)る」や「元に戻る」を連想させる「葛の裏風」という、うたことばもある▼札幌市の女児が昨年衰弱死した事件で札幌地裁はきのう、母親の交際相手に懲役13年の判決を言い渡した。誰も望まぬ「子別れ」はもうたくさんだ。家庭に閉じ込められた「恨み」はないか。「裏風」が優しく吹く世であれと願う。2020・10・17

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2020年10月17日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:外出自粛と虐待 家庭内の緊張見逃すな

2020-04-30 05:05:05 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【社説②】:外出自粛と虐待 家庭内の緊張見逃すな

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:外出自粛と虐待 家庭内の緊張見逃すな

 新型コロナウイルス感染防止で外出自粛が続く中、児童虐待やドメスティックバイオレンス(DV)のリスクが高まっている。

 今月に入り、収入減を巡る口論で妻が夫に殴り殺され、虐待が疑われる幼児の死亡も報じられた。

 札幌市では、3月に市児童相談所に寄せられた虐待の通告が前年同月の1・5倍に急増した。

 休校の長期化や休業などで家庭環境が変わり、家族間の緊張が高まっている恐れがある。

 海外では感染症が広がる度、家庭内の暴力防止が課題になってきた。「家にいて」で終わらせず、行政や支援団体が被害者とつながる手だてを尽くすとともに、市民も暴力への感度を高めたい。

 感染拡大は弱まる兆しがない。親子とも逃げ場のない閉塞(へいそく)感で、子どもに手を上げそうだという悩みは早くから聞かれた。

 緊急事態宣言が長引けば、経済的な逼迫(ひっぱく)も加わる。最悪の事態を招かないためにも、速やかな経済支援の充実が求められる。

 市児相への通告は、3分の2が道警からで、子どもの前で配偶者に暴力を振るう面前DVなど、虐待が疑われるものも複数あった。

 心配なのは、学校や幼稚園、乳幼児健診、子ども食堂など、子どもの見守りの場が、感染症で縮小を余儀なくされていることだ。

 文部科学省は休校中の施設開放や登校日の検討を求めているが、福井県で登校日にクラスターが発生し、札幌市も実施を断念した。

 代わりに電話で児童生徒の状況を確認し、連絡が取れない場合は家庭訪問などを行うという。

 虐待が疑われても、感染防止のため一時保護がままならず、家庭で様子を見るケースも出てきかねない。学校と児相、警察の一層注意深い連携が求められる。

 児童虐待がDVと同時に起きる場合が多いことにも留意したい。

 国連は感染拡大を受けて、各国政府にDV対策の強化を促した。

 外出制限下で助けを求められるようショートメールで緊急通報を受けたり、宅配業者と連携するなど、参考になる取り組みもある。

 内閣府も自治体に支援を促すとともに、深夜・休日対応窓口を設け、SNSでの相談も始めた。

 事態の長期化を見据え、親子の避難場所となるシェルターを増設する国もある。せめて、民間シェルターの拡充を支援してほしい。

 社会が揺らぐとき、安全網の穴を埋められるのは身近な人だ。一人一人がアンテナを高め、一歩踏み出す勇気を持ちたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年04月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:千葉虐待死判決 再発防ぐ強固な連携を

2020-03-21 05:05:40 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【社説②】:千葉虐待死判決 再発防ぐ強固な連携を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:千葉虐待死判決 再発防ぐ強固な連携を

 千葉県野田市で昨年1月に栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=を虐待して死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた父勇一郎被告(42)の裁判員裁判で、千葉地裁は懲役16年の判決を言い渡した。

 同種事件では異例の重い刑だ。

 弁護側は「しつけが行き過ぎた」と情状酌量を求めたが、判決は「独善的な考え方と支配欲から虐待を加え続けた。酌量の余地はない」と厳しく退けた。

 事件を受け児童虐待防止法などが改正され、4月から親によるしつけの際の体罰が禁止される。児童相談所の機能強化も図られる。

 痛ましい事件が二度と起きないよう、関係機関は連携を密にして虐待の芽をつまねばならない。

 判決は、起訴された六つの罪をすべて認定した。長時間立たせ冷水を浴びせるなどの行為が社会に衝撃を与えた陰湿な虐待だった。

 心愛さんを助けようとした児童相談所の職員を畏怖させるなど、社会的介入を困難にした全責任は被告にあるとした。

 だが、行政の側にも不適切な対応があったことは否定できない。

 とりわけ、心愛さんが被告の暴力を「先生、どうにかできませんか」と訴えた学校アンケートのコピーを、教育委員会が被告の強圧的な態度に屈して渡したのは、取り返しのつかないミスだった。

 被告が虐待をさらに激化させた可能性が指摘されている。あってはならないことだ。

 4月からの法改正で、児童相談所は子どもを一時保護する「介入」と、保護者の相談に乗る「支援」を別々の職員が担当することになる。子どもの迅速な安全確保を図る狙いだ。

 児相は子どもの転居時に情報共有を徹底することも求められる。

 ただ、仕組みに実効性を持たせるには、教委や警察を含めた密接な連携が欠かせない。

 札幌市中央区の池田詩梨(ことり)ちゃん=当時(2)=が昨年6月に衰弱死した事件でも、組織間の連携不足があらわになった。

 検証委員会が先に公表した報告書には、各担当者がもう一歩踏み込んで他部署などと積極的に情報交換していれば悲劇は防げたと想定される記述が随所にみられる。

 専門的知識を持った人材の育成も急務だ。

 しつけであれば体罰は容認するという大人は6割弱に上るという民間の調査結果もある。だが体罰は子どもの心に傷となって残る。

 しつけに伴う体罰は認めない意識を社会で共有するべきだ。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年03月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:はかない今生を江戸期の禅僧沢庵(たくあん)は詠んだ。

2020-03-20 06:10:40 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【筆洗】:はかない今生を江戸期の禅僧沢庵(たくあん)は詠んだ。

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:はかない今生を江戸期の禅僧沢庵(たくあん)は詠んだ。

 <たらちねによばれて仮の客に来てこころのこさずかえる故郷>。たらちね、つまり父、母に呼ばれて訪れたこの世の客ならば、人は心残りなしに去るのがいいと▼短いひと時なればこそ、大切に楽しく生きよ。そうもよめる歌だろう。招かれたこの世で、招いた親に虐げられて、露にも満たない生を、心残りと共に終えなければならなかった子供たちを思う時、歌は痛切な悲しみを帯びよう▼千葉県野田市の小学四年生、栗原心愛(みあ)さんの虐待死事件で、傷害致死などの罪に問われた父親に千葉地裁は懲役十六年の判決を言い渡した。「本来愛情を注がれるはずの実父から理不尽極まりない虐待を受け続け、絶命した…悲しみや無念」。裁判長の言葉も判決も重い▼父親は暴行の多くを否定し、娘が学校に訴えていた暴力について「うそ」だったとも主張した。「どうして」が分からないままの裁判となった▼「未来のあなたを見たいです。あきらめないで」と、自分に宛てた手紙を死の数カ月前に書いていたそうだ。心愛さんの心残りと無念はいかばかりかと感じられてならない▼<露の世は露の世ながらさりながら>。詠んだ小林一茶は幼い娘を疫病で亡くしている。命ははかない、そうだけれども、そうだからこそ、こんな無念があってはならない。世の中から声が聞こえるようだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2020年03月20日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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