路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:入管死再捜査へ 過失の有無、徹底解明を

2023-01-01 07:23:15 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】
【社説①】:入管死再捜査へ 過失の有無、徹底解明を
 
 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:入管死再捜査へ 過失の有無、徹底解明を
 
 一般市民十一人による検察審査会(検審)が、「不起訴不当」と議決した。名古屋地検は、真摯(しんし)に再捜査してほしい。
 
 昨年三月、名古屋出入国在留管理局(入管)で収容中のスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんが死亡した問題で、殺人と保護責任者遺棄致死の疑いで告訴・告発され不起訴だった当時の局長ら十三人について、名古屋第一検審は「業務上過失致死容疑の成否に再検討が必要」と判断した。
 
 検審法により、名古屋地検は再捜査の上で、再び起訴か不起訴かを判断しなければならない。
 
 弁護団の指宿昭一弁護士は「入管施設での死亡案件で、検審が地検に再捜査を促す判断をしたのは初めてではないか。画期的な議決だ」と評価する。
 
 議決はまず、ウィシュマさんの死因が特定できないという理由での不起訴処分に「検審として疑問を感じる」と指摘。続いて、殺意や、食事を与えないなど「不保護」の認識は十三人にはなかったとして、殺人罪などは認めなかった。しかし、「何らかの過失」が認められるなら、「(告訴・告発されていない)業務上過失致死罪が成立する可能性もある」と述べた。
 
 ウィシュマさんの死亡直前の三月初めに、入管職員らが「ちゅうちょなく救急車を要請する」などの措置を講じていれば、「救命は可能だったと考えることもできる」と過失の可能性に言及。業務上過失致死罪に問わない検察官の判断には「納得できない」と結論づけた。
 
 今回と類似した事案がある。茨城県の入管施設で、カメルーン国籍の男性が衰弱死したのは、入管が放置したためだとして、遺族が国を訴えた民事訴訟で、水戸地裁は九月、「救急搬送すべきだった」と入管側の過失を認め、国に損害賠償を命じている。
 
 名古屋入管は、生前のウィシュマさんの様子を撮影した二百九十五時間分のビデオ映像を所持している。遺族が国に損害賠償を求めた民事訴訟では、国はこのうち五時間分を名古屋地裁の勧告を受けて証拠提出し、来年の法廷で一部が上映される可能性がある。
 
 あこがれの国日本の入管施設で体調不良を訴えて衰弱していったウィシュマさんは、どんな思いで最期を迎えたのだろう。地検は全てのビデオ映像を精査するなどして、再捜査を尽くしてほしい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年12月28日  08:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【金口木舌】:移民の苦難の体験に光を

2022-09-14 05:03:50 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【金口木舌】:移民の苦難の体験に光を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:移民の苦難の体験に光を

 1943年、第2次世界大戦で連合国側についたブラジルのサントスで、日系人ら約6500人が収容所などに強制退去させられた

 ▼「サントス事件」と呼ばれる。79年前の出来事だが、ブラジル沖縄県人会などは名誉回復のため、政府に補償を伴わない謝罪を求める署名運動を先月始めた
 ▼強制立ち退きは米国やカナダなどでも起き、後に政府が過ちを認め、謝罪・補償した。ブラジル政府は沈黙を貫く。ブラジル沖縄県人移民研究塾代表の宮城あきらさん(84)は「事件は歴史の暗部」と話す
 ▼国策で送り出された移民は世界各地で翻弄(ほんろう)された。戦前旧満州国(現中国東北部)に送り出された「満蒙開拓団」は敗戦で大勢の犠牲者を出した。沖縄では、戦後もボリビアへの計画移民など辛苦があった
 ▼宮城さんは「送り出されたウチナーンチュがどう人生を切り開いてきたのか、苦難の歴史の記録がこれまで十分ではなかった。歴史を究明する努力が必要だ」と語る。もうすぐ世界のウチナーンチュ大会。移民の成功体験だけでなくその苦難にも目を向けたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2022年09月14日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説】:[外国籍児の教育] 就学前から支援手厚く

2022-05-08 05:07:45 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【社説】:[外国籍児の教育] 就学前から支援手厚く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:[外国籍児の教育] 就学前から支援手厚く

 ロシアの侵攻が続くウクライナから戦火を逃れ来日した避難民は、4月末までに700人を超えた。中には親と一緒に避難してきた子どももおり、政府は就学サポートや日本語教育など積極的な支援策を打ち出している。残り1041文字(全文:1138文字)

 ※:この記事は有料会員限定です。いますぐ登録して続きをお読み下さい。

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2022年05月02日  09:22:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説②》:外国ルーツの子ども 日本語習得支える制度を

2022-04-19 02:03:40 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

《社説②》:外国ルーツの子ども 日本語習得支える制度を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:外国ルーツの子ども 日本語習得支える制度を 

 外国にルーツを持ち、日本語に不慣れな子どもが通常の授業を受けられないケースが少なくない。

 公立の小中学校に通う20人に1人が、本来は障害のある子を対象とする特別支援学級に在籍している。国による初めての全国調査で明らかになった。

 小中学生全体では、この学級に通うのは30人に1人だ。それに比べて割合が高い。

 障害に応じて特別な指導をするクラスであり、日本語に習熟していないことは在籍の理由とはならない。

 問題は、こうした子どもたちが学校で日本語を学ぶ環境が整っていないことにある。

 学校側に通常学級で受け入れる態勢ができていないことから、特別支援学級を勧められた子どもがいる。日本語が壁になっている事情に留意せず、学習の遅れを障害とみなした学校や教育委員会もあったという。 

 国や自治体には、日本で暮らす外国人らへの日本語教育を推進する責任がある。2019年6月に法律で定められたが、地域によって取り組みには差がある。

 日本語教室を各校に開設し、担当教員や通訳ボランティアを配置している自治体がある。一方で、そうした人材が足りず、十分な支援ができていない地域もある。 

 まずは、限られた人材を活用して、より多くの子どもを指導する方法を考えてほしい。担当教員らが地域内の各校を回って指導したり、オンラインで複数の学校の子どもを教えたりしている実践例は参考になる。

 外国ルーツの子どもが今後増えていくことを見据えた制度づくりが欠かせない。

 必要なのは、通常の授業に参加できる水準の日本語を身につけられる環境だ。教える技量とさまざまなルーツへの理解を持った教員の確保に向け、人材育成の仕組みを整えることが重要となる。 

 ほとんどの中学生が高校や専修学校などに進学する中で、日本語指導が必要な生徒の進学率は9割に届いていない。

 日本で暮らす全ての子どもが分け隔てなく学ぶ機会を保障されることが大切だ。受け入れ態勢が不十分であるために、進路を狭められることがあってはならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年04月17日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説②】:実習生の妊娠 孤立防ぐ支援を急げ

2022-04-08 07:03:30 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【社説②】:実習生の妊娠 孤立防ぐ支援を急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:実習生の妊娠 孤立防ぐ支援を急げ

 外国人実習生らが予期せぬ妊娠の末、孤立出産に追い込まれるケースが相次いでいる。熊本では二〇二〇年、実習生が強制帰国を恐れて誰にも相談できないまま死産し、死体遺棄罪に問われた。

 妊娠・出産は人として当然の権利であり、日本の法律は妊娠・出産を理由にした不利益な扱いを禁じる。実習生の孤立出産を防ぐには、そうした日本の制度を十分に周知し、実習生が不利益をこうむらないよう、きめ細かく支援するための枠組みづくりが急務だ。
 
 死産した双子の遺体を自宅に遺棄したとして、死体遺棄罪に問われているのはベトナム人技能実習生(23)。昨年夏の一審熊本地裁、今年一月の二審福岡高裁ともに有罪判決を受け、上告した。
 
 一八年に来日したこの女性は、熊本県内の農園で働いていた二〇年夏、妊娠が分かったが誰にも相談できず、同年秋、自宅で双子を出産したが死産だった。
 
 女性は遺体をタオルで包み、段ボール箱に入れた。双子につけた名前と、「安らかに眠って」と書いた弔いの手紙もともに入れて、箱を室内に置いた。翌日病院で死産について話したことで、死体遺棄の疑いで逮捕された。
 
 一審判決は女性が死産を医師に話すまでの三十時間、遺体を葬祭せずに放置したとして有罪に。二審は一審判決と異なり、妊娠を伏せ、遺体を箱に入れていたことなどを「隠匿」として死体遺棄罪の成立を認定し、懲役三月、執行猶予二年の有罪とした。
 
 しかし女性は死産直後、遺体のそばで一晩過ごしただけだ。箱はひつぎの代わりで一時的に遺体を安置したとの主張に不自然さはない。女性の無罪を訴える署名は八万筆を超えた。実習生を追い詰める判決は見直されるべきだろう。
 
 女性が妊娠を言い出せなかったのは、実習を受け入れる監理団体や雇用主に妊娠が知られると強制帰国させられる実態があるからだ。近年、外国人実習生の女性が死産した子を遺棄したとして逮捕される事例も相次ぐ。
 
 国の調査では一七〜二〇年に妊娠や出産で実習を中断した事例は六百三十七件。実習を再開できたのは約2%の十一人にとどまり、多くは帰国したとみられる。
 
 ベトナム人実習生の死産も、妊娠・出産による強制帰国を恐れた末の悲劇だ。刑事責任を負わせて片付けるべき問題ではない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年04月07日  07:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳】:入管の闇に消えていった罪なき人たち/03.10

2022-03-18 07:56:00 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【政界地獄耳】:入管の闇に消えていった罪なき人たち/03.10

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:入管の闇に消えていった罪なき人たち/03.10 

 ★ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、2日のポーランドとの首脳電話会談で「親族や知人が日本にいる方々」だけでなく、その他の人々の希望にも「人道的な観点から対応していく」と積極姿勢を見せた首相・岸田文雄。ウクライナ避難民の日本国内受け入れが8日スタートした。日本政府は外国人観光客などの短期入国者には極めて寛容だが、避難民や政治亡命のビザ(査証)発給には「本国の治安に対する不安」を理由に、世界有数の後ろ向きな鎖国政策をとっている。つまりカネを落とす外国人は歓迎するが、低所得者や不法入国などには事情があろうと厳しく冷たい。

 ★紛争や人権侵害、貧困、飢餓などから自分の命を守るためにやむを得ず母国を追われ、逃げざるを得ない人たちに入国管理センター(入管)は保護するというよりも、偽装難民ではないかという疑いから管理することに立脚し、偏見に満ち差別的な拘留をする。人権や国際法令を無視した非人道的で犯罪者のように追い込んでいく姿勢は日本人には知らされてこなかった。法務省も出入国在留管理庁も異文化などの多様性にそもそも対応する気がない。その改善がないまま、今までの閉鎖的入管政策が突然、ウクライナ問題で人道論に転じたところで満足のいく避難民政策として評価されるのだろうか。

 ★それでなくとも1年前には名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性・ウィシュマ・サンダマリが死亡した。しかしそれが氷山の一角だったことはさまざまな告発で表面化している。しかも彼女の体調不良に入管は詐病を疑う。偽装難民を見つけ出すことを目的とし、認定されるべき避難民をはじいてきた失策を改めない限り、政府が入管政策を「人道的」などという美談にされたら、多くの入管の闇に消えていった罪なき人たちが浮かばれない。首相はこの際そこまで踏み込んでもらいたい。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年03月10日  08:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【風・論説委員室から】:入管問題の根断つ時だ 相内亮

2022-03-15 05:05:20 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【風・論説委員室から】:入管問題の根断つ時だ 相内亮

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【風・論説委員室から】:入管問題の根断つ時だ 相内亮 

 出入国在留管理庁の名古屋の施設で、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが適切な医療を受けられずに亡くなって1年が過ぎた。

 入管施設での外国人の病死や自殺は多発している。

 その元凶と目されているのが入管の強大な裁量権だ。

 入管は入管法上、在留期間を超えるなどした外国人を全員、司法の審査なく、無期限に施設収容することができる。

 閉ざされた空間に長く拘束され、精神的にも肉体的にも追い詰められる外国人は多い。

 送還を拒む外国人に圧力をかける装置として施設が使われていると言っていい。

 この運用は、国際人権ルールに反しているとして国連の機関が是正を求めている。

 だが日本政府は応じていない。ウィシュマさんに関して入管庁が昨年公表した最終報告書は、職員の意識や医療体制などを改善点に挙げるにとどまり、事を矮小(わいしょう)化した。

 政府は問題の核心に向き合っていないと言わざるを得ない。

 外国人を人と思わないかのような入管行政の根っこに何があるのかを知ろうと、昨年末から専門家に話を聞いてきた。

 OBの立場から入管改革を訴える元東京入管局長の水上洋一郎さん(80)は「戦後の入管の当初の実体は、朝鮮半島からの密航を取り締まり、在日朝鮮人を管理する機関だった」と解説した上で、「2018年の入管法改正に伴いやっと共生社会に向けた総合調整の役割も担うようにはなったが、入管法の基本は『外国人の出入国管理』のまま変わっていない」と話した。

 入管が、朝鮮半島をはじめとする外国の人々に対する差別性を内に宿したまま今に至ったことがうかがえる。

 その歩みの中で、外国人を管理の対象としてのみ見る習性が染みついたのではないかと疑わざるを得ない。

 日本とアジアの関係史が専門の田中宏・一橋大名誉教授は、「東西冷戦構造の西側に組み込まれ経済発展した日本は、戦争が遠景となる中、かつて支配したアジア諸地域との関係構築やその出身者の処遇に十分向き合わなかった。入管問題はそういう流れの中で考えるべきではないか」との見方を示した。

 戦後日本は米国追従を強め、アジアと距離を置いた。入管が変わらずにきた背景にアジア軽視があるとも言えそうだ。

 日本には300万人近い外国人が暮らす。すでに移民大国だと見る専門家もいる。

 ウィシュマさんらの悲劇は外国人との共生が求められる時代に入管行政が対応できていないことの表れと見るべきだろう。

 入管問題は戦後日本の歩みに深く根ざしている。その根を断つ抜本改革が急務だ。

 現在の入管法と入管庁に代わって、外国人を日本社会の一員に位置づけ対等な共生社会の実現を図る新法と、それに関する政策を主導する新組織の設置を国会と政府に強く求めたい。

 戦後日本のアジアでの立ち位置に関しては、国際政治に詳しい我部政明・琉球大名誉教授にも話を聞いた。

 我部氏は「アジアに友好国がない日本には、米軍がいなければ安心できないという『おびえ』がある。それが日米同盟を支える原動力だ。政権には『対米関係さえ良ければ』という考えが強い」とした上で、「そのツケでアジア近隣国と良好な関係を築けていないのが日本外交の弱み。アジアの一員となる姿勢が求められる」と指摘した。

 入管の抜本改革を、日本のおびえを過去のものとするための一歩にすべきだとも考える。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【風・論説委員室から】  2022年03月13日  10:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳】:映画「牛久」に見る入管の実態/02.01

2022-03-15 05:05:10 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【政界地獄耳】:映画「牛久」に見る入管の実態/02.01

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:映画「牛久」に見る入管の実態/02.01 

 ★「牛久」をご存じだろうか。もちろん茨城県牛久市であるのだが、今回はその牛久にある、全国に17カ所ある東日本入国管理センターを描いたドキュメンタリー映画のタイトルだ。そこに収容された人々の証言から日本の入管収容所の実態が描かれる。東京では今月26日から公開される。監督はアメリカ出身のトーマス・アッシュ。日本の法律は在留資格がない人や難民、更新が認められず国外退去を命じられた外国人を「不法滞在者」として強制的に収容している。人権無視などの実態が初めてさらされたということになる。昨年も「東京クルド」というクルド人難民を描くドキュメンタリーがあったが、この映画は入管の収容実態が明らかになる。

入管告発ドキュメンタリー映画「牛久」、来年2月公開決定

 映画「牛久」。2022年2月26日(土)から全国順次ロードショー。

 ★映画は施設の厳しい規制の中、収容されている内部の状況を当事者たちの了解を得て、面会室での隠し撮りも含めてこれが入管の実態かと思わせる目を覆うシーンもある。医療を受けることもままならず、日本語ができても難民申請しても日本人と結婚していても、犯罪者でないのに彼らは非人間的に扱われる。日本に期待し信頼し、日本が好きで、だが彼らから語られる胸を突く言葉にこれが日本の国際化、ダイバーシティ、共生社会の実態なのかと思わざるを得ない。

 ★収容者は入管にとって模範的な態度をとり条件を満たすと仮放免を受け施設の外に数週間でることができるが、指定の県外に移動してはいけない、住民票がないから生活保護、健康保険が受けられず医者にかかれば10割負担になる。だが働いてはいけないから収入はない。その繰り返しだ。映画後半、国会でこの問題が予算委員会の議題になるシーンがあるが、政府はまじめに対応しない。昨年12月1日現在、牛久には18人が収容されているが、20年以降仮放免が急増したのは皮肉にも新型コロナのクラスター防止のためだ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年02月01日  10:17:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【斜面】:奴隷労働

2022-02-04 09:30:12 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【斜面】:奴隷労働

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【斜面】:奴隷労働

 ネットの動画から目を背けたくなった。

 「イタイー、イヤー」。

 悲鳴を楽しむかのように日本人の従業員がベトナム人の男性を事務所で何度も蹴っている。

 トラックの荷台にいれば棒でたたく。車内でも隣から肘鉄を何度も食らわせる…、

 ※:この記事は会員限定です。いますぐ会員種別を選択して、登録して続きをお読み下さい。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 ニュースセレクト 社説・解説・コラム 【斜面】  2022年02月01日  09:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説②】:長期収容で提訴 入管の強圧性が争点だ

2022-02-01 07:47:50 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【社説②】:長期収容で提訴 入管の強圧性が争点だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:長期収容で提訴 入管の強圧性が争点だ 

 司法審査もなく、長期収容されたのは国際人権規約に反するとして、外国人二人が国に計三千万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。日本の入管行政は国際基準から逸脱していると指摘される。司法判断に注目したい。
 
 原告は母国での迫害を逃れて来日したイラン国籍とトルコ国籍の男性二人。ともに難民申請が認められず、仮放免と再収容が十年以上、繰り返されてきた。トルコ国籍の男性には日本人の妻がいる。
 
 この訴えには経緯がある。二人は二〇一九年、日本も理事国を務める国連人権理事会の恣意(しい)的拘禁作業部会に「収容は人権侵害」と通報した。同作業部会は二〇年、再収容に必要性は認められず、収容期間の上限や収容判断に司法の関与がない日本の入管難民法は国際人権規約に反すると、政府に同法の見直しや二人への賠償を求める意見書を送付した。
 
 国際人権規約は世界人権宣言に基づく条約で、日本も批准している。意見書に法的な拘束力はないが、国際常識に照らした批判だ。
 
 だが、政府は昨年三月、作業部会に「(意見書は)事実誤認に基づく」と異議を申し立てた。具体的には入管の収容判断に不服がある者は行政訴訟を起こすことが可能で、司法審査や救済は保障されているなどと反論。提訴により、論戦が法廷に持ち込まれた形だ。
 
 警察や検察でも身体拘束するためには裁判所の令状が必要だが、入管は独自判断で拘束できる。その特殊性を意見書は問題視しているのであって、政府の反論は当を得ているとは言い難い。
 
 さらに昨年九月に入管の対応を違憲と断じた東京高裁判決は決定的だ。難民不認定に異議を申し立てた外国人に棄却を告げた翌日、強制送還したことが「裁判を受ける権利への侵害」と判断された。判決は司法による救済が看板倒れだったことを示したといえる。
 
 政府は難民申請を二回に制限することなどを盛り込んだ入管難民法改正案の再提出を準備している。入管の審査回数すら制限することが、東京高裁判決の趣旨に逆行していることは明らかだ。
 
 岸田文雄首相は国際人権担当の首相補佐官を新設したが、まずは足元の人権感覚が問われよう。
 
 行政に強圧性を自覚する能力が欠けていれば、司法の力に頼らざるを得ない。裁判所には国際世論にも配慮した判断を期待したい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月26日  07:53:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説①】:入管に違憲判決 非人道性が断罪された

2021-09-28 07:30:35 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【社説①】:入管に違憲判決 非人道性が断罪された

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:入管に違憲判決 非人道性が断罪された 

 難民認定申請の棄却を告げた翌日、外国人男性二人を強制送還した入管の対応を東京高裁が違憲と断じた。今年三月の女性収容者死亡事件でも、入管はその人権侵害体質を厳しく批判された。抜本的な組織改革は待ったなしだ。
 
 再び入管行政の暗部が断罪された。この訴訟の原告であるスリランカ人男性二人は、二〇〇〇年前後に日本に入国。難民不認定処分を受けた後、処分への異議を申し立て、仮放免許可を得ていた。一四年に許可更新のため、東京入国管理局に出頭した際、申し立ての棄却を告げられ、翌日、チャーター便で強制送還された。
 
 二人はその後、処分取り消しの訴訟を起こす時間的余裕を与えられなかったとして、国に賠償を求めて提訴。一審判決では請求を棄却されたが、二十二日の東京高裁判決は、入管が「憲法で保障された裁判を受ける権利を侵害した」と判断し、国に賠償を命じた。
 
 原告側弁護団によると、外国人の強制送還をめぐって違憲判決が出たのは今回が初めてという。
 
 異議申し立ての棄却は告知の四十七日前に決まっていたが、判決は「訴訟を起こす前に送還するため、あえて告知を遅らせた」と入管の脱法的な行為を指弾した。
 
 男性二人は祖国で迫害を受ける恐れを訴えていた。こうした人びとの送還は国際法上の原則に反する。だが、チャーター便での集団送還を計画的に遂行するため、入管は恒常的にこうした「だまし討ち」的な手口を駆使してきた。
 
 今年一月にも同様のケースで、名古屋高裁が入管の対応を違法とする判決を示した。だが、違憲とまでは踏み込まなかった。今回の違憲判決は当然とはいえ、画期的であり、入管の非人道的な行為を抑制する効果が期待される。
 
 国際的な人権水準に則した入管行政への改革が不可欠だが、入管に自浄能力があるとは思えない。
 
 名古屋市の入管施設での収容者死亡事件では、亡くなった女性を写した監視映像の一部が遺族の妹二人に開示されたが、入管は遺族が求める代理人弁護士の同席を拒み、全面公開も避けている。保安上の理由などを挙げるが、合理性はなく、全容解明を恐れての一時しのぎと考えざるを得ない。
 
 国は入管改革のための独立した第三者委員会を設けるべきだ。大胆にメスを入れねば、日本の人権への評価は地に落ちかねない。
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年09月27日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【筆洗】:二十人ほどの学生アルバイトを雇い、半分に分ける。一方は看守役、もう…

2021-08-16 07:29:35 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【筆洗】:二十人ほどの学生アルバイトを雇い、半分に分ける。一方は看守役、もう…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:二十人ほどの学生アルバイトを雇い、半分に分ける。一方は看守役、もう…

 二十人ほどの学生アルバイトを雇い、半分に分ける。一方は看守役、もう片方は囚人役。その役になりきってもらい、模擬刑務所の中で生活させる▼映画にもなった米国の有名な心理学実験は一九七一年八月に行われた。「スタンフォード監獄実験」という。どうなったか。ごっこにもかかわらず、看守役は囚人役に次第に支配的になり、精神的虐待や暴力まで使うようになった。実験は中止になった▼人を支配できる役割を与えると残酷な行為も平気になっていく。実験の信ぴょう性には以前から疑問も出ているが、人間にはそんな悲しい側面が確かにあるかもしれない。名古屋市の入管施設に収容されていたスリランカ人女性が病死した問題に考え込む▼女性は診療を求め続けたが、職員は詐病と決めつけた。体調不良で飲み物をこぼした女性に対し、ひどい言葉を使う。問題を伝える記事にやりきれぬ思いとなる▼人権意識も持ち合わせているはずの現代人とその無情な行為がうまく結びつかぬ。不法滞在の外国人を預かる入管という特殊な空間。その中に職員を冷酷にする何かが潜んではいないか▼今後の対策として医療体制の整備を図ると聞く。それだけでは再発防止にはなるまい。問題の背景を探り、職員の徹底的な意識改革を図るのは当然のことで、あんな実験はうそっぱちなのだと証明できる場所へとつくり替えたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2021年08月14日  07:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説①】:収容女性の死亡 入管の閉鎖性問い直せ

2021-08-16 07:28:35 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【社説①】:収容女性の死亡 入管の閉鎖性問い直せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:収容女性の死亡 入管の閉鎖性問い直せ 

 名古屋市の入管施設に収容中のスリランカ人女性が死亡した事件で、出入国在留管理庁が最終調査報告書を公表した。背景にある国外退去至上主義や入管行政の閉鎖性には触れていない内容だ。これでは再発防止につながらない。
 
 亡くなったウィシュマさん=当時(33)=は日本語学校の学費が払えず退学し、在留資格を失った。昨年八月に収容されたが、体調を崩し、今年三月に死亡した。
 
 入管庁は四月に中間報告を発表したが、記載内容と外部病院の医師の所見の食い違いなどが発覚。最終調査報告書が待たれていた。
 
 報告書では情報共有や休日の医療体制の不備、ウィシュマさんがドメスティックバイオレンス(DV)の被害者だったにもかかわらず、内規に反して事情聴取をしていなかった点などが列記され、それぞれの改善を促している。
 
 だが、最大の問題はウィシュマさんの仮放免申請を却下していた点にある。仮放免は一定の条件で収容施設から外に出る仕組みだ。
 
 ウィシュマさんの場合、収容のきっかけは元交際相手の暴力を恐れて交番に駆け込んだことだ。逃亡の恐れは薄い。コロナ禍でスリランカへの定期便が止まり、容易には帰国できず、引受人もいて拘束する合理的理由はなかった。
 
 それでも収容に固執した背景にはここ数年、長期収容の圧力で収容者に国外退去を促すという送還最優先の方針があった。報告書でも申請却下を正当化している。
 
 死亡二日前になり、外部医師からの指摘で仮放免を考え始めたという経緯からは、病状悪化から厄介払いしようとした印象を抱く。
 
 死亡の数時間前、職員が反応の鈍いウィシュマさんに「ねえ、薬きまってる?」と話しかけたという記述がある。薬物常習者とみなすような侮蔑的な対応で、人権感覚がうかがえない。
 
 改善策には体調不良者の仮放免の運用見直しなどが挙げられた。だが、問われているのは長期収容で在留を諦めさせる強権的な手法ではないか。先の国会で成立が見送られた入管難民法改正案もこの手法の強化に貫かれていた。
 
 報告書作成には外部有識者も加わったが、人選は当局に委ねられた。入管当局は収容者への医療、在留資格や仮放免の認否などの裁量を独占している。そうした閉鎖性が事件の本質である。第三者を介在させる改革が不可欠だ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年08月11日  07:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【愛知県】:名古屋入管に脅迫状、県警が捜査 スリランカ人女性死亡巡り

2021-05-24 11:22:30 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【愛知県】:名古屋入管に脅迫状、県警が捜査 スリランカ人女性死亡巡り

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【愛知県】:名古屋入管に脅迫状、県警が捜査 スリランカ人女性死亡巡り

 名古屋出入国在留管理局(名古屋市)の施設収容中にスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(33)が死亡した問題を巡り、局長宛ての匿名の脅迫状が管理局に届いていたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、脅迫状はウィシュマさんの死亡に抗議し、局長に危害を加えるという趣旨の内容。愛知県警は14日に被害届を受理し、脅迫容疑で捜査を始めた。
 ウィシュマさんは2017年に語学を学ぶため来日。その後不法残留状態となり、昨年8月に収容された。今年1月15日以降に体調不良を訴えたが3月6日、病院で死亡が確認された。(共同通信)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【事件・疑惑・名古屋出入国在留管理局(名古屋市)の施設収容中にスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(33)が死亡した問題】  2021年05月24日  11:22:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説②】:入管法見送り 長期収容の弊害是正が必要だ

2021-05-24 05:03:14 | 【移民・亡命・密入国・入管難民法・在留資格・偽装結婚・技能実習生他】

【社説②】:入管法見送り 長期収容の弊害是正が必要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:入管法見送り 長期収容の弊害是正が必要だ

 不法滞在の外国人を、入国管理施設に長期収容する運用が常態化している。法改正の見送りで解消は遠のいたが、人権に配慮しつつ、早期の改善を実現しなければならない。 

 外国人の収容を見直す出入国管理・難民認定法改正案について、政府・与党が今国会での成立を断念した。衆院で審議されていたが、名古屋市の入管施設で3月、スリランカ人女性が死亡したことを巡って野党が反発を強めていた。

 女性は留学ビザで来日し、学費が払えずに退学した後、不法滞在状態となった。同居していた男性の家を出て警察に出頭し、半年間、入管施設に収容されていた。

 遺族は、女性の体調が悪化したのに、必要な医療を受けられなかったと訴えている。法務省は、対応に問題がなかったのか、外部の第三者を交えて調査し、事実関係を速やかに公表すべきだ。

 法務省の中間報告書には、女性の容体を懸念した医師が仮放免を勧めたことが記載されていなかった。国会での政府側の説明も十分とは言えず、審議の混乱を招く一因となった。入管行政全体への不信感につながりかねない。

 入管施設では、半年以上の長期収容者が目立ち、5年を超える人もいる。2007年以降、収容中に死亡した外国人は17人に上り、長期収容に抗議するハンガーストライキも起きている。管理・医療体制の検証が必要だ。

 収容が長期化する背景には、退去処分を受けても帰国に応じない外国人が増えているという現実がある。20年末時点で入管施設に収容されている約350人のうち、7割が送還を拒否している。

 政府が今国会に提出した入管法改正案は、長期収容の解消を目指すものだった。送還前の外国人全員を収容する原則を改め、支援者らの監督下で生活することを認める制度も盛り込んでいた。

 生活環境の改善につながる柔軟な制度として評価できよう。

 同時に、難民申請を3回以上行った場合は、申請中でも送還できることを明記した。送還を逃れる目的で、難民申請を繰り返すケースが相次いでいるためだ。

 送還された外国人は、現行法では5年間、日本に再入国できないが、自発的に出国すれば1年間に短縮する予定だった。違法状態を解消し、正規に再来日できる方策として有効と考えられる。

 法改正が先送りになったからといって、現状を放置するのは好ましくない。与野党は引き続き、議論を深めてもらいたい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年05月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする