spin out

チラシの裏

血染めのエッグ・コージイ事件

2006年10月24日 | ミステリ
すばらしい小説はキャラクターたちのその後を知りたくなります。「ホームズ」のパスティーシュが夥しく出ているのは、みなホームズとワトソンのその後を知りたい/書きたいからですよね。

この「血染めのエッグ・コージイ事件」もそんなミステリです。

冒頭からキナ臭い政治問題で幕を開けます。エスピオナージュ、予告する宝石泥棒、殺人といった筋に、貴族、政治家、諜報部員、成金といった一癖二癖もあるキャラクターがからんできます。しかも冒頭の簡単な描写がじつは伏線になっているのが驚き。ラストの二転三転する展開には、久しぶりにミステリの醍醐味を楽しみました。ヒロインの行く末が爽やかでいいですね。クリスティのトミーとタペンスみたいなシリーズもので書いていって欲しいです。

「血染めのエッグ・コージイ事件 ジェームズ・アンダースン著 扶桑社ミステリ」
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« いいんですか? | トップ | 移動都市 »

コメントを投稿

ミステリ」カテゴリの最新記事