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チラシの裏

電脳コイル

2007年09月30日 | アニメ・特撮
とうとうあちらの世界への扉が開きましたが、別世界が夕陽に照らされた交差点(しかも通りゃんんせのメロディが流れている)とは意表をつかれました。異世界がドラゴンが出てくるようなありきたりな世界ではなく、現実との被膜一枚隔てて、焦燥感にせきたてられているような不思議な感じがしたのは演出の巧みさでしょう。

観ていながら強く連想したのは天沢退二郎の「光車よ、まわれ!」というダークジュブナイルです。こちらも現実世界のすぐとなりにある異世界からの侵入と、この街のどこかにある光車を探す話です。

18話でネコメ君がトリックスターの役割を担っていることが明らかになりましたが(ネコの持つキャラクターのせいでしょうか)、同時にハラケン、イサコ、ヤサコの3人が異世界へ行くと思われます。ハラケン君にとってイサコが異世界への導き手ならば、ヤサコは現実への帰還手となる存在でしょう。

この異世界への旅というのがファンタジーの最大モチーフであり、主人公たちは必ず帰還しなければなりません。行って、帰ってくることにより得るものと失うものを知ることになります。ジュブナイルファンタジイの場合はダサい言い方になりますが、大人への一歩みたいなものですか(「H2O」かよ)。

かのJ.R.R.トールキン『ホビットの冒険』は「行きて帰りし物語」という題でした。
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