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正史の乱歩代作

2016年05月28日 | ミステリ
横溝正史が江戸川乱歩の代作をしていたことは有名です。
「探偵小説五十年」によると、
「犯罪を猟る男」「あ・てる・てえる・ふいるむ」「角男」の三作品で、
いまは横溝正史の作品として角川文庫から出ています。
(「山名耕作の不思議な生活」「恐ろしき四月馬鹿」所収)

「角男」は小酒井不木の眈綺社が6大都市を舞台にした小説をと注文を受けたとき、
神戸を横溝正史が担当する代わりに、筆を折っていた江戸川乱歩の代作として、
大阪を舞台にして書かれたものです。

とすると、横溝正史が本人名義で書いた作品は何だったのでしょうか。
それを考えたら夜も寝られなくなって。

「この作品です」と書いてあるものがないので、
発表年と場所から推測すると、「劉夫人の腕環」のようです。
(「角男」「劉夫人の腕環」ともに昭和3年サンデー毎日発表)

どちらの作品も出来はいまひとつ(ふたつか…)。
「山名耕作の不思議な生活」「恐ろしき四月馬鹿」には代作のいきさつが書いてあるのですが、
「劉夫人の腕環」を収める「空蝉処女」の解説には、
「劉夫人の腕環」がその代作と一緒に発表されたものとは書いてありません。
残念。中島河太郎の書誌学的な解説のツマラナイところです。
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