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●「規制改革のプロセスに一点の曇りもない…加計ありきなどという指摘は全くの虚構」…国家戦略特区WG原英史氏

2019年06月23日 00時00分07秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



アクセスジャーナル山岡俊介さんによる記事【「ポスト加計」=「国際医療福祉大学」の特区による医学部設置認可と原英史WG座長代理】(https://access-journal.jp/32350)。

 《「毎日」が6月11日、あの「加計学園」が例外的に獣医学部設置を認められることになった内閣府の国家戦略特区を巡り、その規制改革案を最初に審議する国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の原英史座長代理と協力関係にあったとするコンサルタント会社が、特区提案者から約200万円を受け取っていたと報道》

   『●アベ様のオトモダチへの依怙贔屓…
      呆れるほどの「屁理屈」も辞さずの「異例の「滅公奉私」」(東京新聞)
    「最後に、第3か、第4の森友か、第2の加計か知らないが、まだ弾けていない
     「国際医療福祉大学」問題について、アクセスジャーナルの山岡俊介さんの
     記事【「ポスト加計」報道などで本紙と係争中ーー「国際医療福祉大学」の
     創立時から10年以上、代表権持つ理事に就いていた渡辺喜美参議院議員】」

   『●《推定ウン千万〜1億円弱も払って出した》「ト」な広告
           …出稿側も「ト」なら、掲載側も「報道」の放棄
    《また、「視聴者の会」は同じく、国家戦略特区WGメンバーの原英史氏の
     発言もほとんど報道されていないとして、メディアを攻撃。この原氏が
     7月10日の衆院閉会中審査での
     「規制改革のプロセスに一点の曇りもない」という発言、そして7月24日の
     同審査での「加計ありきなどという指摘は全くの虚構であることは、
     公開されている議事録を見ていただければすぐにわかることではないか
     と思います」という発言を紹介している》

 「規制改革のプロセスに一点の曇りもない…加計ありきなどという指摘は全くの虚構」と国会で述べていた国家戦略特区WGメンバー原英史氏。さて、加計問題では《一点の曇りもない》《虚構》だったのかもしれないけれども、《「国際医療福祉大学」の医学部設置…ポスト加計》では関連のコンサルが《関与》していたようですが? 《一点の曇りもない》《虚構》ですか?
 そして、「私腹を肥やしてきた」学商・竹中平蔵氏の御名前は、どこにでも出てきます。本当に恥を知らない人だ。カネに蝟集。

   『●必然的に「私腹を肥やしてきた」学商・竹中平蔵氏…
          大学は、利益相反の調査はしなかったのかな?

    《パソナ、オリックス、特区事業に諮問会議議員の竹中平蔵が役員の企業が
    
 その「お友だち」のひとりが、国家戦略特区諮問会議の民間議員である
     竹中平蔵氏だ。昨年、国家戦略特区で神奈川県において家事支援外国人
     受入事業の実施を認めたが、この事業者に選ばれた企業にパソナがある。
     いわずもがな、竹中氏はパソナグループの取締役会長である。
     …安倍首相が選んだ民間議員が国家戦略特区を利用して、自らの会社に
     利益をもたらしている──。しかも、竹中氏は、2016年2月5日の
     国家戦略特区諮問会議において、農業生産法法人の出資・事業要件の
     緩和を強く訴え、こう述べている。…》
    《「第3の森友」問題である国際医療福祉大医学部新設についてはさらなる
     追跡を行いたいが、ともかく、竹中氏のケースを含め、国家戦略特区という
     システムはいくらでも私物化ができるかたちになっていることはたしかだ。
     安倍首相は国家戦略特区について、「私の意向は入りようがない」など
     と宣ったが、そんな見え透いた嘘は通用するはずがないだろう》

 《主要マスコミの幹部が天下》り…というのも大変に気になるところ。「ポスト加計」=「国際医療福祉大学」問題にマスコミが及び腰なのは、そのせい?

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https://access-journal.jp/32350

2019.6.14 03:44
「ポスト加計」=「国際医療福祉大学」の特区による医学部設置認可と原英史WG座長代理
yamaoka

「毎日」が6月11日、あの「加計学園」が例外的に獣医学部設置を認められることになった内閣府の国家戦略特区を巡り、その規制改革案を最初に審議する国家戦略特区ワーキンググループ(WG)原英史座長代理と協力関係にあったとするコンサルタント会社が、特区提案者から約200万円を受け取っていたと報道(冒頭写真)。

その後も連日追加報道を続け、安倍晋三首相をトップとする内閣府主導の特区制度が原氏、その協力関係にあるとする「特区ビジネスコンサルティング」(現「イマイザ」。18年6月に特区業務から撤退)などの利権になっていた疑惑があるとしてそれにメスを入れようとしている。

これに対し、原氏は「虚偽」だとして猛反発。常連で執筆している『フォーサイト』(新潮社)の誌面を使い抗議すると共に、名誉毀損訴訟の提起を準備するとしている。

しかし、本紙の調べでも、原氏がそういう疑惑を持たれるのは無理もない

原氏は『フォーサイト』誌面で、自分と「特区ビジネスコンサルティング」は協力関係になどないと反論している。

しかし、原氏が代表取締役社長を務める「政策工房」も、当時の「特区ビジネスコンサルティング」と同じく、特区で認められる政策コンサルティングもしている。そして、何より原氏はWG座長代理の地位にあった。

また、政策工房の代表取締役会長は高橋洋一氏で、その高橋氏は特区ビジネスコンサルティングの顧問を務めていた。

その高橋氏は財務省キャリアOBで、キャリア時代、規制改革を進めた小泉・安倍内閣で「改革の指令塔」として活躍。特に小泉内閣では当時、経済財政政策担当大臣・竹中平蔵の補佐官を務めた

そして、その竹中氏は前出・特区ビジネスコンサルティングの企画協力するシンポジウムで講演する仲で、同時に、特区で特例でその事業を認めるかどうか決める安倍首相を議長とする国家戦略特区諮問会議のずっとわずか10名のメンバーの1人なのだ。

一方、原氏はといえば、元通産官僚で退官して政策工房を設立する直前、第1次安倍内閣において省から出向して行革担当大臣を務めた渡辺喜美氏(当時、衆議院議員。現参議院議員)の補佐官をやった。そして16年9月からは繰り返すが、特区のWGのメンバーなのだ。

こうした経歴、関係を見れば、原氏が現在の安倍内閣の特区において、竹中氏、高橋氏との関係においても、それなりの影響力を有する人物で、また「特区ビジネスコンサルティング」には竹中、高橋氏が関わり、政策工房では高橋氏と共に代表なのだから協力関係にあると見られて当然だろう

ところで、本紙は、「加計学園」の獣医学部設置同様、「国際医療福祉大学」の医学部設置が例外的に特区で認められたことから、本紙で「ポスト加計」などと報じたところ、国際医療福祉大学並びに高木邦格理事長に名誉毀損で提訴されたが、この特区での認定においても原氏は関係している。

国際医療福祉大学の場合、まず千葉県成田市が2014年5月1日に東京圏の国家戦略特区の一部に指定される。そして同年12月9日、国家戦略特区の成田市分科会が設置され、同分科会は同年12月17日の第1回から15年11月20日の第5回まで開催され、16年8月31日、国際医療福祉大学の医学部設置が正式に認定されるのだが、原氏はこの分科会の2回目を除いた4回、国家戦略特区WGメンバーであり、政策工房代表取締役社長の民間有識者として出席し発言していた。

その原氏が第1次安倍内閣で行革大臣をした渡辺喜美氏の補佐官をやっていたことは前述したが、その渡辺氏は国際医療福祉大学の理事を同大学設立時の1994年12月から2005年3月末までやっていた。国際医療福祉大学の本部は渡辺氏の地元・栃木県太田原市にある。また父・渡辺美智雄元副総理(故人)以来の関係なのだ。

しかも、安倍首相が第1次政権を放り投げた後から今日まで、安倍首相と渡辺氏、それに同じ第1次安倍政権で総務大臣だった菅義偉官房長官、官房長官だった塩崎恭久代議士の4人は「アビーロードの会」という私的会を作り1~2カ月に1度会合を持っている。

渡辺氏の元秘書はこう証言する。

「この会は、渡辺が例の8億円借金問題の影響で落選中も続けられ、4人はひじょうに懇意な関係にあります。会合の場所は持ち回りで、渡辺が担当の際は赤坂の『転石亭 HANARE』でやっていました。その際、原氏が説明などで同席することもありました。
 私は国際医療福祉大学の医学部新設は、この会合の関係を通じて決定されたと思います。この4人のメンバーのうちの安倍首相、それに菅官房長官も国家戦略特区諮問会議のメンバーですからね(竹中氏も)」

この「ポスト加計」疑惑、民主党(当時)が追及するとしたが立ち消えに。その最大の要因は、加計学園と違って、トップ同士が朋友ではなく、第三者の渡辺氏を介していることもあるだろうが、国際医療福祉大学の場合、主要マスコミの幹部が天下っている点も大きいだろう。

朝日新聞元社長の箱島信一氏(理事に就任)、同じく朝日元社長の木村伊量氏(特任教授)、同元論説委員・大熊由紀子氏(大学院教授)、読売新聞元医療情報部長・丸木一成氏(常任理事・大学院教授)、同じく読売元社会保障部長・水巻中正氏(大学院教授)、同元政治部記者・金野充博氏(教授)、産経新聞元編集委員の廣瀬千秋氏(理事。広報担当)、日本経済新聞元論説委員・渡辺俊介氏(大学院教授)などの例がある。

今回、全国紙のなかでも「毎日」が追及を始めたのは偶然ではないだろう。

(横写真=『週刊ポスト』17年9月8日号)
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●アベ様のオトモダチへの依怙贔屓…呆れるほどの「屁理屈」も辞さずの「異例の「滅公奉私」」(東京新聞)

2018年05月22日 00時00分31秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



沖縄タイムスの玉城淳記者によるコラム【[大弦小弦]映画「男はつらいよ」第1作の中に、寅さんが…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/250957)。

 《▼一方こちらの屁理屈は怒りを買ってしまった…▼普段は「総理」と使うから「首相案件」という語には「違和感がある」との答えにはあきれる問われているのは発言内容のはずなのに》。

   『●アベ様のためならば「異例の「滅公奉私」」
     …《愛僕者》(©浜矩子さん)の《僕難》に振り回される官僚達

    「東京新聞の村上一樹・清水俊介両記者によるインタビュー記事
     【異例の「滅公奉私」 閣僚・知事・大臣秘書官経験 片山善博氏に聞く】…
     《愛僕者》(©浜矩子さん)の《僕難》に振り回される官僚たち。
     「タンカ《議員辞職》」や苦し紛れの言訳「オトモダチの関与を知らなかった
     との辻褄を合わせるために、アベ様のためならば「異例の「滅公奉私」」ですか?
     情けなく、そして、哀れ。」

 アベ様のオトモダチへの依怙贔屓…官僚や自公議員の皆さんで必死の隠蔽。呆れるほどの「屁理屈」も辞さずの「異例の「滅公奉私」」(東京新聞)…「タンカ《議員辞職》」や苦し紛れの言訳「オトモダチの関与を知らなかった」との辻褄を合わせるために…。《愛僕者》のための「滅公奉」。

   『●すべては「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」に始まった
                  …五日後の「秘密会議」に太田充氏も

   『●国家戦略特区諮問会議議長・アベ様、そりゃぁ~ないでしょ!  
                           質問主意書による「急な質問」?
   『●国家戦略特区諮問会議議長・アベ様は、 
      2017年1月20日まで、オトモダチの関与を知らなかった?
   『●加計学園を巡る「狸賽」イカサマ話…「悪巧み」しておいて
                「2017年1月20日まで…知らなかった」?

    「リテラの記事【首相案件文書で安倍首相の虚偽答弁が決定的に!
     安倍首相と加計理事長が会食で獣医学部新設を相談していた】…
     《愛媛県の中村時広知事は…「国が正直に言ったらいいのではないか
     と返した。文書の信ぴょう性は確実になったといっていいだろう》」

 日刊ゲンダイの記事【逆襲開始…中村愛媛県知事の“隠し玉”に安倍自民は戦々恐々】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/228964)によると、《「首相案件」が混迷を極めている。加計学園関係者や愛媛県、今治市の職員との官邸面会をめぐって、柳瀬唯夫元首相秘書官が10日の予算委で「(県職員が)いたかもしれない」とウヤムヤ答弁を繰り返したことに、中村時広愛媛県知事がブチ切れた。「愛媛県の信頼を損ねる」「職員は子供の使いじゃない」と憤り、柳瀬氏の名刺と職員の説明メモを公表》…した。
 《職員は子供の使いじゃない》! そりゃぁ、そうだ。

   『●「真相解明は大切。だが、ウソをつくのは認めて」
        →「首相…のためなら、自民党はどうなっても」(筆洗)
   『●「なぜ面会したのか。首相はどう関与しているのか。 
        まさか、そこのところはどうも思い出せぬでは」ネェ?
   『●加計学園問題で、菅良二「今治市長は“お仲間”のため
          行政のルールをねじ曲げたの?」(室井佑月さん)


 日刊ゲンダイの記事【困った時のフジ頼み 安倍首相“緊急出演”内容ゼロの40分間】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/228970)によると、《窮地に陥ると、いつもこのパターンだ。…“緊急生出演”…40分以上にわたって電波を占拠…柳瀬元首相秘書官が、加計学園関係者と会ったことを安倍首相に報告していないと答弁したことも、ニタニタしながらまったく問題ない言い放った》…。
 流石、アベ様広報機関・産経系。それにしても、アベ様の言い草、酷いね。報告しているけど、報告していない…二重のウソが「まったく問題ない」?

   『●首相案件…「もうバレバレですよ。
      いつまでかばうの、あんな人。…それほど怖い人なのか?」(室井佑月)

 さらに、日刊ゲンダイの記事【入学者定員割れ 加計学園系「千葉科学大」に漂う経営不安】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/228857)によると、《加計学園の系列校として2004年に開学した「千葉科学大学」…安倍首相に近い萩生田光一幹事長代行は09年の衆院選の落選後、千葉科学大で名誉客員教授を務めていた。また、現在学長を務める木曽功氏は元内閣参与。文科省事務次官だった前川喜平氏に獣医学部の新設よろしくと働きかけたと報じられた人物だ》。
 「“ぼくたちの友情は潔白どとよくもまあ言えたものだ」。ズブズブでダークなオトモダチとの友情を取り巻き連中が必死に隠蔽。

   『●「“ぼくたちの友情は潔白”などとよくもまあ言えたものだ」
                …ズブズブでダークなオトモダチとの友情

 さらにさらに、爆笑な検証記事【真偽を検証 柳瀬氏答弁「アポがあれば誰とでも」は大ウソ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/228965)によると、《首相秘書官という重責を担う国家公務員が、アポがあれば誰とでも官邸で面会し、話の中身はメモに取らず、首相にも報告しない。しかも記録も一切残さない――。スパイが大喜びする柳瀬氏のこの発言を確認するべく、日刊ゲンダイ本紙記者はさっそく、11日、官邸にアポの電話を入れた…。面会を要望した相手は、柳瀬氏と同じ経産省出身で、国会審議中に質疑者にヤジを飛ばして厳重注意となった佐伯耕三首相秘書官だ。最初に電話対応した官邸の担当者は「折り返し連絡する」と返答して電話を切り、3時間ほどして佐伯秘書官付の職員から連絡が来たのだが、いきなり「プレスの方との面会は、取材であるか否かにかかわらず、全てお断りしています」とピシャリ。本紙記者が「取材ではない。柳瀬さんは誰とでも面会していたではないか」と食い下がったのだが、「秘書官は基本的に『裏方』の業務を担当しており、表で取材を受ける立場にありません門前払いだったからフザケている》。
 なぁんだぁ、会えないじゃん! 参考人招致だからと言って、国会で「フザケ」た答弁をしていた訳だ。

 東京新聞の忠犬・「犬の忠義」についてのコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018051102000130.html)によると、《英国軍に一頭の大型犬…ムスタファは砲手に代わって導火線をくわえ、大砲に火を付けた。連合軍は敗れたが、犬の一撃は敵に大きな被害を与えたと伝わる▼犬の忠義は信じるとしても首相に忠実な元秘書官の答弁はどうものみ込みにくい…▼犬は英雄となり、国王ジョージ二世から生活扶助料を与えられたのだが、元秘書官に与えられるべきは偽証すれば罪に問われる証人喚問での質問か。》
 ムスタファ以上の忠犬さんでしたとさ。

 日刊ゲンダイの記事【安倍首相“悪辣答弁” 前川前次官の猛反論でごまかしバレた】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/229161)によると、《これに対し、前川前次官は、京産大の提案内容を知らされていなかったため<加計学園と京産大の提案とを比較考量することは不可能>だったと反論した。加えて、加計学園の獣医学部新設が<安倍首相自身の強い意向だという認識を持っていた>と明言し、<首相が加計学園の獣医学部新設に自分が関与していないと主張するための材料として私の名前に言及することは極めて心外>とクギを刺した》。
 「愛僕者」と前川喜平さん、一体どちらが「地位に恋々」としていますか? これまで散々コキオロシテきた前川喜平さんの名をかたり、デマな“悪辣答弁”って、一体どんな神経をしているの?

   『●菅義偉・最低の官房長官は、今なぜ、アベ様に向かって 
          「地位に恋々としがみつく」とは言わないのですか?
   『●アベ様は「「愛国者」ではなく「愛僕者」…
      彼が「国難」と言う時は「僕難」…愛僕者に付ける薬」無し

 最後に、第3か、第4の森友か、第2の加計か知らないが、まだ弾けていない「国際医療福祉大学」問題について、アクセスジャーナルの山岡俊介さんの記事【「ポスト加計」報道などで本紙と係争中ーー「国際医療福祉大学」の創立時から10年以上、代表権持つ理事に就いていた渡辺喜美参議院議員】(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=8547)によると、《既報のように、本紙が「ポスト加計学園」などと報じた記事を巡り、法人としての「国際医療福祉大学」(栃木県大田原市)と高木邦格理事長に事実無根だとして提訴され、現在、係争中だ。/加計学園を巡っては、安倍晋三首相と「腹心の友」である加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園が、安倍首相が議長を務める国家戦略特区制度例外的かつ52年ぶりに獣医学部新設が認められたことから疑惑を呼んでいるのだが、国際医療福祉大学の方も同じ特区制度で38年ぶりに医学部新設が認められるなど、構造が同じことから一部で「ポスト加計」ともいわれている。/ただし、そういいながらもこちらが加計疑惑のように弾けないのは、安倍首相と高木理事長との関係が見えて来ないからだ。/その点、本紙では渡辺美智雄元外相兼副総理(厚相も)→息子の渡辺喜美元「みんなの党」代表親子(国際医療の本部は渡辺親子の選挙区)と高木理事長は、安倍首相と加計理事長と同じほど懇意で、したがって渡辺喜美氏から安倍首相側へとワンクッションある関係ではないかと見ている。/そして調べたところ、法人としての国際医療福祉大学は1994年12月に設立されたが(渡辺美智雄氏は翌95年9月死去)、渡辺喜美氏はその創立時から2005年4月1日まで10年以上代表権のある理事に就任していたことがわかった…》。
 前川喜平さんは、《うまくいった前例…成田の国際医療福祉大学医学部…一匹目のドジョウ》と評しておられます。そろそろ弾けるべき問題のような…。

   『●「有権者はすぐに忘れてしまうとたかをくくって」いるアベ様ら…
                     第三の森友問題を前に御優しい有権者
   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない《病的な嘘つき》アベ様
                         …前川喜平氏の人間性と彼我の差
    《室井 “国際”なんて言ってるけど、…。/前川 うまくいった前例
     あったんです。それが2017年に開設された成田の
     国際医療福祉大学医学部です。これも加計学園同様、国家戦略特区として
     認可されたものです。加計学園同様に“国際医療人材の育成”だと言ってね。
     新設された医学部の定員140人中、留学生が20人。これは日本医師会など
     から新設する必要はないと批判されていたのが、あっさり認可されるなど、
     加計学園とも類似点が指摘されているんです。
      室井 知ってます! 公募でこの1校しか手が上がらなくて、土地は成田市が
     無償貸与で、成田市から45億円、千葉県から35億円の補助金まで出ていて
     加計学園とそっくり。/前川 この一匹目のドジョウが上手くいったもんで、
     二匹目も上手くいくだろうと思ったんでしょう。しかし加計の獣医学部新設は
     一匹目に比べてもかなり杜撰なものです。》

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/250957

[大弦小弦]映画「男はつらいよ」第1作の中に、寅さんが…
2018年5月13日 09:23 玉城淳

 映画「男はつらいよ」第1作の中に、寅さんが後に義弟となる博をやり込める場面がある。人の立場になってほしいという博の訴えをそんなことができるかと突っぱね「俺がイモ食ってお前の尻からぷっと屁(へ)が出るか?」と文字通りの「屁理屈」で反論する

▼「屈」は曲がるの意味で「理屈」には、曲がった理(ことわり)のニュアンスもあり、そもそもイメージが良くない。さらに「屁」が付けば誰も聞きたくはないだろう。それでも寅さんのように、かわいげがあれば笑いにもつながる

一方こちらの屁理屈は怒りを買ってしまった。10日の国会での参考人招致に臨んだ柳瀬唯夫元首相秘書官。その答弁は記憶を盾に過去の証言を取り繕い、むしろ詭弁(きべん)の印象だ

普段は「総理」と使うから「首相案件」という語には「違和感がある」との答えにはあきれる問われているのは発言内容のはずなのに

首相には一切報告しなかった約束があったから加計(かけ)学園に会っただけ愛媛県関係者がいたか記憶にない…全て言い逃れの強弁に聞こえる。業を煮やした愛媛県は面会時にもらった柳瀬氏の名刺という物証を公開した

▼尾籠な例えで恐縮だが、屁理屈で臭い物にふたをされ、言論の府の役割を危うくする詭弁を弄(ろう)されて、指摘されている多くの疑問解明の幕引きをされては、しゃれにもならない。(玉城淳)
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●『消費税のカラクリ』読了

2010年11月06日 01時00分56秒 | Weblog

『消費税のカラクリ』、10月に読了。斎藤貴男著、講談社現代新書。2010年7月第1刷。

 新書の質についての批判を見聞きするが、本書は是非多くの人に読んでもらいたい消費税の本質に迫る良書である。

 出だし「はじめに」(pp.3-6)から、著者の怒り爆発。
 「徴税当局とマスコミがタッグを組んだ、長年にわたるミスリードのせいばかりだとは言わない。そんなものに易々と騙されてきた、知っておかなければならない側、納税者国民自身の責任も重大だ。/・・・消費税増税のハードルは、大きく・・・。①逆進性、②益税、③消費ないし景気を冷え込ませてしまう可能性。・・・。/・・・本書が追求しようとしているのは、・・・これらとは異なる位相のカラクリだ。/・・・。/その代わり、この国の社会は大変な混乱に陥るはずである。中小・零細の事業者、とりわけ自営業者がことごとく倒れて行く。正規雇用から非正規雇用への切り替えがいっそう加速して、巷にはワーキング・プア失業者が群れを成す光景が見られることになるだろう。自殺に追い込まれる人々がこれまで以上に増加するのも必定だ」。多国籍企業や大企業だけが栄える仕組み。

  「第一章 消費税増税不可避論をめぐって」
  「第二章 消費税は中小・零細企業や独立自営業者を壊滅させる」
  「第三章 消費者が知らない消費税の仕組み」
  「第四章 消費税とワーキング・プア」
  「第五章 消費税の歴史」
  「第六章 消費税を上げるとどうなるのか」

 「政府税調答申と同発想」の劣化著しい朝日新聞社説、「・・・もはや消費税増税は既定路線、歯向かう者は非国民だとでも言わんばかりの筆致が強烈だ」(p.14)。
 麻生太郎政権の「定額給付金」や鳩山由紀夫政権の「子供手当」は、「バラマキの人気取りプラス「消費税率を引き上げて・・・、引き上げなければ危険度を高めた財政事情が後の世代にツケ回しされていくのだぞ」との脅しを兼ねた一石二鳥、予定調和、詰将棋」(p.16)。そして、「・・・北欧のような福祉国家に生まれ変わろうとしているわけではないのは明白である」(p.17)。
 「・・・日本経団連が幾度となく、消費税率の引き上げと法人税減税をセットで求める提言を繰り返してきた。・・・当時の奥田碩(ひろし)日本経団連会長(トヨタ自動車会長=・・・)の名を採って〝奥田ビジョン〟・・・」(p.18)。ふざけた大企業の論理と論法。「あらゆる存在は経済成長のために捧げられるのが当然で、その牽引車たる多国籍企業、巨大資本こそがこの世の主人公なのだという自意識に溢れた提言だった。税制にも成長を促すか補完する道具としての役割ばかりを求めている。公正さとか法の下の平等とか、憲法で定められた生存権や財産権に照らしてどうかといった理念への配慮は皆無に等しい。・・・それで割を食う連中を生かしておいてやる費用ぐらいは、食わせれもらっているお前たち下々が出してやりなさい、という論法であるようだ」(p.24)。
 「・・・所得税が基幹税としての機能を失ってしまった・・・。あからさまな金持ち優遇税制。/・・・この間には住民税の累進課税も大幅に緩和された。・・・完全フラット化」(p.25)。自民党の金持ち・大企業優遇の系譜。もちろん、トドメはこの二人。「財界の主導で進められた規制緩和、構造改革の、これも一環だった。彼らの基本的な発想を、当時も現在も構造改革の理論的支柱であり続けている竹中平蔵・慶応義塾大学教授(経済学)・・・。同教授が小泉純一郎政権の経済財政担当相に抜擢・・・」(p.27)。

 驚きなのは、国税滞納額が最悪であるという点。ただし、わざと滞納しているということではなく、払えない状況に追い込んでいる点を誤解してはいけない。「・・・消費税には、しかし、致命的な欠点がある。・・・。/消費税は、国税のあらゆる税目の中で、もっとも滞納額が多い税金なのである。/・・・滞納額全体のなんと45.8%を占めている。/・・・消費税込みで提示された金額を支払えなければ何も買えない。ということは、一円だって滞納されることなどありえないはずなのに」(p.29-30)。
 つまり、上位の会社に「・・・請求書の上では消費税を転嫁できたことになってはいても、その分も含めて単価を引き下げられているわけです」(p.42)、中小・零細の事業者、自営業者は。「価格に転嫁できない中小・零細業者」(p.44)。
 我々の大きな誤解。「そうなるように徴税当局は世論操作してきた」(p.66)。「そもそも消費税とは、消費者が負担する税制だと伝えられてきたのではなかったか。/問題は、その説明が意図的な嘘であったことなのである。消費者は自らが消費税を負担しているつもりでいる。ところが法律上、納税義務者は事業者すなわち個人事業者や法人であって、消費者ではない。それぞれの意識と立場とのギャップは、消費税という税制の実態をきわめて複雑にし、かつ、いわば観念の世界にさえ近づけてしまっている」(p.43)。「・・・何かを買うたびに消費税を支払っているつもりでいるのにすぎない」(p.66)。
 中吊り広告による世論操作。「自営業者のすべてが脱税の常習犯であるかのような印象を植え付け、とりわけ給与所得者の不信感を煽って敵視させる目的としか考えられない。満員電車に揺られて苛立っているサラリーマンには、実に効果的だったのではあるまいか。/・・・国税庁の悪質なプロパガンダ・・・」(p.67)。

 税務署員の〝消費税シフト〟(p.74)。「長年にわたって消費税を滞納している納税義務者を、税務署の最前線では〝優良事案〟と呼んでいます。取り立てれば上に褒めてもらえるからで、しかも手段を選ぶ必要はないとまで指示されている」。倒産しようが、廃業になろうが、さらには、自殺しようがお構いなしという税務署の発想に。消費税増税は、自殺大国ニッポン(p.79以降)を加速させることは必定。「・・・事情はどうあれ滞納イコール悪、罪、であり、それを減らす職務は絶対の正義という考え方」(p.75)。「・・・非道な差し押さえを戒めてもいるのだが、・・・ほとんど無視されているのが実情・・・」(p.77)で、それなりに存在していた取り立てのルールが形骸化し、「高利貸しの取り立て」と同化の方向へ。
 民営化の流れはこんなところにまで。「政府の構造改革の一環として地方税の徴収の民間委託を急がせて、既に大阪府など多くの自治体が実施に踏み切ってい」(p.76)て、国税もその流れにある模様。

 何もかもが馬鹿馬鹿しくなった者の叫び。「消費税なんかお客さんからもらえやしないよ。貰っていない税金をお前が払えって税務署が言ってくる。何だあ、そりゃあ!?」(p.86)。そして、自らの命を断つ。
 敗訴した者の記憶。「・・・税務署・・・「お金を借りるところがあるやないですか」/―――府や市の事業融資はもう受けていますので。/「他にあるですやん」/―――消費者ローンのことですか。/「そういうこともありますね。」/税務署員は、サラ金から借りて来いと言いたかったらしい」(p.99)。そして、帰らぬ人に。夫人は、「あの人は初めから消費税を怒っていました。いまは三%でごまかされとるけど、。じきに二〇%くらいに上げられるでと、・・・。/うちの商売は下請けのまた下請けでしたから、元請けさんに消費税分を請求し、払ってくれたとしても、必ずそれ以上の値引きを強いられる。いくら働いてももうからない・・・。/消費税に殺されたとですよ」。そういう仕掛け。

 こう云った悲劇とは裏腹に、輸出戻し税という仕掛けも。「零細事業者が直面させられている悲惨とは裏腹に、消費税は大企業、とりわけ輸出比率の高い大企業にとっては実に有利に働く。かれらは消費税という税制によって、莫大な不労所得さえ得ていると断定して差し支えない」(p.100)。かたや「貰っていない税金をお前が払え」といわれ、かたや大企業は「不労所得」を得ているわけ! 馬鹿らしい。
 「・・・消費税は国内での取引に課税されるものであり、輸出や国際輸送など輸出に類似する取引では免税される。・・・/・・・輸出取引については、国内で発生した消費税負担は完全に除去されることに」(pp.100-101)なる。消費税を納めないどころか、多額の還付金。「・・・最も多額の還付金を得たのはトヨタ自動車で、約三千二百十九億円」(p.103)!! あーっ・・・、本田技研工業までが。
 さらに、前述の下請けいじめで富を相乗的に集積。「・・・下請け単価が引き下げられて・・・。・・・税制を通じて公然と補助金を与えることに・・・。・・・いわば「かくれた補助金」であり、憲法の意図する財政議会主義(憲法八十三条、八十五条)に違反する」(p.104)。消費税増税で恰も企業にも痛みがあるような顔をし、それとセットで法人税率の引き下げまで要求する面の皮の厚さ。「じつは、彼らは消費税の税率をいくら引き上げても痛痒を感じないのである。彼ら巨大企業は経済取引上強者であり、常に価格支配力を有しており消費税を自在に転嫁できる」(p.105)。一体誰に? 自明である。「彼らは確実に顧客に前転するほか仕入先・下請け業者にも後転する」。さらに厚顔なことに、「しかも、輸出戻し税制度により消費税を全く納めないばかりか巨額の還付を受ける」。全く腹立たしいことに、「還付金額は税率が上がれば上がるほど大きくなる」。竹中平蔵子分や小泉純一郎親分が構造改革・自由主義化を進めるはずだ。「つまり、彼らは消費税の税率引き上げによりまったく被害を受けないばかりか、場合によると後転効果により利益を生むことさえ可能なのである」。

 大企業は肥え太り、失業者やワーキング・プアは巷に溢れる。「仕入れ税額控除」の悪用により脱税(p.114)。「正社員らに支払う「給与」」が仕入れ税額控除の対象(p.114)。「いわゆる格差社会、ワーキング・プア問題の重要なテーマである非正規雇用は、他ならぬ消費税が拡大させたという現実をご存じだろうか」(p.112)。マスコミはそんなことを報じることはありえないので、我々が知る由もない。簡単に言えば、「派遣に切り替えると合法的に節税できる消費税」(p.116)。竹中平蔵子分や小泉純一郎親分が褒めたたえる〝賢い経営者〟のやっていること。「不正など働かなくても、実際に正規の雇用を出来るだけ減らし、必要な労働力は派遣や請負、別の事業者に外注する形にすれば、それだけで大幅な節税ができてしまう。そのため派遣子会社を設立するやり方も、近年ではごく一般的になっている。/・・・たとえば派遣子会社の設立と閉鎖をめまぐるしく繰り返す手法が、ありがちなパターンだ。/・・・消費税とは、企業経営者をして、そのような行動に誘(いざな)う税制なのである」。「経済のグローバリゼーションは、それほどまでに人件費削減を求めてきた。」(p.117)。
 「・・・それが節税にも通じるとなれば一石二鳥。・・・消費税とはもともと、そうなるように制度設計されたシステムだったのではないかとさえ考えられる」。どこが広く公平に徴税できる税制なのか? 巨大資本は喜び勇み、一般市民というよりも、自営業者や非正規社員など弱者にさらなる痛みをもたらすという悪税である。
 正社員のリストラと派遣社員の増加を早くから指摘していた朝日新聞記者(2000年10月3日付朝刊「時時刻刻」欄、くらし編集部の西前輝夫記者)がいた(pp.121-123)。非正規雇用化の理由は「・・・納める消費税も少なくてすむからだ。/・・・。/ある税理士は、「消費税は結果的に、売上に対して正社員の給与比率が高い会社ほど、納付額が多くなる仕組み。利益を確保するために、派遣社員などを雇い納付額を減らそうとする力が働くことは避けられない」と分析している」。

 おまけに、世間や政治家の大合唱やマスメディアの誤誘導・・・、「社会保障の財源にはもっともふさわしくない消費税」(p.131、133)。
 最後は、消費税の歴史から見えてくるもの(p.139)。「・・・リクルート事件・・・竹下首相や中曾根元首相、宮沢喜一・・・、安倍晋太郎・・・、渡辺美智雄・・・らに関連会社の未公開株をばらまいていた事実が発覚・・・腐敗しきった政治のツケを増税で埋め合わせる構図がくっきりと浮き彫りにされていた」。
 新自由主義・構造改革路線。ガットGATT、ブレトン・ウッズ体制、IMF、IBRD(国際復興開発銀行=世界銀行)、WTO。前述の「還付金額の最大化」(p.158)。

  導入してしまえば、あとはどうとでも。「一連の特例措置は、単に甘いだけのアメではなかった。零細な事業者は舐めた瞬間に周囲から石つぶてを投げつけられ、糖衣が溶けてくれば爆発するように仕組まれた、いわば時限爆弾が練り込まれたアメだった」。そして「形骸化する特例措置に税率アップが追い討ち」(p.178)する仕掛け。
 安易に外国と比較し、増税を煽る愚。「税制の仕組みとしては似ていても、ヨーロッパの付加価値税と日本の消費税とを安易に比較すること自体がどうかしている」(p.159)。そのくせ、「イギリスにもあった中小・零細業者の不利益」(p.165)は無視し、いつもは〝同盟国〟アメリカばかりを持ち上げるくせに、「米国が付加価値税を導入しない理由」(p.169)にはけっして一言も触れない。

  もう充分だろう。公平どころか、「消費税の現実を見ると、実質的には中小企業負担税になっている。益税どころか価格格転嫁できずに『損税』・・・」(p.192)。
 「政治的立場を超えた本質議論を」との呼びかけ(p.196)。「もはや消費税の本質に目を向けようとする者は、それだけで思想的に偏向しているかのように受けとめられる時代が導かれてしまった。本書にもその種の安易なラベリング(レッテル貼り)の矛先が向けられる可能性が少なくない・・・」。
 段階的消費税増税の裏(p.199)。「・・・常に〝駆け込み需要〟を促すことができるはずとの算段らしい。・・・。/人々の生活の隅々に関わる税制が、これほど傲慢で、いいかげんな屁理屈に基づかれてよいものだろうか。・・・。/・・・何らの根拠も示されてはいなかった」。
 以前のブログにコピペしたように、少なく見積もった数字ではあるが、自殺者3万人時代。「交通事故死のざっと六倍だ。・・・。/・・・非正規雇用や〝名ばかり管理職〟、パワハラ、リストラの悲惨が広く知られた企業職場の実態ばかりに関心が偏りがちな傾向を否めない。/・・・ただ、統計を少し丹念に眺めていくと、自殺者に占める「自営業・家族従業者」の割合が、そもそもの分母に照らして異常に多いことに気づかされるのである」(pp.202-205)。「・・・消費税増税は無関係だなどとの言葉遊びをしている場合でもない。/・・・。/・・・九七年に三%から現行の五%へと税率が引き上げられた消費税増税が自殺禍と関係なかったなどとは到底言えない」(p.205)。「十二年連続で三万人を超えてきた年間自殺者数は、場合によっては五万人、十万人へとハネ上がっていくのではないか」(p.206)という恐ろしい予測。
 増税の前にやることがあるでしょ。思想無き「事業仕分け」などではなくて。「ジャーナリズムの最大の役割は権力のチェック機能だ。対案づくりは本義ではないが・・・。/・・・。/財政難には徹底した無駄の削減が第一だ。すると最近は、次のような指摘が現れる。・・・「事業仕分け」が、消費税増税の露払いの役割を果たすことになるという。・・・。/・・・だが事業仕分けを基準に消費税が語られるようなことがあってはならない。/なぜなら事業仕分けには思想がない。俎上に載せられた各事業の是非を判断することはなく、あくまでも現状を肯定しながら、費用対効果の成績を問うシステムでしかないからである」(p.206)。
 斎藤さんの提案はシンプル(p.209)。「不公平税制をただせば税収は増やせる」。「歳入面では不公平税制の是正である。・・・フラット化され、金持ち優遇・・・所得税の累進税率を二十年前のレベルに戻すだけで、所得税収はたちまち倍増する計算だ。・・・。/法人税が聖域のように扱われるのもおかしい。・・・日本の法人税率は高くないし、・・・外国の法人よりもずっと軽くなっている。中小零細事業者が自腹を切って支払うのを予測しながら見て見ぬふりを決め込み、赤字でも取り立てる消費税率を引き上がるよりは、利益にかかる法人税の増税の方が、はるかに公正である。/・・・法人税への依存を軽減しなければ、大企業の工場だけでなく本社機能や有能な人材まで海外に流出してしまうぞといった恫喝など受け流そう。彼らの身勝手は常軌を逸している。また企業の立地要因はその地域の市場規模や労働力の質・量とコスト、補助金をはじめとする優遇制度、インフラの程度、安全性や環境対策等々での各種規制など多様かつ複雑であり、税率だけで決定されることなどあり得ない。洋の東西を問わず、一般に多国籍企業と本国とは切っても切れない関係にあるのが常である。創業の理念もアイデンティティもかなぐり捨てて、デラシネの巨大資本としてのみ存続していく覚悟でもない限り、日本企業にとっては日本以上に有利な国はないはずだと私は考えているのだが、いかがだろうか。/不公平税制の是正とは、すなわち構造改革路線などを通して「応益負担」の発想に偏ってしまった税制を、「応能負担」の原則に立ち返らせることだ」。また、「本気で特別会計の見直しを」、本気でだ。「私見では、ここ二十年近く、毎年五兆円弱の予算が防衛関係費に注ぎ込まれ続けている状況は異様だ。日本全体をアメリカの世界戦略に捧げて行くかのような奔流は何としても改められなければならない・・・」(p.211)。大賛成。

 小泉純一郎政権以前の構造改革を牽引していた中谷巌教授の後悔、〝懺悔の書〟。「消費税増税には、彼らによって生産性が低いとみなされた事業者を掃討する目的も込められているようだ。・・・。/・・・構造改革路線の、そのまま延長線上にある発想」(p.214)。「国全体の生産性を向上させるためなのだから、それで職や生活を奪われる者が現れたとしても、そんなものは小さな〝部分利益〟が損なわれるだけのこと。さっさと諦めて、生き延びたければ自分の家族を追い詰めた大資本に尻尾を振り、彼らのために奉仕せよ、というのである」(p.216)。

 「全国どこの町も単色に染まった日本列島は美しいのだろうか。/・・・世の中の主人公は多国籍企業でも政府でも、それらと直結するエリート層だけでもないのだ。/一人ひとりの人間が、みんな、互いに迷惑をかけ合いながら、けれども共に、支え合って生きている。誰もが共感し合える税制を目指そうではないか」(p.217)。
 結論。「・・・本書では、対案にこれ以上こだわらない。消費税増税は日本社会から最低限の公正さまでを奪い、膨大な死人を出すに違いないことだけを理解してもらえればそれだけで出版の意義は果たせている」(pp.212-213)。

 どの章でもいい、是非手にとって読んでもらいたい。
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●『ニセ札はなぜ通用しないのか?』読了

2010年06月27日 00時01分40秒 | Weblog

『ニセ札はなぜ通用しないのか?』、2010年5月読了。佐高信著。角川文庫。2006年8月初版。

 母校での先輩としての授業。「第一章 佐高信流経済学入門 ――課外授業」。疑うことの重要さ(p.20)。土門拳記念館(p.26)。

 城山三郎さんによる日銀の酷評(p.50)。「特攻は志願にあらず。時代や社会や国が強制」、「・・・個人情報保護法案に、・・・鬼気迫る勢いで反対・・・。小泉のバカは、・・・城山さんが電話を書けても返事もよこさない。無礼千万な話です」(p.114)。大岡昇平さんとともに、『噂の真相』の珍しい読者。

 「Ⅱ 民営化とは何だったのか?」(pp.66-84)。中曾根による国鉄分割・民営化を煽り、絶賛し、国労潰しに加担。「「民営化」とはすなわち「会社化」である。会社は当然、利益を上位にし、安全や公平はその下に来る。国鉄の民営化は事故を生み、郵政の民営化は過疎を生む・・・」(p.66)。「「民営化」がJR西日本や東日本の大事故を招いた・・・」(p.266)。

 ニューヨーク市立大学教授霍見芳浩さん(p.88)。辺見庸さん(p.100)。福島瑞穂さん(p.108)。中山千夏さんと矢崎泰久さん(p.200)。

 「自民党の中に反田中・反中国のすさまじい先鋭的なグループができあがる。これが青嵐会。中心人物は石原慎太郎・浜田幸一・中川一郎・渡辺美智雄らであった。・・・小泉という人はタカ派の中のタカで育ってきた」(p.100)。
 「・・・組長の渡辺」が遠藤誠さんに左翼と右翼を分けるポイントを尋ねたところ、遠藤さんは「太平洋戦争を侵略と認めるかどうかでしょう」と。「そうしたら組長の渡辺はさすが、「それは侵略ですよ。他人の縄張りに踏み込んだ、それは侵略ですよ。それで左と言われるなら、左と言われてもいい」と言ったというんですね」(p.112)。

 企業が社員に押しつける「水行(みそぎ」」のあほらしさ(p.170)。
 息子を入社させなかった本田宗一郎(p.190)、松下幸之助との違い。

 久野収さんと大学盗聴(p.194)。本多勝一さんと筑紫哲也さん、編集委員就任の経緯(p.204)。エラスムス(ルネサンス期の思想家、p.210)。城山三郎さんの『官僚たちの夏』のモデルとしての佐橋滋さんは「・・・〝ミスター通産省〟と呼ばれた人物です。・・・一方で、通産省職員の労働組合の委員長をつとめ、官僚制の民主化を試みました」(p.213)。「官僚のトップであるにもかかわらず、佐橋は「非武装平和」を主張したが、対談の席で、佐橋はその思想を久野の平和論に学んだと言っていた」(p.222)。

 佐高さんの卒業論文。

 あとがき。「・・・「哲学」なき「経済学」は単に数字の操作術にしかならないだろう。/竹中平蔵の・・・ベストセラーになったが、これこそ、「哲学」なき「経済学」の見本であり、こんな本が読まれているかぎり、日本経済、いや、日本に「あす」はない。/竹中のような〝内閣の側用人〟は、ミクロの問題についてはマクロを語り、マクロについてはミクロの例を引いて、はぐらかすのである。/・・・何の理念もなき拡大は、必ず腐敗を生む」(pp.266-267)。
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