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●《なぞかけ名人…お題を出すとこんな内容が返ってきた。「布マスク」とかけまして「森友学園や桜を見る会」と解きます。その心は「…」》

2020年04月14日 00時00分30秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



吉川毅記者による、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]緊急経済対策・「布マスク」とかけまして】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/557926)。
東京新聞の記事【<新型コロナ>緊急事態宣言 強い「副作用」認識したい 専修大教授・山田健太さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020040802000147.html)。

 《▼県内でなぞかけ名人として知られるケーシーさんに、コロナ対策についてお題を出すとこんな内容が返ってきた。「布マスク」とかけまして「森友学園や桜を見る会」と解きます。その心は「…」》。
 《しかし規制の対象となる、外出は移動の自由、イベントは集会の自由、学校は学問の自由、図書館・博物館は表現の自由など、どれも私たち自身を成長させ、社会を豊かにするための基盤だったものばかりである。…しかも法規定が抽象的で曖昧なため、政府や自治体の判断の幅が広く、恣意(しい)的な法運用が可能だ。こうした曖昧で強力な権限を有する宣言は劇薬だからこそ使う側は決定の理由と経緯を包み隠さず記録し説明し、透明性と公正な手続きを担保する義務がある。国は、憲法上の権利や自由を「一時的に預かっただけであることを自覚することが条件だ》。

   『●《国民が信用しない政府》《調査しない政府》など《……ない政府》
     (鈴木耕さん)…そんな独裁者が〝戒厳令〟という凶器を振り回す…
   『●《耳目を引く策を打ち出し、手なずけたマスメディアやSNSを駆使して
       「世論」を作り出せば、愚策も「英断」となり、支持率は上がる》…
   『●2020年4月6日朝のニュース【首相、初の緊急事態宣言発令へ】
     …ついに、無能無為無策、不作為なアベ様が凶器を振り回す時が来た…
   『●経済対策による感染症拡大対策…小池晃さん「補償なき緊急事態宣言では、
          いくら休みたくても、働きに出るしかない市民がたくさんいる」
   『●《悪魔》はアベノマスク2枚だけを残して…アベ様「最悪の事態に
      なった場合、私は責任をとればいいというものではありません」

 《悪魔》はアベノマスク2枚だけを残して…。あぁ、そのアベノマスクの使い道…。《「布マスク」とかけまして「森友学園や桜を見る会」と解きます。その心は》……………《「口封じに使います」》。《緊急時に試されるのは、国民の命と暮らしを守る責任と覚悟。さまざまな問題を抱えた政府に、切迫した庶民の声は聞こえているだろうか》? 《口封じ》だけでなく、アベ様の山積する犯罪や劇薬な宣言に伴う私権の制限や報道統制から目をそらさせるための〝目隠し〟にもアベノマスクは使われるのかも…。

 ニッポンのリーダーたちが《自覚することが条件》…。そんなことなど無視して、凶器を振り回すアベ様。
 案の定の壊憲。予想通りではないか! だから言ったのに…。
 東京新聞の記事【コロナ禍 首相、改憲議論呼び掛け 野党議員「不要ではないが不急」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202004/CK2020040802000141.html)のよると、《安倍晋三首相は七日の衆院議院運営委員会で、今回の新型コロナウイルス感染拡大のような緊急事態に対応するため、「緊急事態条項」を設ける改憲の議論をするよう呼び掛けた。「今般の新型コロナウイルスへの対応も踏まえつつ、国会の憲法審査会で与野党の枠を超えた議論を期待したい」と語った。衆院憲法審査会でも今回の感染拡大を受け、改憲論議を進めようとする動きがある》。
 あぁ、狂気…バッカじゃないのか?

 《強圧的かつ狡猾な安倍政権のマスコミ支配術》=アベ様の政で〝唯一上手くいった〟《メディアコントロール》。そして、いまや、戒厳令緊急事態宣言という凶器、《国民とメディアに制限をかけるというフリーハンドの権限を得た》アベ様。COVID19のドサクサに紛れて、壊憲を口にするアベ様。「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、さらに、「緊急事態条項」の導入をもくろむアベ様…恐怖でしかない。

   『●《カタストロフィーが来ないよう「おかしいことはおかしい」》と
     《国民とメディアに制限をかけるというフリーハンドの権限を得た》アベ様に

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/557926

[大弦小弦]緊急経済対策・「布マスク」とかけまして
2020年4月9日 07:26

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相が「最大級」と強調した108兆円の緊急経済対策は期待外れだった。目玉の現金給付は、自分の財布からお金を出すように「30万円」をPRしたが、全世帯に給付されるわけではない

▼対象は世帯主の月収が今年2~6月のいずれかで減り、年間ベースで住民税が非課税などに限られる対象も狭く不公平感もあり、申請手続きを考えれば迅速で確実な支援とは思えない

▼臨時休校などの影響で収入減が見込まれる一人親世帯への支援も急務だ。母子家庭の支援団体は子ども1人につき3万円の支給を求めていたが、ふたを開ければ児童手当に1人当たり1万円の上乗せだった

▼一方、「アベノマスク」とやゆされている布マスク2枚の全世帯配布は、1枚200円相当で配達費用も含めて数百億円かかるという。費用対効果が疑問視される中、もっと必要なところに税金を回す手もあったはずだ

▼県内でなぞかけ名人として知られるケーシーさんに、コロナ対策についてお題を出すとこんな内容が返ってきた。「布マスク」とかけまして「森友学園や桜を見る会」と解きます。その心は「口封じに使います

▼緊急時に試されるのは、国民の命と暮らしを守る責任と覚悟。さまざまな問題を抱えた政府に、切迫した庶民の声は聞こえているだろうか。(吉川毅
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020040802000147.html

<新型コロナ>緊急事態宣言 強い「副作用」認識したい 専修大教授・山田健太さん
2020年4月8日 朝刊

 新型インフルエンザ等対策特別措置法(コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言が発動された。

 いまはだれもが感染の終息を願い、日常の犠牲をやむを得ないと感じている。しかし規制の対象となる、外出は移動の自由、イベントは集会の自由、学校は学問の自由、図書館・博物館は表現の自由など、どれも私たち自身を成長させ、社会を豊かにするための基盤だったものばかりである。

 今回の宣言は、東日本大震災の東京電力福島第一原発事故の時に発令された、原子力災害対策特別措置法に基づく緊急事態宣言に次ぐものだ。同宣言はいまでも継続中で、警戒区域指定と相まって、立ち入り規制が実行されている福島の特定地区では今でも、道を歩いているだけで警察から声掛けされ、身分証の提示を求められる

 一方で違うこともある。原子力特措法では条件がそろうと自動的に宣言が発動されるのに対しコロナ特措法は、目の前の感染爆発・医療崩壊を抑えるためとする専門家の意見、さらに世論の大方の賛成の声をバックにした「政治判断」だ。社会全体が、権限集中と私権制限による「国難」突破を望んだ構図である。

 すでに東京は、学校が休みになり、イベントがなくなり、物流が部分的に途絶え、閑散とした風景が街中に広がっている。それが「法に基づいた要請・指示」によって、さらに強まることになる感染症法など他の法律との組み合わせで、実質的な禁止措置が取られる催事や商売も少なくなかろう。

 しかも法規定が抽象的で曖昧なため、政府や自治体の判断の幅が広く、恣意(しい)的な法運用が可能だ。こうした曖昧で強力な権限を有する宣言は劇薬だからこそ、使う側は決定の理由と経緯を包み隠さず記録し説明し、透明性と公正な手続きを担保する義務がある。国は、憲法上の権利や自由一時的に預かっただけであることを自覚することが条件だ

 同時に、解除後の「規制慣れ」も豊かな社会の維持にとって大きな障害だ。少しくらい個人の自由がなくても、社会の平穏や安全が保たれるならいいではないか、という気持ちの一般化である。それは、平時における自由の制限を受け入れやすい素地をつくることになる

 この曖昧さは、報道機関にも深い影を落としている。NHKは番組の差し替えを指示されるという解釈の余地が残ったままだからだ。放送機材や人員の政府への提供も、要請されれば断る選択肢はなかろう。そうした運用は「できない・しないことを、きちんと明らかにすることが必要だ不透明なままでは、報道全体に大きな影響を与えかねない

 私たち自身、戦後七十五年にわたって大切に守ってきた、憲法上の自由や権利をいったん手放すことになる。しかしこれは、極めて例外的で危険をはらむ措置であって、「副作用が強いことを認識しておきたい。しばらくしてから、こんなはずではなかったと言っても、後戻りはできないことがたくさんある

<やまだ・けんた> 専修大文学部ジャーナリズム学科教授。日本ペンクラブ専務理事。言論法が専門。「見張塔からずっと」「沖縄報道」など著書多数。
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●《悪魔》はアベノマスク2枚だけを残して…アベ様「最悪の事態になった場合、私は責任をとればいいというものではありません」

2020年04月13日 00時00分44秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



リテラの記事【緊急事態宣言で安倍首相が“ドケチファシスト”ぶり全開! 自粛補償を拒否する一方で警察動員の圧力と憲法改正にだけ前のめり】(https://lite-ra.com/2020/04/post-5358.html)。
ビデオニュースドットコムのインタビュー【警察の職質などによる実質的な強制には注意が必要 小口幸人氏(弁護士)/インタビューズ(2020年4月7日)】(http://www.videonews.com/interviews/20200407_oguchi/)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「機動的」「一気呵成」政策がこのありさま】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202004080000057.html)。

 《この男が舵取りする泥船の上に国民が乗せられている──そう痛感するだけの1時間だった。無論、昨夜におこなわれた、緊急事態宣言を発令したことを受けての安倍首相の記者会見のことだ》。
 《SNS上などで新型コロナ特措法による私権制限の濫用リスクに警鐘を鳴らしてきた弁護士の小口幸人氏は、あくまで自粛と言っておきながら、要請に従わない事業者や個人に対して警察が職務質問などを行うことで事実上の強制が行われた場合、それは法に基づかない強制となるため歯止めがなく、むしろその方が危険だと指摘する。警察による職質だけでも一般の市民には大きな圧力になるが、例えば今回東京都が作成した緊急事態措置の行動計画の中に警察の役割として広報、啓発を図るなどの文言が明記されており、その条文に基づき、実質的な強制や取り締まりが行われる可能性が十分にあると小口氏は警鐘を鳴らす》。
 《「…今、ドーンと安心させてから次の矢を放たないと国民はついていかれない。これではマスク2枚の発想から抜け出せていない」(野党幹部)。首相は会見で「…」とたんかを切ったが、このありさま。ここから始まるのは政治の失策による政策貧困だ》。

 この大事な総理会見でも、空虚な演説・ポエムを長々と…。さらに酷さを増す、総理会見。あみだくじで出席できる報道者が制限され、仕切り役は相変わらずアベ様の取り巻き。更問いもなく、アベ様の言いっぱなし。

   『●①内閣記者会が支える《台本劇》《台本営発表》、そして、愚者に
       さらなる凶器《緊急事態宣言》《緊急事態条項》を与える愚かさ
   『●記者会が仕切り役を取り戻し、《総理会見では更問い(追加質問)が
       できないので、結局、総理の言いっ放しになってしまう》ことの改善を
   『●《〈「大幅に時間を超えて対応」した構図を演出…〉…14日の会見も
        批判のガス抜きのため官邸がより巧妙にコントロールしていた》
   『●政治判断の《根拠》は? 《国家のリーダーとして、権力を預かる
     者はその責任と、権力行使の影響を、十分に自覚しなければならない》

 《医療体制の整備や検査の拡充を怠り、国民への生活支援を出し渋る一方で、警察を動員した私権制限や憲法改正には積極的に踏み込もうとする》アベ様。狂気な凶器を振り回すアベ様に対して、危機感がなさすぎるのでは? アベ様は「最悪の事態になった場合、私は責任をとればいいというものではありません」…とまで言う独裁者をいつまで許し続けるのか?
 凶器を振り回すアベ様…《SNS上などで新型コロナ特措法による私権制限の濫用リスクに警鐘を鳴らしてきた弁護士の小口幸人氏は、あくまで自粛と言っておきながら、要請に従わない事業者や個人に対して警察が職務質問などを行うことで事実上の強制が行われた場合、それは法に基づかない強制となるため歯止めがなく、むしろその方が危険だと指摘》。

   『●《国民が信用しない政府》《調査しない政府》など《……ない政府》
     (鈴木耕さん)…そんな独裁者が〝戒厳令〟という凶器を振り回す…
   『●《耳目を引く策を打ち出し、手なずけたマスメディアやSNSを駆使して
       「世論」を作り出せば、愚策も「英断」となり、支持率は上がる》…
   『●2020年4月6日朝のニュース【首相、初の緊急事態宣言発令へ】
     …ついに、無能無為無策、不作為なアベ様が凶器を振り回す時が来た…
   『●経済対策による感染症拡大対策…小池晃さん「補償なき緊急事態宣言では、
               いくら休みたくても、働きに出るしかない市民がたくさんいる」

 経済対策による感染症拡大防止対策を嫌がるアベ様。(政界地獄耳)《ここから始まるのは政治の失策による政策貧困》。
 リテラの記事【安倍首相肝いり「布マスク2枚」の予算は報道の2倍「466億円」! 一方、30万円給付や中小企業支援は申請方法や窓口も未定】(https://lite-ra.com/2020/04/post-5361.html)によると、《エイプリルフールの4月1日、安倍首相が突如ぶち上げた「アベノマスク」をめぐって、驚きの情報が出てきた。すべての世帯に1住所あたり2枚ずつ布マスクを配布するという「アベノマスク」に、なんと、政府は466億円もかけるというのである》。
 東京新聞のコラム【筆洗】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2020040802000161.html)によると、《▼三つの願いをかなえる悪魔が薬局の前でひどく困った様子の男を見つける。男にささやいた。「おまえの願いをかなえてやる」。ただし三つだけだ…と続けようとしたが、その前に、この男、「マスク、マスク、とにかくマスク!」。悪魔は悲しそうな顔をして消えた。マスク三枚だけを残して。》
 ……いや、悪魔》はアベノマスク2枚だけを残して…。

 沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]こんなやり方、ありですか】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/558413)によると、《▼SNSでこんな書き込みを見つけた。「収入減を証明する書類は黒塗りで出せばいいのでは」。首相主催の「桜を見る会」を巡る疑惑で取った政府の手法を逆手に取る ▼別の投稿の書きぶりはこうだ。「法務省が口頭決裁で通るなら、私たちは口頭申告で」。黒川弘務東京高検検事長の前例のない定年延長を押し通した奇策を皮肉る ▼…しかし、冗談とも本気ともつかない禁じ手が跋扈(ばっこ)すること自体、安倍政権の罪深さを思う。(西江昭吾)》。
 経済対策による感染症拡大対策を全くやる気なし。小池晃さんは「補償なき緊急事態宣言では、いくら休みたくても、働きに出るしかない市民がたくさんいる」。そういう市民の置かれた状況を見て見ぬふりなアベ様。感染症拡大対策のためには、補償や給付といった経済対策が必要なのに…。

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https://lite-ra.com/2020/04/post-5358.html

緊急事態宣言で安倍首相が“ドケチファシスト”ぶり全開! 自粛補償を拒否する一方で警察動員の圧力と憲法改正にだけ前のめり
2020.04.08 07:07

     (緊急事態宣言発令を受けて会見する安倍首相(首相官邸HPより))

 この男が舵取りする泥船の上に国民が乗せられている──そう痛感するだけの1時間だった。無論、昨夜におこなわれた、緊急事態宣言を発令したことを受けての安倍首相の記者会見のことだ。

 まず、安倍首相は「医療現場はまさに危機的な状況」「もはや時間の猶予はない」「(感染拡大の)事態は切迫」などと危機を訴えたが、医療体制の整備を急げというのは1月の段階から野党が口を酸っぱくして言いつづけてきた話。安倍首相が例として挙げた東京都の感染拡大にしても、東京五輪の予定通りの開催にこだわってきたせいで、検査が抑えられ、そのために感染が広がったのではないかという見方もある。実際、2カ月以上ものあいだ検査体制・医療体制の整備は進んでおらず、いずれにしても、ここまでの状況に追い込んだのは安倍首相の後手後手対応にあるというのに、そうした自分の不手際には一切言及せず、安倍首相はこんな話をはじめたのだ。

「医療現場のため自分たちができる支援をしたいとクラウドファンディングを始めたみなさんがいます」
「看護協会は5万人を超える現在現場を離れている看護師のみなさんに協力を呼びかけています」

 医療現場のためのクラウドファンディングや離職している看護師の協力要請って、それ全部、安倍首相がやるべき仕事で、やらないから国民がやっているだけではないか。しかし、安倍首相はこうした取り組みを「これこそが希望であります」などと褒め称え、自分がやるべきことを“美しい国民の姿”として称揚することで責任転嫁してみせたのである。

 この期に及んで美談やポエムで自分の失策を覆い隠す──。いつものこととはいえ反吐が出るが、問題なのは、事ここに至っても、安倍政権が「ドケチ政権」であると同時に、 “国民の生活と命を本気で守る気などさらさらない”ということを露呈させたことだ。

 安倍首相は「日本経済がいままさに戦後最大の危機に直面している。そう言っても過言ではありません。その強い危機感のもとに、雇用と生活は断じて守り抜いていく」と言うと、「そのために、GDPの2割に当たる事業規模108兆円、世界的にも最大級の経済対策を実施することといたしました」と宣言した。

 「世界的にも最大級の経済対策」と言われると「安倍さん太っ腹!」と思った国民も多いかもしれないが、これは完全に詐欺だ。というのも、この「108兆円」には通常、事業規模には含まれないとされる納税や社会保険料の支払い猶予分の26兆円だの、新型コロナとはまったく関係なく昨年末に策定した経済対策分だのも含めたものだからだ。現に、新型コロナ対策として国が直接財政支出する、いわゆる“真水”は108兆円のうち39.5兆円。そのなかで現金給付に使われるのは6兆円にすぎないといわれている。

 「自粛と補償はセット」という怒りの声はあがりつづけているのに、それに耳を貸さない安倍首相。実際、昨夜の会見でも、質疑応答で東京・中日新聞の記者が休業要請にともなう補償や損失補填について質問をおこなったのだが、安倍首相は事も無げにこう言い放った。

「ある特定の業界に(休業を)お願いしてもですね、損失はその業界にとどまるものではありません。そこと、さまざまな取引をしているみなさんにも大きな影響が出ていくということを鑑みればですね、個別に補償していくということではなくて、困難な状況にあるみなさんに現金給付をおこないたいと考えています」

 じつは、安倍首相は昨日おこなわれた衆院議院運営委員会でも「飲食店そのものだけではなく、そこに納入している人たちも当然大きな影響を受けていく。ですから自粛要請している人に限って全額を補償するというのは現実的ではない」「バランスを欠くものになる」と答弁。ようするに、休業要請した店や施設にだけ補償すると、取引する納入業者などとバランスが取れなくなる、不公平が出る、だから補償はしない、と言うのである。


警察による職務質問の強化や営業店舗への立ち入り要請の可能性を認めた安倍首相

 普通に考えて、緊急事態宣言にともなう休業要請によって店や施設が廃業に追い込まれたら、納入業者も大きな被害を受け、廃業の連鎖という最悪の事態も起こりかねない。そもそも、「バランスが」などと言うのなら、そこは納入業者も補償しようという話になるべきなのに、安倍首相は取引先の問題を“やらない言い訳”に使い、「現実的ではない」などと言うのである。

 こんな状態では、緊急事態で休業しろと大合唱が起こっても、背に腹は変えられず、営業をつづけざるを得ないと判断するところが出てくるのは当然だ。もし、本気で安倍首相が「感染拡大を止めなければ」と考えるのであれば、多くの人に行き渡る休業補償をおこなうべきなのだ。

 だが、緊急事態宣言を発令しながら、それを拒否する安倍首相。いや、それどころか、安倍首相は昨夜の会見で、とんでもないことまで言い出したのだ。

 それは、記者からの質疑応答の際、フリージャーナリストの江川紹子氏がおこなった質問の答えだ。会見に入れなかったジャーナリストの神保哲生氏が江川氏に託した質問だったようだが、江川氏は「(外出自粛の)引き締めのために警察に要請して職務質問などを活発化させるなどはあり得るのか。千葉市長は“警察に対してナイトクラブへの一斉立ち入りなどの取り締まり強化を要請しています”とTwitterに書いているが、こういうかたちで警察に要請する、取り締まりをするというようなことはあり得るか」と質問。すると、安倍首相はこう答えたのだ。

「取り締まりの対象には、罰則ありませんから、取り締まりの対象ということでは、警察が取り締まることはありません。ただ、ご協力は要請させていただくということはあるかもしれません

 つまり、「取り締まりの対象ではない」と言いながらも、警察による職務質問の強化や営業店舗への立ち入りなどを要請する可能性があることを、安倍首相が認めたのだ。

 この回答から考えれば、たとえば「生活補償しろ!」と国会前などで抗議が起こった際でも、警察が外出自粛を盾にして取り締まりを強化することも十分にあり得る。緊急事態宣言をきっかけに、国民の行動を取り締まった戦前の特高警察のような動きも出てくるのではないか。


国民を守る気のない安倍が「緊急時に国民を守るため憲法の位置付けは大切だ」

 想像しただけで背筋が凍るが、安倍首相は今回の緊急事態宣言を新型コロナ以外に利用しようと考えていることはミエミエ。実際、昨日の衆院議院運営委員会では、緊急事態条項創設を含む憲法改正について、こう答弁したからだ。

「自民党が示した改憲4項目のなかにも緊急事態対応が含まれており、大地震等の緊急時において国民の安全を守るため、国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えていくべきか、そのことを憲法にどのように位置づけるかについては、極めて重く大切な課題だ」
「新型コロナウイルス感染症への対応も踏まえつつ、国会の憲法審査会の場において、与野党の枠を超えた活発な議論が展開されることを期待したい」

 新型コロナ対策がこんな有様なのに改憲議論を活発化しようって、「そんなこと言っている場合か」とツッコまざるを得ないが、安倍首相はきっと本気だ。というのも、コロナ禍のなか、世間では「自粛要請ではなく海外のようにもっと強い制限をかけられるようにすべき」といった声も出ている。それを利用して憲法改正を進めよう、そう安倍首相が目論んでいるのは間違いない。

 医療体制の整備や検査の拡充を怠り、国民への生活支援を出し渋る一方で、警察を動員した私権制限や憲法改正には積極的に踏み込もうとする安倍首相。その上、昨夜の会見の質疑応答の最後、イタリア人の記者から「(対策に)失敗したらどう責任をとるのか」と問われると、安倍首相は平然と「最悪の事態になった場合、私は責任をとればいいというものではありません」などと言ってのけた。舵取りを失敗しても責任はとらないと逃げを打ち、新型コロナに乗じて改憲を果たそうとする──。この男がハンドルを握るこの国は、これから、ほんとうにどうなってしまうのだろうか。

(編集部)
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http://www.videonews.com/interviews/20200407_oguchi/

2020年4月7日
警察の職質などによる実質的な強制には注意が必要
ゲスト 小口幸人氏(弁護士)
番組名 インタビューズ(2020年4月7日)



【警察の職質などによる実質的な強制には注意が必要・小口幸人氏(弁護士)×神保哲生
 (https://youtu.be/YeOAJ59QKvo

 新型コロナウイルスの感染の広がりを受けて安倍首相は4月7日、緊急事態宣言を発令した。これにより、対象となる7つの都道府県では知事に緊急事態対策を策定し、市民や事業者に対してさまざまな措置を要請する権限が生じる。これまで法的根拠のないまま行われてきた様々な自粛要請に、ようやく一つの法的根拠が与えられることになる。

 とは言え、コロナ特措法の建て付け上、緊急事態宣言に基づく諸対策も基本的にはこれまでと同じ要請ベースであり、強制力を持つものとはならない。いくつかの業界に対しては、要請よりもやや強い表現で協力が求められているが、基本的には罰則の伴う強制力はない

 しかし、それが要請ベースであり、要請に伴う補償措置も明確になっていないことから、時間が経過し自粛疲れなどが出てくると、要請に従わない事業者や個人が増えてくることが十分に考えられる。そうなれば、感染拡大を抑え込むための措置の実効性が失われかねない。

 SNS上などで新型コロナ特措法による私権制限の濫用リスクに警鐘を鳴らしてきた弁護士の小口幸人氏は、あくまで自粛と言っておきながら、要請に従わない事業者や個人に対して警察が職務質問などを行うことで事実上の強制が行われた場合、それは法に基づかない強制となるため歯止めがなく、むしろその方が危険だと指摘する。警察による職質だけでも一般の市民には大きな圧力になるが、例えば今回東京都が作成した緊急事態措置の行動計画の中に警察の役割として広報、啓発を図るなどの文言が明記されており、その条文に基づき実質的な強制や取り締まりが行われる可能性が十分にあると小口氏は警鐘を鳴らす。

 緊急事態宣言に基づく一連のコロナ対策に実効性を持たせるためにも、われわれが気をつけなければならない点は何かなどについて、小口弁護士に聞いた。(聞き手・神保哲生)(本インタビューはSkypeを通じて遠隔で行われたものです。)


■PROFILE
小口幸人(おぐち ゆきひと)
弁護士
1978年東京都生まれ。2001年中央大学商学部卒業。同年、株式会社キーエンス入社。03年退社。07年司法試験合格。桜丘法律事務所、宮古ひまわり基金法律事務所などを経て、16年南山法律事務所を設立。
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202004080000057.html

コラム
政界地獄耳
2020年4月8日8時28分
「機動的」「一気呵成」政策がこのありさま

★政府の経済対策は総額108兆円という枠だけに7日のマーケットは反応した。日経平均株価は一時500円以上値上がったのは大規模な経済のテコ入れに見えたからだ。しかし実態は追加の歳出が総額で16兆8057億円に上る今年度の補正予算案を固め国債発行で賄うもの。いわゆる真水の金額はこれだけで、現金給付分は6兆円。ほかは予算の付け替えだ。またこの給付に該当する人は「年金受給者」「生活保護」「働けなくなったパート」の人たち程度で一般の労働者には、何の恩恵もない

★国民に対しての給付は極めて厳しい要件のもとに30万円給付するというものだが、東京23区内で専業主婦と2人暮らしのサラリーマンの場合、非課税になるのは年収が156万円以下の人に限られる。月収10万円を超えるようなサラリーマンや派遣労働者などは全て対象外となるわけだ。年収700万円の人は350万円に半減しても対象にならない。また共働き世帯で一方が解雇されても、世帯主でなければ対象外と、だれが使えるのかという声が多い。

★「結局、質の悪い失対事業(失業対策)で、この事態の緊急性や、中長期にわたる国民の不安を解消するどころか不安をあおる事態を招いている。政府は当てにできないというぼんやりしたイメージが、明確にあてにできないに変わってしまった。政府は第二第三の政策給付を考えているのかもしれないがこれでは逆効果。今、ドーンと安心させてから次の矢を放たないと国民はついていかれない。これではマスク2枚の発想から抜け出せていない」(野党幹部)。首相は会見で「機動的に必要かつ十分な経済財政政策を間髪入れずに講じる」「経済を確かな成長軌道に戻し、一気呵成(かせい)にこれまでにない発想で思い切った措置を講じる。政府・与党の総力を挙げて取り組む」「リーマン・ショックを上回るかつてない規模」とたんかを切ったが、このありさまここから始まるのは政治の失策による政策貧困。(K)※敬称略
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●経済対策による感染症拡大対策…小池晃さん「補償なき緊急事態宣言では、いくら休みたくても、働きに出るしかない市民がたくさんいる」

2020年04月12日 00時00分14秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



妹尾聡太記者による、新聞の記事【<新型コロナ>きょう緊急事態宣言 首相「7都府県 1カ月程度」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202004/CK2020040702000160.html
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/それでも補償のない人は仕事に出かける】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202004070000067.html)。
東京新聞のコラム【筆洗】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2020040702000171.html)。

 《安倍晋三首相は六日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言を七日に発令すると表明した…対象は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の七都府県。全般的な感染防止策を定めた「基本的対処方針」も改定する》。
 《今では国民の8割が緊急事態宣言を熱望する世論調査まである。だが多くの国民は政府の要請に応えることで補償が出ると考えているそうではない。…★結果、企業は会社を運営し続け、補償のない働く人たちは生活のため仕事に出かけ続ける。会社とてストップさせればそのまま倒れてしまいかねない。社会はテレワークだけで成立しているわけでもない。…8日から始まる緊急事態宣言を国民は過剰に受け止め、都市部には混乱が広がるだろうが、その危険を政治は黙って見過ごすのか》。
 《私権を預かる以上、丁寧な説明と慎重な運用が求められるのはもちろん、休業を要請される事業への補償もきちんと約束したい▼勝たねばならぬ敵はウイルスである。間違っても、ウイルスと一緒に国民をかえって苦しめる「宣言」にしてはならぬ》。

   『●《国民が信用しない政府》《調査しない政府》など《……ない政府》
     (鈴木耕さん)…そんな独裁者が〝戒厳令〟という凶器を振り回す…
   『●《耳目を引く策を打ち出し、手なずけたマスメディアやSNSを駆使して
       「世論」を作り出せば、愚策も「英断」となり、支持率は上がる》…
   『●2020年4月6日朝のニュース【首相、初の緊急事態宣言発令へ】
     …ついに、無能無為無策、不作為なアベ様が凶器を振り回す時が来た…


 いま、壊憲まで口にするアベ様らが《間違っても、ウイルスと一緒に国民をかえって苦しめる「宣言」にしてはならぬ》なんてことを考えているわけがない。ブログ主は、恐怖でしかない…無能無為無策、不作為なアベ様が凶器を振り回す。【筆洗】は《解放感とまでは言わないが、国民には冷静に受け止める空気がある》というが、《冷静》って本当か? 「諦観」「諦め」か? また、《荒療治を求めたように見える》?? いや、何も気づいていないだけなのでは? (神保哲生さん)《政府が密かに手に入れていたロックダウン権限》《強制力を持たないコロナ特措法を遙かに超える、都市のロックダウンさえ可能になる強い法的権限を手に入れていたことが、ビデオニュース・ドットコムの取材でこのほど明らかになった。これは3月26日に政府が政令を変更し、新型コロナウイルスを感染症法の33条の適用対象に組み入れたことによるもの》。凶器を振り回す気満々のアベ様。

 東京新聞の記事【緊急事態宣言へ 必要性を丁寧に語れ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020040702000202.html)によると、《感染拡大防止と同時に重要なのは経済対策である。法的な根拠のある宣言の発令でさらに飲食店の休業など経済活動の停滞が拡大しかねない。日々の生活を守るためにも個人や企業を支えるのに十分な支援を打ち出すべきだ》。
 「自粛と給付はセットだろ」! それなしに、無能無為無策、不作為なアベ様が凶器を振り回す。

 アベ様は、《安倍晋三首相は事業者に直接補償することを否定》。理由は《バランスを欠く》?? 一体、どういうこと?? 意味が分からん…。
 アサヒコムの記事【緊急事態宣言の損失補塡、首相が否定「現実的でない」】(https://www.asahi.com/articles/ASN4746YGN47UTFK00P.html)によると、《共産党の塩川鉄也氏は衆院議運委で、緊急事態宣言で営業自粛を要請する事業者に対し、損失を直接補償すべきだと求めた。安倍晋三首相は事業者に直接補償することを否定。「飲食店」を例に挙げ、「そこ(飲食店)に納入している人たちも、大きな影響を受ける。自粛要請している人に限って、その額を補償するのは、バランスを欠く」と答弁。飲食店に補償したとしても、納入業者には補償されないので、バランスを失するとの考えを示した》。

 【2020年4月7日 参議院 議院運営委員会/新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言に関する件】(https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php)の小池晃さんが素晴らしい主張。「人の命を救うための宣言が、人の命を奪うことになっていいのか?」、「経済対策ではないんですよ、感染症拡大対策なんですよ。補償なき緊急事態宣言では、いくら休みたくても、働きに出るしかない市民がたくさんいるんですよ」。諸外国では「安心して休業して、感染拡大防止に協力している」。まったく、理解できないアベ様。やる気なし。この部分だけでもいいので、小池晃さんの主張とアベ様の意味不明な答弁を見てほしい。
 【政界地獄耳】が言うように、《補償が出ると考えているそうではない。…★結果、企業は会社を運営し続け、補償のない働く人たちは生活のため仕事に出かけ続ける。…都市部には混乱が広がるだろうが、その危険を政治は黙って見過ごすのか》!

 日刊ゲンダイの記事【安倍政権またもケチケチ「1世帯30万円給付」は8割が対象外】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/271523)によると、《政府の原案によると、給付対象は世帯主の2月以降の収入が1月以前と比べて、①減少した住民税非課税世帯②半分以下に減少し、収入が年収換算で住民税非課税世帯の2倍以下に減った世帯――に限られる。例えば、単身世帯では年収100万円以下が住民税非課税となるため、月収8.3万円以下が給付要件だ。条件が限られる上、収入減少を自己申告しなければならないから、受け取るためにはかなり面倒くさい。労働問題に取り組むNPO「POSSE」の渡辺寛人事務局長がこう指摘する。「対象となる非課税世帯はかなり限定されています。条件を満たすのは、生活がもともと厳しい世帯でしょう。加えて、シングルマザーや障害者、高齢者などは、収入減少を証明する書類をそろえるのがそもそも大変です。自己申告制が本来、給付を受け取れる人を排除する恐れがある上、所得制限を設けることによって受け取れる人とそうでない人の分断を生んでしまう可能性があります」》。
 何故に《分断》しなければいけないのか? 「COVID19についての緊急経済対策。なんで世帯? 家族の多い家庭はどうすんだ? 対象無条件で、全員に、個人単位で支給すべき。条件を付けてはダメ。条件を満たす人に負い目を負わすなよ。ましてや、職業差別など、論外。また、わざわざ申請させに行き、感染のリスクを上げるなんて愚の骨頂。住所を持たない方など、簡単に申請できるように捕捉できない個人への支給方法に十分に配慮しつつ…、給付〝不要〟な方にこそ、ホームページかどこかの端っこで超面倒な手続きが必要にしてくれ。差別なく、全員に給付されるべき。〝不要〟というよっぽどのお金持ちの奇特な方が、感染リスクの低い形で、小っこい字で難解に書かれた支給〝不要〟の面倒な手続きを必死にやらないと拒否できないような方法にしてくれ」。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202004/CK2020040702000160.html

<新型コロナ>きょう緊急事態宣言 首相「7都府県 1カ月程度」
2020年4月7日 朝刊

 安倍晋三首相は六日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言を七日に発令すると表明した。東京圏など七都府県を対象区域とする。期間は一カ月が目安。八日から効力が発生し、五月の大型連休まで続く見通し。感染が全国的かつ急速にまん延し、国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすと判断し、一定の私権制限を伴う宣言に踏み切る。 (妹尾聡太

……

 首相は七日に感染症専門家や弁護士でつくる「基本的対処方針等諮問委員会」の議論を経て、衆参両院の議院運営委員会で国会に報告した上で宣言を発令。記者会見を開き国民にも説明する。

 対象は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の七都府県。全般的な感染防止策を定めた「基本的対処方針」も改定する。

 宣言の対象地域の知事は特措法に基づく外出の自粛要請や、学校や映画館などの使用制限を要請・指示できる。食品や医薬品などの保管命令や、医療施設を臨時開設するための土地・家屋の使用も可能で、応じない場合は罰則規定もある

 海外で実施されている都市封鎖(ロックダウン)について、首相は官邸で記者団に「海外のような都市の封鎖を行うことはしない」と明言。交通の強制的な遮断はせず外出に対する罰金も科さない。首相は対策本部会合で「感染者が都市部を中心に急増し、医療現場は既に危機的な状況だ」と説明。現在二万八千床の病床を五万床まで増やすほか、感染の有無を調べるPCR検査について一日当たりの実施可能数を二万件に倍増させ、重症患者の治療に必要な人工呼吸器の増産にも取り組む方針を表明した。

 緊急事態宣言は、二〇一二年の民主党政権下で成立した改正前の旧特措法で発令が可能となった。発令の要件は(1)国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れ(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れ-の二点ある。政府は(1)は既に満たしていると判断していた。首相は(2)も満たす状況になったとして、諮問委員の意見を踏まえて最終決定する。
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202004070000067.html

コラム
政界地獄耳
2020年4月7日9時32分
それでも補償のない人は仕事に出かける

★ほんの1カ月前、緊急事態宣言を含む新型コロナウイルス特措法改正案の成立では、その懸念が指摘され続けていたが、都知事・小池百合子、日本医師会長・横倉義武の2人が強く要請し、今では国民の8割が緊急事態宣言を熱望する世論調査まである。だが多くの国民は政府の要請に応えることで補償が出ると考えているがそうではない。

★6日付東京新聞には「企業が社員を休業させる場合は『会社都合による休業』として労働基準法に基づき『平均賃金の6割以上の休業手当』を払う義務がある。現在、営業不振や自粛で社員らを休業させている企業にも義務は適用されている。しかし緊急事態宣言が出されると、都道府県知事は学校など公共施設に加えライブハウス、野球場、映画館、寄席、劇場など多数の人が集まる営業施設には営業停止を要請・指示できる。労働基準法を所管する厚労省によると施設・企業での休業は企業の自己都合とはいえなくなり休業手当を払わなくても違法ではなくなる(同省監督課)としている」とある。スーパーも含まれるが食品、医薬品、衛生用品、燃料など厚労省が定める生活必需品の売り場は営業を続けられる。

★結果、企業は会社を運営し続け、補償のない働く人たちは生活のため仕事に出かけ続ける。会社とてストップさせればそのまま倒れてしまいかねない。社会はテレワークだけで成立しているわけでもない。首相が都市封鎖はないとするのもここがポイントだ。経済界がこの件で積極的な発言を控えていたのはこのからくりを承知していたからか。小池は7月に都知事選が、日本医師会も6月に会長選挙があると考えると、2人の言動もいささかきな臭く聞こえる。あえて言えば「戦前日本のポピュリズム~日米戦争への道」(筒井清忠著・中公新書)に詳しいが今の緊急事態宣言を求める風潮は、戦前のマスメディアが開戦機運をあおり、世論がそれを後押しした姿に重なる。8日から始まる緊急事態宣言を国民は過剰に受け止め、都市部には混乱が広がるだろうが、その危険を政治は黙って見過ごすのか。(K)※敬称略
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2020040702000171.html

【コラム】
筆洗
2020年4月7日

 一九四一年十二月の対米英開戦の知らせに対し、当時の日本人はどう受け止めたか。戦争の結末を知る世代からは想像しにくいが、作家、半藤一利さんによると解放感が強かった▼「日本人のだれもが一種の爽快感といった、頭の上の重しがとれたような喜びを感じたのである」(『十二月八日と八月十五日』)。国際緊張による重圧と八方ふさがりの状況の中、対米英開戦はむしろ重い雰囲気をぬぐい、独特な解放感へとつながった▼新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍首相は「緊急事態宣言」を出す腹をついに固めたようである。解放感とまでは言わないが、国民には冷静に受け止める空気がある。感染拡大との闘いのためとはいえ、移動や経済活動の私権をある程度制限することにもなるが、それでも国民が目をつぶるのはそれまでの重苦しい空気のせいだろう▼日に日に増えていく感染者の数と自分も感染するかもしれぬ不安の中で「宣言」による荒療治を求めたように見える。欧米の深刻な状況は絶対に避けたいという願いもある▼その期待を裏切ってはならぬ。私権を預かる以上、丁寧な説明と慎重な運用が求められるのはもちろん、休業を要請される事業への補償もきちんと約束したい▼勝たねばならぬ敵はウイルスである。間違っても、ウイルスと一緒に国民をかえって苦しめる「宣言」にしてはならぬ
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