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●カジノへのお維祭り…「メディアは批判ばかりしているが…職員は盛り上げたい…」「喜んでいるファンや選手の顔を見て批判なんてできるのか」

2023年12月17日 00時00分34秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


/ (2023年12月03日[日])
《「反省」の二文字なし》…大阪「ト」知事三代に共通。《真相究明と責任追及》しない大阪マスコミの大罪。「メディアは批判ばかりしているが、多くの職員は盛り上げたいと思ってボランティアをしている」「喜んでいるファンや選手の顔を見て批判なんてできるのか」なんていう現大阪「ト」知事の御言葉を頂いて、満足しているのね? 取材者は、馬さんや、鹿さんか?
 お維万博、もう《中止でいいやん!》 1日1日と傷が深く、深くなるばかりだ…。

   『●《カジノありきだった大阪万博 “カジノ用地不当鑑定疑惑”をめぐり「公
     文書隠蔽」》《大阪市港湾局がサーバーからメールを削除…組織的隠蔽》
   『●お維「ト」知事…《口利きビジネス…ついこの間まで地方自治体の首長を
     務めた人物が、こんなビジネスに手を染めることが許されるはず》もなく
   『●自称「第2自民党」のお維…《「第2自民党」と揶揄された政治勢力は
       あったが、自らそう認めるとすれば異例。自民の補完勢力》宣言
   『●あぁ、お維に投票できる人の気が知れない…《所属議員の不祥事が止む
     ことがなく、最近は「政界のビッグモーター」などと揶揄される始末だ》
   『●この東京新聞の《こちら特報部》の記事を見て最初に頭に浮かんだ問い
         ――― お維のデタラメに対して、在阪メディアは何やってんの?
   『●お維の言う「身を切る改革」とは? 「政界のビッグモーター」・
     自称「第2自民党」のお維自身の「身」は決して切らないデタラメばかり
   『●「昨秋に共有できていれば…」…日本国際博覧会協会副会長(理事)で
      ある吉村洋文大阪「ト」知事が何を仰っているのか理解できない…
   『●「ミャクミャク」が静かに、さらに、最近は「大阪・関西」という冠も
     消えつつある万博…《大阪…「興味ないわ」…「早よやめたらええ」》
   『●【吉村洋文知事の3つの大言壮語/今西憲之】《予算は膨張に膨張》《阪神
        ・オリックスの優勝に便乗するも》《空飛ぶクルマもトーンダウン》
   『●ショボいお維「祭り」、今すぐ違約金を払って止めよう! 《大阪府が提供
      する生成AIの会話サービス…「万博は中止やって」と答える》そうだし
   『●【勤労感謝の日に職員3000人を7時間タダ働きさせようとする大阪府・大阪
     市のヤバさ これが「維新流」?】…お維万博、もう《中止でいいやん!》
   『●賭博場開帳のためのお維「祭り」、眉唾な経済効果を上回る巨額な税金
     投入になりはしまいか? 「対案は、中止!」一択、それが最良の道

 dot.の記事【吉村洋文知事に「反省」の二文字なし 職員ボランティア、ワクチン失敗、パビリオン増額も/今西憲之】(https://dot.asahi.com/articles/-/207499)。《大阪府の吉村洋文知事のコメントが批判を集めている。阪神タイガースとオリックスバファローズの優勝パレードでは、クラウドファンディング(CF)や職員ボランティアの動員などで様々な指摘を受けていたが、「CFの反省点は何もない」などと総括。さらに、「大阪発のコロナワクチンを」と吉村知事がPRしていた製薬ベンチャーがワクチン開発を断念し、国の助成金の一部を返還することになったが、これについても反省点は聞こえてこないほんとに何も反省はないのだろうか?

 カジノ賭場開帳のためのお維祭り、最早、学園祭レベル、その出発地点あたりがコレだものね ➙ 《橋下徹万博が実現したのは松井さんの政治力安倍さんのおちょこに酒をついで『(万博は)必要ですよね総理と口説いた」…「お酒をつぎ倒して実現した」…吉村も「おちょこ事件」…「あの事件以来、グワーッと動いた」…国民の税金はこうして使い道が決まっていく》。
 それが、今や1兆円越えも間近だ。大阪のお維支持者の皆さん、なんてことをしてくれたのでしょうか…。3分の1は大阪府・市の税金、3分の1は国税。馬さんや鹿さん丸出しのお維祭り。

   『●《橋下徹…「万博が実現したのは松井さんの政治力。安倍さんの
     おちょこに酒をついで『(万博は)必要ですよね総理』と口説いた」》

 どうやら1兆円越え間近では?、賭場開帳のためのお維博。適当・法螺・眉唾な経済効果6兆円2代目大阪「ト」知事) ➙  2兆円現大阪「ト」知事)。経済効果を超えてしまうのでは? よくもこんなデタラメな事業計画を立てれるものだ、無能の極み。お維出身の杉田水脈氏の言う《公金チューチュー》というのは、お維や、カルト協会とヅボヅボな「利権」党のことでしょに。
 宮畑譲岸本拓也木原育子記者による、東京新聞の記事【膨らみ続けて3187億円に…大阪万博に「身を切る改革」は必要ない? もっと膨らむことはないのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/292803?rct=tokuhou)。《大阪・関西万博の費用が、現時点で総額3187億円に膨らんだ。国費が倍増して全体の半分程度になり、東京など関西以外の人への影響も大きくなりそうだ。維新は「絶対中止しない」と前のめりだが、世論の支持は低迷する大阪万博。この費用があれば、代わりに何ができるのだろうか。(宮畑譲岸本拓也木原育子)》、《◆毎度お馴染みとなった過小な見積もり》。

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https://dot.asahi.com/articles/-/207499

吉村洋文知事に「反省」の二文字なし 職員ボランティア、ワクチン失敗、パビリオン増額も
2023/11/28/ 16:56
今西憲之

     (優勝パレード後に記者団の取材に応じる吉村洋文
      大阪府知事(左)と横山英幸・大阪市長=
      2023年11月23日、大阪市中央区)

 大阪府の吉村洋文知事のコメントが批判を集めている。阪神タイガースとオリックスバファローズの優勝パレードでは、クラウドファンディング(CF)や職員ボランティアの動員などで様々な指摘を受けていたが、「CFの反省点は何もない」などと総括。さらに、「大阪発のコロナワクチンを」と吉村知事がPRしていた製薬ベンチャーがワクチン開発を断念し、国の助成金の一部を返還することになったが、これについても反省点は聞こえてこないほんとに何も反省はないのだろうか?

     (【写真】まるで「鳥の巣」のようなデザイン…
      パビリオンの特徴的な外観がこちら)

 11月23日に大阪市と神戸市で開かれた阪神とオリックスの優勝パレード。主催者発表では、大阪で約55万人、神戸で約45万人が訪れ、それぞれの現場は大きな盛り上がりを見せた。

 ただ、パレード自体の盛り上がりとは別で、様々な問題点が指摘されている。

 パレードには、「2025年大阪・関西万博500日前!」といった余計な文言がついたり、会見会場は万博のキャラクターだらけだったりと、「政治利用」との批判を受けていた。


大阪府職員「ただただ疲れました」

 そして、大阪府は開催費用5億円をCFで募り、教員や職員にその周知を求める文書を出していたことなどが発覚。さらには、兵庫県や神戸市は、パレードに出た職員を公務扱いとしたのに対し、大阪府、市はボランティアでの動員だったことにも反発の声が上がっていた。

 実際、ボランティアに駆り出された職員に聞くと、

吉村知事は公務で、職員はボランティア。私の担当場所はパレードがまったく見えない場所でした。昼ご飯はコンビニに行っても売り切れで、お菓子しかなかった。ただただ、疲れました

 との感想を漏らした。もちろんすべての職員がそういう感想ではないにしろ、府や市の労働組合が、知事や市長に公務としての扱いや代休の取得を求めていたことなどからも、同様の思いを持った職員は多いだろう。

 しかし、パレード終了後、吉村知事は、いずれの問題点についても、

「万博とパレードは切り離しました」

「CFは大成功で反省すべき点は何もない」

メディアは批判ばかりしているが、多くの職員は盛り上げたいと思ってボランティアをしている」

喜んでいるファンや選手の顔を見て批判なんてできるのか

 などと、成功を強調するばかりだった。


コロナワクチンの「承認の可能性」に言及も

 そして大阪大学発の製薬ベンチャーの上場企業、アンジェス(本社・大阪府茨木市)だ。

 コロナ禍で大阪発の「国産ワクチン」として吉村知事が大きくPRしたものの、昨年9月に開発断念を発表した。国から受けた助成金約93億8千万円のうち12億円を国に返還するとこのほど厚生労働省が公表した。

「コロナ禍では飛ぶ鳥を落とす勢いだったアンジェスを、吉村知事も大絶賛していました。しかし、ワクチン開発ができずに株価も急落しました。嫌な流れで万博に影響しないか心配です」

 と話すのは、大阪維新の会のX府議だ。

 アンジェスは2020年4月、大阪府と市、新型コロナのワクチンを共同研究している大阪大学などとワクチン開発についての協定を結んだ。

 同年5月20日、吉村知事は記者会見で、

「パナソニックからコロナワクチンなどの研究開発費として2億円の寄付があった。1億5千万円を大阪大学に、5千万円を府立病院機構にあてる」

 と表明した。


「ワクチン、できればよかった」

 その後も吉村知事のアンジェスへの“肩入れ”は止まらず、自身のX(旧ツイッター)に、

「大阪大学発のバイオ企業アンジェスは、新型コロナワクチンの臨床試験(治験)を7月から始める。動物実験の成果などを受けて厚生労働省や医療機関などと治験前倒しについて協議している。有効性が確認できれば年内にも承認を受けて実用化される可能性がありそうだ」

 と投稿した。

 記者会見でも、

大阪産ワクチンは安全性重視。日本人にあったワクチンになります」

 などと専門家ではないのに「安全性」に踏み込んでお墨付きを与えるような発言をするなど、当時、国民が待望してやまないワクチンの開発にアンジェスがすぐにでも、成功するような内容ばかりだった。

 吉村知事の発言もあってか、アンジェスの株価は急上昇し、新型コロナの感染拡大が始まった2020年2月は500円程度だったのが、6月には2000円を超えた。国は7月、アンジェスをはじめ6事業者に助成金を交付した。

 吉村知事はアンジェスの開発中止、国の助成金返還について問われると、こう答えた。

「国産ワクチンできればよかった。アンジェスはチャレンジしたがたどり着かなかった」

 このなかでキーマンとなっているのが、アンジェスの創業者、森下竜一氏だ。安倍晋三首相時代の2013年に内閣府の規制改革会議委員を務めると、その後、吉村知事や大阪市も森下氏を「大阪府特別参与・大阪市特別参与」に起用した。そして、大阪・関西万博では「万博基本構想検討会委員」に就任すると、開催地について、

やっぱり夢洲しかない。グランドデザインが一から描ける」

 と維新とともに埋め立て地の夢洲開催を後押し。万博開催が決まると大阪府と大阪市の「大阪ヘルスケアパビリオン」の総合プロデューサーとして、指揮する立場に就いた。

 ワクチンだけではなく、万博でも中心的な立場にいるのだ


パビリオンの建設費も上振れ

「万博のコンセプトである『健康・長寿への挑戦』は森下氏の考えが基本になっています。大阪ヘルスケアパビリオンは森下氏が総合プロデューサーですから、すべてを取り仕切ることになります。ただ、会場建設費の2350億円への増額と同様に、このパビリオンも上振れしています」

 と大阪府の幹部が話す。

 当初、大阪ヘルスケアパビリオンの建設費は74億円で、森下氏も「80億円ほど」を見込んでいたと万博関連の会合などで語り、

「非常に外観も特徴的と言いますか、きれいですし、SDGsを非常によく意識した設計」

 と高く評価している。

 しかし、ゼネコンが積算したパビリオンの建設費は2.6倍の195億円。森下氏が「非常に外観も特徴的」と評価したパビリオンの象徴は屋根。大阪府などの資料によると、

<「水」と「木」をコンセプトに構成された環境共生建築。屋根には水が流れ、建物内では自然光と風を感じることができ、まるで水中にいるような幻想的空間がイメージ>

 というもので「鳥の巣」のようなデザインをしている。

     (提供:(公社)大阪パビリオン)

 11月27日の国会では、日本政府が出展する「日本館」の建設費に360億円が必要になると西村康稔経済産業相が表明しており、大阪ヘルスケアパビリオンの増額も表面化しそうだ。


森下氏と吉村知事の責任は大きい

 前出の大阪維新の会のX議員は、

「万博の建設費が2倍近くになり、海外パビリオンも撤退、リングには350億円と報じられ、次にたたかれそうなのは大阪ヘルスケアパビリオンじゃないかとビクビクです。万博の不評で、維新の支持が目に見えて落ちている。吉村知事は、安倍元首相との関係が深い森下氏をよかれと思って起用したのでしょうが、ワクチンは沈み、万博も危うい状況です。なんとか沈まないように願うしかない」

 と話した。

 大阪ヘルスケアパビリオンについては、前出の大阪府幹部がこう話す。

「大阪ヘルスケアパビリオンも建設費が高騰しました。議会が紛糾するなかで、シンボルの屋根の設計を大きく変更し、計99億円で予算成立しました。本来は当初の予算内におさまる計画をすべきで、総合プロデューサーである森下氏と任命した吉村知事の責任は大きいですが、何ら反省はなさそうです

(AERA dot.編集部・今西憲之
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/292803?rct=tokuhou

こちら特報部
膨らみ続けて3187億円に…大阪万博に「身を切る改革」は必要ない? もっと膨らむことはないのか
2023年11月29日 12時00分

 大阪・関西万博の費用が、現時点で総額3187億円に膨らんだ。国費が倍増して全体の半分程度になり、東京など関西以外の人への影響も大きくなりそうだ。維新は「絶対中止しない」と前のめりだが、世論の支持は低迷する大阪万博。この費用があれば、代わりに何ができるのだろうか。(宮畑譲岸本拓也木原育子


◆「今どき海外パビリオンに行ってまで…」

 28日昼下がりの東京タワー(東京都港区)。穏やかな日和に恵まれたこの日は、多くの観光客が訪れていた。コロナ禍が明けたこともあってか外国人観光客が多く、小学生と思しき団体も。

     (大阪・関西万博500日前イベントが予定されている
      東京タワー=28日、東京・芝公園で=東京・芝公園で)

 30日には、万博開催500日前に合わせて東京タワーが特別にライトアップされ、PRイベントが開かれる予定。訪れた人たちに、大阪万博や費用について聞いてみた。

 都内に住む専門学校生の男性(20)は「ぶっちゃけ興味ない。今どき海外パビリオンも行ってまで見るほどのものなんだろうか。ネットで見れば十分じゃ…」と言い、全く行く気はないという。東京都墨田区に住む40代の女性会社員も「これだけのお金を使ってやる意味があるのかな必要ない」。

 確かに、万博の経費は増え続けている。


◆誘致決定時、会場整備費は1250億円だった

 誘致決定時に1250億円だった会場整備費は、これまでに資材の高騰などで2回増額され、2倍近い2350億円となった。27日には、日本政府が出展するパビリオン「日本館」の事業費や途上国の出展支援、安全確保の費用など837億円が別途計上されていることも判明。この追加分を加えると、総額3187億円となる。

 会場整備費は国、大阪府市、地元財界で3分の1ずつ負担する。そうなると、総額のうち約1620億円を国費で賄う計算だ。今回分かった経費増額について日本国際博覧会協会に聞いたが、「837億円は協会の収支に関わる費用ではない。国費は別のものなので、担当の省庁に確認してほしい」との答えだった。


◆「1970年の時のワクワク感ない」

 「経費がかかりすぎ。負債になったらどうするのか。若い人たちに降りかかる。お祭りよりも、少子化対策などに回すべきだ」。久しぶりに夫婦で東京タワーにやってきた東京都小平市の80代女性は話す。

 女性は1970年に開かれた前回の大阪万博には、関西の実家から1週間通い続けた。しかし、「あの時は国の経済も上り調子だったし、未来へのワクワク感がすごかった。けど今回は特にない」と、膨張する経費と期待の低さのギャップを強調した。

 妹と訪れていた宮城県内に住む女性会社員(28)も万博自体に関心が低い。「物価が上がって生活は苦しくなった。賃金を上げる経済対策に使ってほしい」と訴えた。


◆東京でも機運盛り上げるためのイベントが

 30日には、東京スカイツリー(東京都墨田区)も万博のPRでライトアップする。同日は名古屋と大阪でもイベントが予定され機運を盛り上げるという。

     (丸善丸の内本店内にできた大阪・関西万博の
      オフィシャルストア=28日、東京・丸の内で)

 東京・丸の内の丸善丸の内本店には22日に一足早くオフィシャルストアがオープンし、公式グッズを販売している。28日に訪れていた埼玉県上尾市の男性会社員(46)は「大阪出身なので行けたらいいなと思っている。関西の経済は長く停滞している。地元が盛り上がるきっかけになってくれれば」と話した。

 あらためて「3187億円」とはどんな金額なのか。大きすぎてピンとこないが、単純に日本国民(1億2431万人)1人当たりだと約2560円。1万円札では3187万枚、積み上げた高さは3187メートルになる。日本3位の南アルプス間ノ岳(あいのだけ)と北アルプス奥穂高岳(ともに3190メートル)に匹敵する高さだ。

 東京都だと大田区や足立区の2023年度当初予算に相当する金額。大まかに「3000億円」とすると、国の政策ではどういう額になるのか。


◆「保育の質向上」や「沖縄振興」の予算に匹敵

 例えば「保育の質」。12年に民主(当時)、自民、公明の3党が消費税増税を決めた際、保育の質の向上に「3000億円」を充てる方針を掲げた。

 改善につながる保育士の配置基準を、1歳児は「6人に1人」から「5人に1人」に、4〜5歳児は「30人に1人」から「25人に1人」に改めるとしていたが、財源を捻出できず実現しなかった。政府は今年6月の「こども未来戦略方針」で基準を改善する方針を示したが、具体策は明らかになっていない。

 米軍基地が集中する沖縄県では、内閣府の沖縄振興予算で毎年「3000億円」のラインが節目になってきた。24年度の概算要求は2920億円と3年連続で下回っている。名護市辺野古への新基地移設を巡り、岸田文雄政権と対立する沖縄県の玉城デニー知事を、財政面から締め付ける状況が続いている


◆「日よけ」にも猛反発…でも「絶対に万博やめない」宣言

 それだけのことができる巨費を投じる大阪万博。資材や人件費の高騰で建設整備費の上振れが続き、「日よけ」にもなるとして、350億円を費やす木製の巨大環状屋根「リング」への批判も高まる。11月3〜5日に共同通信が実施した世論調査では、大阪万博は「不要だ68.6%で、「必要だ」の28.3%を大きく上回った。

 「身を切る改革」をうたう維新の看板はどこに行ったのか。「国のイベントなので、大阪の責任ではなく、国を挙げてやっている」と8月下旬にコメントしていた日本維新の会の馬場伸幸代表は、26日のネット番組「ABEMA的ニュースショー」でも「絶対にやめない」と断言した。

     (日本維新の会の馬場伸幸代表)

 維新は24日の衆院本会議で、万博関連予算が盛り込まれた本年度補正予算案に賛成した。維新として岸田内閣提出の予算案に賛成したのは初めて。万博を「人質」に取られ、与党追随の姿勢が鮮明になった。

 大阪在住のジャーナリスト吉富有治さんは「大阪維新には、必要のない税金は許さないという『背骨』があった。万博の経費がうなぎ上りで、本来なら急先鋒(せんぽう)で反対するのが維新だったはずだが、今の維新は過去に批判していた大阪市と全く同じことをしている」と指摘する。

 維新が万博をやめられない理由を「万博の先にカジノがあるから万博はその露払いだ」と吉富さん。「カジノのために、多少の矛盾があっても目をつぶってしまう。この万博は世紀の大失敗になるだろう


◆毎度お馴染みとなった過小な見積もり

 21年の東京五輪・パラリンピックの大会経費が当初想定から倍増したように国家的イベントの経費は膨張しがちだ。元財務官僚で明治大の田中秀明教授(財政学)は「最初から何千億円もかかると言うとたたかれるので、まずは過小に見積もりを出すのがセオリー。万博も同じパターンだ」と指摘し、さらに上ぶれする可能性があるとみる。

 「物価上昇だけでなく、万博開催までの期限が迫る中、リスクがある工事を担ってもらう事業者のために費用を上乗せする必要も出てくるのでは。万博に関連した道路や下水道といったインフラ整備も別途あり、最終的な実額が見積もりを下回るとは考えにくい」


◆デスクメモ

 東京五輪500日前、組織委員会は競技種目を表す絵文字「ピクトグラム」を発表。1年前イベントでは国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長もソフトフェンシングを体験した。街頭では「五輪より復興を」と反対デモ。その後コロナ禍で暗転したが、万博はどうなるのか。(本)

【関連記事】岸田首相、大阪・関西万博に国費さらに837億円計上 会場整備2350億円とは別枠で「日本館」や途上国支援
【関連記事】「大阪万博は国家事業」って維新のご都合主義では? 整備費は倍以上、建設遅れも…責任はどこへ?(2023年9月6日)
【関連記事】「大阪万博、中止でええやん」署名続々 五輪や万博ってやめられないの?歯止めが利かない裏側にあるものとは
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コメント
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●《前首相に断りもなく秘書が勝手に流用…それは完全に横領》だし、前夜祭問題についてアベ様らは公職選挙法違反、政治資金規正法違反

2021年08月18日 00時00分04秒 | Weblog

[※ 青木理さん「刑事責任と政治責任」 #秘書が勝手にやるわけないやん ↑(サンデーモーニング 2020年12月6日)]


// (20210809[])
リテラの2つの記事【検察審査会「不起訴不当」は安倍前首相も寝耳に水! 今度こそ逃すな、桜前夜祭問題で安倍がついた嘘、本人関与の証拠を徹底検証】(https://lite-ra.com/2021/07/post-5970.html)と、
水井多賀子さんによる【“不起訴不当”報道の日に安倍晋三が「東京五輪」語りの厚顔! 1年延期の理由は大嘘、「国産ワクチンできる」発言なかったことに】(https://lite-ra.com/2021/07/post-5971.html)。
日刊ゲンダイのコラム【ここがおかしい 小林節が斬る!/常識で考えろ! 安倍前首相「不起訴不当」が意味するもの】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/292829)。

 《「桜を見る会」前夜祭の費用の一部を負担した問題で安倍晋三・前首相を不起訴とした東京地検の決定について、検察審査会が「不起訴不当」という議決を出した。この議決を受けて東京地検が再捜査することになるが、「不起訴不当」の議決は司法担当記者にとっても意外だったようだ》。
 《安倍晋三・前首相だが、結局、「今後の(検察)当局の対応を静かに見守りたい」などと事務的に語っただけ反省や謝罪どころか、釈明すらしなかった。前夜祭問題についての安倍前首相の説明は、嘘や矛盾が次々と明らかになっているが、そうしたことに対してもなんの説明もしなかった。約1カ月ぶりに更新したTwitterも同様で、囲み取材とほとんど同じ言葉を載せただけだった。おそらく、検察を刺激しないように当たり障りのないコメントでごまかしておけば再び不起訴になって、自身の犯罪をなかったことにできるという魂胆なのだろう。誠実さのかけらもない、無責任の極みのような態度だが、しかし、安倍前首相の無責任ぶり、嘘つきぶりがあらためて露わになったのは「桜を見る会」問題だけではなかった》。
 《しかし、上司から預かった個人的なお金を900万円も「勝手に」支出して横領罪にもならず、かつ、「買収・供応」はおとがめなしで、その記帳がなされなかった形式犯の略式起訴で済まされて良いものであろうか?》

 《しかも、恐ろしいのは、こんな無責任の極みのような人間に、いまも多くの国民が騙されているという事実だ。実際、時事通信が実施した7月の世論調査では、「次の首相にふさわしい人物」として全体で4位、自民党支持層では1位に安倍前首相の名前があがっていた》。何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない

 アベ様、まず、「桜を見る会前夜祭の明細書と領収書を出してください! なぜ、そんな簡単なことが出来ないの?
 それから、アベ様のポケットマネーを《前首相に断りもなく秘書が勝手に流用…それは完全に横領》なはずなのに、配川博之元公設秘書が私設秘書に復帰って、どういうことですか? アベ様らは公職選挙法違反、政治資金規正法違反です。でも、《結局、「今後の(検察)当局の対応を静かに見守りたいなどと事務的に語っただけ反省や謝罪どころか、釈明すらしなかった。前夜祭問題についての安倍前首相の説明は、嘘や矛盾が次々と明らかになっているが、そうしたことに対してもなんの説明もしなかった》。《誠実さのかけらもない、無責任の極みのような態度だが、しかし、安倍前首相の無責任ぶり、嘘つきぶりがあらためて露わになった…》。
 さらに、そもそも《説明する気なし》な無責任なアベ様、そのアベ様を御守りするために…《「桜を見る会」の国会答弁資料の提出…政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる…》、一体どんな国?

   『●アベ様のポケットマネーを《前首相に断りもなく秘書が勝手に流用
     …それは完全に横領》なはずなのに、配川博之氏が私設秘書に復帰?
    「野尻民夫氏による、リテラの記事【「桜前夜祭」問題で辞職した
     安倍事務所の配川秘書が密かに復職か! 安倍前首相が切れない理由は
     …河井案里の不正選挙にも関与】…《そもそも、安倍前首相は
     重鎮ヅラして政治活動する資格はない。その前に責任をとるべきことが
     いくつもあるだろう。その一つが「桜を見る会」問題だ。なかでも
     「桜を見る会」前夜祭会費補填問題は、政治資金規正法違反も
     疑われている。…ところがここにきて、案の定、その配川氏が、
     また安倍事務所で秘書として働いている疑いが浮上したのだ》。」

   『●《完全に横領》なはずの配川博之氏復職…《つまり、復職させている=
      安倍前首相もやはり共謀していたと思われても仕方ないのではないか》
   『●当時の最低の官房長官による官房機密費の使用の疑いさえある
     1.5億円の税金を誰が買収資金として投入? 当時の自民党党首では?
   『●(永田健氏)《安倍氏が国民が注視する国会であんな答弁をしたのは
      「野党をなめていたから」ではなく「国民をなめていたからだ」…》
   『●アベ様を御守りするために…《「桜を見る会」の国会答弁資料の提出
      …政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる…》

 dot.による記事【安倍前首相の総裁選で再々登板は絶望的 桜を見る会不起訴不当で「被疑者」へ逆戻り】(https://dot.asahi.com/dot/2021073100002.html)によると、《検察審査会が安倍前首相に対して「不起訴不当」と判断した理由について、前夜祭で安倍前首相側が地元有権者の費用の一部を支払っていたことが公職選挙法の有権者への寄附行為にあたること。そして支払った金額を政治資金収支報告書に記載していなかったことは、政治資金規正法違反にあたるのではないかと指摘している。自民党閣僚経験者は「不起訴不当」の一報を聞き、こう語る。「すでに終わった事件と思っていた。不起訴不当で再捜査となると安倍前首相はしばらくは表舞台には出ることができない。キングメーカーとして動けず、政局はますます、流動化する」 すでに昨年12月、捜査していた東京地検特捜部は、安倍前首相に対して嫌疑不十分と判断。元公設秘書のみ略式起訴され、罰金を納めた。それが一転「不起訴不当」の判断となった。議決書では、東京地検特捜部の捜査や判断についてこう記していた。<前夜祭における会費収入を上回る費用が発生し、その不足額を(安倍前首相の)後援会側が補てんした事実が認められるものの、寄附を受けた側に、寄附を受けた認識があったことを認定する証拠がないとする。しかし、寄附の成否は、あくまで(前夜祭に参加した)個々に判断されるべきであり、一部の参加者の供述をもって参加者全体について寄附を受けた認識に判断の目安をつけるのは不十分> 特定の参加者の供述だけで寄附ではないとした特捜部の判断に疑問を呈していた。そして、安倍前首相のついてはさらに踏み込んでいる》。


 また、東京新聞政治部のつぶやき、それに対して…:

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https://twitter.com/tokyoseijibu/status/1422021724044886023

東京新聞政治部@tokyoseijibu

いつの間に「説明しない政治」になってしまったのでしょう。源流をさかのぼると、安倍一強政治にあるようです。 #民なくして #説明なき政治 #安倍一強 #源流 :東京新聞 TOKYO Web

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説明しない政治の源流は安倍一強政治 幅広い要望吸い上げず 反対論遠ざけ次々と政策推し進める:東京新聞 TOKYO Web

<民なくして 2021年夏> 困窮する子育て家庭への公的支援を訴えるNPO法人「キッズドア」の渡辺由美子理事長は「政府は国民の声に耳を...
tokyo-np.co.jp
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午前11:29 2021年8月2日

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https://twitter.com/ActSludge/status/1422023614321152000

AS@ActSludge

返信先: @tokyoseijibuさん

■「説明しない政治」…政治部記者の皆さんにその責任の一端はないでしょうか?https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/acb67ba377d040ad43bc9e04494fc627

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東京新聞政治部@tokyoseijibu

いつの間に「説明しない政治」になってしまったのでしょう。源流をさかのぼると、安倍一強政治にあるようです。 #民なくして #説明なき政治 #安倍一強 #源流 :東京新聞 TOKYO Web https://tokyo-np.co.jp/article/121123
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午前11:37 2021年8月2日
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 アベ様や元最低の官房長官殿による《メディアコントロール》にもっと抵抗して下さい。《検察という行政機関(司法の入り口)》も酷いが、マスコミもあまりにだらしない。

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https://lite-ra.com/2021/07/post-5970.html

検察審査会「不起訴不当」は安倍前首相も寝耳に水! 今度こそ逃すな、桜前夜祭問題で安倍がついた嘘、本人関与の証拠を徹底検証
2021.07.30 07:58

     (自民党HPより)

 「桜を見る会」前夜祭の費用の一部を負担した問題で安倍晋三・前首相を不起訴とした東京地検の決定について、検察審査会が「不起訴不当」という議決を出した。この議決を受けて東京地検が再捜査することになるが、「不起訴不当」の議決は司法担当記者にとっても意外だったようだ。

「議決が出たのは15日で、月内に発表があるだろうとはいわれていましたが、内容は完全秘密でしたから、こんな結果になっているとは、司法記者も想像していなかった。しかも、今回、検察審査会は、安倍氏が会計責任者の選任監督を怠った政治資金規正法違反容疑に加えて、前夜祭の費用負担が公職選挙法違反にあたると告発を受けた件も『不起訴不当』としたわけですから。秘書さえ政治資金規正法違反の略式起訴だけで、公職選挙法違反は不起訴だったのに……忖度的な結論になることの多い検察審査会としては異例といっていい」(全国紙司法担当記者)

 この決定は安倍前首相にとっても寝耳に水だったようだ。というのも、安倍前首相はきょう、読売新聞に登場し、東京五輪について「陸上男子リレーが非常に楽しみ」などとお気楽に語っていたからだ。

 安倍前首相はこの間、東京五輪組織委員会の名誉最高顧問なのに、開会式にも出席せず、いつもなら五輪では大はしゃぎするツイッターなどでもダンマリを決め込んでいた

 おそらく安倍前首相のこと。五輪前は開催に批判が集中して、安倍首相の責任論も噴出していたためトンズラしたものの、五輪が開会して金メダルラッシュで盛り上がり始めたので、御用新聞に出てきたのだろう。しかし、そのインタビューが掲載された当日に、検察審査会から「不起訴不当」の議決を公表されというわけだ。

 もっとも、マスコミや安倍前首相の驚きはともかく、この検察審査会の議決自体は当たり前の結論と言っていい。

 本サイトでは、「桜を見る会」前夜祭について安倍氏サイドが費用補填をおこない、しかもポケットマネーでおこなわれていたことから、後援団体による選挙区民への寄附の禁止を規定した公選法199条の5の1項違反、さらには、公職の候補者による選挙区民への寄附の禁止を規定した公選法199条の2の1項違反にあたると指摘してきた。

 しかし、今回、検察審査会が議決のなかで「一部の参加者の供述だけで参加者全体について寄付を受けた認識がないと判断したのは不十分と言わざるをえない。安倍氏や秘書らの供述だけでなくメールなどの客観資料も入手したうえで犯意を認定するべきで、不起訴の判断には納得がいかない」と指摘していたように、検察は公職選挙法違反についてはろくに捜査もせず、秘書の略式起訴だけで幕引きしてしまったのだ。このときは、裏で検察と安倍サイドの間で、すべてを秘書の責任にするという手打ちがあったのではないかともいわれている。

 そういう意味では、検察審査会がこうした議決をし、検察に再捜査させるのは当然のことと言っていいだろう。

 今回の議決が、強制起訴まであり得る「起訴相当」ではなく、特捜部が再び不起訴にすれば2回目の審査はおこなわれない「不起訴不当」だったため、結局、検察は再捜査を形だけやったことにして、終結させるだろうという見方も濃厚だ

 しかし、そうさせないためにも、この機会に国民が再び声を上げ、メディアや検察に安倍前首相の嘘を徹底的に暴かせる必要がある。本サイトは、安倍前首相の不起訴が決まった直後、前夜祭の損失補填が秘書の独断などではなく安倍前首相が深く関わっていること、そして安倍前首相が国会の説明でついた嘘を検証した記事を配信している。その記事を再編集・再録するので、ぜひ読んでほしい。

(編集部)


■「補填原資はポケットマネー」の言い訳で安倍本人の関与が明白に! 罪を被せた秘書も解雇できず ………


[⇨ 『●《約700万円も使途不明…私的な支払いのために預かった金を安倍前首相に断りもなく秘書が勝手に流用…それは完全に横領では》?』]
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https://lite-ra.com/2021/07/post-5971.html

“不起訴不当”報道の日に安倍晋三が「東京五輪」語りの厚顔! 1年延期の理由は大嘘、「国産ワクチンできる」発言なかったことに
2021.07.31 08:56

     (読売のインタビューに応じる安倍前首相(読売新聞オンライン))

 まったく相変わらずと言うしかない。昨日30日、「桜を見る会」前夜祭の費用負担問題で検察審査会が「不起訴不当」と議決したことを受けて、メディアの取材を受けた安倍晋三・前首相だが、結局、「今後の(検察)当局の対応を静かに見守りたいなどと事務的に語っただけ反省や謝罪どころか、釈明すらしなかった。前夜祭問題についての安倍前首相の説明は、嘘や矛盾が次々と明らかになっているが、そうしたことに対してもなんの説明もしなかった

 約1カ月ぶりに更新したTwitterも同様で、囲み取材とほとんど同じ言葉を載せただけだった。

 おそらく、検察を刺激しないように当たり障りのないコメントでごまかしておけば、再び不起訴になって、自身の犯罪をなかったことにできるという魂胆なのだろう。

 誠実さのかけらもない、無責任の極みのような態度だが、しかし、安倍前首相の無責任ぶり、嘘つきぶりがあらためて露わになったのは「桜を見る会」問題だけではなかった。検察審査会が「不起訴不当」の議決をしたその昨日30日、安倍前首相は読売新聞朝刊に登場。東京オリパラにかんするインタビューに応じていたのだが、この内容があ然とするものだったのだ。

 言うまでもなく、安倍前首相は東京五輪の「1年以内の延期」を決定した張本人であり、東京五輪組織委員会の最高名誉顧問。つい最近も極右ヘイト雑誌「月刊Hanada」(飛鳥新社)のインタビューで「共産党に代表されるように、歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」などと暴言を吐いていた。ところが、五輪が無観客開催となり、感染拡大で東京五輪が「負のレガシー」になる公算が高まるや否や、土壇場になって開会式の欠席を決定大会が始まってからも、Twitterなどはまったく更新せず、「逃げ足だけはいつも早い」「都合が悪くなると姿を消すいつものパターン」と批判されていた。

 それが、昨日30日になって突然、読売新聞に登場し、オリパラについて語り始めたのだ。おそらく、金メダルラッシュでマスコミの姿勢が一変し、世の中が五輪祝福ムードになったので、御用新聞を使って自分の存在をアピールしたくなったのだろう(結局、検察審査会の「不起訴不当」の議決で、そのアピールは吹き飛んでしまったのだが)。

 実際、インタビューの中身はリオ五輪閉会式での「安倍マリオ」について「その後、首相として出席した国際会議でも「あれは良かったね」と言われました」だの「陸上の男子400メートルリレー(8月6日に決勝)は、金メダルを期待しています」だのとノーテンキに語るだけで、現在の混乱についての責任を反省したり、謝罪したりする発言は一切なかった


■安倍が読売で語った「1年延期の理由」の噴飯!「国産ワクチンができる」といっていたくせに

 いや、それどころか、安倍前首相はこの読売のインタビューで、都合が悪くなると必ずやる“自分の発言改ざん”までおこなっていた。

 それは、安倍前首相が東京五輪をたった1年の延期にしてしまった問題についてのやりとりだった。

 そもそも東京五輪の延期をめぐっては、「1年の延期ではとてもコロナが収束しない」「もし収束しなかったらもう再延期は難しい」として「最初から2年延期すべきだ」という意見が大勢を占めていた。それは識者だけの意見ではなく、五輪誘致を牛耳ってきた元電通専務の高橋治之・組織委理事も「2年延期」を主張し、当時の森喜朗・組織委会長も当時の安倍首相に「2年延ばしたほうがいいのではないか」と提案。IOCも延期を「1年以内」と主張したわけではなかった。

 ところが、首相だった安倍が「1年以内の延期」をゴリ押し。これは当時、今年9月の総裁任期いっぱいまで総理大臣をつづける気満々だった安倍が、自分の在任中にどうしても東京五輪を開催したいためだった。こうして安倍の政治的もくろみのために、昨年流行した従来型より感染力も毒性も強い変異株が猛威を振るうなかでの開催という非常事態となってしまったのだ。

 ところが、読売のインタビューで安倍前首相は「1年延期」の判断について、こんな主張を繰り広げたのである。

「コロナ禍で、首相在任中には、「日本で五輪を開催できるのか」とも言われました。2年延期論や中止論も取り沙汰された中で、日本は新型コロナに伴う緊急事態宣言などで、感染者数や重症者数を相当少なく抑え込むことが出来るだろうと判断し、「1年延期すれば何とかなる」と開催を決めました」

「緊急事態宣言などで、感染者数や重症者数を相当少なく抑え込むことが出来るだろうと判断」して1年延期を決めた……!? だが、これは完全に事実の改ざんだ。

 というのも、当時「1年延期」を主張した安倍首相がその根拠としたのは、「ワクチン」だったからだ。

 実際、「1年延期」が決まったのは昨年3月24日におこなわれた安倍首相とIOCのトーマス・バッハ会長の電話会議でのことだったが、この場に同席していた組織委の森会長は、当時の経緯を昨年4月3日付の朝日新聞のインタビューでこう語っていた。

「会議の30分前に来てくれ、と安倍さんに言われてね。彼は1年延期というから、『2年にしておいた方がいいのではないですか』と聞いたら、『ワクチンの開発はできる。日本の技術は落ちていない。大丈夫』と言う。(来年9月の自民党総裁任期満了を踏まえて)『政治日程もあるよな』と言ったら、『あまり気にしないでくれ』と。安倍さんはかなり明快に『これでいいんだよ、1年でいいんだ』と言った。(安倍首相は)21年に賭けたんだ、と感じたよ」


■産経の阿比留瑠比も1年延期について「ワクチン開発まで計算した安倍首相の執念」と絶賛していた

 つまり、当時の安倍首相は“1年以内に国産ワクチンができる”などという夢物語を語って1年延期をゴリ押したのである。しかも、これは森会長の証言だけではない。「安倍氏にもっとも近い御用記者」と呼ばれてきた産経新聞の阿比留瑠比記者らが執筆した昨年4月5日付の産経記事でも、こう書かれていた。

〈最終的に「1年程度」で決着したのは、中止を避けるためにワクチン開発の見通しまで計算した安倍晋三首相の執念と周到な根回しがあった。〉
〈当時、森氏の手元には「今秋」「1年程度」「2年程度」の3案があったが、感染の終息見通しが立たない今秋案は早々と消えた。2年延期は安全策に見えるが、首相は選手選考のやり直しや追加費用が膨大になることで「中止になりかねない」と危惧した。首相は「来年1月には(新型コロナの)ワクチンができている」とも考えた。来夏開催なら、聖火リレーを始める時期を考えても間に合う。ワクチン開発の見通しと再来年の場合の中止リスクまで考え、1年延期で森氏を説き伏せた。〉

 この産経記事は「安倍首相が自分の首相在任期間中に五輪を開催したいために1年延期になった」という指摘を打ち消すために情報をリークして御用記者に書かせたものとしか考えられないが、そこでも「来年1月にはワクチンができている」という主張がなされていたのである。

 いや、安倍首相は「1年延期」を決めた直後である昨年3月27日におこなわれたG20首脳会議でも、「世界の英知を結集させて治療薬やワクチンの開発を一気に加速させる」と述べた上で、東京五輪を1年後に「人類が新型コロナに打ち勝った証しとして、完全な形で実施する」と宣言。さらに昨年5月6日に生放送されたネット番組でも、五輪開催の是非を問う質問者の声に対し、「オリンピックを成功させるためにも、治療薬・ワクチンの開発を日本が中心になって進めていきたいと思っております」と発言していた。

 この発言には、一緒に番組に出演していた京都大学iPS細胞研究所所長でノーベル賞受賞者の山中伸弥教授が「(五輪開催を)可能にするだけのワクチン量をあと1年で準備できるかどうかというと、かなり幸運が重ならない限り、ワクチンだけでは難しい」とすかさずツッコミを入れていたが、ご存じのとおり、この指摘は的中。安倍首相が森会長に語った国産ワクチンの開発はおろか海外製薬メーカーのワクチン確保もままならず、G7先進国のなかでも接種開始は遅れに遅れ、東京五輪開催中である7月30日時点で2回接種が完了した人は全体のわずか27.6%にすぎない。


■この期に及んで「首相在任中の開催にそれほどこだわりはなかった」と言い張る安倍の厚顔

 ようするに、是が非でも自分の任期中に五輪を開催したいがために“1年後はワクチンが普及している”と主張して「1年延期」を決めたくせに、いま、その肝心のワクチンは不足して「打ちたくても打てない!」という声が溢れていることから、安倍前首相は「1年延期」の根拠にしたワクチンを封印。代わりに、「緊急事態宣言などで感染者数や重症者数を抑え込むことが出来ると判断した」などと言い出したのである。いくら安倍前首相が強固な歴史修正主義者であるとはいえ、あまりに歴史修正が早すぎるだろう。

 しかも、噴飯モノだったのが、このあとの発言だ。読売のインタビューで「「1年延期すれば何とかなる」と開催を決めました」と語ったあと、安倍前首相はこうつづけたのだ。

「首相在任中の開催にはそれほど、こだわりはなかったです。大切なのは中止することではなく、様々な知恵を出し合って安全で安心な大会を行い、多くの人に感動を与えることだと考えました」

 この期に及んで「首相在任中の開催にはそれほど、こだわりはなかった」って、まったくよく言うよ、という話だ。実際、「1年延期」が決定した昨年3月24日のバッハ会長との電話会談の前に、読売新聞は「五輪 中止回避へ「次善の策」 首相、在任中の開催目指す」と報道。前出の森会長のインタビューでは、「政治日程もあるよな」と森会長が言うと「あまり気にしないでくれ」と安倍首相は語ったとあるが、これがポーズにすぎないことは森会長もわかっていたはず。実際現に、朝日のインタビューがおこなわれた昨年3月31日の2日後である4月2日に開かれた会合では、森会長は「1年延期」について「政治日程も合わせて判断した」と語っている。

 総裁任期は今年9月末、衆議院は今年10月に任期満了となる。当時、安倍首相は1年の延期によって7月に東京五輪を成功させ、その勢いを買って総裁任期の延長を宣言、9月中に総裁選を実施して10月に総選挙になだれ込む……という政治日程を思い描いていたとされている。つまり、現実的な「2年延期」案を蹴ったのは、東京五輪を自らの権力維持のためだった。それを「首相在任中の開催にはそれほど、こだわりはなかった」とは、ちゃんちゃらおかしい。


■都合が悪くなると逃げ出す無責任政治家が自民党支持者の間で「ポスト菅」の1位に

 とまあ、嘘だらけ、無責任発言だらけだった読売新聞のインタビューだったが、安倍前首相自身はおそらく、このインタビューを手始めに、五輪への沈黙を解禁、金メダルラッシュのお祭り騒ぎに乗じるつもりだったのだろう。

 実際、安倍は台風被害拡大の最中にラグビーW杯の日本代表の活躍にTwitterで大はしゃぎしたこともあるように、これまでもスポーツを使って自分の失政をごまかし、人気取りに最大限利用してきた。

 今回もおそらく読売インタビューの次に、Twitterで金メダル祝福ツイートを連発、メディアに出まくって“東京五輪を実現したのは俺だ!”と猛烈にアピールする計画を描いていたはずだ。そして、自らの政治的復権、再登板待望論にはずみをつける──。

 もっとも、冒頭で述べたように、そのもくろみは検察審査会の「桜を見る会」前夜祭問題の再捜査開始決定によって見事に散ってしまった。しばらくは、金メダルを利用したくても浮かれたツイートがしづらい状況だ。

 しかし、油断してはならない。厚顔無恥でなるこの男は、チャンスさえあれば、またぞろ自分の不正や失政にすべて頰かむりして、再び権力の表舞台に躍り出てくる。しかも、恐ろしいのは、こんな無責任の極みのような人間に、いまも多くの国民が騙されているという事実だ。実際、時事通信が実施した7月の世論調査では、「次の首相にふさわしい人物」として全体で4位、自民党支持層では1位に安倍前首相の名前があがっていた。

 だからこそ、私たちはこの男の責任を追及しつづける必要がある。本日31日、東京都の新規感染者数はついに4000人を超えたが、そんな未曾有の状況下で東京五輪が開かれているのは、すべてこの男の私利私欲のための判断であり、安倍晋三こそが“最大の戦犯”なのだ

水井多賀子
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/292829

小林節 慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著) 5月27日新刊発売「『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円)

ここがおかしい 小林節が斬る!
常識で考えろ! 安倍前首相「不起訴不当」が意味するもの
公開日:2021/08/04 06:00 更新日:2021/08/04 06:00

     (小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ)

 公選法は有権者を買収・供応してはならないと規定している。それは犯罪で、5年以下の懲役または禁錮に加えて当選も無効になる。

 安倍首相(当時)は、首相が各界功労者を招くべき「桜を見る会」に自分の選挙区の後援会員を多数招き、都内のホテルでその前夜祭を行っていた。その宴会の費用が参加者が支払った会費では賄えず、5年間で900万円を安倍事務所の資金で補填した。

 これは一見して明らかに公選法違反の買収・供応であるが、昨年12月、検察は、後援会会計責任者であった安倍代議士の第一秘書を政治資金規正法上の不記帳の罪で略式起訴で終了させた。その際、安倍氏個人の現金を預けてあったものから、その秘書が勝手に出金したとされた。

 しかし、上司から預かった個人的なお金を900万円も「勝手に」支出して横領罪にもならず、かつ、「買収・供応」はおとがめなしで、その記帳がなされなかった形式犯の略式起訴で済まされて良いものであろうか?

 これでは、首相であれば国家予算の目的外支出(国の功労者ではなく自分の後援会員の接待に流用した財政法違反)が許され、かつ、ポケットマネーで選挙区民を買収・供応することが許され、単に、その買収資金を記帳しなかったことだけを秘書が略式起訴されて一件落着とは、法律の存在をあまりにもバカにした話である。

 日本国憲法の下で、わが国は民主的法治国家であるはずだ。主権者国民の直接代表である国権の最高機関・国会が制定した法律は、誰に対しても平等に適用されるべきものだ。それが法治国家で、法の下の平等である。

 かつて英国に行政監察の調査に行った際に接した、「法典を閉じて、常識に照らして判断せよ」という格言があったが、今、それが心の中で蘇ってきた。検察という行政機関(司法の入り口)による法律に照らした判断(形式犯の略式起訴)に対して、世間の常識に照らした判断が、まさに、今回の「不起訴不当」の議決であろう。

 それでも検察が動かないならば、やはり、政権交代で内閣を代えて、この疑惑に関わる行政情報を公開するしかないだろう。
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コメント
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●バカの祭典の《開催に反対する人たちのことを「反日的」などと攻撃》…〝反日的〟なヒトという悪罵を投げつけられるべきはアベ様ら

2021年07月11日 00時00分20秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278353)↑]


 (20210703[])
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/東京五輪はスポーツへの嫌悪と絶望ばかりを押し付ける災厄なのだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291238)。
リテラの二つの記事【菅首相が竹中平蔵と面談、残業代なし「裁量労働制」対象拡大を相談か 竹中は「生産性低い人に残業代という補助金を出すのおかしい」】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5935.html)と、
【安倍晋三が櫻井よしことの対談で「反日的な人たちがオリンピック開催に反対」と暴言! 4年前の「こんな人たち」発言の再現】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5936.html

   『●ボイコフ教授《五輪がごり押しされるのは「主な理由は3つ。カネ、
     カネ、カネだ」…「そのカネのほとんどはアスリートではなく…」》
   『●《私たちの艱難辛苦は、ひとえに五輪で巨万の富を得る貴族らとグローバル
         巨大資本、その走狗たる日本の傀儡権力のために捧げられるのだ》
   『●《「パソナ」の純利益が前年の10倍以上》―― カネカネカネの
     金(カネ)色の五つの輪に便乗して、アサマシき「なんでも金、金、金」…
   『●《私たちの艱難辛苦は、ひとえに五輪で巨万の富を得る貴族らとグローバルと
         巨大資本、その走狗たる日本の傀儡権力のために捧げられるのだ》
   『●PCR検査抑制論者の皆さんの沈黙 ――「検査の能力あるんですか?
       仮にあるとして、じゃあ一般の感染者の検査どうするんですか?」
   『●《竹中氏がこんなむちゃくちゃな論理を言い張ってまで、五輪を開催
     させようとしているのは、自分がその利権に関係しているから》(リテラ)
   『●カネカネカネの五輪貴族「菅首相が中止を求めても開催される」
     「アルマゲドン(人類滅亡)が起きない限り、東京五輪は開催される」
   『●斎藤貴男さんの悪い予感的中…《世界の笑いものであり、憎悪の的…
      後はせめて、負けを勝ちだと強弁するための統計偽装だけはご勘弁》
   『●《「殺人オリンピック」「強行派は死の商人」「バカの祭典」といった
        ハッシュタグが次々と…中でもしっくりきたのが「パソナ五輪」》

 そんなにバカ騒ぎしたけりゃ、無選手で、テレビ中継付きで、五輪貴族とバカの祭典関係者だけで開会式のみ実施してはどうかね。終われば、〝バブル〟で空港直行、金目の物は身ぐるみ剥いで、強制送還。帰国後に何が起ころうと、知ったことではない。後は野となれ山となれだ。そして、祭りの後は、(本間龍さん)《中止になって「万歳」でなく、36000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならないこれこそもっとも重要な問題です》。それに加えて、《招致買収疑惑》の追及が必要。
 週刊朝日のコラム【室井佑月「なぜそこまでして」】(https://dot.asahi.com/wa/2021063000026.html)によると、《でも、「IOCなどの大会関係者や低価格で観戦機会を提供する『学校連携観戦プログラム』で入場する児童、生徒らは別枠とする」らしい。これって、子どもたちは付け足しにされただけ。IOCの関係者やスポンサーの招待客は、何が何でも全員入れたいってことじゃない? オリンピックとは、あたしたちの金(血税)を集めて開かれる、上級国民のための祭りなんだね。…なぜそこまでしなくちゃいけないんだ。東京五輪、あたしたち一般人はリスクを背負い込むだけ。膨らんだ開催費のツケを押し付けられるだけ》。
 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/田坂広志さんの提言に大きくうなずく 菅政権はまるでできちゃいないけど…】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291365)によると、《『原則①専門家組織には政府から独立した強い「勧告」を行う権限を与えるべき』『原則②政府が「勧告」と異なる方針を決める時は「理由」を明確に説明すべし』『原則③政府が決めた方針で生じる問題には政府が「責任」を持つべし』(田坂広志・経営学者・多摩大学名誉教授)…あたしの結論。一~三までを鑑みて、こういう人たちのことを反知性主義者暴力団風味という。こんな人たちに国を任せておいてはいけない》。
 もうウンザリ、自公お維トファに投票してはいけない。

 斎藤貴男さんの今回のコラム、うなずくことばかり。
 《なぜならこの国では、権力に都合のよいデータをでっち上げる不正が常態化してしまっているからだ。この間の経緯に照らせば、検査を手控えて統計上の「感染者」を増やさず、何もなかったことにすれば問題なし、と踏んでいるのは確実ではないか》。斎藤貴男さんは、以前、《世界の笑いものであり、憎悪の的…後はせめて、負けを勝ちだと強弁するための統計偽装だけはご勘弁》と。
 《感染し、重篤化したら最後、私は薄れゆく意識の中で、政府と奴隷根性丸出しの臣民どもへの怨念をたぎらせながら、野垂れ死にさせられていくのだろう。憧れて飛び込んだジャーナリズムの世界が、今では五輪商売に魂までを売り飛ばし、政府と巨大資本の使い走りに成り下がってしまった悲しみとともに》。《諸悪の根源はメディアがスポンサーになっていること》。
 《残された時間はあまりに短い。このままでは東京五輪変異株による感染大爆発と、民主主義が否定された日本のファシズム定着は必然ではないか。いかなる結果が招かれようと、そんなものに屈する生き恥だけはさらすまい》。バカの祭典に殺される哀れ…

 そんなん最中、カースーオジサンは何をやっているのかと思えば、学商・竹中平蔵氏とパソナ五輪・バカの祭典についての悪だくみか?
 リテラの記事【菅首相が竹中平蔵と面談、残業代なし「裁量労働制」対象拡大を相談か 竹中は「生産性低い人に残業代という補助金を出すのおかしい」】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5935.html)によると、《竹中氏は菅首相のブレーンとして知られる人物だが、ようするに菅首相は、自分と同じように感染防止対策を軽視して東京五輪開催強行論を唱える竹中氏による鼓舞激励を得たくて、こんなタイミングで面談をおこなったのだろう。だが、竹中氏はたんなる経済学者のブレーンなどではない。菅首相と竹中氏の面談を報じたNHKや毎日新聞などは竹中氏の肩書を「慶應義塾大学名誉教授」としていたが、竹中氏は「パソナグループ取締役会長」だ》。
 その悪だくみの中身ときたら、…「生産性低い人に残業代という補助金を出すのおかしい」、醜悪だね

 一方、アベ様ときたら…。一体、どちらが〝反日的〟なのか? 数多のアベ様案件で、ニッポンをさんざんに破壊しつくしておいて。一例として、主権者に、少なくとも国会で118回も息吐く様にウソをつき続けたニッポン国の首相なんて前代未聞。未だ国会議員で居続けていることが信じられない。市民を《「反日的」などと攻撃》するのならば、「反日」などと言う言葉は大嫌いだが、アベ様やカースーオジサンにニッポンを破壊し続けた〝反日的〟なヒトという悪罵を投げつける、用意はありますよ。アベ様やカースーオジサン、自公お維トファ議員こそ、〝反日的〟。《安倍前首相は「反日的」な人たちが「今回の開催に強く反対」しているなどと党派的・思想的な問題に矮小化》。《「安倍やめろ」と声をあげた市民を指差し「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と言い放ったが、今回もそれと同じ。つまり、自分の考えに従わない、同調しない人びとはみな敵であり、東京五輪に反対する者は「反日的」だと決めつけ、攻撃対象に仕立て上げるのである》。
 リテラの記事【安倍晋三が櫻井よしことの対談で「反日的な人たちがオリンピック開催に反対」と暴言! 4年前の「こんな人たち」発言の再現】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5936.html)によると、《しかし、そうした国民に向けて果たすべき説明責任からは逃げながら、最近ではBSフジやニッポン放送といった御用メディアの番組に登場しては、コロナに乗じて憲法改正を声高に叫ぶ始末。だが、そんななかでもあ然とさせられたのは、現在発売中の「月刊Hanada」(飛鳥新社)8月号に掲載された、櫻井よしこ氏との対談記事だ。この対談のなかで安倍前首相は、東京五輪の開催に反対する人たちのことを「反日的」などと攻撃しているのである》。
 《「自己愛が強くて批判に耐えられない」のも「双方向の議論を避ける」のもアンタのことじゃないか》、アベ様! お得意のブーメラン。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291238

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
東京五輪はスポーツへの嫌悪と絶望ばかりを押し付ける災厄なのだ
公開日:2021/06/30 06:00 更新日:2021/06/30 06:00

     (東京五輪開会式、極秘で準備…(「TOKYO2020」の装飾が
      施された国立競技場)/(C)共同通信社)

 東京五輪の開催が強行され、その期間中にコロナの症状が表れたとする。どれほど重篤化しようとも、動員で逼迫しきった医療体制では、入院どころか治療も受けられまい。いや、そもそも診察自体を断られるのではないかと怯えているのは、ひとり私だけではないはずだ。

 なぜならこの国では、権力に都合のよいデータをでっち上げる不正が常態化してしまっているからだ。この間の経緯に照らせば、検査を手控えて統計上の「感染者」を増やさず、何もなかったことにすれば問題なし、と踏んでいるのは確実ではないか。

 大方の患者とその家族が、自宅待機を強いられよう。伏せってもテレビや新聞を眺めれば、どうせ五輪バンザイ、ニッポン・チャチャチャの大合唱。終われば終わったで、今度はニッポン勝った、22年北京冬季五輪に先んじたドンチャン騒ぎが待っている。国威発揚の前には市井の人間の命など虫けら以下である

 多くの人々が開催以降の世の中に順応する準備を、すでに整えているように思う。最近の世論調査はどれも、五輪中止を求める人の減少を明示した。一時は頑張っているようにも見えた尾身茂会長ら専門家有志の提言も中止や延期の方向性には触れもせず、あくまで開催が前提の、日和りまくったものになっていた。

 感染し、重篤化したら最後、私は薄れゆく意識の中で、政府と奴隷根性丸出しの臣民どもへの怨念をたぎらせながら、野垂れ死にさせられていくのだろう。憧れて飛び込んだジャーナリズムの世界が、今では五輪商売に魂までを売り飛ばし、政府と巨大資本の使い走りに成り下がってしまった悲しみとともに。

 夢だの希望だの感動だのを「与えたい」と、スガ政権とチョーチン持ちの面々は叫ぶ。何様か。何度でも書くが、現在の日本社会における最大の不安要因で、スポーツへの嫌悪感と絶望ばかりをつのらせてくる災厄こそが東京五輪なのである

 首相や閣僚が「責任は私に」などと軽々しく吐きたがるのにもむしずが走る五輪のせいで人生を棒に振らされる人間に対して、政治屋ごときの“責任”が何の役にも立つものか。切腹はおろか、辞任する気もサラサラないくせに、舌先三寸のサル芝居も大概にしろ

 残された時間はあまりに短い。このままでは東京五輪変異株による感染大爆発と、民主主義が否定された日本のファシズム定着は必然ではないか。いかなる結果が招かれようと、そんなものに屈する生き恥だけはさらすまい
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https://lite-ra.com/2021/06/post-5935.html

菅首相が竹中平蔵と面談、残業代なし「裁量労働制」対象拡大を相談か 竹中は「生産性低い人に残業代という補助金を出すのおかしい」
2021.06.29 11:48

     (左・竹中平蔵公式ウエブサイト/右・首相官邸HP)

 まったくグロテスクとしか言いようがない。デルタ株などの変異株による感染拡大が明確になりながら観客を入れての東京五輪開催をゴリ押しして棄民姿勢をあらわにしている菅義偉首相だが、そんな最中の27日、よりにもよって、あの竹中平蔵氏と面談をおこなったからだ。

 報道によると、菅首相と竹中氏は「経済の動向などをめぐって意見を交わした」といい、竹中氏は面談後、記者団に対して「菅総理大臣は『ワクチン接種をこのまましっかりと続けて新型コロナウイルスを収束させ、経済をうまく回していきたい』と話していた」(NHKニュース27日付)などと語ったが、タイミングを考えれば東京五輪が話題にあがらないわけがない。

 竹中氏といえば、政府対策分科会の尾身茂会長が国会で「いまのパンデミックの状況で五輪を開催するというのは、普通はない」と発言した際も、6月6日放送の『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)で「明らかに越権」と批判。さらには「人流抑制の効果はエビデンスがない」「日本の国内事情で世界に『やめます』というのはあってはいけない」などと五輪開催を主張し、挙げ句、「世論は間違ってますよ。世論はしょっちゅう間違ってますから」などと反対世論にまでケチをつけたことも記憶に新しい。

 竹中氏は菅首相のブレーンとして知られる人物だが、ようするに菅首相は、自分と同じように感染防止対策を軽視して東京五輪開催強行論を唱える竹中氏による鼓舞激励を得たくて、こんなタイミングで面談をおこなったのだろう。

 だが、竹中氏はたんなる経済学者のブレーンなどではない。菅首相と竹中氏の面談を報じたNHKや毎日新聞などは竹中氏の肩書を「慶應義塾大学名誉教授」としていたが、竹中氏は「パソナグループ取締役会長」だ。

 そして、本サイトでも繰り返し指摘してきたように、パソナグループは東京五輪の「オフィシャルサポーター」として大会スタッフの派遣業務を請け負っており、その中抜き率97とも言われている。さらに、パソナグループは今期、東京五輪、そして政府のコロナ対策事業の大量受注などにより、前期の10倍以上の純利益を上げる見込みとなっている。つまり、五輪利権に食い込み暴利を貪っているのである。

 東京五輪の開催に国民の不安が募るなか、国民が納得できる説明さえも放棄しておきながら、ど真ん中の利権関係者と面談して東京五輪の開催に弾みをつける──。まさしくその腐りっぷりを象徴するような面談だと言えるだろう。


データ捏造で削除された裁量労働制の対象拡大を厚労省が再び検討 営業職も働かせ放題に

 しかも、このタイミングでの竹中氏との面談には、さらなる問題が潜んでいる。それはいま、竹中氏の肝いりである「裁量労働制の対象拡大」に菅政権が再び手をつけようとしているからだ。

 2018年に強行採決・可決された「働き方改革」一括関連法案では当初、労使で決めた時間を働いたとみなす「裁量労働制」の対象職種の拡大が含まれ、新たに法人向け営業職などが追加される予定だった。つまり、これまで裁量労働制は研究開発職などの専門的な職種である「専門業務型」と、経営の中枢で企画や立案などの業務に従事する労働者が対象の「企画業務型」にかぎって認めてきたが、「企画業務型」の対象業務を拡大し、営業職までを残業代ゼロで働かせ放題する計画が進んでいた。

 ところが、国会審議では安倍晋三首相(当時)による「裁量労働制のほうが労働時間は短いデータもある」という答弁の根拠となったデータが“捏造”だったことが判明。結果、「裁量労働制の対象拡大」は法案から削除され、見送られることとなった。

 だが、ここにきて〈(厚労省は)「裁量労働制」が適用できる対象業務の拡大を検討する〉(朝日新聞26日付)と報道され、〈来月から有識者の検討会を始める。その後、労働政策審議会で議論する〉と伝えられたのだ。

 捏造データ発覚によって見送りとなった「裁量労働制の対象拡大」をまたも復活させて検討をはじめる──。ならば当然、「裁量労働制のほうが労働時間は短いデータもある」という安倍前首相の主張を裏付けるデータが得られていなければならないが、ところが、厚労省が25日に公表した調査結果によると、「1日あたりの平均労働時間は一般の職場より裁量労働制のほうが約20分長い」ことが判明。さらに、1週間の労働時間が60時間を超えた人の割合は、裁量労働制ではない人が5.4%であったのに対して裁量労働制で働く人は9.3%と上回り、深夜時間帯の仕事が「よくある」「ときどきある」と回答した人も裁量労働制で働く人は34.3%と、そうではない人の17.8%を上回っている。

 ようするに、裁量労働制のほうが労働時間は長くなることが厚労省の調査からも判明したというのに、それでも対象拡大の検討をおこなおうというのである。滅茶苦茶ではないか。

 しかも、恐ろしいことに安倍政権は当初、「裁量労働制の対象拡大」について「契約社員や最低賃金で働く労働者にも適用が可能だ」とする答弁書を閣議決定していた。つまり菅政権は、コロナによって格差が急激に拡大しているにもかかわらず、さらに「最低賃金で働かせ放題という過労死の温床となりかねない危険な政策を復活させようとしているのである。

 そして、この「裁量労働制の対象拡大」が復活しようとしている背景にも、竹中氏の存在がある。


裁量労働制の対象拡大の裏にも竹中、「生産性の低い人に残業代という補助金を出すのはおかしい」の暴言

 そもそも、「残業代も払わず定額で働かせ放題」の対象拡大は、政府の「産業競争力会議」が提言をおこなっていたものであり、竹中氏はこの会議の民間議員を務めていた。さらに、くだんのデータ捏造が判明した直後である2018年2月22日におこなわれたセミナーでも、竹中氏は性懲りもなくこう主張していた。

「今の働き方改革で意義があると感じるのは、約70年間変わらなかった労働基準法を変えようとしていること。世界のホワイトカラーの間ではすでに認められている裁量労働制にけちをつけるなど、抵抗の動きもあります。ですが、そこに切り込んでいくことで、真の働き方改革が実現できるといえるでしょう」

 でっち上げられた捏造データが問題になっていたのに、それを「けちをつける」「抵抗の動き」などと主張する。この発言からも、いかに竹中氏が「裁量労働制の対象拡大」を推進しようとしていたかがわかるだろう。

 実際、竹中氏は「働き方改革」一括関連法案に盛り込まれ、裁量労働制と同じ「残業代ゼロで定額働かせ放題」を可能にする高度プロフェッショナル制度の創設を正当化する際、「時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人に残業代という補助金を出すのも一般論としておかしい」などという暴言を連発した上、「個人的には、結果的に(対象が)拡大していくことを期待している」と述べていた。

 これは竹中氏が「裁量労働制の対象拡大」を進めさせようとしていたのと同じだ。裁量労働制の対象範囲が拡大し、派遣労働にまで適用可能となれば、竹中氏が「補助金」と憚らずケチっている残業代を気にせず、いくらでも派遣労働者を働かせることができる。ようするに、この男の頭のなかには規制緩和を提案して“自分の目先の利益”を得ることしかないのである。

 そして、この「裁量労働制の対象拡大」の再検討が決まった矢先におこなわれた、今回の菅首相との面談。東京五輪の問題はもちろんのこと、面談ではこの問題も俎上に載せられたことは想像に難くないだろう。

 国民の命や労働者としての権利が、この「政商」に食い物にされていく現実。これを変えるには、竹中氏を重用しつづける自民党を政権から引きずり下ろすしか方法はない。

水井多賀子
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https://lite-ra.com/2021/06/post-5936.html

安倍晋三が櫻井よしことの対談で「反日的な人たちがオリンピック開催に反対」と暴言! 4年前の「こんな人たち」発言の再現
2021.06.30 08:11

     (安倍晋三Twitterより)

 安倍晋三・前首相が元気ハツラツだ。東京都議会議員選挙が告示された25日には首相退任後はじめて自民党候補の応援に駆けつけてマイクを握ったかと思えば、秋に控えた総選挙に向けて全国行脚までスタート。一方、自身のTwitterアカウントでは、赤木俊夫さんが遺した「赤木ファイル」の一文を切り取って自己正当化を図るという下劣な投稿をおこなったばかり(詳しくは既報参照)。

 「赤木ファイル」を利用して潔白を主張するのならば、まずは森友公文書改ざん問題の再調査開始を自ら訴えるべきだし、選挙運動のために全国行脚するより前に河井案里氏の選挙買収事件で自民党本部が支出した1億5000万円の関与について説明をするべきなのは言うまでもない。

 しかし、そうした国民に向けて果たすべき説明責任からは逃げながら、最近ではBSフジやニッポン放送といった御用メディアの番組に登場しては、コロナに乗じて憲法改正を声高に叫ぶ始末

 だが、そんななかでもあ然とさせられたのは、現在発売中の「月刊Hanada」(飛鳥新社)8月号に掲載された、櫻井よしこ氏との対談記事だ。この対談のなかで安倍前首相は、東京五輪の開催に反対する人たちのことを「反日的などと攻撃しているのである。

 まず、この対談は6月9日におこなわれた党首討論の話題からスタート。そこで安倍前首相は、立憲民主党の枝野幸男代表について「「枝野さんは非常に自己愛が強いので、批判されることに耐えられないのではないか」と見る人もいます」「インタラクティブ(双方向)な議論を避ける特徴があります」などと批判。「自己愛が強くて批判に耐えられない」のも「双方向の議論を避ける」のもアンタのことじゃないか、と呆れずにはいられないが、一方で安倍前首相は党首討論で菅義偉首相が長々と繰り広げた前回の東京五輪の「思い出話」を「評価されるべき内容」と絶賛。東京五輪の意義について、こう語りだすのだ。

「この「共有する」、つまり国民が同じ想い出を作ることはとても大切なんです。同じ感動をしたり、同じ体験をしていることは、自分たちがアイデンティティに向き合ったり、日本人としての誇りを形成していくうえでも欠かすことのできない大変重要な要素です」
「日本人選手がメダルをとれば嬉しいですし、たとえメダルをとれなくてもその頑張りに感動し、勇気をもらえる。その感動を共有することは、日本人同士の絆を確かめ合うことになると思うのです」
「(前回の東京五輪では)日本再デビューの雰囲気を国民が一体となって感じていたのだと思います」
「このコロナ禍のなかにあって、来年は北京冬季オリンピックが予定されていますが、自由と民主主義を奉じる日本がオリンピックを成功させることは歴史的な意味があり、また日本にはその責任がある」


■五輪反対の声を「政治的な意図」「反日的な人たち」と決めつけ! 五輪を政治利用したのは安倍自身なのに

 自身が繰り返してきた「復興五輪」「人類がコロナに打ち勝った証」というフレーズはどこへやら。ようするに、安倍前首相にとって東京五輪の開催は「日本人としての誇りを形成」「日本人同士の絆を確かめ合う」「日本再デビュー」などという全体主義国粋主義のためのものでしかないのだ。その上、北京冬季五輪の前に日本で開催することに「歴史的な意味がある」「日本には責任がある」って、そんなネトウヨの威信のために国民の命と安全を引き換えにしようとは、たまったものではない。

 というか、そもそも五輪開催がこれだけ混乱しているのは、安倍自身が昨年3月、自分の総理在任中に五輪を開き、政治利用しようと、周囲の「2年延期」の声を押し切って1年以内の延期をゴリ押ししたからじゃないか。

 ところが、安倍前首相はその責任や、変異株の脅威や感染拡大への懸念をまったく口にしない。そして「来日した外国人が日本で感染して、帰国してからその国で感染が拡大する心配がある」という野党の指摘を櫻井氏が「菅政権を引きずりおろすために五輪を政治利用している、と言わざるを得ません」と批判すると、安倍前首相はこのように語ったのだ。

「極めて政治的な意図を感じざるを得ませんね。彼らは、日本でオリンピックが成功することに不快感を持っているのではないか。共産党に代表されるように、歴史認識などにおいても一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対しています。朝日新聞なども明確に反対を表明しました」

 東京五輪の開催に反対する意見が多いのは、感染拡大や医療提供体制の逼迫に東京五輪の開催が追い打ちをかけるのではないかという心配や不安が大きく、さらには国民には我慢を強いながら五輪だけは特別扱いにするという不公平感、感染防止対策の実効性や開催リスクを政府がまったく説明できていない不信感からだ。そして、開催に疑義を呈しているのは野党や朝日新聞だけではなく、多くの国民や海外メディアからも反対の声があがっている。にもかかわらず、安倍前首相は「反日的」な人たちが「今回の開催に強く反対」しているなどと党派的・思想的な問題に矮小化したのである。

 安倍前首相は2017年におこなわれた前回の都議選の応援演説中に「安倍やめろ」と声をあげた市民を指差し「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と言い放ったが、今回もそれと同じ。つまり、自分の考えに従わない、同調しない人びとはみな敵であり、東京五輪に反対する者は「反日的」だと決めつけ、攻撃対象に仕立て上げるのである。


■ワクチン予約の欠陥を報じた朝日・毎日に「システムがうまくいかないようにしてやろうという悪意を持ってやった」

 もはやウンザリするほかないが、勢いづいた安倍前首相の暴言はこのあともつづく。安倍前首相といえば、自衛隊によるワクチン大規模接種センターの予約システムに欠陥が見つかったと朝日新聞出版の「AERA dot.」や毎日新聞、日経BPの「日経クロステック」が報道した際、〈朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目〉などとツイート。朝日と毎日だけを狙い撃ちした露骨な報道弾圧をおこなったが、今回の対談でもその話題を蒸し返し、「朝日新聞出版の『AERA』や毎日新聞などが架空の不正予約を行い、「システムにこんな欠陥があるぞ」と世の中に示し、批判した」と朝日と毎日を名指しした上で、こんな決めつけをおこなっている。

「極めて悪質な妨害愉快犯だと言わざるを得ません。「システムがうまくいかないようにしてやろう」という悪意を持ってやったとしか考えられません」

 政府が導入したシステムの欠陥をメディアが検証・指摘することは当然の行為であり、公共性・公益性が非常に高い。実際にこれらの報道があったからこそ予約システムの改修をおこなうと政府も表明した。にもかかわらず、またしても「極めて悪質な妨害愉快犯」と言い、「悪意を持ってやったとしか考えられません」と一方的に決めつける──。しかも、同じ内容を報じた日経は「など」扱いで、朝日と毎日だけを名指しして、だ。

 この対談では、安倍前首相がそのほかにも問題発言を連発。たとえば、安倍政権下では防衛費が膨れ上がる一方で社会保障費が削られ、その結果、この国の医療体制がいかに脆弱かがコロナによって明らかになった。にもかかわらず安倍前首相は「第二次安倍政権ができるまで、残念ながら十年間にわたって防衛費は削られ続けました。第二次政権発足から増え始め、八年連続増加しています」と成果として誇り、「さらなる防衛費の増額とスピードアップが必要になっていくでしょう」と発言。また、この国のワクチン接種状況はG7先進国のなかでもダントツの遅れをとっているが、安倍前首相は「国産ワクチンの製造で出遅れてしまったことは、七年八カ月、政権を担ってきたなかで反省点の一つです」と言うだけ。ファイザーなど海外製薬企業とワクチン供給にかんして「基本合意」などというあやふやな約束しかできず確保に出遅れたことの責任は一切無視した。

 このように、国民への説明責任から逃げ回る一方、御用メディアで東京五輪反対派やメディアに対する攻撃を煽り、反省もなく好き勝手言いたい放題になっている安倍前首相。このような知性のかけらもなく無反省な男が7年8カ月も首相を務めてきたことにはあらためて震撼せずにはいられないが、さらに恐ろしいのは「再々登板」を狙っていることだ

 この対談でも、櫻井氏が「いまどなたにお会いしても「やっぱり安倍さんにもう一度、三度目の登板をしていただきたい」と言われます」「多くの国民が「安倍ロス」に陥っています」と持ち上げると、安倍前首相は「大変光栄なことですが、それは全く考えておりません(笑)」などと返答。だが、2007年に体調不良を理由に首相を辞任したあとも当初は再登板を否定しながら、櫻井氏ら極右応援団が担いだ神輿に乗って首相に返り咲いた。こうして極右雑誌に登場し、仮想敵を派手に攻撃することで求心力を高め、再々登板に弾みをつけるという同じ茶番を再現するつもりなのはミエミエだ。

 しかし、繰り返すが、安倍前首相には森友・加計や「桜を見る会」、選挙買収事件への関与など、疑惑が山積み状態なのだ。首相を辞めたからといってそれらを有耶無耶にはできない。今後も「まだ禊は済んでいない」とツッコミを入れつづけていくしかないだろう。

野尻民夫
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コメント
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●斎藤貴男さんの悪い予感的中…《世界の笑いものであり、憎悪の的…後はせめて、負けを勝ちだと強弁するための統計偽装だけはご勘弁》

2021年06月22日 00時00分09秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(20210613[])
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/ワクチン国内開発の遅れをワクチン訴訟のせいにするな】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/289296)。
週刊朝日のコラム【室井佑月「後継、いらない」】(https://dot.asahi.com/wa/2021060900010.html)。
リテラの記事【変異株クラスター発生も…政府は病床使用率が低くなるよう算出方法変更! 五輪のため統計偽装と同じ手口を】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5914.html)。

 《国産ワクチン開発が遅れている原因を、1970年代以降に相次いだ予防接種訴訟に求める言説がある。あれで国も製薬企業も萎縮したから開発能力が奪われたのだ、と。副反応の犠牲者や遺族らには、たまらないだろう彼らはただおとなしく人柱の立場に甘んじろ、とでも言いたいのか過剰な社会防衛論は少数の声を排除するファシズムに直結することを、私たちは知っておくべきだ》。
 《…医師会側が抗えなかった結果だが、この間には少なからぬメディアが嘘をそのまま垂れ流していた医療の世界にまで嘘のマーケティングがまかり通るとは。こうして、あやふやな情報が広がり、少数の声がかき消されていくのだとすれば、つくづく世も末である》。
 《安倍応援団的なある月刊誌で、安倍さんはインタビューを受け『ポスト菅』として4人の名前を挙げたという。その中の一人が岸田さんで、27日、彼は記者団にそのことを問われ、「評価されているのであれば光栄なことだ」と答えたみたいだ。ほかに名前の挙がった人も「光栄だ」と答えたようだが、一瞬でも岸田さんに期待して損した。いつから自民党の総裁は指名制になったのか? というか、今でわかるでしょ、あの人の後継なんていらない。それを望むのは、国をガタガタにしたあの人とその仲間だけじゃん》。
 《このように、東京で高まりつつあるインド型変異株の感染拡大への懸念。当然、東京都も警戒を強めているはず。……そう思いきや、現実はまったく違った。というのも、肝心の東京都の検査数は、増えるどころか減少しつづけているのだ》。

 斎藤貴男さんのコラム…ワクチン接種への個人的な懸念が広がる。決断の時期は近づきつつあるのだければ、打つべきかどうか…? 接種せよ、との同調圧力を感じる。

   『●当時の最低の官房長官による官房機密費の使用の疑いさえある
     1.5億円の税金を誰が買収資金として投入? 当時の自民党党首では?

 室井佑月さんのコラム…もともとアベ様の私怨による、1.5億もの税金を使った買収事件。
 『「粗にして野だが卑ではない石田禮助の生涯』(城山三郎さん)…あまりに《卑(ミーン)》な政権、自公お維の議員たち。とりわけ、当時の首相・党首の罪は深い。《「#安倍のせい」》《『全部、安倍のせいだ』》《元凶は安倍前首相》《元凶は安倍晋三》《戦犯が安倍前首相》。
 そんな中、岸田文雄氏の哀れ。アナタへの《禅定》どころか、アベ様は《三度目の登板》狙い…(アベ様案件全てだけれども)コレ(= アベ様のポケットマネーを《前首相に断りもなく秘書が勝手に流用…それは完全に横領》なはずなのに、配川博之氏が私設秘書に復帰?)もとんでもない問題なのに、マスコミもなぜもっと騒がないのかな? コレ(= 1.5億円の税金を私怨を晴らすために賄賂として使用 = 当時の最低の官房長官による官房機密費の使用の疑いさえある1.5億円の税金を誰が買収資金として投入? 当時の自民党党首では?)にも絡んでいた配川博之元公設秘書殿はちゃっかりと私設秘書に。罪を認めたようなものであり、はっきり言うけど、アベ様のアタマ、変でしょ?  数多のアベ様案件、1件でもいいから責任をとってみせてよ。岸田氏、その方の《禅定》頼みとはねぇ。
 アベ様再々登板などという〝クソ〟な状況にならないことを本当に本当に望みます。《…与党が惨敗しながらも、過半数を確保した場合に、一番可能性が高いのは、安倍晋三前総理の三度目の登板だ》(森永卓郎さん)。

   『●『「粗にして野だが卑ではない」石田禮助の生涯』(城山三郎さん)
             …あまりに《卑(ミーン)》な政権、自公お維の議員たち

 (リテラ)《政府は病床使用率が低くなるよう算出方法変更! 五輪のため統計偽装と同じ手口を》って、斎藤貴男さんの予言通り、悪しき予感の的中。《私たちはもう世界の笑いものであり、憎悪の的なのである。後はせめて、負けを勝ちだと強弁するための統計偽装だけはご勘弁救いがなさ過ぎる》。

   『●《五輪利権をむさぼり尽くさずにはいられない豚の卑しさと…中国に
     「証し」とやらのマウントを取られたくないド腐れ猿の哀れすぎる性》
    《五輪利権をむさぼり尽くさずにはいられない豚の卑しさと、来年の
     北京冬季五輪を控える中国に「証し」とやらのマウントを取られたく
     ないド腐れ猿の哀れすぎる性。後のほうのホンネはいわゆる保守系
     雑誌にあふれている。
      恥ずかしい見苦しい悲しくてやりきれない
      本来であれば、コロナに負けっぱなしの事実をさっさと認め、早々に
     中止を決めて、武士は食わねど高楊枝を気取っていれば、それなりの
     敬意も払ってもらえたろうに
      私たちはもう世界の笑いものであり、憎悪の的なのである
     後はせめて、負けを勝ちだと強弁するための統計偽装だけはご勘弁。
     救いがなさ過ぎる

 斎藤貴男さん《スガ政権、東京はコロナウイルス実験のシャーレではない》。
 さらに、《■セガサミー会長が暴露した菅首相からの「買収工作資金」依頼 34億を森会長の財団に振り込み …もし、里見会長に買収のための資金提供を依頼していたのが事実ならば、菅首相は官房長官という国の中枢の要職に就きながら五輪の招致を金で買うというとんでもない悪事に手を染めていたという、まさしく世界を揺るがす一大スキャンダルである》。《森前会長や竹田JOC前会長、招致委、電通、さらには菅首相の名が取り沙汰されてきた東京への五輪招致をめぐる買収疑惑》。《招致買収疑惑を闇に葬ることは許されない》。
 本間龍さん《中止になって「万歳」でなく、36000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならないこれこそもっとも重要な問題です》。それに加えて、《招致買収疑惑》の追及が必要。

   『●カネカネカネの五輪貴族「菅首相が中止を求めても開催される」
     「アルマゲドン(人類滅亡)が起きない限り、東京五輪は開催される」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/289296

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
ワクチン国内開発の遅れをワクチン訴訟のせいにするな
公開日:2021/05/19 06:00 更新日:2021/05/19 06:00

     (日本は輸入に頼らざるを得ない(ベルギーから到着した
      ファイザー社の新型コロナウイルスワクチン)/(C)共同通信社)

 新型コロナワクチンの接種が進まない。一度でも接種した人が現時点で全人口の2%、OECD37カ国中のドン尻。感染収束の切り札とされる医薬品ひとつ手当てできない無能政府が、よくぞ東京五輪の強行などという、神をも恐れぬ所業に手を染められるものだ

 もっとも、いつの日か接種率が上がれば上がったで、今度は副反応が重大な課題になる。デンマークが英アストラゼネカ製ワクチンの使用中止に踏み切った現実を見よ。

 国産ワクチン開発が遅れている原因を、1970年代以降に相次いだ予防接種訴訟に求める言説がある。あれで国も製薬企業も萎縮したから開発能力が奪われたのだ、と。

 副反応の犠牲者や遺族らには、たまらないだろう彼らはただおとなしく人柱の立場に甘んじろ、とでも言いたいのか過剰な社会防衛論は少数の声を排除するファシズムに直結することを、私たちは知っておくべきだ。

 昨年来、コロナワクチン待望の機運に乗じたかのような、不気味な蠢動も気になる。全身の疼痛や知覚障害、運動障害等の深刻な副反応を否定できず、2013年に中止されたHPVワクチンの積極的接種勧奨を再開させようとするオペレーションのやり方だ。

 不安が本当に払拭されたのなら、検討の余地もあるだろう。だが、それがないまま不確かな情報があふれている。

 例えば、東京小児科医会と東京産婦人科医会が昨年7月に公開し、やがて東京都医師会も加わった3団体連名のHPVワクチンをPRするリーフレットは、現在に至るも副反応の問題で積極的勧奨が見合わされたままである事実に、まったく触れていない。記述にも嘘がある。

〈子宮頚がんは20~30歳代の若い女性に多い病気です。〉〈このがんのために毎年約3000人の若い女性が命を失っています。〉等々。

 ところが子宮頚がんは統計上、30歳代後半から50歳代、および70歳代後半に罹患するケースが多い。この病気による2018年度の死者数2871人のうち、20~30歳代の「若い女性」は137人で、全体の5%だった。年齢幅を49歳まで広げても555人で19%。死者の8割は50歳以上なのである。リーフレットでは、前記の記述から「若い」の形容を削除するなどの修正が施されている。NGO「薬害オンブズパースン会議」が2月に公表した指摘に医師会側が抗えなかった結果だが、この間には少なからぬメディアが嘘をそのまま垂れ流していた医療の世界にまで嘘のマーケティングがまかり通るとは。こうして、あやふやな情報が広がり、少数の声がかき消されていくのだとすれば、つくづく世も末である。
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https://dot.asahi.com/wa/2021060900010.html

室井佑月「後継、いらない」
連載「しがみつく女」
室井佑月 2021.6.10 07:00 週刊朝日 #室井佑月

     (室井佑月・作家)

 作家・室井佑月氏は、自民党の傍若無人ぶりに辟易する。

【この記事のイラストはこちら】
イラスト/小田原ドラゴン


*  *  *

 ボクシング漫画の『はじめの一歩』のワンシーンが浮かんだ。たしか、不動のチャンピオンがいて、そのチャンピオンに勝ちたい男と、そのチャンピオンのようにいつしか自分もなりたいと願う男、どちらが強いかという話だった。もちろん、強いのはチャンピオンに勝ちたい男だった。

 2019年参院選広島選挙区の公職選挙法違反事件。自民党から河井陣営に流れた1億5千万円問題はこのままうやむやになるのだろうか

 5月18日に岸田文雄前政調会長がBSの番組に出て、こういっていたけれど。

1億5千万円を出したその後、それを何に使ったか、これを明らかにしてもらいたい

 飛べない男と揶揄(やゆ)されるが反知性主義には見えない岸田さんが立ち上がった。あたしはそれを良い兆しとして受け取った。

 日本が今のままでいいわけないでしょ公文書の廃棄や隠蔽(いんぺい)、国会軽視で重ねる嘘、ゆがめられ改正までいきそうな憲法、壊れた三権分立、権力の私物化etc……

 目に見える感じでダメになったのは、7年8カ月に及んだ第2次安倍政権からだ。総裁に返り咲いて以降、6回の衆参議院選挙で勝ち、仲間や友達を優遇し、それ以外の人間には、勝ったのだからなにをしてもいいだろうという感じであった。

 しかし、その傍若無人さは、新型コロナウイルスには通用しなかった。マスコミは恫喝(どうかつ)できるがコロナはできない。

 安倍さんは再び体調不良で総理の座から退くことになったけど、本気でそう思っている人はいるのか? だとしたら、なぜ医師の診断書はなかったのか? アベノマスクの滑稽さは? 自分の選挙のために1年延期と決めた東京五輪も思うようにいきそうもなく、すべてが面倒臭くなったんじゃないか? そして、ここに来て、19年参院選広島選挙区の公職選挙法違反事件に、安倍さんが深く関わっているから、ともいわれている。というか、安倍さんが関わっていない方が不自然だろう。河井案里氏は、元々、安倍さんの私怨(しえん)から、立たされた候補なのだから。

 安倍応援団的なある月刊誌で、安倍さんはインタビューを受け『ポスト菅』として4人の名前を挙げたという。その中の一人が岸田さんで、27日、彼は記者団にそのことを問われ、「評価されているのであれば光栄なことだ」と答えたみたいだ。ほかに名前の挙がった人も「光栄だ」と答えたようだが、一瞬でも岸田さんに期待して損した

 いつから自民党の総裁は指名制になったのか? というか、今でわかるでしょ、あの人の後継なんていらない。それを望むのは、国をガタガタにしたあの人とその仲間だけじゃん。


室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

※週刊朝日  2021年6月18日号
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https://lite-ra.com/2021/06/post-5914.html

変異株クラスター発生も…政府は病床使用率が低くなるよう算出方法変更! 五輪のため統計偽装と同じ手口を
2021.06.09 09:56

     (首相官邸HPより)

 東京五輪の開催まで50日を切ったなか、開催地である東京都で恐れていた事態が進行していることが明らかになった。本日9日、東京都はインドで見つかった変異株「L452R」(デルタ株)の感染が10人から確認されたと公表(8日確認された中学生と合わせて計11人のクラスター)。初の二桁台となり、さらには10歳未満の感染確認も初となった。東京でインド型変異株の市中感染がはじまっていることは間違いない

 そもそも、政府分科会の尾身茂会長も1〜2カ月でイギリス型からインド型変異株に置き換わると見通しを示していたが、問題はその感染力だ。実際、イギリスでは4月末に1回接種を終えた国民の割合が50%を超え、新規感染者数も1月初旬には1日あたり6万人を突破していたのが4月下旬には1000人台まで減少。ところが、最近は再び増加傾向にあり、昨日8日の新規感染者数は6000人を超えた。この感染者増加の背景にあるのがインド型変異株で、イギリスの国家統計局は〈国内で感染が広がっているのはデルタ株だと推定される〉とし(BBC NEWS5日付)、政府の専門家委員会のラヴィ・グプタ教授もデルタ株が「感染を拡大させている」と指摘している。

 ワクチン接種によって感染の抑え込みに成功したと見られていたイギリスでさえ、その脅威に警戒を高めているインド型変異株。だが、感染力だけではなく重症化リスクについても不安がつきまとう。インド型変異株の患者を3人診たという松本哲哉・国際医療福祉大教授も「3人のうち2人は若いのに重症化していて、怖い印象を持っている」と指摘している(毎日新聞6月7日付)。

 このように、東京で高まりつつあるインド型変異株の感染拡大への懸念。当然、東京都も警戒を強めているはず。……そう思いきや、現実はまったく違った

 というのも、肝心の東京都の検査数は、増えるどころか減少しつづけているのだ

 たとえば、本日9日13時時点の東京都のデータによると、5月18日〜24日の7日間の検査数合計は6万3627件だったが、5月25日〜31日の合計は5万8983件と減少。直近の6月1日〜7日までの合計は5万1129件と、さらに減っているのである。

 インド型変異株の感染拡大が指摘されている上、よりにもよって世界中から選手を集め、観客を入れて五輪大会を開催しようとしているというのに、直近7日間の平均でも約7000件程度の検査しかおこなわれていない──。最近は新規感染者数が減少傾向にあることばかりが強調されているが、検査数が少ないために捕捉できていないだけで、こうしているあいだにも変異株感染が広がっているのが実態ではないのだろうか。

 いや、というよりもこれは東京五輪開催のために感染者数を少なく見せたいという意向が働き、こんなお粗末な数字になっているのではないのか


■厚労省が「病床使用率」の算出方法を変更! 一般病床への入院者隠し

 実際、東京都と同じくインド型変異株のクラスターが発生している神奈川県の黒岩祐治知事は、7日におこなわれた全国知事会と国の意見交換会後の会見で「デルタ株の感染状況を見ていると、濃厚接触者ではない人からも感染者が出ている」と言及、国に対して濃厚接触者の定義見直しを提案したというが、この提案に対する田村憲久厚労相の反応は〈専門家組織に諮る考えを示した〉というものだった(神奈川新聞ウェブ版7日付)。

 インド型変異株の感染力の高さはずっと指摘されつづけているというのに、いまだに濃厚接触者の定義を見直そうともしない。まるで感染者が急増するのを見過ごそうとしているようでさえあるが、いま濃厚接触者の定義を変えて検査を増やすと当然ながら感染者数も増える。そうして東京五輪の開催に逆風が吹くことを恐れ、こんな体たらくになっているのではないのか。

 だが、東京五輪の開催のために数字をごまかそうとしているのではないかという疑念が持たれているのは、東京都の検査数だけではない。

 ここにきて厚労省が、国の指標のひとつである「病床使用率」の算出方法を変更したからだ。

 これまで「病床使用率」は、確保病床数を分母にし、確保病床に入院する患者と、確保病床としての調整が終わっていない一般病床に入院する患者、さらに入院先が決まった患者の合計を分子にして割り出していた。だが、今月4日からは、一般病床に入院する患者と入院先が決まった患者を分子から除外し、確保病床数と確保病床に入院する患者だけで割り出すよう変更したのだ。

 一見すると、一般病床に入院する患者をカウントしながらその病床数は分母から除外されていたため、その点を是正する変更のようにも思える。だが、「病床使用率」というのは、医療提供体制の逼迫度を見るためのものだ。にもかかわらず、入院先が決まった患者はおろか、一般病床に入院を余儀なくされる患者の数を除外することは、実態の厳しさを見えづらくするものだ

 そもそも、これまでの「病床使用率」の算出方法自体、実態を過小評価しているという批判があった。「病床使用率」を割り出すのに使用されている確保病床数が「患者の受け入れ要請があれば、受け入れをおこなうことについて医療機関と調整済の病床数」であり、すぐに対応できる病床を表す「即応病床数」ではないからだ。だが、そうした分母の甘さを見直そうとせず、むしろ分母はそのままに分子を減らそうとは、あまりにも露骨だ

 しかも、そんなことは起こらないと信じたいが、今回の算出方法の変更は、理屈上では、感染者が急増して確保病床の逼迫が起こっても、患者を一般病床に入院させれば数字上はごまかすことが可能になるのである。


■「病床使用率」算出方法の変更でステージ4だった地域が半分に 統計偽装と同じ手口

 実態の厳しさが数字に反映されなくなる、この算出方法の変更。そして、ここにきて突如、変更したのは、東京五輪開催に向けて緊急事態宣言を解除しやすく、また宣言発出がしづらくしようとした結果だとしか思えない。

 というのも、この算出方法の変更によって、5月26日時点の調査結果では「病床使用率」が国の指標でステージ4(50%以上)だった地域は20道府県あったが、6月2日時点の調査結果では11道府県に減少しているのだ。

 菅義偉首相は来週半ばには緊急事態宣言の解除の可否を判断するが、解除の判断において「病床使用率」は重要な指標だ。だが、感染者数は減少傾向でも病床の逼迫はそう簡単に改善されるものではない。そのため計算方法自体に手を加えたのではないのか。

 実際、似たような前例もある。安倍政権時代には厚労省の「毎月勤労統計」の調査手法が歪められ、賃金伸び率を異常なまでに上振れさせた“アベノミクス偽装”という統計不正問題が起こったが、そのときも当時、官房長官だった菅首相が厚労省職員に圧力をかけていたという疑惑が持ち上がった。いま、東京五輪の強行開催に執着する菅首相の様子を見れば、今回も同じように都合よく数字を操作しようと考えても何ら不思議はないだろう。

 インド型変異株という脅威がすでに迫りつつあるなか、対策の強化どころか東京五輪の開催にだけ血道を上げ、開催強行に不都合な数字を覆い隠そうとする。これまでも安倍・菅政権のコロナ対応によってあまりにも多大な犠牲を出してきたが、菅首相の東京五輪開催への固執により、この先はこれまで以上の、ほんとうに恐ろしい事態が待ち構えているのだ。

(編集部)
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コメント
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●教訓を得ない、無為無策なカースーオジサン…森永卓郎さん《菅政権の特徴を一言にまとめると、「新しいことを何もしない」ということだ》

2021年04月30日 00時00分41秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


 (2021年04月25日[日])
マガジン9のコラム【森永卓郎の戦争と平和講座 第93回:後進国に転落する日本】(https://maga9.jp/210414-3/)。

 《菅政権が発足してから8カ月が経過した。菅政権の特徴を一言にまとめると、「新しいことを何もしない」ということだ。新型コロナへの対応をみれば、それは明らかだ。安倍政権のときは、小中学校の一斉休校や星野源氏と総理のコラボ動画、アベノマスクなど、明らかに間違った政策を打った。しかし、「何かをしなければならない」という危機感の下、それまでなら考えられなかった思い切った対策も講じていた。例えば、一律10万円の特別定額給付金や中小企業に最大200万円の持続化給付金に関しては、国民生活や企業活動を支えるために大きな効果を持ったと私は考えている。しかし、菅政権になって、そうした政策は一切行われていない。やったのは、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による飲食店を中心とする自粛だけだ》。

 《実は、ワクチンが間に合わなくても、新型コロナ感染症を収束させる手立てはある。大規模なPCR検査の実施だ》…正にそうだ。《新型コロナウイルス感染症対策分科会委員を務める釜萢敏医師…「PCR検査…無駄打ちになってしまう。…」》…正気か? それを「無駄」とは、呆れる。壊憲だ何だと喚き散らしているアベ様のお得意のニッポンの安全保障〟とやらは完全に瓦解してるではないか。
 もう言い飽きたよ。(金子勝さん)《抜本的なコロナ対策こそ、最大の経済対策なのだ》。

   『●金子勝さん《抜本的なコロナ対策こそ、最大の経済対策なのだ》…
     検査検査検査・追跡・保護と社会的検査による無症状感染者の炙り出し
   『●厚労相「義務ではない」扶養照会…カースーオジサン、躊躇わずに
     生活保護を申請できるようにしてから「生活保護がある」と言ってくれ
   『●意図的に《検査件数が大きく減っている…東京都は都内の保健所に
      対し、「積極的疫学調査」の対象を絞るよう、通知を出している》
   『●《菅政権は、規制改革を政策の重点事項としている。だったら、
     国民生活を危機に陥れている感染症の利権を最優先の改革対象とすべき》
    「マガジン9のコラム【森永卓郎の戦争と平和講座 第92回:ゼロコロナ
     への政策転換を(森永卓郎)】…《しかし、私は、政府が採っている
     ウィズコロナ政策よりも、ゼロコロナ政策のほうが、ずっと即効性があり、
     コストが安く、確実で、安全だと考えている》」

   『●COVID19変異株による第4波に対して何を? 「#打つ手なし」で
      非常事態宣言解除 ―――― 無為無策無能過ぎるカースーオジサン

 《国民にひたすら自粛を求め、何もせずウイルスの自壊を待っているだけ》…宣言解除からすぐに、三度目の非常事態宣言。

 「#打つ手なし」なやる気無し。第4波に突入。検査検査検査…・追跡・保護、十分な補償・経済的人的物的支援という《手を打つ》ことも無し。あげく、三回目の緊急事態宣言。なぜ、ゼロコロナ、withoutコロナを目指さなかったのか? 大変に悔やまれる。過去に学ばない愚かさ。金(カネ)色の五つの輪開催、GoTo《勝負》を再開する気満々な利権漁りオジサンらの醜悪さ。

   『●金(カネ)色の五つの輪、《中止になって「万歳」でなく、
     3兆6000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならない》

 最近にとみにお元気な、もう一人の《コロナ戦犯》な首相…。
 マガジン9のコラム【言葉の海へ 第161回:5月になれば…(鈴木耕)】(https://maga9.jp/210421-4/)によると…、
何度、騙せば気がすむのか
 年が明けたら…
 3月を越えれば…
 5月になったなら……
 ぼくらは何度、同じような言葉に騙されてきただろうか。菅義偉首相は、昨年から繰り返し「来年(2021年)前半には、全国民にワクチン接種ができるようにする」と語ってきたが、果たして実現できているか? むろん、NO!だ。
 安倍晋三前首相は、憲政史上まれに見る「ウソつき宰相」として名を残すことになったが、菅首相だって負けてはいない。しかも、こちらは国民の命に関わる「コロナ・ワクチン」での虚言だから、考えようによっては安倍氏よりたちが悪い。コロナ感染による日本での死者数は、そろそろ1万人に達しようとしている。その死者数のほぼ8割が、実は昨年の11月以降に集中している。つまり、たった半年で8千人近くの人たちが、コロナ感染によって亡くなっているのだ。
 ではこの半年間、菅政権はコロナ対策として、いったい何をやって来たのか
 菅首相は「小出し首相」とあだ名されるように、現象の後追いばかりで、何ひとつ実効的な具体策を示すことができなかった。何かあるとすぐに「それはワクチン担当の河野大臣から……」「具体策は厚労省のほうで……」などと逃げ回るだけで、後手どころか大臣や官僚に丸投げだった。だから「打つ手なし宰相」とも言われている。》
《菅首相、そろそろご決断を。
 ここでも「後手」を踏んだら、あなたは「コロナ戦犯」として後世に名を残しますよ。》

 無為無策無能過ぎるカースーオジサン。
 東京新聞の記事【三たびの緊急事態宣言「人災だ」…菅首相「感染拡大2度と起こさない」決意の宣言解除からわずか1カ月】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/99896)によると、《◆責任追及の声 首相は3月の会見で自ら先頭に立ち、国民の命と生活を守り抜くと決意を語ったが、現実は宣言発令。共産党の志位和夫委員長は22日の記者会見で「宣言の発令に至ったのは、政府がやるべきことをやらなかった結果だ。現状は菅政権による人災で、その責任は極めて重い」と批判した》。

 検査検査検査…・追跡・保護、一体いつになったら? 補償・経済的人的物的支援も不十分…。「#打つ手なし」で非常事態宣言解除しておきながら、この有様。無為無策無能過ぎるカースーオジサン。
 【大竹まこと ゴールデンラジオ!「大竹メインディッシュ」2021年4月23日 青木理 室井佑月】(https://www.youtube.com/watch?v=v1T1S6rJvoo)によると、《オリンピック、出来ないと思いますよ…直感的に考えて、出来ると思います?》《政治の無能さ、愚かさ…何も学んでいない》《吉村知事…謝らないですよね。自分の判断が間違っていたとか、申し訳なかったとか、謝った気配が無い》《コロナ対応…政治の通信簿、オール1》《メディア業界の劣化》《それを、アンダーコントロールって言ってんだから…》。



大竹まこと ゴールデンラジオ!「大竹メインディッシュ」2021年4月23日 青木理 室井佑月
https://youtu.be/v1T1S6rJvoo?t=40

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https://maga9.jp/210414-3/

森永卓郎の戦争と平和講座
第93回:後進国に転落する日本森永卓郎
By 森永卓郎 2021年4月14日

自粛の継続で転落する

 菅政権が発足してから8カ月が経過した。菅政権の特徴を一言にまとめると、「新しいことを何もしない」ということだ。新型コロナへの対応をみれば、それは明らかだ。安倍政権のときは、小中学校の一斉休校や星野源氏と総理のコラボ動画、アベノマスクなど、明らかに間違った政策を打った。しかし、「何かをしなければならない」という危機感の下、それまでなら考えられなかった思い切った対策も講じていた。例えば、一律10万円の特別定額給付金や中小企業に最大200万円の持続化給付金に関しては、国民生活や企業活動を支えるために大きな効果を持ったと私は考えている。しかし、菅政権になって、そうした政策は一切行われていない。やったのは、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による飲食店を中心とする自粛だけだ。
 4月12日から東京など3都府県へのまん延防止等重点措置が始まったが、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブエコノミストによると、すでに重点措置が適用されている大阪など3府県の影響を加えると、まん延防止等重点措置による経済損失は5540億円にのぼるという。もちろんこれは、重点措置が1カ月終わると仮定した場合の数字だ。何もしない菅政権は、東京オリンピックの中止を絶対にしないだろうから、緊急事態宣言への発展も含めて、自粛は2カ月以上に及ぶだろう。日本経済は、三番底に向かうのだ。
 一方のアメリカはどうか。バイデン政権は、200兆円におよぶ経済対策のなかで、国民一人あたり15万円の現金給付を決めた。さらに巨額のインフラ投資も決めている。財源も明確だ。バイデン大統領は、トランプ前政権が21%に引き下げた連邦法人税の税率を28%に引き上げるほか、大企業を対象に会計上の利益に最低15%を課税する仕組みを導入することを決めた。もちろん、これが実施できるかどうかは、分からない。実際、バイデン大統領が打ち出した連邦最低賃金を時給1500円に引き上げる政策は、身内からも反対がでて実現できなかった。ただ、やろうとしている政策の方向性や理念は、明確だ。
 そして、4割以上の国民に一回目のワクチン接種を終えたアメリカでは、新型コロナの収束が見えつつあり、コロナ下で蓄積された貯蓄に15万円の現金給付が加わって、夏には爆発的な消費拡大が生まれ、経済は大きく成長するとみられている。
 一方で日本のワクチン接種はいまだ1%にも届いていない。全国民へのワクチン接種が完了するのは、年内でもむずかしい状況だ。そして、日本では現金給付もない。こんなことをしていたら、ずるずると経済が転落していくことは明らかだ。日本だけが転落していくのだ。
 それは、いまに始まったことではない。OECD(経済協力開発機構)が発表している年収ランキングで、日本は30か国中24位で、19位の韓国を下回っている、日本よりも下なのは、ポーランド、エストニア、チェコといった国々だけだ。


転落の理由は何か

 20年前まで、日本の賃金水準はG7トップだった。それがなぜG7最下位に転落したのか。最大の理由は、官僚や大企業経営者の「保身」だと私は考えている。
 日本で新型コロナの収束が一向に進まない理由を考えると、分かりやすい。日本政府が承認したワクチンは、今のところファイザー社製だけで、アストラゼネカ社製のワクチンは、国内製造が始まっているものの、承認がないので接種ができないのだ。モデルナ製のワクチンも承認が出ていない。
 国産ワクチンの場合は、もっとひどい。昨年3月に私が読売テレビの「情報ライブ ミヤネ屋」に出演した時のゲストが、大阪大学の森下竜一教授だった。その時森下教授は、新型コロナに対するDNAワクチンのサンプルが既にできていると言った。世界をリードするタイミングでワクチンができていたのだ。私は、実験台になるから、その場で私に打ってほしいと頼んだのだが、持ち合わせがないとのことで断られてしまった。それから1年以上が経過して、このDNAワクチンは、ようやく第二段階の治験を終え、その結果を解析しているところだ。これから第三段階の大規模治験が待っているから、承認はまだまだ先だ。
 実は、政府は森下竜一教授が創業したアンジェスを含む医薬品メーカー4社に補助金を出している。研究開発に46億円、生産体制の整備に438億円の合計484億円という巨額の資金だ。ところが、それだけの財政資金を投入しながら、承認の目途が立っている国産ワクチンは、まったくないのだ。
 海外では数カ月という短期間でワクチンの緊急承認をしている。なぜ同じことが日本でできないのか。
 私は厚生労働省の官僚の保身のためだと考えている。かつての官僚は、給料がとても安かった。だから、クビになることを恐れなかった。クビになっても民間に転ずれば、逆に給料が上がったからだ。彼らの仕事の動機は、国を動かすことであり、だからこそ思い切った政策を打ち出すことができた。
 ところが、大企業の賃金水準に合わせる巧妙な仕組みの下で、いまや官僚の待遇は、超一流企業並みになった。しかも最近は官邸主導が強まり、自由に政策を打ち出せなくなった。官僚は自分を守ることに専念するようになったのだ。日本では1970年代の天然痘ワクチンの接種で死亡や後遺症の事故が相次ぎ、訴訟が起こされた。1992年の最高裁判決では、国が全面敗訴している。そうした事情もあって、厚生官僚は、自分を守るため、慎重の上にも慎重を重ねてワクチン承認を遅らせる。その結果感染が広がって国民が命を落としても、慎重な審査を進めた官僚の地位は安泰だ。そうした場合、本来なら官邸が責任を取る形で緊急承認を目指すべきなのだが、菅政権はそれをしない。新しいことを何もしない内閣だからだ。


次善の策も取れない

 実は、ワクチンが間に合わなくても、新型コロナ感染症を収束させる手立てはある。大規模なPCR検査の実施だ
 まん延防止等重点措置に伴う時短要請で飲食店に支払われる協力金は、売上高の4割で、中小企業の場合は、1日当たり4万円から10万円の範囲内となる。大阪市の例で考えると、大阪市の飲食店数は2万6000店だから、一店舗当たりの協力金を5万円と低く見積もっても、給付総額は406億円となる。給付の事務費を加えれば、500億円を超えるだろう。
 一方、大阪市民全員にPCR検査をして、陽性者を隔離する政策を採った場合はどうなるか。大阪市の人口は、275万人だから、一人当たりの検査費用を1千円とすれば、27億5千万円しかかからない。検査費用の1千円というのは複数の検体を混合して調べるプール方式の場合だが、個別検査でもソフトバンクグループが行っているPCR検査が2千円だから、その単価で計算すると、費用は55億円となる。まん延防止等重点措置と比べてけた違いにコストが低いのだ。しかも、全員検査で陽性者を隔離した方が、効果が即時に、しかも確実に得られる
 なぜそうしないのかを私はずっと疑問に思っていた。そこで4月2日の「情報ライブ ミヤネ屋」に出演した際に、新型コロナウイルス感染症対策分科会委員を務める釜萢敏医師に質問した。釜萢氏はこう答えた。
 「PCR検査というのは、必要なところにしっかりやるのが適切であって、感染の可能性が非常に低い人も含めて幅広くユニバーサルにやるというという意見が大きな賛成を集めているわけではない。私自身も必要なところにしっかりやるべきだと考えている。感染の可能性が高いところを重点的にやらないと無駄打ちになってしまう。陽性者の隔離も全部がうまく行くわけではない」。要は、大規模PCR検査で陽性者をあぶり出すというやり方は、そもそも選択肢として考えていないということなのだ。
 つまり、大規模検査でコロナを収束させようと思ったら、分科会のメンバーを総入れ替えすることを考えないといけないのだ。しかし、新しいことを何もしない菅政権にその意思はまったくないのだ。


保身は民間も同じく

 保身は、民間企業にも広がっている。4月8日に日立製作所が上場子会社の日立金属を日米連合の投資ファンドに売却する方針であることが明らかになった。日立製作所は、成長が見込まれるデジタル分野に経営資源を集中させるため、これまでも子会社を次々に売却してきた。リーマンショック前には22社あった上場子会社は、日立金属が売却されると、日立建機が残るだけになる。
 かつての日本の企業グループは、子会社も含めて「家族」だった。福利厚生は共通で、余剰人員が生まれた場合は、グループ企業内で引き受けた。グループ内取引も活発で、そうしたことによって経営の安定を図ってきたのだ。
 しかし、選択と集中の掛け声の下、大企業は収益のあがる事業のみを残して、本業と関係のない事業は売却する方針に切り替えている。その多くが外資を含むファンドに売却されるから、子会社の社員はいきなり外資系企業の社員になってしまうのだ。そうした施策によって本社は生き残れるかもしれない。しかし、それは本社の保身と言えないだろうか。
 もっとすごいのが東芝だ。4月7日に英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどが、東芝に買収提案をしたことが明らかになった。東芝側は、対応を検討中という。CVCは、3割のプレミアムをつけた一株5000円で、7月にもTOBを実施する予定だ。東芝は、今年1月に東証一部に復帰したばかりだが、なぜこんなことが起きたのか。
 東芝は、2015年に不正会計が発覚し、翌年には米国の原子力事業で巨額の赤字を出して、債務超過に陥った。国策だった原発輸出に乗っかったものの、福島原発の事故で原発事業に猛烈な逆風が吹いた結果だった。会社の存続が危ぶまれるなかで、東芝は経営の柱だった東芝メモリ(現キオクシア)を分社化し、投資ファンドに全株を売却することで、債務超過を解消した。その後、東芝はキオクシアに再出資し、40%の株式を持っている。
 ただし、それが可能になったのは、2017年末に約60もの海外投資家を対象にした6000億円の大型増資を実施したためだ。ところがこの資本調達が、東芝の経営陣を苦しめることになる。
 3月の臨時株主総会では旧村上ファンド系の投資ファンドで、筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが提案した議案が可決され、東芝は外部の弁護士による調査を受けることになった。こうしたモノ言う株主による追及に東芝の経営陣は辟易していた。そのため、東芝はCVCをホワイトナイトと考えて、買収提案に応じる可能性がある。
 しかし、これは経営陣が繰り出した茶番劇との見方もある。東芝の車谷暢昭社長が、CVC日本法人会長を務めていたからだ。モノ言う株主に追い詰められた車谷社長が、古巣のCVCに依頼し、買収による非上場化で、自らの地位を守ろうとしているという見立てだ。車谷社長は、混乱の責任を取って4月14日に辞任を表明したが、これでCVCの買収が消えたわけではない。車谷社長と同様の思惑を持っている役員が複数いるとみられるからだ。
 ただ、CVCは投資ファンドだから、2兆円もの資金を出して、長期の視点で東芝の経営を支えることはあり得ない。買収が成功したら、資産の切り売りと大規模リストラで、短期間で利益を出そうとするだろう。東芝の生体解剖が始まるのだ。
 もし東芝が売却されれば、生き残るのは、本社どころか、経営陣だけということになる。かつての日本では考えられなかった事態だ。
 私は、社員の安定があったからこそ、新しい分野や新しい技術への挑戦という空気が生まれ、日本企業が成長できたのだと考えている。日本中に広がる保身の動きは、日本経済のさらなる転落をもたらすのではないだろうか。


森永卓郎
経済アナリスト/1957年生まれ。東京都出身。東京大学経済学部卒業。日本専売公社、経済企画庁などを経て、現在、独協大学経済学部教授。著書に『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)、『年収120万円時代』(あ・うん)、『年収崩壊』(角川SSC新書)など多数。最新刊『こんなニッポンに誰がした』(大月書店)では、金融資本主義の終焉を予測し新しい社会のグランドデザインを提案している。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。
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●大阪「ト」知事三代が大阪破壊 … 「身体が痛いおばあさんに手術を待ってもらう知事が、先の万博を胸にぶら下げてる…」(坂本篤紀氏)

2021年04月27日 00時00分23秒 | Weblog

[※サンデーモーニング(2017年10月1日)(三「ト」物語)↑]


(2021年04月18日[日])
リテラの記事【橋下徹を日本城タクシー坂本社長が再びコテンパンに! 橋下話法を「アホな議論」と一刀両断、吉村知事にも「何もしてないもん」】(https://lite-ra.com/2021/04/post-5854.html)。

 《本日15日の新規感染者数が1208人と過去最多を更新し、さらに重症患者数が重症病床の数を上回るという非常事態に陥っている大阪府。この大惨事を招いたのは吉村洋文知事にほかならないが、もうひとり大きな責任があるのが、吉村知事をアシストしてきた橋下徹・元大阪市長だ。いや、橋下氏は吉村知事を称賛したりフォローしてきただけではなく、新型コロナの流行初期から「PCR検査抑制論」を喧伝し、国の失策を正当化してきた戦犯のひとり早口でまくし立てて話を強引にすり替え、不毛な議論をふっかけ、詭弁で煙に巻くという橋下話法によって、誰もまともなツッコミを入れられないという橋下劇場を展開してきた》。

 お維の大阪「ト」知事三代 ――― 橋下徹元大阪「ト」知事、松井一郎前大阪「ト」知事、吉村洋文大阪「ト」知事 ――― が大阪を破壊した新喜劇ならぬ、悲劇、惨劇。
 《さらに、松原キャスターから「大阪の感染状況が悪くなったことはどう見ますか?」と尋ねられた坂本社長は、「何もしてないもんとズバリ。またもぐうの音も出ない指摘をおこなった》。お維を支持していない皆さん、本当にお気の毒だ…。そして、それに手を貸してきた、手を貸し続けているメディアの責任も重大。

 日本コロナ感染者数まとめ@coronamatome (https://twitter.com/coronamatome/status/1383330590548631553) によると、3月第1週526人、第2週620人。その後、844人、1576人、3464人、4月4日の週5420人、4月11日の週7237人。4~5週間でほぼ10倍増……。4月13日(火)~4月17日(土)の間、1000人越えだ。お維を支持していない大阪の皆様に、本当に同情します。お維の無為無策がもたらした吉村新悲劇、いや、惨劇だ。お維の責任は極めて重大。

 《だが、吉村知事が恐ろしいのは、こうした常軌を逸した話をむしろ誇らしく、あまりにも自信満々に語ることなのだ。…しかも、吉村知事を出演させる番組側も、この詭弁に突っ込もうともせず、垂れ流しさせている。この手口は橋下徹氏とまったく一緒…。責任放棄の“自己正当化モンスター”と、それに手を貸すメディア。この共犯関係によって、大阪府民は危険に晒されつづけていくのである》…。
 《まさしく「アホ」としか言いようがない強弁だが、このように、いかに橋下氏の話が詭弁にすぎないかを、坂本社長はことごとく明らかにしていったのだ。橋下氏のペースや詭弁に乗せられることなく市井の人びとの疑問や思いを代弁した坂本社長には拍手を送りたいが、逆に、その存在で浮き彫りになるのが、他のメディア、テレビ番組のだらしなさだ。どうして橋下氏にツッコミを入れず、その主張を垂れ流しにさせているのか性懲りもなく橋下氏を言いっぱなしにさせ、その無茶苦茶な主張にツッコミのひとつも入れられないワイドショーの司会者やコメンテーターたちには坂本社長の爪の垢を煎じて飲ませたいものだ》!

 《それでもバカとは戦わなければいけない、お維非支持者の皆さんには同情するよ、まったく…大阪市廃止なんてやっている場合? 雨がっぱ、イソジン…。《第4波を引き起こしたことの責任追及がなされなければ、命をかけさせられるのはまたも大阪府民なのである》(リテラ)。
 いい加減に、お維支持者の皆さんも、目を覚ましてはどうですか。

   『●リコール対象はコチラなのでは? 大阪市廃止「ト」構想の《関連経費
      として投入された公金は100億円を超える》、さらに公明党と密約
   『●「広域行政一元化」なんて言い始めた《大阪の3バカが活動拠点を
       国政に移せば、日本は目も当てられなくなるだろう》(適菜収さん)
   『●《橋下徹…「万博が実現したのは松井さんの政治力。安倍さんの
     おちょこに酒をついで『(万博は)必要ですよね総理』と口説いた」》

   『●お維大阪「ト」政による医療福祉の削減、大阪市廃止「ト」構想に
      かまけてCOVID19対策を放置…リコール対象はお維だったのでは?
   『●「2,912,628票」「3,661,371票」、ホントに小池「ト」知事でよかった
      の? COVID19禍の年末年始も弱者の支援や相談に応じていたのは誰?
   『●《医療や保健所を削減…ろくに対策もせず都構想住民投票を強行…
     つまり維新による人災》…お維支持者の皆さんは沈黙? お優しいことだ
   『●《吉村洋文…小池百合子…鈴木直道…菅義偉…安倍晋三…「最も評価
     できない政治家」…なら理解できるが、やはり日本は完全に壊れて…》
   『●《愛知県で民主主義の根幹を揺るがす事態が明らかになった。知事の
      リコールを求めた署名の八割余に無効》…リコールされるべきは?
   『●扇動者なりの責任を ――― デタラメで組織的不正な《リコールを後押し 
          しながら不正発覚にだんまりの百田尚樹、有本香、吉村知事》
   『●《おおっぴらに「賛同」を表明し「応援してます」などとエールを
     送っていた》…(組織的不正無しでの)真にリコールされるべきはお維
   『●泥縄、《茶番》――― いずれ静かに消えゆく〝ファクトチェック〟
      by お維 ⇨ 組織的不正なリコールの件はファクトか、デマか?
   『●《大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく行政批判を
         吊るし上げ!「まず吉村のイソジンをチェックしろ」と非難殺到》
   『●《愛知県で民主主義の根幹を揺るがす事態》《一種のテロ行為》――
      ―― 組織的不正なリコールへのお維の関与はファクトか、デマか?
   『●病床のダウンサイジング…《病床削減のために195億円もの巨額が
     計上…しかも、その病床削減のための財源は、消費増税分で賄われる》
   『●COVID19変異株による第4波に対して何を? 「#打つ手なし」で
     非常事態宣言解除 ―――― 無為無策無能過ぎるカースーオジサン
   『●大阪「ト」知事《「大阪は第4波に入った」「一足早く緊急事態宣言を
      解除したので、そのリバウンドもあると思う」…他人事のように分析》
   『●《命をかけさせられるのはまたも大阪府民なのである》(リテラ)
     ――― お維を支持していない大阪の皆さんに、とても同情する……

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https://lite-ra.com/2021/04/post-5854.html

橋下徹を日本城タクシー坂本社長が再びコテンパンに! 橋下話法を「アホな議論」と一刀両断、吉村知事にも「何もしてないもん」
2021.04.15 11:05

     (BS-TBS『報道1930』番組公式ページより)

 本日15日の新規感染者数が1208人と過去最多を更新し、さらに重症患者数が重症病床の数を上回るという非常事態に陥っている大阪府。この大惨事を招いたのは吉村洋文知事にほかならないが、もうひとり大きな責任があるのが、吉村知事をアシストしてきた橋下徹・元大阪市長だ。

 いや、橋下氏は吉村知事を称賛したりフォローしてきただけではなく、新型コロナの流行初期から「PCR検査抑制論」を喧伝し、国の失策を正当化してきた戦犯のひとり早口でまくし立てて話を強引にすり替え、不毛な議論をふっかけ、詭弁で煙に巻くという橋下話法」によって、誰もまともなツッコミを入れられないという「橋下劇場展開してきた。

 だが、そんな橋下氏が「真正面からコテンパンにされた」と、いまネット上で大きな話題を呼んでいる。昨日14日放送の『報道1930』(BS-TBS)に日本城タクシーの坂本篤紀社長が登場し、橋下氏の詐術をアホみたいな議論一刀両断した上、橋下氏の反論をことごとく論破吉村知事に対しても何もしてないもん鋭く指摘して見せたのだ。

 坂本社長は大阪を拠点にしてタクシーや貸し切りバス、旅行業を手掛け、このコロナ禍に大型バス3台を売却して雇用を守ったことがメディアでも取り上げられた人物。また、過去には、自社のバスの路線変更でバス通学ができなくなった小学生の女の子のためにプライベートで3年間送迎をおこなったことが『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)で紹介されたり、反ヘイトスピーチのステッカーを自社のタクシーに貼る活動でも注目を集めたこともある。

 じつは、この坂本社長、2月23日に放送された『報道1930』でも橋下氏とリモート共演したのだが、その際も「坂本社長が橋下氏を論破!」「坂本社長が市民の声を代弁してくれた」と大きな話題になった。そして昨日、同じ番組で再びの“対決”がおこなわれた……というわけだ。

 一体、橋下氏はどんな詭弁を弄し、それを坂本社長はどんなふうにぶった斬ったのか。番組を振り返ろう。


■ワクチンの遅れを日本学術会議、野党、病院のせいにする橋下徹のスリカエ詐術に…

 まず、番組の前半では、橋下氏と立憲民主党の小川淳也・衆院議員、松本哲哉・国際医療福祉大学教授が参加するかたちで、ワクチン接種が進まない日本の現状について議論。そこで橋下氏は、国産ワクチンが生産できないことを理由のひとつに挙げ、唐突にこんなことを言い出した。

学術会議軍事研究の禁止なんてやってる国がですね、ワクチンっていうのは化学兵器テロ、化学兵器に対する対応策としていろいろ開発されてきた経緯もあるわけですから、そういうことで軍事研究の禁止なんてことを学術会議でやってる国がですね、そりゃワクチンを早急に開発するなんてことはできないよ」

 何を言うかと思えば「国産ワクチンができないのは日本学術会議のせい」とは……。言っておくが、国産ワクチンの開発が進まないのは、国がこれまでワクチン研究を軽視してきたからだ。実際、RNAワクチンは国内でも治験直前まで進んでいたが、2018年に国に予算を打ち切られ頓挫していたことがわかっている(東京新聞4月5日付)。

 そういえば、橋下氏は菅義偉首相による日本学術会議の任命拒否問題が勃発した際、「アメリカとイギリスの学者団体には税金は投入されていない」というデマを垂れ流し、「金の面で自立しろ」などと主張していたが、国産ワクチンの開発を妨げてきたのは、それこそ研究を軽視して予算を削ろうとする橋下氏のような姿勢ではないか。

 だいたいワクチンのことで言えば、橋下氏が称賛してきた吉村知事はちょうど約1年前に「大阪産ワクチン」をぶち上げ、昨年9月の実用化を謳っていた。一体それはどうなったんだ、という話だろう。

 だが、橋下氏の話のすり替えは止まらない。“歯科医や薬剤師がワクチンを打てるようにすべき”と言い出すと、「歯医者や薬剤師に注射を打たせる、それこそボランティアの人に打たせるなんてこと、絶対に立憲民主党からはそんな法案提案できませんよ」などと野党批判を展開。また、大阪の重症病床不足問題に話題が移ると、「ずっと吉村さん、とにかく必死に確保して220ちょっとまで確保できたんですが、ずっとこれ増えてないんですよ」「増やす権限を与えられていないなかで『増やせ』と言っても増えない」「政治だけではなく医療側にも原因・責任はある」と、今度は病院側に責任を転嫁してみせたのだ。

 ワクチンを確保できない菅政権の失態や、吉村知事が緊急事態宣言の解除に伴って重症病床を150床まで削減するよう要請していた問題は棚に上げ野党や病院に責任を押し付ける──。いつもの橋下氏のやり口とはいえ醜いにもほどがあるが、重要なのはここから。この橋下氏の話のすり替えに、坂本社長が切り込んでいったのだ。


■知事に強制権限がないからと言う橋下に「強制せんでも権限なくてもできる」と一蹴

 司会の松原耕二キャスターが大阪の坂本社長と中継をつなげると、「いまの議論を聞いてて、どうでしょう?」と話を振ったのだが、すると、坂本社長は開口一番、こう切り捨てたのだ。

アハハ(笑)。ようそんなアホみたいな議論してるなあ、いうところですねえ」
「ワクチンだって、僕ら普通、事業者やってたら健康診断するでしょ。義務付けられてるでしょ。それ1回ワクチンに変えたらええだけやし、学校なんて普通に身体測定あんねんからそれをワクチンに代えたらええだけやし。強制せんでもいいし、知事に権限もいらんと思うよ、そんなもんに」

 つまり、ワクチンがそもそも確保できていないのにその現状を無視して橋下氏が「歯科医や薬剤師に打たせろ!」と論点をずらしたことを、坂本社長は笑いながら「アホみたいな議論一刀両断したのだ。

 まったく鮮やかとしか言いようがないが、もちろん、これに橋下氏は、まだ坂本社長が喋っているのに「何言ってるかさっぱりわかんないですけどね(笑)。ワクチンがないというところからスタートしてるのに」などとカットインし、ムキになって喚き立てたのだ。ワクチンがないという問題をすっ飛ばして「歯科医や薬剤師に打たせろ」と言い出したのは橋下氏だったのに、である。

 しかし、勝手に話に割り込んで躍起になってまくし立てる橋下氏に対し、坂本社長は「歯医者さんに打たすとか、ワケのわからん議論してるほうがおかしいよねえ」と余裕の切り返し。当然、橋下氏は逆上したようにワーワーと激しく騒ぎつづけたが、一般市民の意見に元大阪市長という立場の人間が大人気もなく喚き立てるというのは、醜態以外の何物でもないだろう。

 しかも、坂本社長の鋭い指摘はその後もつづく。松原キャスターから「政治に求めることは?」と尋ねられた坂本社長は、「たとえば政府諮問機関におるアトキンソンさんかな。『中小企業、半分になったらええねんみたいなこと、いまだに言うてると。ってことは国は僕らを助けてくれへんのやというのはうっすらわかるよね。これって、政治に求めるんて、やっぱり信憑性やと思うんですよ」と語ると、こうつづけたのだ。

「たとえば『おばあちゃん、足痛いけど膝の手術こんな時期やから先延ばしにしてね』て言うてる知事の胸に『2025年万博』て書いてあると。これって、信憑性ないよね。やっぱり、ちょっと先のことよりいま我慢してって言う人が、先の万博の2025って(胸に)書いてあるのに、おばあちゃんの痛いのちょっと辛抱せえっていうのは、我々も同じ目に遭うてるわけで」
「少なくとも、身体が痛いおばあさんに手術を待ってもらう知事が、先の万博を胸にぶら下げてるっていうのは、僕、やっぱり納得がいかへんし、それって説得力があるやろか」
「いま、橋下さんの話で、コロナのことについて『学術会議が悪い』とか、そんな問題じゃないような気もするねん。やっぱり信憑性のある、きちんとした意見がほしいよね


■吉村知事にも「なにもしてない」「『マスクしてください』ってテレビCMで十分」

 まさしく直球ストレートの正論だろう。吉村知事は「急ぎでない手術や入院の延期」を病院に要請しているが、手術や入院は必要だからおこなうものであって、「急ぎでない」なんてものはほとんどない。このような命にもかかわりかねないことを府民に押し付けながら、EXPO2025」と書かれたワッペンを胸に付けているというのは、「いま万博の推進・宣伝をしている場合か」と言わざるを得ない。

 そして、そんな吉村知事や、国産ワクチンの開発が進まないことを日本学術会議のせいにした橋下氏の態度を、坂本社長は説得力がない」「納得できない」「信憑性がない批判したのである。

 さらに、松原キャスターから「大阪の感染状況が悪くなったことはどう見ますか?」と尋ねられた坂本社長は、「何もしてないもんとズバリ。またもぐうの音も出ない指摘をおこなった。

「はっきり言うたら、知事が『マスクしてください』『自重してください』『時間早く閉めてください』って、テレビコマーシャルで十分やからねえ。知事がやるべき仕事っていうのは、たとえば今回はイギリス型なんだからいち早く小中高、大学まで全員PCR検査したらいいじゃないですか。実態を掴むのが公の仕事であるはずやのに、もうずっとお願いベース? テレビCMのごとく同じことを繰り返し言うと。じゃあ何をしたのかっていうのがまったくないというのは、ちょっとつらいよね。だから拡がるんやと思うよ」

 だが、このド正論に対し、橋下氏は「『お願いします』しかできない法律になっているからですよ」「マスクを府民全員に着用させることも義務化・強制できないし、アクリル板の設置も強制できないし、PCR検査も、これは強制できないんですよ?」と抗弁。さらに“権限強化のためには法律が必要なのに、立憲などが「国民の自由の侵害だ」とか言う”などとまたも野党批判にすり替えたのだ。

 坂本社長の指摘は“検査で実態を掴むという仕事こそ首長の仕事ではないのか”というものだったのに、“知事に権限がない。法律がない。野党が悪い”と話をすり替える橋下氏……。たいていワイドショーなどではこの橋下論法によって議論が流され、すり替えられたまま終わるのだが、しかし、この番組はそうはならなかった。

 松原キャスターが「坂本さん、この議論聞いててどうですか?」と話を振ると、坂本社長は再び「いやあ、またアホな議論言うてるわと思うんやけど(笑)」と言い、こうつづけたのだ。

「あの、まず強制する・せえへんじゃなくね。たとえば僕がずうっと言うてるのは、学ばない(ということ)。こんなんはじめてのことなんやから、失敗するの当たり前やんか。たとえば、大阪で雨ガッパ集めた話をよくするじゃないですか。それを文句ばっかり言うんじゃなしに、集めすぎた雨ガッパを一言『集まりすぎた。すんまへんでした』と。『500円で買っておくんなはれ』と、雨降りのサッカー場や野球場行って、それをいま苦しい人に分け与えますよっていうようなことも、法律がなくてもできるはずやし。なんでもかんでも、大阪なんて専権・専決で決めよるわけやからね


■雨ガッパ問題をつっこまれ「雨ガッパは、だって、備蓄してるんでね」と言い張った橋下徹

 「法律がなくても大阪は専権・専決で決めよる」とは、まったくそのとおりだろう。いや、それどころか、コロナ禍で強行した「都構想」住民投票では「反対」という民意を叩きつけられたというのに、維新はその結果を骨抜きにする「広域一元化」条例を数の力で押し通した。そんなことを平気でやっておいて「権限がない」「法律がない」と言い訳するのは、道理が通らないだろう。

 だが、この坂本社長の正論に対し、橋下氏は信じられない一言を言い放ったのだ。

「雨ガッパは、だって、備蓄してるんでね」

 おいおい。雨ガッパはそもそも、感染者の急増で医療用防護服が足りなくなって府民に供出させたものだったではないか。しかも、その供出された雨ガッパはほとんど医療機関に届けられることはなかった。まさしく「思いつき」「場当たり的」な大阪のコロナ対応を象徴するもののひとつだが、それを橋下氏は「雨ガッパは備蓄してる」と言い張ったのである。

 まさしく「アホ」としか言いようがない強弁だが、このように、いかに橋下氏の話が詭弁にすぎないかを、坂本社長はことごとく明らかにしていったのだ。

 橋下氏のペースや詭弁に乗せられることなく市井の人びとの疑問や思いを代弁した坂本社長には拍手を送りたいが、逆に、その存在で浮き彫りになるのが、他のメディア、テレビ番組のだらしなさだ

 どうして橋下氏にツッコミを入れず、その主張を垂れ流しにさせているのか性懲りもなく橋下氏を言いっぱなしにさせ、その無茶苦茶な主張にツッコミのひとつも入れられないワイドショーの司会者やコメンテーターたちに坂本社長の爪の垢を煎じて飲ませたいものだ

(編集部)
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