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●“働く”とは何か? 中村哲さん《唯一の譲れぬ一線は、『現地の人々の立場に立ち、現地の文化や価値観を尊重し、現地のために働くこと』である》

2025年03月24日 00時00分12秒 | Weblog

(20250130[])
中村哲さん、《現地の慣習や風土、文化を尊重…平和主義を貫いた医師の理念》。《私たちに確乎とした援助哲学があるわけではないが、唯一の譲れぬ一線は、『現地の人々の立場に立ち、現地の文化や価値観を尊重し、現地のために働くこと』である。》

   『●NGO「ペシャワール会」の中村哲さんが亡くなる…《平和憲法の
          もとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった》
    「NGO「ペシャワール会」の中村哲さんが亡くなる…
     《平和憲法のもとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった》。
     《「治安を良くするのは武力ではない」という先生の志を、
     絶やしてはいけない》」

   『●《現地の慣習や風土、文化を尊重…平和主義を貫いた医師の理念》
       《治安が悪化しても人々を見捨てず、見下すこともなかった》
    《「すべて剣をとるものは剣にて滅ぶ」。伊江島の土地闘争のリーダー、
     故・阿波根昌鴻さんが反戦平和資料館ヌチドゥタカラの家の前に
     掲げた言葉だ…▼阿波根さんの生き方は、非政府組織(NGO)
     「ペシャワール会」代表の中村哲さんに重なる。
     「非暴力による平和の貢献として沖縄県民が認めてくれた
     「暴力によって立つ者が暴力によって滅びることは、
     人類史上の鉄則である」》

   『●アベ様の「積極的平和主義」とガルトゥング博士の
      「積極的平和主義」と中村哲さんが実践してきた「平和主義」と
   『●軍事費倍増、43兆円…バカげている ――― 中村哲さん「治安を良く
      するのは武力ではない」、《武器で平和つくれない》を思い出そう
   『●「平和学の父」ガルトゥング氏は《貧困や差別などのない社会状況を「積極
      的平和」と定義》し、戦争法のアベ様が掲げた「積極的平和主義」を批判
   『●戦闘機輸出でゼニを稼ごうという卑しい国に成り下がり、随分と落ちぶれた
        ものだなニッポン…中村哲さん「治安を良くするのは武力ではない」
   『●中村哲さんが卒業した九州大学の学生団体「哲縁会」、D4Pの安田菜津紀さん
       と《「良心をつなぐ仕事とは」故・中村哲さんの志を大学生と考える》
    「D4Pの安田菜津紀さん《「これは役割分担なんですよ」という
     言葉を、現地で支援する方からいただいたことがあったんですね》
     …ブログ主自身を振り返り、何の《役割分担》を担っているのか、
     何か自己嫌悪に陥ってしまう…。《葛藤》を抱えてしまう」

 違憲に壊憲。軍事費倍増。我々の税金で、(オンボロな) 武器を買い漁る。明らかに違憲です。明確に平和憲法に反する。戦闘機輸出でゼニを稼ごうという卑しい国に成り下がり、随分と落ちぶれたものだなニッポン。大愚行。中村哲さん「治安を良くするのは武力ではない」。《中村哲は、07年に東洋経済に「殺しながら助ける支援というものがありうるのか干渉せず、生命を尊ぶ協力こそが、対立を和らげ、武力以上の現実的な安全保障になることがある。これまで現地が親日的であった歴史的根拠の一つは、戦後日本が他国の紛争に軍事介入しなかったことにあった」と寄稿…政府には人道支援についても中村の遺志を継ぐ積極的評価をしてもらいたい》(政界地獄耳)。《暴力によって立つ者が暴力によって滅びることは、人類史上の鉄則である》《平和憲法のもとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった》《治安を良くするのは武力ではない》。日本は、平和主義を貫くべきだ。ガルトゥング博士の「積極的平和主義」に徹するべきだ。人の親として、子や孫をそんなに〝人殺し〟に行かせたいものか?

 さて、《今一度、人は何のために働くのか仕事とは何かという本質的な問いを考えよう》。



【「医師 中村哲の仕事・働くということ」予告編】
 (https://youtu.be/bOSDk1o98ik
《アフガニスタンとパキスタンで、病や戦乱、そして干ばつに苦しむ人々のために35年にわたり活動を続けた医師・中村哲。自身の活動について、こう記している。「私たちに確乎とした援助哲学があるわけではないが、唯一の譲れぬ一線は、『現地の人々の立場に立ち、現地の文化や価値観を尊重し、現地のために働くこと』である。」(中村哲『医者、用水路を拓く』)
 生涯をかけて、現地の人々と共に、現地の人々のために働いた中村哲医師。その軌跡を通し、“働くとは何かを考える。》



【緑の谷の奇跡~中村哲と9条(西谷文和×佐高信)【The Burning Issues】20240419】
 (https://www.youtube.com/watch?v=0VkwRkVby1o
《デモクラシータイムス》
平和をつくるものはなにか、アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲医師の活動を振り返り9条を考えます。
 西谷さんが撮影した生前の中村さんの姿や中村さんと地元の人々の手で見渡す限りの砂漠地が緑の大地になった変化を映像で確認しながら、平和をつくりだすものは何かを語り合います。いま、緑の大地は、1万6500ヘクタール超、山手線の内側の広さの2.5倍を超えているとのことです。
 軍隊で平和な暮らしは生み出せるのか人々がその地で豊かに暮らせるようにすることこそが大事ではないかと、ぼそぼそと語り丸腰でひょうひょうと生きる姿で中村さんは私たちに教えてくれたのではないでしょうか。
 「政府の仕事は二つあります一つは国民を飢えさせないこともう一つは絶対に戦争をしないこと」と言った菅原文太さんを思い出しました。みなさまは、憲法記念日に何を思われましたか。》


 長周新聞の記事【映画『医師 中村哲の仕事・働くということ』 1月に山口県内の岩国市、下関市、光市で上映会 ワーカーズコープが主催】(https://www.chosyu-journal.jp/kyoikubunka/33559)によると、《中村哲医師の軌跡を通して、今一度、人は何のために働くのか仕事とは何かという本質的な問いを考えようという上映会となる。ワーカーズコープは、雇う雇われるという関係ではなく働く一人ひとりが出資して経営にも参加し、福祉や子育て、公共サービスといった社会に役立つ仕事にとりくむ団体だ。1本の用水路が人々の希望をつないだように、当事者とともに仕事をおこして地域課題を解決していくこと、「協同労働がみなさんをつなぐ」という理念で活動する》。

   『●働くとは何か? 生業とは?
   『●「報われない国」の労働環境の「質」の劣化
   『●働くとは何か? 死ぬために働く……
   『●「利益率の向上」だけのために働かされる……
   『●企業の貯金250兆と「働くとは何か?」
   『●「長時間労働を前提にした企業文化」… 
     ニッポンの哀しい「文化」…働くとは何か? 生業とは?
   『●働くとは何か?: 「社員は「定額使い放題」へ」
    《監督の土屋トカチ氏が言う。
    「一部の企業は、『労働法を守っていたら企業活動できない』と
     平気で言います。『今の憲法ができる前から店やってるんだから、
     そんな法律に縛られないよ』なんて開き直るケースもある。
     長時間労働は日本企業なら当たり前でした。かつても同じように
     法律違反をしていたのです。でも、頑張った分だけ昇給できたので
     救われていた。今は、そうじゃない。働きに見合う報酬
     得られなくなっているだけに悲惨なのです」…
    「離職率や研修内容、過労死を出しているかといった情報は、
     ネットや過去の記事で簡単に知ることができます。アットホームを
     売りにしているのも怪しい。土日集合でボランティアを強制なんて例も
     あります。『年俸制』とうたいモチベーションを上げさせる企業もありますが、
     新鮮な言葉には注意が必要です」》
     (2013年06月14日)

   『●「残業代ゼロ法案」: お零れが滴り落ちてくるどころか、
               対象が下へ下へと『トリクルダウン』
   『●アベ様の「「岩盤規制に穴を開ける」「大改革」なる言葉に
         もう騙されてはいけない」…何度騙されりゃぁ…
   『●竹信三恵子さん《声をあげない限りどんどんやられていく。
            …ニーメラーの警告を無視してはいけない》
    「レイバーネットの土屋トカチさんの記事【ニーメラーの警告を
     無視してはいけない〜「関西生コンを支援する会」結成される】」
     (2019年04月30日)

   『●木下昌明さん《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。
     しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない》
    【木下昌明の映画の部屋 第261回 : ケン・ローチ監督
     『家族を想うとき』 労働は人間をダメにする】
     《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。しかし、
     働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない
     では、見なければいいかというと、いや、だからこそ
     見てほしいといいたい》《よく「労働は人間を育てる」
     といわれるが、逆に労働は人間をダメにすることもある
     のだ。それが個人事業主のシステムであるグローバル経済の
     もと、働くものはもの言えぬ奇怪な道具と化す
     (2020年01月19日)

   『●《映画批評や社会活動をしてきた》木下昌明さん…《あるところで
     「映画アクティビスト」と紹介…本人はとても気に入っていました》
     (2020年12月18日)

   『●《映画批評や社会活動をしてきた》「映画アクティビスト」木下昌明さん
        …《資本主義は人の命を食い物にしなければ生き延びられない》
     (2021年03月03日)

   『●《「殺人オリンピック」「強行派は死の商人」「バカの祭典」といった
       ハッシュタグが次々と…中でもしっくりきたのが「パソナ五輪」》
    (マガジン9)【雨宮処凛がゆく! 第561回:
     「普通の生活がしたい」という悲鳴。の巻】
     《「普通の生活がしたいです」 最近、そんな言葉を耳にする
     機会が増えた。…普通の生活。それがどんなものかと聞くと、
     「普通に帰れる場所がある生活」「布団で寝れること
     「普通にご飯を食べられること」「時間を気にせずいられる家が
     ある生活」「外で寝ないでいい日々」なんて答えが返ってくる。
     多くが若い世代から発されている。彼ら彼女らの望む
     「普通の生活」があまりにもささやかなものであることに、
     いつもショックを受けるこの国では、こんなことすら実現できて
     いない人たちが多くいる。「普通の生活がしたい」。そんな
     あまりにささやかな願望を聞くたびに思い出す映画がある。
     土屋トカチさんの『フツーの仕事がしたい』だ。…最近聞いた
     言葉の中には、「週に一度でいいから普通のご飯を食べたい
     というものもあった。若者に「普通の生活がしたい」と言わせて
     しまう国は、どこかが完全に終わっていると言っていい
     そんなこの国で、オリンピックが開かれようとしている
     (2021年06月29日)

   『●PARC製作『Amazon配達員――送料無料の裏で』(土屋トカチ監督)…《「…
     “送料無料”の裏側で起こっている労働実態」に迫ったドキュメンタリー》

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https://www.chosyu-journal.jp/kyoikubunka/33559

映画『医師 中村哲の仕事・働くということ』 1月に山口県内の岩国市、下関市、光市で上映会 ワーカーズコープが主催
2025年1月19日

 ドキュメンタリー映画『医師 中村哲の仕事・働くということ』(47分)の上映会が1月24日(金)、25日(土)、26日(日)の3日間、山口県内の岩国市、下関市、光市で連続して開かれる。この映画は、日本労働者協同組合ワーカーズコープ)が作成したものだ。中村哲医師の生き方、働き方に強く共鳴し、21年の歳月をかけて中村医師を約1000時間記録してきた日本の電波ニュース社に依頼して“働くこと”と“仕事観”に焦点をあてて製作された。2022年に公開されて以降、東北から沖縄まですでに300カ所で自主上映会が開かれており、このたび初めて山口県内で上映会が催される。

 中村哲医師は1984年に医療支援をスタートし、その活動は35年にわたった。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを契機に、アメリカがアフガニスタンの空爆を開始し、大干ばつと戦乱のなかで栄養失調と感染症で多くの子どもの命が奪われた。中村医師は「医者を100人連れてくるより、水路1本が人々の命と暮らしを守ることになる」と考え、2023年から水路建設が始まった。現地の人たちの力に依拠し、中村医師も人々とともに働いた。着工から7年でガンベリ砂漠に到達し、総延長は25㌔㍍となり、干ばつによって荒れ果てた大地は、恵み豊かな大地へと姿を変え65万人の命を支えている

 映画は、中村医師が残した言葉をいくつか紹介している。

 「己がなんのために生きているかと問うことは徒労である。人は人のために働いて支え合い、人のために死ぬ。そこに生じる喜怒哀楽に翻弄されながらも結局はそれ以上でもそれ以下でもない」――もその一つだ。

 中村哲医師の軌跡を通して、今一度、人は何のために働くのか仕事とは何かという本質的な問いを考えようという上映会となる。ワーカーズコープは、雇う雇われるという関係ではなく働く一人ひとりが出資して経営にも参加し、福祉や子育て、公共サービスといった社会に役立つ仕事にとりくむ団体だ。1本の用水路が人々の希望をつないだように、当事者とともに仕事をおこして地域課題を解決していくこと、「協同労働がみなさんをつなぐ」という理念で活動する。


下関の主催メンバーに聞く

 下関市の上映会に関わるワーカーズコープのメンバーで下関市金比羅町の「下関地域福祉事業所・きしゃぽっぽ」(児童発達支援事業、放課後等デイサービス事業)所長の女性は、「こんな時代だからこそぜひ中村哲さんの映画を観て欲しい。とくに若い人たちや医療関係者などに見て欲しい」と語る。

 女性が所長を務める「下関地域福祉事業所・きしゃぽっぽ」は、障がいを抱えた子どもたちが放課後や長期休業中などに過ごせる場所で、療育専門家も定期的に通って勉強ができる放課後の塾のような機能も果たしている。きっかけは17年前。ダウン症の子どもを連れて地元下関に帰ってきた女性が、障がいを持つ子どもの放課後や休日に預ける場所がない現実に直面し、「預ける場所がないなら自分でやろう」と立ち上がり、ワーカーズコープの力も借りて開所につながった。

 「天職と思っていた看護師を辞めなければならない怒り、学童保育はあるのに、障がいを持つ子どもを放課後に預ける場所がない不条理に対して、当時は怒りがパワーとなって施設を立ち上げた」とふり返る。

 障がいをもつ子どもだけではなく、家族やそれを支える地域がないと、誰もが安心して生きていける社会はつくることはできないことを痛切に感じる日々だという。「地域の子どもたちや社会のために何かしたいなと思っているけど、何をすればいいかわからないという人が多いと思う。そんな一人一人が持っている力が活かされる社会になってほしい。この映画上映会が何かのきっかけになれば」と語り、多くの人の参加を呼びかけている。

 上映会の日程は以下の通り。………
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●PARC製作『Amazon配達員――送料無料の裏で』(土屋トカチ監督)…《「…“送料無料”の裏側で起こっている労働実態」に迫ったドキュメンタリー》

2024年12月30日 00時00分14秒 | Weblog

[※ 「日本だけ賃下げ」(週刊金曜日 1353号、2022年01月21日) ↑]


(2024年12月14日[土])
アリ地獄天国』『フツーの仕事がしたい』。
 木下昌明さん《わたしは土屋トカチのドキュメンタリー『アリ地獄天国』を思い出す。ここでは一人の青年が車両事故を起こして会社から弁償金を要求された。青年は個人事業主でなく、会社の従業員であるが、それでも組合がなくてはたたかえないので、1人でも入れる組合に参加して、会社に自らの主張を貫いて勝利をかちとった。このケースをみると、働くものはまず組合に入ることがいかに大切かが教えられる。それによってはじめて会社と対抗できるからだ。それでなければ、いいようにこき使われて放り出されるだけだ。個人事業主もしかり。かれは裸にされた“労働者”でしかない。よく「労働は人間を育てる」といわれるが、逆に労働は人間をダメにすることもあるのだ。それが個人事業主のシステムであるグローバル経済のもと、働くものはもの言えぬ奇怪な道具と化す》。

 長周新聞の映画評【映像作品『Amazon配達員――送料無料の裏で』(土屋トカチ監督) PARCが完成記念上映会&DVD発売】(https://www.chosyu-journal.jp/review/33060)、《アジア太平洋資料センターPARC)が製作した映像作品『Amazon配達員――送料無料の裏で』(土屋トカチ監督)の完成記念上映会が11月20日に東京で開かれた。この映画はクラウドファンディングで資金を集めて製作された。インターネットでモノやサービスを購入することがあたりまえになっているなか、「“ポチッ”とした商品が人々の手元に届く最後の道のりはどうなっているのか、“送料無料”の裏側で起こっている労働実態」に迫ったドキュメンタリーだ。作品上映後には、作品に登場したドライバーやアマゾン配達員弁護団の弁護士や労働ジャーナリストによるクロストークもおこなわれた》。

   『●働くとは何か? 生業とは?
   『●「報われない国」の労働環境の「質」の劣化
   『●働くとは何か? 死ぬために働く……
   『●「利益率の向上」だけのために働かされる……
   『●企業の貯金250兆と「働くとは何か?」
   『●「長時間労働を前提にした企業文化」… 
     ニッポンの哀しい「文化」…働くとは何か? 生業とは?
   『●働くとは何か?: 「社員は「定額使い放題」へ」
    《監督の土屋トカチ氏が言う。
    「一部の企業は、『労働法を守っていたら企業活動できない』と
     平気で言います。『今の憲法ができる前から店やってるんだから、
     そんな法律に縛られないよ』なんて開き直るケースもある。
     長時間労働は日本企業なら当たり前でした。かつても同じように
     法律違反をしていたのです。でも、頑張った分だけ昇給できたので
     救われていた。今は、そうじゃない。働きに見合う報酬
     得られなくなっているだけに悲惨なのです」…
    「離職率や研修内容、過労死を出しているかといった情報は、
     ネットや過去の記事で簡単に知ることができます。アットホームを
     売りにしているのも怪しい。土日集合でボランティアを強制なんて例も
     あります。『年俸制』とうたいモチベーションを上げさせる企業もありますが、
     新鮮な言葉には注意が必要です」》
     (2013年06月14日)

   『●「残業代ゼロ法案」: お零れが滴り落ちてくるどころか、
               対象が下へ下へと『トリクルダウン』
   『●アベ様の「「岩盤規制に穴を開ける」「大改革」なる言葉に
         もう騙されてはいけない」…何度騙されりゃぁ…
   『●竹信三恵子さん《声をあげない限りどんどんやられていく。
            …ニーメラーの警告を無視してはいけない》
    「レイバーネットの土屋トカチさんの記事【ニーメラーの警告を
     無視してはいけない〜「関西生コンを支援する会」結成される】」
     (2019年04月30日)

   『●木下昌明さん《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。
     しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない》
    【木下昌明の映画の部屋 第261回 : ケン・ローチ監督
     『家族を想うとき』 労働は人間をダメにする】
     《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。しかし、
     働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない
     では、見なければいいかというと、いや、だからこそ
     見てほしいといいたい》《よく「労働は人間を育てる」
     といわれるが、逆に労働は人間をダメにすることもある
     のだ。それが個人事業主のシステムであるグローバル経済の
     もと、働くものはもの言えぬ奇怪な道具と化す
     (2020年01月19日)

   『●《映画批評や社会活動をしてきた》木下昌明さん…《あるところで
     「映画アクティビスト」と紹介…本人はとても気に入っていました》
     (2020年12月18日)

   『●《映画批評や社会活動をしてきた》「映画アクティビスト」木下昌明さん
        …《資本主義は人の命を食い物にしなければ生き延びられない》
     (2021年03月03日)

   『●《「殺人オリンピック」「強行派は死の商人」「バカの祭典」といった
       ハッシュタグが次々と…中でもしっくりきたのが「パソナ五輪」》
    (マガジン9)【雨宮処凛がゆく! 第561回:
     「普通の生活がしたい」という悲鳴。の巻】
     《「普通の生活がしたいです」 最近、そんな言葉を耳にする
     機会が増えた。…普通の生活。それがどんなものかと聞くと、
     「普通に帰れる場所がある生活」「布団で寝れること
     「普通にご飯を食べられること」「時間を気にせずいられる家が
     ある生活」「外で寝ないでいい日々」なんて答えが返ってくる。
     多くが若い世代から発されている。彼ら彼女らの望む
     「普通の生活」があまりにもささやかなものであることに、
     いつもショックを受けるこの国では、こんなことすら実現できて
     いない人たちが多くいる。「普通の生活がしたい」。そんな
     あまりにささやかな願望を聞くたびに思い出す映画がある。
     土屋トカチさんの『フツーの仕事がしたい』だ。…最近聞いた
     言葉の中には、「週に一度でいいから普通のご飯を食べたい
     というものもあった。若者に「普通の生活がしたい」と言わせて
     しまう国は、どこかが完全に終わっていると言っていい
     そんなこの国で、オリンピックが開かれようとしている
     (2021年06月29日)

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https://www.chosyu-journal.jp/review/33060

映像作品『Amazon配達員――送料無料の裏で』(土屋トカチ監督) PARCが完成記念上映会&DVD発売
書評・テレビ評 2024年12月12日
(2024年11月25日付掲載)

     (ドキュメンタリー映像作品
      『Amazon配達員:送料無料の裏で』(PARC製作))

 アジア太平洋資料センターPARC)が製作した映像作品『Amazon配達員――送料無料の裏で』(土屋トカチ監督)の完成記念上映会が11月20日に東京で開かれた。この映画はクラウドファンディングで資金を集めて製作された。インターネットでモノやサービスを購入することがあたりまえになっているなか、「“ポチッ”とした商品が人々の手元に届く最後の道のりはどうなっているのか、“送料無料”の裏側で起こっている労働実態」に迫ったドキュメンタリーだ。作品上映後には、作品に登場したドライバーやアマゾン配達員弁護団の弁護士や労働ジャーナリストによるクロストークもおこなわれた。


アマゾン配達員が労組結成

 アマゾンの商品を運搬するのは、大手運送会社のほか、アマゾンが独自につくりあげた配送網で運ばれる。そこで利用者に商品を届ける最後の行程を担っているのがフリーランスで業務委託契約をする個人事業主だ。ところが個人事業主という契約を理由に、残業代や各種手当もなく、事故にあっても労災保険などが受けられない。そんななかで、あまりにも理不尽で人間扱いされない労働実態に対して、2022年に「愚痴ばかりではなく、自分たちで動いて変えよう」と横須賀と長崎で個人事業主のドライバーたちが労働組合を結成した。

 横須賀市の個人事業主ドライバーは、1日1万9000円で働いている。配達員はアマゾンのAIアプリ「ラビット」が荷物の量を示し、アプリが効率的配送ルートを割り出す。フリーランスといいながら、「まるでAIが上司」になっているのだ。かつては1日100個配送だったが、アプリシステムが導入されてからは、荷物の量は260個と3倍近くに増えたトイレに行く時間も食事をする時間もとれない。夏場などは飲料水の大量注文が増えて、2㍑のペットボトル9本が入った段ボールは、1個18㌔をこえる。それを山の上の方や階段を上って何度も運ぶのは重労働だ。「以前、30㌔の“マットレス”があり、箱にはチームリフトとあった。運ぶのに2人必要なのに、その荷物が個人事業主の軽バンに回ってくる」と実態を語る。日当は1日1万9000円というが車両代、スマホ、通信料、ガソリン、車両保険料などは自己負担だ。

 別の女性配達ドライバーは、「フリーランスは経験値やスキルによって、働いた分だけお金が入るのが普通だが、私たちは日当が決まっていて時間も拘束されている。日当1万9000円からガソリン代をひくと1万4000円、それを労働時間で割ると時給は安いし、計算すると荷物1個67円で配っていた」と語っている。重量がある荷物もあるため毎日コルセットをしながら配達しているという。「毎朝、アプリを立ち上げるのが不安」というドライバーの言葉が象徴的だった。

 長崎市は街の地形上、車が進入できない狭い道に家々が建ち並ぶが、飲料水などの20㌔近い商品を持って100段200段の階段をのぼらなければいけない。日当は1万4500円で、そこからガソリン代を引くと1万1000円程度で、荷物1個あたり60~70円にしかならない。

 こうした労働実態を変えようと、2022年は横須賀と長崎でアマゾン配達員による組合が結成された。しかしアマゾンは、フリーランス(個人事業主)は個人で契約していることを理由に、労働者としての法的な保護をしない。そのためケガを負っても治療費や生活保障もない。だが実態は、ドライバーはアマゾンアプリ「ラビット」に配達量も決められ指揮命令下にあり、アマゾンの労働者として保護せよと要求している。

 今年3月には長崎市のドライバーが不当な契約打ち切りに対しストライキも決行した。10月に建てられたデリバリーステーションでドライバーがトイレを借りようとしたら、「ドライバーへのトイレ貸出は禁止」という驚くような扱いを受けたという証言も紹介された。

 2020年以降、世界中でアマゾン労働者の運動が高まっている。6年前にイタリアのアマゾン労働者がブラックフライデーに合わせてストライキをうったのを契機に、欧州各国で倉庫労働者がストライキをおこない待遇改善を求めてたたかい、全世界で妨害をはねのけながら運動が広がっている。クロストークに登壇した個人事業主の男性は、「組合を結成したのは、荷量の増加が大きい。いつも“今日何個ある?”というのがドライバー同士で話題になって愚痴ばかりをいっていたが、動いて変えようということで意見が一致した。組合の全国化をめざしてたたかっていきたい」と語った。また労働ジャーナリストの男性は、「日本でアマゾン労働者が頑張っていること、そして世界のアマゾン労働者がたたかっている動きを日本に伝えたい。力を結集しなければこの問題の多い会社に立ち向かえない」と労働者のたたかいの意義を語った。

 11月29日にはアマゾンのセールイベント「ブラックフライデー」に合わせて、世界中で一斉にアマゾン労働者による国際キャンペーン「Make Amazon Pay」の行動がおこなわれた。日本でも同日、アマゾンジャパン合同会社(東京都目黒)前で配達員の労働環境の改善を求める要請行動がおこなわれた。

 この作品は12月上旬にDVD化された。(購入はPARC公式サイト
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●《「殺人オリンピック」「強行派は死の商人」「バカの祭典」といったハッシュタグが次々と…中でもしっくりきたのが「パソナ五輪」》

2021年06月29日 00時00分01秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278353)↑]


(20210620[])
日刊ゲンダイの二つのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/惨事便乗型ビジネスの草刈り場と化した「パソナ五輪」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290413)と、
斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/涙も枯れてきた 五輪強行ニッポンにあふれる「安っぽさ」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290573)。

 《ツイッター上には「殺人オリンピック」「強行派は死の商人」「バカの祭典」といったハッシュタグが次々と立ったが、中でもしっくりきたのが「パソナ五輪」である。五輪スポンサー企業のパソナ会長で政商の竹中平蔵はテレビ番組で、五輪開催に懸念を示した政府分科会の尾身茂会長を批判。》
 《各地で強行続きの聖火リレーの現場では、中学生ランナーの服や靴をスポンサー企業製品に限定させたり、他社の自販機に幕をかぶせたりしていると聞く。植民地根性も極まれり。安さ大爆発。もう涙も出ない。五輪など廃絶すべきである。》

   『●一人PDCAサイクル「なんでも金、金、金」の竹中平蔵氏…
                「自分でルールを作り、自分が儲けたわけな」
   『●独裁をサポートさせるための《安倍政権の「未来投資会議」を解体し、
      菅政権が新たに始動》した「成長戦略会議」…その面子の悍ましさ
   『●《「パソナ」の純利益が前年の10倍以上》―― カネカネカネの金
     (カネ)色の五つの輪に便乗して、アサマシき「なんでも金、金、金」…
   『●《竹中氏がこんなむちゃくちゃな論理を言い張ってまで、五輪を開催させ
      ようとしているのは、自分がその利権に関係しているから》(リテラ)

 #パソナ五輪一人PDCAサイクル=《自分が関わったところで自分が利益を得るという構図》…学商がまだのさばっている、このニッポンは…。《竹中氏がこんなむちゃくちゃな論理を言い張ってまで、五輪を開催させようとしているのは、自分がその利権に関係しているからだろう》。
 《もはやギャグか? YouTubeで「既得権者は利益を受けるが、国民は高いコスト払わされる」》! 《「国民の敵」「既得権益」「一部マスコミの癒着」》って誰のこと? 「利益誘導・利益相反」している学商は? 《小泉政権時代以降、安倍政権、そして菅政権にいたる20年。一部の既得権益者に利益が集中し、国民が高いコストを払わされるシステムをつくってきたのは》? 《自分の立場を利用して、政権に利益相反を疑われるような提言をたびたびおこない、自分の関係会社を政府の様々なプロジェクトにかかわらせ、暴利を貪ってきた》のは?
 《竹中氏こそが「最大の既得権益者」》。《絵に描いたような惨事便乗型ビジネスである》。

   『●《私たちの艱難辛苦は、ひとえに五輪で巨万の富を得る貴族らとグローバルと
         巨大資本、その走狗たる日本の傀儡権力のために捧げられるのだ》
   『●PCR検査抑制論者の皆さんの沈黙 ――「検査の能力あるんですか?
          仮にあるとして、じゃあ一般の感染者の検査どうするんですか?」
   『●カネカネカネの五輪貴族「菅首相が中止を求めても開催される」
     「アルマゲドン(人類滅亡)が起きない限り、東京五輪は開催される」

 カースー独裁政権、自公お維の《卑人間》に呆れる。

   『●木下昌明さん《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。
     しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない》

 #救える命が救えていない。ニッポンの市民は置き去り、見殺し。「普通の…」が満たされない世の中で、おぞましいほどカネにまみれた五輪金にまつわる薄汚い五輪ぼったくり男爵五輪貴族によるばかの祭典パソナ五輪とはね。
 マガジン9のコラム【雨宮処凛がゆく! 第561回:「普通の生活がしたい」という悲鳴。の巻】(https://maga9.jp/210616-1/)によると、《「普通の生活がしたいです」 最近、そんな言葉を耳にする機会が増えた。コロナによって失業したり、住まいを失ったりした人の相談に乗る際に聞く言葉だ。日々支援団体に寄せられるSOSメールにもそんな言葉が目立つ。普通の生活。それがどんなものかと聞くと、普通に帰れる場所がある生活」「布団で寝れること」「普通にご飯を食べられること」「時間を気にせずいられる家がある生活」「外で寝ないでいい日々なんて答えが返ってくる。多くが若い世代から発されている。彼ら彼女らの望む「普通の生活」があまりにもささやかなものであることに、いつもショックを受けるこの国では、こんなことすら実現できていない人たちが多くいる。「普通の生活がしたい」。そんなあまりにささやかな願望を聞くたびに思い出す映画がある。土屋トカチさんの『フツーの仕事がしたい』だ。先月、5月の自殺者はわずかひと月で1745人。女性の自殺者は前年同月比で2割以上増えた。最近聞いた言葉の中には、「週に一度でいいから普通のご飯を食べたい」というものもあった。若者に「普通の生活がしたい」と言わせてしまう国は、どこかが完全に終わっていると言っていいそんなこの国で、オリンピックが開かれようとしている》。

 カネカネカネの金(カネ)色の五つの輪という首相の個人的な社会実験を強行…恐怖でしかない。
 【室井佑月「理不尽な博打」】(https://dot.asahi.com/wa/2021061600008.html)によると、《ぜんぜん質問に答えてない。世界中が新型コロナウイルスで大変なときに、祭典をやる意味が「希望と勇気を届ける」? 逼迫(ひっぱく)している医療体制をさらに逼迫させようとする行為のどこが平和な行為? 世界中に勇気と希望を届ける? 東京五輪で変異株が出来て、世界に恐怖を届けることになるやもしれんメディアもメディアだ。何回おなじ質問をしても、首相は壊れたレコードみたいにおなじ答えを返す。それを見越し、なぜ突っ込んだことをいわない? 「コロナ禍が拡大し惨事になった場合、責任は誰がどう取るんですかね?」「やろうとしていることは世界平和とは真逆なんじゃないんですか?」「国民にとって、自分の命や健康と、政府が東京五輪で与えられるという勇気と希望、どっちが重いものだと思います?」「スポーツの力でコロナと戦えるんですか? たとえば五輪観戦すると、コロナにかかっても軽症で済むとか?」という嫌みでもいい。…普通に考えて、有り得ない。2週間あまりのスポーツのお祭りと、あたしたちの命と健康が天秤(てんびん)にかけられていいわけがない。今、政府がやってることはそれを担保にした博打(ばくち)なのだ。で勝ったら自分らの手柄、負けたら1億総懺悔(ざんげ)にしようとしてる。その博打、あたしたちには理不尽すぎる。勝手に強制参加になってしまうのが辛い。五輪反対の人に対し、意味がわからないといってる人がいるけど、馬鹿をいうな、おまえらのいってることこそ意味がわからないっつーの。》
 一体何のために、カネカネカネの金(カネ)色の五つの輪を強行する意義は? いまだに、見いだせない、アンダーコントロールなウソ吐き誘致、ウラアリなオ・モ・テ・ナ・シ以来ずっと。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290413

適菜収 作家
近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

それでもバカとは戦え
惨事便乗型ビジネスの草刈り場と化した「パソナ五輪」
公開日:2021/06/12 06:00 更新日:2021/06/12 06:00

     (確かに“パソナ五輪”(菅首相と竹中平蔵氏=2009年)
                     /(C)日刊ゲンダイ)

 ここまで嫌がられるオリンピックも珍しい。国民の8割が開催に反対し、世界中から危険を指摘する声が上がっている。賛成しているのは莫大な利権が転がり込んでくる国際オリンピック委員会(IOC)と、そのおこぼれにあずかる連中くらいだ

 五輪を強行すれば新型コロナウイルスの感染は拡大するし、人流により変異株の“東京五輪株”が発生する可能性もある。

 ツイッター上には「殺人オリンピック」「強行派は死の商人」「バカの祭典」といったハッシュタグが次々と立ったが、中でもしっくりきたのが「パソナ五輪」である。

 五輪スポンサー企業のパソナ会長で政商の竹中平蔵はテレビ番組で、五輪開催に懸念を示した政府分科会の尾身茂会長を批判。

「明らかに越権」「本当にエビデンスがないと私も思いますけど、人流を止めればいいんだとか、なってるでしょ」「分科会がまた変なことを言う可能性がある。社会的になんか専門家だと思われてるから」

 一体何様のつもりか? 尾身会長は感染症の世界的権威である。西太平洋地域においてポリオの根絶を達成し、これまで多くの命を救ってきた。一方、竹中がやってきたのは国に寄生し、私腹を肥やしてきたことくらいせいぜい「中抜き」の専門家である

 今期パソナが純利益1000%増という収益を上げたのも、新型コロナとオリンピック関連の国の事業で焼け太りしたからだ。

 五輪組織委はパソナ以外から人材派遣サービスを受ける場合、その旨、書面で承諾を受けないといけない契約になっている。また、竹中はワクチン大規模接種センター(東京)の予約システムを手掛けたマーソ社の経営顧問にもなっていた。

 この30年以上にわたり竹中は政界で構造改革をそそのかし、その利権でボロ儲けしてきた結果、国は大きく傾いた

 「世論はしょっちゅう間違っている」という竹中の主張は正しい。五輪は中止の一択しかないし、構造改革を支持してきた世論も間違っているとしか言いようがない。

 竹中が言っていることは、泥棒が「家に鍵をかけるな」と言うのと同じ。これからが本格的な稼ぎ時なんだから邪魔するなと。絵に描いたような惨事便乗型ビジネスである
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290573

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
涙も枯れてきた 五輪強行ニッポンにあふれる「安っぽさ」
公開日:2021/06/16 06:00 更新日:2021/06/16 06:00

     (平井卓也デジタル改革担当相(C)日刊ゲンダイ)

 新書「安いニッポン」(日本経済新聞出版)が売れている。バブル期には“世界一高い”のが問題とされた日本の物価も賃金も、今や最低レベルに成り下がった衰退ぶりを、日経の中藤玲記者が活写した。

 「安い」のは、だが経済だけの話ではない。直近だと東京五輪の観客用健康管理アプリの発注先について、「ぐちぐち言ったら完全に干すから。一発、遠藤のおっちゃん(信博・NEC会長)あたりを脅しておいたほうがいいよ」などと部下に指示していた事実が明らかになった平井卓也デジタル担当相あたりが好例だ。

 公開された音声データも聞いたが、この安っぽさは尋常ではない。C級Vシネマに出てきそうな、三下中の三下のどチンピラが、カタギ相手にイキがる醜怪と言うべきか。

 どチンピラは、しかしこの国の、あろうことか市民を監視し、権力や巨大資本が都合よく操る政府IT部門の胴元なのである。デジタル庁創設をめぐる昨年10月のオンライン意見交換会でも、彼は今後、「マイナンバーカードを持たなければ生きていけない世界になる」と吐いていた。“お上に平伏しないヤツは生きられなくしてやる”の意であることは言うまでもない。

 ところで、アベ、スガの両政権と、これに近い人々は、東京五輪を中止したら、「世界に笑われる」と主張してきた。海外メディアの多くが中止を求めている現実と照らせば奇異にも映るが、彼らの言う「世界」は支配層のみを指し、五輪で増殖する東京変異株を感染させられていく一般市民は視野の外なので、念のため。

 なるほど戦争や植民地支配を重ねてきた元凶や、その末裔らにとっては、祭りの犠牲は多いほど派手っぽくて楽しい、てなもんなのだろう。はたしてスガ首相は英国でのG7サミットで東京五輪開催を表明し、各国首脳はこれを支持したそうだ。

 一応は議論の真似事もしていたテレビ各局も、これで一気に五輪推進に舵を定めるに違いない。その流れで開催に至れば、全国紙各紙だって、大会スポンサーの本性むき出しで礼賛一色に。結果、かねてスガ政権がほざいていた通り、開きさえすれば日本中が熱狂の図がつくり出されかねない恐怖を、私は否定できない。

 各地で強行続きの聖火リレーの現場では、中学生ランナーの服や靴をスポンサー企業製品に限定させたり、他社の自販機に幕をかぶせたりしていると聞く。植民地根性も極まれり。安さ大爆発。

 もう涙も出ない。五輪など廃絶すべきである
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