松嶋尚美さんと町山智浩さんの著書についての、2011年02月12日のブログ【●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了】(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0cb0a52d3a13f183bdac1aa164daed43)から、水道私企業化・水道私営化についての部分を再録させて頂きます。
「民」という〝響き〟に騙されてはいけない。水道民営化という名の私企業化・私営化。
「国際」機関という幻想なIMFや世界銀行が強制する構造改革・構造調整のなれの果てに、特に貧しい国や貧しい人々の身に、何が起きたのか。まず第一歩は、民営化。公的なサービスの放棄。《松嶋 グルやー。/町山 グルですよ。世界銀行で日本やアメリカから集めた大金は、貧しい国が水道をつくるために貸し出されるけど、その水道をやってるのは先進国の水男爵。お金は彼らのところに入るだけ》。
ニッポンも驀進…あまりに愚かすぎる。世界が公営化へと回帰する中で、あの民営化大国フランスでさへもが公営化へと戻りつつあるというのに、アベ様らは、一体何周遅れで、無謀にも水道民営化に〝挑戦〟するという。何のために? 新自由主義の名の下に「水」を売り払い、「カネ儲け」するためだ。アノ枯葉剤会社モンサントも「世界の水支配」を目論む。
ニッポンの水道法の精神…「第一章 総 則 (この法律の目的) 第一条 この法律は、水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成することによつて、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする」(http://www.houko.com/00/01/S32/177.HTM)…《清浄》《豊富》《低廉》は水道私企業化・水道私営化により破壊される。
『●水ビジネスは住民を幸せにするのか?』
『●今度はID?』
「町山智浩さんのブログ…水道民営化・水ビジネスについても、
かなり前に記事が載っていたのを思い出しました。 2008年
12月16日の記事(…)の中にある「ドキュメンタリー
『脅かされた水の安全 EU水道民営化の波紋』」です。BSで
放送されたもので、50分ほどのドキュメンタリーです」
『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了』
「基本的人権としての「水」・「水へのアクセス」。
『フロウ ~水が大企業に独占される!~』(Flow: For Love of Water)」
「「水不足につけ込んで商売する」「水男爵」…。ウォーターバロン。
「水道事業はどんどん民営化され」「特に貧しい国でそれをやっている」」
「ブルー・ゴールド。世銀の構造改革要求と云うお決まりのパターン」
『●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(3/5)』
『●『月刊 自然と人間2007年10月号』読了』
『●Blue Goldをめぐる水商売: コモンズとしての水と新自由主義』
『●『ブルー・ゴールド』映画化!!(1/2)』
『●ブルーゴールド: 民営化される水道の水源までもが買収される・・・』
「「水」や「水へのアクセス」を単なる商品・単なる権利として考えていいのか?
コモンズであるべき、基本的人権であるべきではないのか?
いろいろ難のあるMr.Yen氏ではあるが、この発言には賛成:
「先ず何を規制緩和すべきかを考える。何でも民営化すると
耐震強度偽造問題のようなことが起こる……』(榊原英資慶大教授・
元財務官)」
『●「森友劇場に現を抜かす間にも…天下の悪法
と言っても過言ではない様々な法律の審議が着々と進んでいる」』
『●世界の潮流に周回遅れで水道私企業化の亡国…
「15年までに再公営化を決断した自治体は世界で180」』
『●構造調整という名の奈落: 「エコノミック・ヒットマン…
巨額の貸付金によって途上国を債務漬けにし…」』
『●私企業化反対: 「国の予算投入が減り、
水道料金が上がる可能性が高い。安倍政治の典型的な危険な政策」』
「何度も言う、水道民営化に大反対。「コンセッション事業」(上下分離型)で
あろうとも、「上下一体型」であろうとも、たとえ《水道事業の運営を担う
民間企業に対するチェック機関を定め》たとしても、絶対に水道私企業化を
許してはダメ。
水や水へのアクセスという基本的人権やコモンズを売りとばす金の亡者・
亡国者。水道管網や浄水施設、システム、制度などは市民の使用料や
税金で建設・整備したものであり、それを勝手に企業に売り払うって、
どういうことだ? 管路の老朽化対策が私企業化? 一体どんな論理?」
『●「浄」水売国…「「最大派閥」はさんずいの「水」部…
人の営みを表すのに欠かせないような文字が多い」』
『●アレは、モンサント社ラウンドアップによるSilent Springだったのかな?
「世界の水支配」を目論む…』
『●「コンセッション方式であろうが、他の形態であろうが、
民営化では水道事業の公共性を守る事はできない」』
『●「世界各国では水道民営化による問題が噴出し、悲劇…
いまは民営化をやめて公営に戻す流れが主流」』
《町山智浩氏…日本の水道局っていうのは優秀なんですよ。やっぱりその国が、
企業ではなくて、金儲けではなくて、ちゃんとしたお役所として水道局を
運営して、安い、タダ同然のお金でみんなに水をあげて、しかも、
その水道局自体の水を綺麗に管理するというのは、国がやることだから
徹底的に管理して綺麗にすればいいんだけれども、企業がやっちゃうと、
まず、水質の管理ができなくなっちゃう。だって、会社だから。
で、金が儲からないとわかると、どんどん手を抜くからどんどん水が汚くなる。
しかも、高く売るっていう、最悪の状況になるんですよ》
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【https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0cb0a52d3a13f183bdac1aa164daed43】
2011年02月12日 00時06分22秒
【●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了】
『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了、1月に読了。松嶋尚美・町山智浩著。集英社、2010年11月第1刷発行。
……。
新自由主義経済への鋭い批判(…)。それを通しての(内部からの)アメリカ批判。「…ブッシュは、80年代のレーガン政権から続いた新自由主義経済と宗教保守の連合の暗黒面を一気に加速させました」(…)。
基本的人権としての「水」・「水へのアクセス」。『フロウ ~水が大企業に独占される!~』(Flow: For Love of Water)。「世界銀行は大規模なダム建設に年間200億ドルを投資。ボトル水の大手メーカー、ネスレ社は、全米中に取水工場を拡大している。だが、これらの事業によって潤うのは企業のみで、本当に水を必要とする貧困層は、しわ寄せを受けているのが現状だ。…そもそも水は自然の恵みであり、公のものではないか?」(…)。
「水不足につけ込んで商売する」「水男爵」(…)。ウォーター・バロン。「水道事業はどんどん民営化され」「特に貧しい国でそれをやっている」(…)。
ブルー・ゴールド。世銀の構造改革要求と云うお決まりのパターン。「町山 絶対に営利団体の商売の道具にさせちゃいけないの。/松嶋 じゃあ、なんでボリビアは水道をアメリカの会社に任せたの?/町山 ボリビアは貧乏だから、世界銀行からお金を借りてるの。…ところが、世界銀行はボリビアに、水道を民間企業に任せなければ金を貸さないぞと言ったんです。/松嶋 何それ?/町山 世界銀行は、水道に関しては、世界水会議の方針に従ってる。…その水会議の役員は、さっき言った水男爵たちに占められてるんです。/松嶋 グルやー。/町山 グルですよ。世界銀行で日本やアメリカから集めた大金は、貧しい国が水道をつくるために貸し出されるけど、その水道をやってるのは先進国の水男爵。お金は彼らのところに入るだけ」(…)。
サッチャー元首相による新自由主義経済の下、ロンドンの水道がテムズウォーター(ドイツRWEに吸収)によって民営化。ところが、漏水防止のために水圧を低下。「下水処理場も、潰して土地を売っちゃった。金儲けのためにね」(…)。この辺の話は以前紹介した町山さんのブログに貼りつけてあるBSドキュメンタリー(追記: 『脅かされた水の安全 EU水道民営化の波紋』のこと)に詳しい。「町山 国民の最低限健康な生活を保障することが国家の義務なんだから、採算を度外視して水だけは守ってくれないと。「水は民営ですよ」というなら、国家の役割を果たしていない。ましてや外国企業に任せちゃ絶対にダメ。アメリカでもジョージア州が1990年代に水道をフランスの水男爵スエズに民営化したら、やっぱりすぐに水圧を下げましたもんね。浄水に汚水が混じったり」(…)。アメリカのボトル水の25%は水道水をろ過しただけで、しかも、水道水の100倍の値段で売ってる(…)。
「町山 本当は小さな貯水池をいっぱいつくればいいんです。…。/…。/町山 でもそれでは儲からないんだ。大きなダムをつくれば、世界銀行とかがお金を出して…。だからダム、ダム、ダム!っていう方向に行く。…とにかく水は空気と同じで、人間が独占したり、水源を押さえたり、金儲けに使ってはいけないんですよ」(…)。
「ボリビアでは国民が2000年に蜂起し、死者9名を出す大暴動の果てにベクテル社を追い出した。水道はまた国家管理に戻ったが、ベクテル社はボリビア政府に対して多額の賠償金を求めている。…。/…日本は…、水道が公営事業として続いている国だったが、2001年には世界の規制緩和への動きを反映して水道法が改正され、民営化が可能になった」(…)。
……。
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リテラの記事【安倍政権の水道民営化で「安全で安い日本の水道」が崩壊! 法案強行の裏で菅官房長官の懐刀と“水メジャー”の癒着】(https://lite-ra.com/2018/11/post-4364.html)。
《先の通常国会で、コンセッション方式による水道の民営化を促す水道法改定案を自民党、公明党、維新の会などの賛成多数により衆院厚生労働委員会で可決。それが今国会で継続審議され、成立が確実視されているのだという…それこそが安倍政権の狙いなのだろう。彼らは私たちの「命」を「金」と引き換えに差し出そうとしている》。
降水量は世界平均の1.7倍でも、一人あたりの水資源賦存量は逆に世界平均のわずか1/5。国土の7割が山岳地帯であり、残り3割の平地に人々がひしめく。水資源開発はなかなか難しく、その管理は困難。
そんなニッポンで、水道「私企業」化、水道私営化…あまりに愚かすぎる。世界が公営化へと回帰する中で、あの民営化大国フランスでさへもが公営化へと戻りつつあるというのに、アベ様らは、一体何周遅れで、無謀にも水道民営化に〝挑戦〟するという。何のために? 新自由主義の名の下に「水」を売り払い、「カネ儲け」するためだ。アノ枯葉剤会社モンサントも「世界の水支配」を目論む。アノ超ウルトラ差別主義者の財務相の娘婿に「カネ儲け」させたいようだ。
《先行例を乗り越えるだけの対策が練られているとは到底言えず、周回遅れで失敗を追いかけている》《「水」を「金」に変える水メジャー=多国籍企業が、いかに人命を軽んじ、地球環境を破壊し尽くしているか》《嘆かわしいのは、民間企業がそれを商売のチャンスとしたことだ。『これからは水だ。水に投資しなくては。水を民営化すれば、皆が幸せになる』と。くだらん。実にナンセンスだ。水を売って金儲けするなんて」と痛罵》…与党自公や癒党お維キト国民は「保守」を標榜しているのではないのか? 「水」や「水へのアクセス」という基本的人権を売り払っても恥じない政治家って、一体??
上水道だけでなく、もしかすると、下水道の方が民営化が先行しているかもしれない。技術は伝承されず、水質管理がいい加減になり、水環境に致命的な影響を与えはしまいか? それは上水道のための水源の水質管理にも波及し、水道までも民営化すれば、全く同様な問題を生じる。《この国は彼らの手によって、どこまでも破壊し尽くされていく》…。
『●水ビジネスは住民を幸せにするのか?』
『●今度はID?』
「町山智浩さんのブログ…水道民営化・水ビジネスについても、
かなり前に記事が載っていたのを思い出しました。 2008年
12月16日の記事(…)の中にある「ドキュメンタリー
『脅かされた水の安全 EU水道民営化の波紋』」です。BSで
放送されたもので、50分ほどのドキュメンタリーです」
『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了』
「基本的人権としての「水」・「水へのアクセス」。
『フロウ ~水が大企業に独占される!~』(Flow: For Love of Water)」
「「水不足につけ込んで商売する」「水男爵」…。ウォーターバロン。
「水道事業はどんどん民営化され」「特に貧しい国でそれをやっている」」
「ブルー・ゴールド。世銀の構造改革要求と云うお決まりのパターン」
『●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(3/5)』
『●『月刊 自然と人間2007年10月号』読了』
『●Blue Goldをめぐる水商売: コモンズとしての水と新自由主義』
『●『ブルー・ゴールド』映画化!!(1/2)』
『●ブルーゴールド: 民営化される水道の水源までもが買収される・・・』
「「水」や「水へのアクセス」を単なる商品・単なる権利として考えていいのか?
コモンズであるべき、基本的人権であるべきではないのか?
いろいろ難のあるMr.Yen氏ではあるが、この発言には賛成:
「先ず何を規制緩和すべきかを考える。何でも民営化すると
耐震強度偽造問題のようなことが起こる……』(榊原英資慶大教授・
元財務官)」
『●「森友劇場に現を抜かす間にも…天下の悪法
と言っても過言ではない様々な法律の審議が着々と進んでいる」』
『●世界の潮流に周回遅れで水道私企業化の亡国…
「15年までに再公営化を決断した自治体は世界で180」』
『●構造調整という名の奈落: 「エコノミック・ヒットマン…
巨額の貸付金によって途上国を債務漬けにし…」』
『●私企業化反対: 「国の予算投入が減り、
水道料金が上がる可能性が高い。安倍政治の典型的な危険な政策」』
「何度も言う、水道民営化に大反対。「コンセッション事業」(上下分離型)で
あろうとも、「上下一体型」であろうとも、たとえ《水道事業の運営を担う
民間企業に対するチェック機関を定め》たとしても、絶対に水道私企業化を
許してはダメ。
水や水へのアクセスという基本的人権やコモンズを売りとばす金の亡者・
亡国者。水道管網や浄水施設、システム、制度などは市民の使用料や
税金で建設・整備したものであり、それを勝手に企業に売り払うって、
どういうことだ? 管路の老朽化対策が私企業化? 一体どんな論理?」
『●「浄」水売国…「「最大派閥」はさんずいの「水」部…
人の営みを表すのに欠かせないような文字が多い」』
『●アレは、モンサント社ラウンドアップによるSilent Springだったのかな?
「世界の水支配」を目論む…』
『●「コンセッション方式であろうが、他の形態であろうが、
民営化では水道事業の公共性を守る事はできない」』
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【https://lite-ra.com/2018/11/post-4364.html】
安倍政権の水道民営化で「安全で安い日本の水道」が崩壊! 法案強行の裏で菅官房長官の懐刀と“水メジャー”の癒着
2018.11.11
(管官房長官の懐刀・福田補佐官退任の背景に水メジャーとの癒着が?
(首相官邸HP『政府インターネットTV』より))
臨時国会が始まり、外国人労働者の奴隷制度をさらに許可する入国管理法改正に注目が集まっているが、今国会ではもうひとつとんでもない法案が成立しようとしている。それは、水道事業への民間参入を促す水道法改定案だ。
安倍政権はまず、今年6月、自治体に公営事業売却を促すPFI法改正案を成立させた。この法律改定によって、自治体が上下水道や空港などの運営権を民間企業に売却するコンセッション方式の導入が簡単になり、安倍政権は10年間で21兆円の公営事業民営化という目標を設定したのだが、その目玉が「世界で最も安全で安い」といわれる日本の水道事業の民営化だった。
そして、先の通常国会で、コンセッション方式による水道の民営化を促す水道法改定案を自民党、公明党、維新の会などの賛成多数により衆院厚生労働委員会で可決。それが今国会で継続審議され、成立が確実視されているのだという。
しかし、水は国民の「命」に直接関わる最も重要なインフラ。そんなものを民営化して大丈夫なのか。しかも、民営化になれば、料金が高騰することが確実視され、貧困層が大打撃を受けることになる。
実際、世界各国では水道民営化による問題が噴出し、悲劇としか呼べない事態も起き、いまは民営化をやめて公営に戻す流れが主流になっている。
たとえば、南アフリカでは、民営化後にコストのすべてを水道料金に反映する「フル・コスト・リカバリー」という方式がとられたため、貧困層を中心に1000万人が水道を止められた。汚染された川から汲んだ水で生活せざるを得なくなる人が続出し、コレラが蔓延。死亡者が多く出た。
南米のボリビアも水道民営化によって悲劇が起きた土地。ここでも民営化による水道料金の値上げで水道を止められる人が続出した。それにより、「ボリビア水戦争」や「コチャバンバ水紛争」と呼ばれる反対運動が起き、2000年にはデモ隊を政府が武力で鎮圧しようとし死者まで出た。抗議行動は各地に広がり、最終的に政府は抗議を受け入れ再び公営化されている。
途上国だけではない。たとえば、パリは1985年から給水業務をヴェオリア・ウォーター社とスエズ社に、浄化と送水、そして水質管理業務をSAGEP社に委託したが、そこで起きたのは、管理主体が複数あることが原因で起きた責任の所在をめぐるトラブルであり、水道料金の引き上げであった。
また、同時に起きたのが、公の機関が技術面での監視や査定ができなくなったという問題。これは、会社が情報を開示しないことにより起きたもので、経営も不透明になり、年次報告書では7%の利益が上がっていると報告されていた一方、実際は15%から20%の利益が上がっていたという事態まで起きたという(TBSラジオ『荻上チキ Session-22』2018年2月19日放送回の水ジャーナリスト・橋本淳司氏による解説より)。
また、1985年から2009年の間に265%も水道料金が上がった一方で、30%もの収益が企業内留保金に消えたというデータもある(ウェブサイト「BIG ISSUE ONLINE」より)。結果的に再公営化がなされ、2010年からは公的事業体であるパリの水道公社が直営体制で水道事業を担うことになった。
アメリカのアトランタでも同様の事態が起きている。1998年、アトランタ市は市営で行っていた水道事業運営をスエズ社の子会社であるUWS社に委託したが、わずか4年後に契約を解除し、再び市の直営に戻した。その間に起きていたのは、配水管損傷や泥水の噴出といった事態で、それに対する対応も遅かった。この経緯を振り返り、関係者は「水道事業の人間生活への基礎的必要度は電力以上であり、このような事業を、四半期ごとに収益結果を求められるような企業に運営させるべきではないと感じる」(「エコノミスト」15年3月3日号/毎日新聞出版)と語っていたという。
■菅官房長官の“懐刀”福田補佐官が辞任した背景に水メジャーとの癒着
ここまであげた国以外にも、ドイツ、アルゼンチン、スペイン、ハンガリー、ガーナ、マレーシアなど、水道事業の民営化はすでに世界各国で試みられたものの、軒並み失敗している。しかし、今回の水道法改正案でこれらの先行例を乗り越えるだけの対策が練られているとは到底言えず、周回遅れで失敗を追いかけているとしか思えない。
また、民営化により生じる可能性のある地域差の問題や、水道に関する技術の継承がされなくなるのではないかという懸念や、地震などの災害時の対応についての責任の所在や、水源地の環境保全など地球環境への配慮がおざなりになるのではないかといった疑問など、まだまだ詰めなくてはいけない課題が山積しているのだが、これらについても議論されたとはとても言えない。
にもかかわらず、なぜ、こんな時代遅れでとんでもない水道民営化が強行されようとしているのか。その背景には安倍政権と「水メジャー」「ウォーター・バロン」と呼ばれる多国籍企業の関係があるのではないかといわれている。
日本の水道民営化は前述したようにコンセッション方式が想定されているが、運営業者は水道業務の経験のある外国資本の水道事業者になるのが確実視されている。それが、先ほどから何回か名前が出ているヴェオリア社、スエズ社など「水メジャー」「ウォーター・バロン」と呼ばれる多国籍企業で、こうした企業が日本の政治家や官僚に働きかけを行っているようなのだ。
実は、水道の民営化を真っ先に言いだしたのは、麻生太郎財務相だった。麻生財務相は、2013年4月、米国のシンクタンクで講演を行い、「日本の水道は国営や市営、町営でできていて、こういったものをすべて民営化します」とぶちあげた。この麻生の発言にも、水メジャーの影がちらついていたという。
また、もうひとつ気になるのが、菅義偉官房長官の“懐刀”といわれていた人物の存在だ。この人物は、菅官房長官の大臣補佐官・福田隆之氏。大手監査法人から2016年に菅官房長官の補佐官に起用され、まさに前述してきたPFI(公営事業民営化)の旗振り役をになってきた。ところが、今国会が始まった直後の10月31日、その福田補佐官が突如、退任するというニュースが、安倍政権の御用新聞・産経に掲載されたのだ(WEB版は30日深夜)。
実は、この人事の背景には、福田補佐官と“水メジャー”の癒着を追及する動きがあったのではないかといわれている。
「週刊ポスト」(11月16日号)は、福田氏と水メジャーの関係を立憲民主党が調査していたとして、同党議員のこんなコメントを掲載している。
「福田補佐官の出張記録を取り寄せてみたところ、2016年の就任以来、
頻繁にフランスなど欧州出張を繰り返して特定の水メジャーと接触していた
ことがわかった」
つまり、福田氏の癒着疑惑を追及されることを恐れた官邸が、水道民営化の本格審議入り前に、福田氏を切ったということらしい。
「典型的なとかげのしっぽきりでしょう。福田氏はたんなるつなぎ役にすぎず、
水メジャーとどっぷりな関係を築いている政権の大物幹部がほかにいる
といわれています」(全国紙政治部記者)
■「水」を「金」に変える水メジャー=多国籍企業の元会計士が告発
いずれにしても、この水道民営化が強行されれば、世界一安全で安いといわれる日本の水道が、海外の水メジャーに乗っ取られてしまうというのは確実だ。実際、浜松市はすでに昨年の段階で、下水道部門の運営権を再三にわたって名前の出ている仏ヴェオリア社を代表とする特別目的会社に約25億円で売却している。
「水」を「金」に変える水メジャー=多国籍企業が、いかに人命を軽んじ、地球環境を破壊し尽くしているかはドキュメンタリー映画にもなっている。
『Flow: For Love of Water』がそれだ。この映画で、元ヴィヴェンディ社会計士(ヴィヴェンディ社から上下水道部門が独立したのがヴェオリア社)のジャン・リュック・トゥリー氏は「これらの企業は150年前、銀行が設立しました。彼らに福祉の精神など微塵もなく、無責任な発言で周囲を振り回しています。『水道を整備し、貧困を撲滅します』。なんて偽善的なんだ。彼らの興味は途上国の支援ではなく、金儲けだけです」と語り、また、国際河川ネットワークのパトリック・マッカリー氏も「今後、地球温暖化は進み、さらに大勢が洪水や渇水で死ぬ。嘆かわしいのは、民間企業がそれを商売のチャンスとしたことだ。『これからは水だ。水に投資しなくては。水を民営化すれば、皆が幸せになる』と。くだらん。実にナンセンスだ。水を売って金儲けするなんて」と痛罵する。
映画評論家の町山智浩氏も『松嶋×町山 未公開映画を観るTV』(TOKYO MXなど)のなかでこの『Flow: For Love of Water』を取り上げ、水道事業を民間の会社に託してしまうことの危険性をこのように解説していた。
「日本の水道局っていうのは優秀なんですよ。やっぱりその国が、
企業ではなくて、金儲けではなくて、ちゃんとしたお役所として水道局を
運営して、安い、タダ同然のお金でみんなに水をあげて、しかも、
その水道局自体の水を綺麗に管理するというのは、国がやることだから
徹底的に管理して綺麗にすればいいんだけれども、企業がやっちゃうと、
まず、水質の管理ができなくなっちゃう。だって、会社だから。
で、金が儲からないとわかると、どんどん手を抜くからどんどん水が汚くなる。
しかも、高く売るっていう、最悪の状況になるんですよ」
言うまでもなく、町山氏が指摘している危険性は、先行して水道事業の民営化を行った各国で実際に起きたことだ。
全日本労働水道組合の書記次長を務める辻谷貴文氏は「ヴェオリアやスエズなどの多国籍企業は、これからはヨーロッパでは儲からないからアジアに進出するという方針を数年前から明確に打ち出しています」(「週刊金曜日」17年5月26日号)と警鐘を鳴らしている。
しかし、それこそが安倍政権の狙いなのだろう。彼らは私たちの「命」を「金」と引き換えに差し出そうとしている。現在の政権与党にとって、国民など所詮は駒でしかなく、生きようが死のうがどちらだっていいし、生活がメチャクチャになろうとそんなことは知ったことではないのだ。この国は彼らの手によって、どこまでも破壊し尽くされていく。
(編集部)
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山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、3月30日)。gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/141693)。そして、asahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY201304030575.html)。
コモンズとしての「水」「水へのアクセス」についての3つの記事。「水男爵(ウォーター・バロン)」だけでなく水コングロマリットも虎視眈々と日本の水・水資源・水事業を狙っている。
水やコモンズについて、これまでの幾つかの記事。
『●水ビジネスは住民を幸せにするのか?』
『●今度はID?』
『●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(3/5)』
『●『月刊 自然と人間2007年10月号』読了』
『●Blue Goldをめぐる水商売: コモンズとしての水と新自由主義』
『●『ブルー・ゴールド』映画化!!(1/2)』
『●なんでも金、金、金』
『●大阪元〝ト〟知事、重いツケ、将来への大きな禍根』
『●内橋克人さんインタビュー:
〝貧困マジョリティー〟の形成と『FEC自給圏』への志向』
『●無謀な原発再稼働・消費税増税に続き、
オスプレイ上陸無視、TPP参加に意欲を示す首相』
『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である』
『●ブルーゴールド: 民営化される水道の水源までもが買収される・・・』
竹中平蔵氏の「・・・インフラなどの「運営権」を売却すれば、「最低でも数十兆円になる」(竹中教授)という。会議では、運営権の売却で得たお金を、古くなった道路やトンネルを直す費用に回す案も出た。/空港など社会インフラの運営を民間企業にまかせれば、収益を上げる効率経営につながる可能性・・・」という、まさにトリクルダウン理論が披露されている。まさに小泉純一郎政権時代の格差拡大社会に何の反省もないようだ。
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【http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、3月30日】
2013/03/30
結局、やり得!? 裁判所が追認した格好の、ネスレ→旧加ト吉子会社の富士山麓盗水疑惑
執筆者: Yamaoka (11:40 pm)
近年、立法や行政だけでなく、司法の下す判決にも異議ありというケースが目立つ。
大手コンビニ「セブンーイレブン・ジャパン」(東京都)を被告とする控訴審で、値引き販売をセブンが不当にFC店に制限してないとの逆転判決を下したのも、その典型例だろう。
杓子定規に判断し、現場の本当の実態にメスを入れようという姿勢が感じられない。それどころか、むしろ強者の方にあえてテコ入れしているのではないかとの疑念を持ってしまうような判決が目立つ。
本紙がかつてウォッチを続けていた、富士山麓の湧き水を盗んでまでミネラルウォーターを販売していた疑惑に関しても、裁判所は昨年9月、信じられないような結論を下していたことがわかったので報告する。
本紙既報記事をご覧いただきたいが、この盗水疑惑、浮上したのは06年のことだった。
大手飲料メーカー「ネスレ日本」(神戸市)が、山梨県西桂町を水源とする湧水を使ってミネラルウォーターを販売(冒頭左写真)。ところが、この水源は国有地にあるところ、商用に供する許可を得ず、しかも送水管を勝手に敷設して取水しているという違法なもので、町長との癒着疑惑さえ出ていた。ネスレはこの疑惑が浮上するまで、約8年間も違法操業(売上高は総額約300億円とも)。そして、疑惑が浮上するや、その権利を冷凍食品大手・旧「加ト吉」(香川県観音寺市。現テーブルマーク)に譲渡し(約10億円とも)、今度は加ト吉と、その一部を購入した大手コンビニ「ローソン」(東京都品川区)が販売するようになった。
これに対し、勝手に送水管を敷設された一部民有地の所有者N氏が西桂町を相手取って送水管撤去の訴訟を提起。1審はN氏が勝訴(08年12月)したものの、控訴審は逆転敗訴(09年8月)に。
ただし、控訴審とて、送水管の強制撤去までは認めないが、適正というわけではなく、話し合いで解決せよという内容だった。しかし、これに怒ったN氏は所有地内の送水管に止水弁を取り付け止水の実力行使に(09年10月17日。上告取り下げによるN氏敗訴確定はその2日後)。
これに対し、西桂町は10年4月、妨害排除請求訴訟を提起。一方、N氏はその3週間後、旧加ト吉やローソンを相手取り、3億円の損害賠償請求訴訟を提起していた。本紙がこれまでに報じたのは、この時点までだ。
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(上写真=左は「朝日」07年2月14日山梨版。右は「産経」同1月15日記事)
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/141693】
首都圏の水がなくなる!?
2013年3月30日 掲載
水源地を外国資本が続々買収
国内の森林が外国資本に買収され、首都圏の水が危なくなっている。安倍首相は国会で水源地の保護を口にしたが、放ったらかしになっているのが現状だ。
林野庁によると、外資系企業による森林の買収は760ヘクタール(2011年度末)に上るという。しかし、「これは氷山の一角」と警告するのは、「日本の地下水が危ない」の著者で、水問題に詳しいジャーナリストの橋本淳司氏だ。
「日本人が名義貸しし、実質は中国企業が支配しているという
ケースもある。少なく見積もっても1000ヘクタールは買収されている
とみていいでしょう。森林の土地は1ヘクタール当たり50万円と安い。
しかも、相手が外国人でも、規制を受けずに売り買いできます。
首都圏も侵食されています。箱根では個人、法人(ともに中国籍)の2件、
荒川の上流にあたる埼玉県の秩父で1件、利根川の上流にあたる
群馬で3件、外国資本に買収されていることが分かっています」
こうした問題が表面化したのは11年になってからだ。群馬県嬬恋村で44ヘクタールの水利権付きの土地をシンガポール人が購入。自治体に届け出されたことで、水不足を懸念する住民らが反発し、大騒ぎとなった。
首都圏の住民も安心できない。実際、荒川や利根川の上流は買われている。水が買い占められ、貯水場が空っぽなんて事態が起こらないとも限らない。
「関東の一部自治体は、条例をつくって水源地の守りに入っています。
12年4月には、改正森林法ができました。それによって、
面積にかかわらず、土地の取引をしたら90日以内に知事に届け出を
しなければならなくなった。これによって実態は把握できます。ただし、
届け出後の報告だから、買収の歯止めにはならない。
なにより土地所有者が財産権を主張すれば、異議を唱える
術(すべ)はないのです」(橋本氏)
対策を急ぐほかない。
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【http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY201304030575.html】
2013年4月4日5時25分
空港・地下鉄運営売却で数十兆円 「埋蔵金」竹中氏提言
【福山亜希】空港や地下鉄の運営を民間に任せれば、数十兆円規模の「埋蔵金」を掘り出せる――。政府の成長戦略を話し合う産業競争力会議の3日の会合に、民間議員として出席した竹中平蔵・慶大教授はこんな見通しを示した。公的施設などの民営化を急ぐべきだとの提言だ。
競争力会議の試算では、空港や高速道路、上下水道といった公的な資産の総額は約185兆円。負債を差し引いても約100兆円の価値がある。こうしたインフラなどの「運営権」を売却すれば、「最低でも数十兆円になる」(竹中教授)という。会議では、運営権の売却で得たお金を、古くなった道路やトンネルを直す費用に回す案も出た。
空港など社会インフラの運営を民間企業にまかせれば、収益を上げる効率経営につながる可能性がある。ただし、もうからない部門の切り捨てにつながるおそれも指摘されており、どの程度まで踏み込むべきかについても今後、議論する。
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CMLに出ていた案内(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-September/011859.html)。
水は「BLUE Gold(ブルー・ゴールド)」である。今や〝水商売〟(水ビジネス)が非常に大きな注目を浴びている。ハイエナが群がるようで、見苦しく、嘆かわしいことだと思う。コモンズを、内橋克人さんの言うマネーで勝手に商売する訳だ。その先に待つのは、貧しい国の貧しい人たちの悲劇でしかない。
ウォーター・バロンについて以前から指摘しておられた佐久間智子さんの講演もあるようです。
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-September/011859.html】
[CML 011997] 9/24グローバル市民水フォーラム
~水の公共性について多角的に考える~のご案内
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2011年 9月 19日 (月) 15:04:09 JST
みなさま (重複ご容赦ください&転送大歓迎です)
AMネットの・・・と申します。
今週末と近づいてきましたので、再度広報させていただきます☆
今回の震災で、「あって当たり前だった電気」が、こんなにもさまざまな問題や視点、今後の私たちの在り方についてまで考えさせられる重要なものだと再認識されました。
今回のフォーラムのテーマである水も同じく、多くの日本人にとって「あって当たり前」であり、困ったことがない。
また、水道事業は地域独占であり、消費者が自由に選択できるものではありません。水道だけでなく、生きるために欠かせない「水」について再考するきっかけにしていただければ幸いです。
難波OCAT内とアクセスもいいですし、皆様のご参加お待ちしています。
・・・・・・ AMネット
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グローバル市民水フォーラム
~ 水の公共性について多角的に考える ~
9月24日(土)13:30~ @難波大阪市立難波市民学習センター
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3月11日の東日本大震災直後から、被災地への飲料水供給や水源の確保、上下水道の復旧、放射線汚染水など、生活に直結する水が課題となりました。
いま改めて、水の大切さと貴重さについて考え、どのように水を確保していくかを、市民一人一人が考えなければなりません。
このたび、各地で活動するNGOスタッフや水道の現場労働者をお招きし、「水は公共のもの」という視点のもと、水の公共性について考える「グローバル市民水フォーラム」を開催いたします。
本フォーラムでは、多角的な視点から私たちに最も身近な水について考える機会とします。
< イベント概要 >
日時:2011年9月24日(土)13:30 - 16:45
会場:大阪市立難波市民学習センター(大阪市浪速区湊町1丁目4番1号 OCATビル4階)
(大阪市営地下鉄四つ橋線・千日前線「なんば」駅下車すぐ。JR難波駅と同じビル。)
資料代:500円(AMネット、水政策研究所会員は無料。当日入会も受付いたします。)
定員:100名(定員に達し次第締め切りいたします)
主催:NPO法人AMネット、NPO法人水政策研究所
協賛:NPO法人関西NGO協議会、ジュビリー滋賀、
NPO法人ブリッジエーシアジャパン、社団法人アジア協会アジア友の会
国際青年環境NGO A SEED JAPAN、全水道、
Reclaiming Public Water Network
Focus On The Global South
Public Service International
後援:大阪市
< スピーカー紹介 >
佐久間智子氏(翻訳家、NPO法人アジア太平洋資料センター理事)
「世界の水事情」
藤井大輔氏(九州国際大学国際関係学部助教、
「債務と貧困を考えるジュビリー九州」代表)
「水に関する人権への視点」
堀内葵(AMネット)理事
「水は公共のもの~インドネシアの事例から~」
三戸一宏氏(水政策研究所代表理事、全水道大阪市水道労働組合)
「水基本法(仮称)制定に向けて」
コーディネーター:神田浩史(AMネット理事、NPO法人泉京・垂井理事)
<お申し込み・お問い合わせ>
参加ご希望のかたは、
1)お名前、
2)ご所属(差し支えなければ)、
3)連絡先、
4)このイベントで知りたいこと(あればご記入ください)、
5)このイベントを知ったきっかけ、
を明記の上、電子メールamnetosaka @ yahoo.co.jp 宛にお申し込みください。
※資料作成の都合上、できるだけメールでの事前申し込みをお願いいたします。
< 当日スケジュール >
13:00 会場、受付開始
13:30 - 15:10 グローバル市民水フォーラム
(1)開会の挨拶、趣旨説明/松平尚也(AMネット)
(2)世界の水事情/佐久間智子氏
(3)水に関する人権への視点/藤井 大輔氏
(4)水は公共のもの~インドネシアの事例から~/堀内 葵
(5)水基本法(仮称)制定に向けて/三戸一宏氏
15:10 - 15:30 休憩
15:30 - 16:30 参加者を交えたラウンドテーブル(質疑応答) 司会:神田浩史
16:30 閉会の挨拶
16:35 終了
【 共催団体プロフィール 】
■NPO法人 AMネット
1996年設立。経済のグローバル化が私たちの生活や労働条件、自然環境などにもたらす影響について調査研究し、政策提言を行なうNGOです。世界の問題と足下の問題のつながりを意識し、私たちの普段の暮らしを見つめ直そうと月1回入門講座イベントを開催しています。現在の主なテーマは(1)食・農分野、(2)水分野、(3)地域のつながりの強化、の三つです。
【お問い合わせ先】
〒531-0064大阪市北区国分寺1-7-14 国分寺ビル6階
TEL:06-4800-0888 / FAX : 06-4800-0888
E-mail:amnetosaka at yahoo.co.jp
URL:http://am-net.org / BLOG : http://am-net.seesaa.net
■NPO法人 水政策研究所
2004年設立。流域の現状を調査・把握して問題点を明らかにし、その改善策を研究する非営利団体です。市民に対して水環境に関するPRや情報提供、または災害時等においての訓練・研修活動や水道局事業に関する普及啓発活動などの実践活動を自主的、および関係行政機関等の委託事業として実施・支援することによって、河川環境の保全と地域の安全に関する事業を行い、それにより地域住民の公益増進に寄与することを目的とします。
【お問い合わせ先】
〒530-0041 大阪市北区天神橋3-6-26
TEL:06-6882-6767 / FAX : 06-4800-2226
E-MAIL:water-policy at cosmos.ocn.ne.jp
URL:http://www.water-policy.com/htdocs/
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(つづき)
「石油戦争の世紀」から「水戦争の世紀」へ。公共財を〝マネー〟でビジネス化して大丈夫なのか? 「ウォーター・バロン」どもの蠢き。 「ブルー・ゴールド」・「Blue Gold」、正に云い得て妙。
この問題の先駆者(?)の佐久間さんのお名前も。竹山徹朗さんの「PUBLICITY」(パブリシティー)での佐久間さんの長大なインタビュー記事(No.1187-1120)は、当時、とても勉強になった。「ブルー・ゴールド」・「Blue Gold」という言葉とともに、いまも、このインタビュー内容を様々な場で利用・活用させてもらっている。
ついでに、映画の公式サイト「映画『ブルー・ゴールド -狙われた水の真実』公式サイト」が在りました。短いですが、そのWP上の映画の予告編を是非見てもらいたい!! また、「Blue Gold: World Water Wars」というWPも。
この映画の方が、ゴア元米副大統領の『不都合な真実』などを読んだり、見たりするよりも、はるかに有益だと思われます。
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【浜田和幸著、『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲/The Water Money:Japan Strikes Back ~石油高騰・食糧危機も恐くない~』】
フードマイレージ、バーチャル・ウォーター(p.8)。仮想水“Virtual Water” and the Food Problem(p.106)。「日本では海外の水を1日1人当たり1000リットルは消費していることになる」、「穀物に関するバーチャル・ウォーターだけで、日本は毎年200億トン近い水を輸入している・・・世界で最も大量に水を使っている国民・・・。/“湯水のごとく水を使う”生活スタイル・・・」。「【図表3】 世界の1人あたり水資源量」の値(p.108)。
2008年7月の洞爺湖サミットで、かの中川昭一衆議院議員は、「わが国の持つ水関連の技術をどのように国益増進に結びつけるかを検討し、官民連携の下で日本が世界の水問題に対して強力な発言ができるような支援体制を組みたい」と抱負を語ったそう(p.23)。「国益」ね~・・・。「民」って、「私企業化」・「私物化」して「銭儲け」しましょ、ってことかいな?
「・・・中国ではすでに100を超える湖が干上がってしまっている。漢詩に詠われた太湖も汚染が進み、かつての面影はない」(p.24)。
「・・・意外に思われようが、1リットルのバイオエタノールを生産するためには2000リットルの真水が必要とされる。・・・問題はこの水の代替物replacementが存在しないことだ」(p.27-28)。
水道水の利水安全度について、「・・・実はその最大の理由は、水道管の老朽化agingにある。・・・アメリカの水道管の約25%は老朽化がはなはだしく、漏水water leakが日常化しているようだ。・・・2006年の時点で漏水率7%を誇る日本・・・/アメリカでは・・・2020年には全体の45%に達するとみられる。・・・/・・・アメリカ・・・1日平均すると600億ガロンもの水が漏れだしているようだ。このような水道関連施設の老朽化の問題を克服するために、民間からの投資private investmentに頼らざるを得ないとの意見が主流になりつつある。つまり民営化privatizationである」(pp.35-36)。さすが、新自由主義の元祖やね、水でもビジネス!
デイビッド・スズキ氏による水の「地産地消」運動(p.40)。「・・・冷凍ギョウザ事件以来、食の安全に対する消費者の関心・・・は高まる一方だ。安心して食べられる作物を育てるためには、地場で安心して使える水を確保することが第一歩といえよう」(p.42)。
「ウォーター・バロンズ(水男爵)」。「・・・ウォーター・バロンズが世界の水源地を支配下に置くような行動は、「水という自然の資源を特定企業の利益のために独占することにつながる」という批判・・・。/・・・デンマークでは2007年に新たな法律が制定された。これは、水の売買や水道事業から利益をあげることを企業に禁止するものである」(p.51)。さすが、北欧。憲法で禁じている国は世界にもある、オランダ(p.74)。
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【浜田和幸著、『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲/The Water Money:Japan Strikes Back ~石油高騰・食糧危機も恐くない~』】
第3章に水道民営化の各国の現状が。「水男爵」たちの蠢き。スエズ、ビベンディ、テームズ・ウォーターといったビッグ3(p.70)。中国や中東についても。
「・・・イギリスの水道会社は海外で積極的な事業展開を続けているが、国内の水道サービス事業は外国企業によって提供されるという“ねじれ現象”の下におかれているのである」(p.59)。気づかぬうちに・・・、「2007年7月、フランスの水道事業大手「ベオリア・ウォーター」が、九州の福岡県大牟田市と熊本県荒尾市で水道事業を運営する権利を獲得した。日本市場への参入を虎視眈々と狙っていた外資foreign capitalが、初めて日本に橋頭堡を築いたのである。・・・/・・・2002年に改正水道法が施行されたことで、公営水道事業の外資参入に道が開かれた。2003年には地方自治体法も改正された結果、わが国においても水道事業が内外の民間企業に制度上in theoryは解放されたのである。/これまで水道事業の民営化に関しては、広島県の三次(みよし)市の例がある。・・・/・・・これら外国のウォーター・バロンズが日本における水道事業に熱い視線を向けるのは、日本の水源地water sourcesを押さえ、日本から世界へ水を輸出する新たなビジネスプランを描いているからだ。なにせ日本の水のおいしさは世界でも指折りだからである」(pp.66-68)。そのビジネスとやらに一枚かんで金儲けするわけね。
「・・・「発展途上国の経済発展economic developmentを後押しする」という大義名分の下で、アジア、アフリカ、中南米諸国に相次いで進出するようになったのである。その際、世界銀行の融資loanをバックに、受け入れ国の政府から有利な条件conditionsで事業を展開する契約を結ぶのが常であった」(p.68、71)。フリードマンのシカゴ学派の下で洗脳された者どもによって。
「・・・逆浸透膜・・・通常の5分の1の時間でだめになってしまう。中東では5年はもつものが、中国では1年もつかもたないか。・・・日本企業でも前処理に相当な工夫が・・・」(p.81)。厳しい批判・・・、かっての日本もそうだったのに、「・・・それだけの資金力や技術力があるにもかかわらず、自国の環境浄化のために投資する資金や水浄化のための技術開発は遅れたままである。見方を変えれば、中国の今日の経済発展は環境コストを無視ignoreした結果得られたものといえるのではないか。本来であれば、安全や安心を確保するために労働者の雇用条件labor conditionや工場周辺の環境整備に投入すべき資金をすべて無視することで、国際競争力のある低価格の商品やサービスの提供に努めてきたのである」(p.83)。
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【浜田和幸著、『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲/The Water Money:Japan Strikes Back ~石油高騰・食糧危機も恐くない~』】
「シャープ・・・マイクロナノバブル技術・・・廃水中に直径が0.1マイクロメートル程度の微細な泡を発生させ、希釈することなく泡の酵素の力で微生物の働きを活性化させる・・・。・・・汚泥が発生しない・・・」(pp.122-128)。「酵素」?? 「酸素」の誤植。コピペしないけど、この辺、随分ニセ科学の匂いが・・・。
「・・・ポリシリカ鉄凝集剤(PSI)の導入である。・・・(PAC)が広く使われてきた。/しかし、アルミニウムが人体に悪影響を及ぼす恐れが指摘されるようになり、特にアルツハイマー病との関連性・・・。その結果、開発されたのが鉄とケイ酸を主成分とする無機系・・・高分子凝集剤PSIである。・・・/・・・PSIを使った水処理で発生した汚泥・・・稲や野菜の収穫量が飛躍的に高まることも明らかになってきた」(p.140)。
第6章では、再び中国について。「・・・河川や湖沼の水が飲料水としても農業用水としても使い物にならなくなってしまっている。/・・・下水の97%が何ら浄化処置をされないまま河川や湖沼に放出されているからである。風光明媚の代表的存在であった太湖(タイフー)の水も異臭を放つほど汚れてしまい、今では環境汚染の代名詞となってしまった」(p.144)。
「気象改変の技術」(p.151)。「ロケットを使いヨウ化銀を打ち込んだり」って、大丈夫か?
「・・・インドやバングラディシュなど周辺国にとっては、国家の存亡national survivalに関わる暴挙と受け止められている。・・・核保有国nuclear powerである中国とインドの間で第3次世界大戦が勃発することもあり得ない話ではない」(p.164)。正に『水戦争』。
「涸れゆく長江」(p.164)。「水質汚染が止まらない」(p.167)。「長江と黄河の大汚染」(p.169)「中国の海産物は安全か」(p.173)。
懐かしき偽ユダヤ人の名が! 「イザヤ・ベンダサンは『日本人とユダヤ人』」(p.194)。今時、こんなイカサマ人間が引用されるとは。
「水の年齢を計測」とか、「水パワーだけで動く車」とか、「マイナス電子を帯びた水」とか、・・・大丈夫か?
「水という人類の共通財産commom assetはまさに宇宙からのプレゼントといっても過言ではない。そのような公共財産を一握りのウォーター・バロンや投資ファンドが、自らの利益their own benefitsのために独占しようとする動きはいかがなものか。ネスレ、ユニリーバ、コカ・コーラ、アンハウザー・ブッシュ、ダノンという世界の5大飲料メーカーだけで、年間5750億リットルの水を商品化している」(p.223)。日本もそれに乗り遅れるなー、って言ってるように聞こえるのだけれども・・・。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_fine.gif)
株式会社 自然と人間社。表紙は、「国民から見放された政権の末路」(p.18、森田実さん) を示すもの。
森達也さんの「つぶやくニッポンの街角 誰が誰に何を言ってんの?」(第19回) は、日本のシステムに共通する「幼さ」のお話。
「農薬は宿主を変えて世界を還流する」は、中国餃子問題の先取り。
「PUBLICITY」(パブリシティー、竹山徹朗さん) でのインタビュー以来、個人的に注目の佐久間智子さん、「巨大外資が水道を支配する 〜「ウォーター・バロン」日本進出の不安〜」。日本の水道事業の未来がますます不安に。
「大惨事寸前だった! 柏崎刈羽原発事故 〜原発技術者が語る真実〜」。制御棒の構造的な問題など論外だろうが、むしろ周辺機器の故障や事故の方が問題らしい。「それでも原発は安全だという厚顔無恥」(DAYS JAPAN2007年12月号、斎藤美奈子さん)。
最近、魚柄仁之助さんに注目。食料自給率39%の国って・・・??
投稿「"『京都議定書』再考"を読んでの疑問」。一面だけで語るのはダメで、どうも胡散臭さを感じる。排出権取引という「お金持ちが金で解決」的仕組みはまずかったのでは? どうも水道民営化と同じことのように感じる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_uru.gif)