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●消費税増税、やってはイケナイ: 斎藤貴男さん名著『消費税のカラクリ』から学ぶ

2013年07月26日 00時00分03秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013072002100003.html)。

 記事によると「百三十万円の消費税を支払う資金がなかった」方がいる一方で、「・・・自動車、電機、商社など少なくとも十八社に、各数百億円から一千億円超が還付されている」というこのあほらしい税制、不公平な税制。
 斎藤貴男さんの名著『消費税のカラクリ』から、そのカラクリに納得がいく。例えば、「輸出戻し税・・・輸出比率の高い大企業にとっては実に有利に働く。かれらは消費税という税制によって、莫大な不労所得さえ得ている」のである。それは「不労所得」なのである。市民は額に汗して消費税を納める努力をし、大企業は「不労所得」を得ているのである。馬鹿らしいにもほどがある。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   
    「こう云った悲劇とは裏腹に、輸出戻し税という仕掛けも。
     「零細事業者が直面させられている悲惨とは裏腹に、消費税は大企業
     とりわけ輸出比率の高い大企業にとっては実に有利に働く。かれらは
     消費税という税制によって、莫大な不労所得さえ得ていると断定して
     差し支えない」(p.100)。かたや「貰っていない税金をお前が払え」
     といわれ、かたや大企業は「不労所得」を得ているわけ! 馬鹿らしい。
       「・・・消費税は国内での取引に課税されるものであり、輸出や国際輸送
     など輸出に類似する取引では免税される。・・・/・・・輸出取引については、
     国内で発生した消費税負担は完全に除去されることに」(pp.100-101)
     なる。消費税を納めないどころか、多額の還付金。「・・・最も多額の還付金を
     得たのはトヨタ自動車で、約三千二百十九億円」(p.103)!! 
     あーっ・・・、本田技研工業までが」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013072002100003.html

<6年後の私たち>消費税  「大手ばかり優遇
2013年7月20日 紙面から

 愛知県刈谷市の住宅街にある倉庫で、次男(40)と会社を経営する黒岩行子さん(67)が数人の女性従業員とともに、車の内装に使われる布をミシンで縫っていた。一枚処理して三十五円。仕事量は少なく、七人の従業員に交代で出勤してもらっている。

 元請けの大手自動車メーカーから数えて何次下請けなのか分からない。今年の三月期決算では、百三十万円の消費税を支払う資金がなかった。「八年前に死んだ夫の生命保険金を貯金してあり、これを会社に貸して納税した」。同じころ、大手自動車メーカーの決算は過去最高益が相次いだ。「アベノミクス(安倍晋三首相の経済政策)ってどこに落ちてるんだろう

 一方、野党の党首はテレビの討論番組で「労働者の最低賃金を一時間千円に」と発言していた。縫製作業は慣れた従業員でも五十枚仕上げるのに一時間半かかる。「一時間で千百七十円の売り上げが限界。現実が分かっているのか」。売り上げから家賃や人件費を引くと何も残らない。

 赤字企業は、利益にかかる法人税を払わなくてもいい。しかし、消費税からは逃れられない。仕入れ時の消費税は仕入れ先が払うが、その分を除いて売り上げの消費税は納付する。

 元請けからの納入単価の引き下げ要求も、下請けには悩みの種だ。昨年二月、大手自動車の下請けが多い地域で、地元労働組合が中小企業にアンケートをした。「単価の切り下げは当たり前。断れば仕事がなくなる」「安くしなくては仕事はこない。50%くらい下げています」。労組の担当者は「費税が上がれば廃業が相次ぐのでは」と懸念する。

 その半面、消費税を払うのではなく、もらう企業がある。輸出品には消費税をかけられないため、輸出企業は仕入れにかかった費用の消費税分が税務署から還付される。二〇一一年度は消費税徴収予定額が十二兆円余なのに対し、還付額は約三兆円に及ぶ

 消費税制の矛盾を突く著作のある湖東(ことう)京至・元静岡大教授が、企業の有価証券報告書に記載された売上高、製造原価報告や、各社の公表する製品の輸出割合などに基づき試算したところ、自動車、電機、商社など少なくとも十八社に、各数百億円から一千億円超が還付されている。

 トヨタ本社や系列企業が集中する豊田税務署の場合、一〇年度は消費税徴収額が三百五十億円なのに対し、還付額は千六百六十億円。つまり、徴収額より還付額の方が千三百十億円も多い。日産本社のある神奈川税務署も、徴収額六百億円に対し、還付額は千百億円に上る。

 大手輸出企業は消費税率が上がっても、その分を国から還付され、仕入れ額の上昇は単価切り下げでしのぐことも可能だ。参院選の後には、成長戦略に沿った法人税減税の検討も本格化するとみられるが、国税庁のまとめでは国内法人の七割以上が赤字だ。赤字企業は法人税減税の恩恵を受けない。あるのは消費税の重圧だけだ。

 「国のやることは大手企業の優遇ばかり。消費税を上げるより先に、国会議員の給料と数を減らすべきじゃないか」と黒岩さん。零細企業の現実を見ぬ政治に腹が立つばかりだ。 (飯田孝幸)


公約見極めポイント 平等望むなら据え置き

 政府は景気状況をみた上で現在5%の消費税率を来年4月に8%、2015年10月に10%へ引き上げるかを判断する。日本商工会議所など4団体は11年夏、消費税の販売価格への転嫁状況を中小企業にアンケート。増税された場合に引き上げ分を価格に転嫁できないとする企業は売上高1500万円以下で68%、1500万~2000万円で67%、2000万~3000万円で64%に及んだ。経済アナリストの森永卓郎氏は「消費税は富の分配の問題と考えたほうがいい」と指摘。「消費増税は金持ちや大企業ほど負担が少なく弱肉強食の社会が進む。平等にするなら据え置きか引き下げるべきだろう」と話す。
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