Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●現独裁政権批判な映画『新聞記者』…東京新聞【政権批判で? テレビ番組PRゼロ…「忖度」ニモマケズヒット!】

2019年07月29日 00時00分36秒 | Weblog

[●『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]



マガジン9の芳地隆之氏による記事【マガ9レビュー/『新聞記者』(2019年日本/藤井道人監督)】(https://maga9.jp/190724-4/)。
東京新聞の竹島勇記者による記事【政権批判で?テレビ番組PRゼロ 映画「新聞記者」 「忖度」ニモマケズヒット!】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2019072502000196.html)。

 《しかし、吉岡エリカボブ・ウッドワードにはなれない。権力は複雑な搦手で個人の良心を押しつぶし、自由を奪っていくのである。…この映画は、いまこの国で起こっていることを現在進行形で追っているので、起承転結のストーリーが成り立たない。歯切れが悪いのはそのせいだ。しかし、それこそがこの作品を高く評価する理由である。(芳地隆之)》。
 《映画公開に際し、通常の作品では出演者らがバラエティーや情報番組などで告知するが、本作は断られて「ゼロ」だった。河村プロデューサーは「政権批判の内容だからでは」とみる。民放のあるバラエティー番組の構成者は「望月記者と菅義偉官房長官との会見バトルは有名。テレビ局は政権から目を付けられるのを嫌う。『新聞記者』を扱わないのはまさに忖度です」と話した》。

 #映画・新聞記者映画『新聞記者』)…番宣てんこ盛りにしないの? 《本作は断られて「ゼロ」だった》! 《ひとつは…マスコミへの警告、もうひとつは…当人への警告》だから? 《メディアコントロール》だから故? 現独裁政権批判な映画を、さすがに番宣する勇気がテレビには無いか?

   『●『新聞記者』(望月衣塑子著)読了…《ひとつずつ真実を
              認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》
   『●アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール…
                 「一人でも権力に立ち向かう」とはいうものの…
   『●『官邸ポリス』と監視社会・警察国家と前川喜平さん…
        映画『新聞記者』と現独裁政権批判と望月衣塑子さん

   『●木下昌明さん《あの黒く目隠しされた羊…
     実は何も知らないで日々を送っているわたしたちのことではないのか?》
   『●映画『新聞記者』…《内閣情報調査室の暗躍》
      《ひとつは…マスコミへの警告、もうひとつは…当人への警告》
   『●《メディアコントロール》…こんな「広報」マスメディアばかりでは
                 第25回参議院議員通常選挙が思いやられる
   『●映画『新聞記者』…《現在進行形の政治事件をモデル…。
       官邸が巧妙に仕掛ける同調圧力によって社会全体が萎縮》

   『●(政界地獄耳)《麻生に一貫して流れているスピリッツは
         弱者をさげすみ、バカにする体質》…選んだ人々の責任
   『●南彰記者『報道事変』…《皆さんと一緒に考え、
       新しい時代のメディア、ジャーナリズムをつくっていきたい》
   『●身の回りの選挙に行かない「2/4」の「眠り猫」な方を説得し、
                   選挙に行って野党に投票してもらいましょう
   『●映画『新聞記者』はMotive Forceに…
      参院選、「2/4」の眠り猫な皆さんを投票所へ〝駆動〟させる力へと
   『●《日本のメディアの閉塞状況》《閉塞するメディア、
        政権批判に対して圧力がかかる不健全な言論状況》…
   『●東京新聞「本音のコラム」【「動かぬ証拠」 前川喜平】
        【「情勢は流動的」 斎藤美奈子】…野党に投票を!
   『●《安倍外交礼賛原稿…「実際は蚊帳の外だった」と書けない…》、
                  《安倍政権の不正を描く映画》は宣伝されず…

==================================================================================
https://maga9.jp/190724-4/

マガ9レビュー
『新聞記者』(2019年日本/藤井道人監督)
By マガジン9編集部  2019年7月24日

 歯切れが悪い。全体のトーンは暗く、語り口は抑揚に乏しい。物語が進むほどに気分は滅入っていく。

 深夜の東都新聞社に大量のファクスが届くところから物語は始まる。政府による大学新設計画。それは首相の特別案件であり、しかも大学の隠れた目的は軍事研究である疑いがある。このプロジェクトの現場責任者である高級官僚の神崎が、不正を世間に公表するため、匿名で新聞社に送ったのであった。

 公僕としてのモラルよりも上司の指示を優先した自分を責めた上での決断だったが、彼は霞が関に並ぶ省庁の建物の屋上から身を投げる。

 私は当初、この作品から、古くは『大統領の陰謀』、最近では『スポットライト 世紀のスクープ』や『記者たち 衝撃と畏怖の真実』といった映画が描く、権力からの圧力に屈しない新聞記者が真実を突き止めていくストーリーを期待していた。ニクソン大統領の指示による政敵への盗聴、カトリック教会の神父らの児童に対する性的虐待、そして政府が嘘で固めた大義をもって始めたイラク戦争……。これらの映画では、アメリカの正義漢たるジャーナリストたちが地を這うように取材を重ね、権威をふりかざす者の欺瞞を白日の下にさらすのである。

 『新聞記者』に手に汗を握る小気味よいテンポはない。行きつ戻りつ。私たちが目にするのは、たとえば、内閣情報調査室のスタッフが、政府に批判的な人物のツイートに淡々と悪罵を書き込む姿である。

 この国の民主主義は形だけでいいんだ――内閣情報調査室の現場トップの多田は、組織ぐるみの不正に異議を唱える部下の杉原にそう言って憚らず、それと同じ口調で子どもが生まれた杉原に祝いの言葉をかけながら、無表情で祝儀を渡す。不気味な口封じに抗するように杉原は職場から機密情報を持ち出し、それを受け取った日本人の父と韓国人の母をもつ新聞記者、吉岡エリカが一面でスクープする。

 しかし、吉岡エリカはボブ・ウッドワードにはなれない。権力は複雑な搦手で個人の良心を押しつぶし、自由を奪っていくのである。

 上述のアメリカ映画は、すでに真実が明かされた過去の事件を物語にしたものだ。一方、この映画は、いまこの国で起こっていることを現在進行形で追っているので、起承転結のストーリーが成り立たない。

 歯切れが悪いのはそのせいだ。しかし、それこそがこの作品を高く評価する理由である。

(芳地隆之)


『新聞記者』(2019年日本/藤井道人監督)
※公式サイトhttps://shimbunkisha.jp/


https://youtu.be/zdPSidwlJ_I
==================================================================================

==================================================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2019072502000196.html

【放送芸能】
政権批判で?テレビ番組PRゼロ 映画「新聞記者」 「忖度」ニモマケズヒット!
2019年7月25日

     (舞台あいさつを行ったシム・ウンギョン(左)と松坂桃李=東京都新宿区で)

 権力とメディアの攻防と、当事者の葛藤を描いた映画「新聞記者」(藤井道人監督)がヒットしている。フィクションだが、公文書改ざん、大学新設を巡る不正疑惑、政権への忖度(そんたく)など現政権で問題となった案件を想起させる作品。参院選期間と重なったためか、はたまた忖度かは定かでないが、テレビ番組でのPRはほぼゼロだった。にもかかわらず異例の大健闘。関係者は政治問題を批判的に扱う劇映画の定着に期待を寄せる。 (竹島勇

 原案は本紙社会部の望月衣塑子(いそこ)記者のノンフィクション。六月二十八日に全国百四十三館で公開され、七月二十二日の時点で動員三十三万人、興行収入四・一億円を突破。興行通信社の週末観客動員ランキングでも先週まで三週連続トップ10入りした。配給元の担当者によると、観客層は当初、中高年が多かったが、「最近では若い層がじわじわ増加。SNSで浸透した効果では」とみる。

     (記者役のシム(左)と官僚役の松坂)

 河村光庸(みつのぶ)エグゼクティブプロデューサー(69)は「興収三億円いけば…と思っていたが予想以上になった」と喜ぶ。「安倍政権を思わせるサスペンス作品にして、あえて参院選の公示直前に公開した。数多くの映画館で上映できたことも大きい」と、話題性と作品の質、スクリーン数確保の三点がヒットに結び付いたと分析する。

 一方で、「テレビでPRできなかったので、ヒットには驚いた」とも漏らす。映画公開に際し、通常の作品では出演者らがバラエティーや情報番組などで告知するが、本作は断られて「ゼロ」だった。河村プロデューサーは「政権批判の内容だからでは」とみる。民放のあるバラエティー番組の構成者は「望月記者と菅義偉官房長官との会見バトルは有名。テレビ局は政権から目を付けられるのを嫌う。『新聞記者』を扱わないのはまさに忖度です」と話した。

 元文科省官僚の映画評論家、寺脇研=写真=は「フィクションだが、現政権の問題を描いた劇映画は海外でも聞かない。数十万人が見たのは快挙で、この種のジャンルを日本に定着させる突破口だ」と称賛。「テレビの告知はなくても、SNSに熱い賛辞が書き込まれて広まった」とヒットの理由を分析する。「志を曲げさせられた官僚の先輩が酒を飲み、悔しさを吐露するシーンはリアルだった」という。

 「これまでの観客は“反安倍”やジャーナリズムに関心のある人だが、一般の人はヒット作と知ると見たくなる。百万人の動員を記録すれば、政権や日本の民主主義の在り方を厳しく見つめるようになると思う」


◆主演・松坂桃李「作る側と観客の思いが近い作品」

 主演の二人、記者役のシム・ウンギョンと官僚役の松坂桃李が二十三日、東京・新宿ピカデリーで「大ヒット御礼」と銘打ち、上映後に舞台あいさつをした。

 シムは「たくさんの方に見ていただいてうれしいです。感激です」と高揚した表情で話した。松坂はヒットについて「公開して約一カ月、見た方がまだ見ていない人に伝えてくれて、数珠つなぎのように映画を育ててくれたその熱量がうれしい」と笑顔で感謝の言葉を述べた。

 司会者が各地の映画館支配人から寄せられた「満員の回が多い」「終了後にこれだけ拍手が起きる作品は初めて」「観客の方から感想を伝えられる」などというメッセージを紹介。

 シムは「自分の出演作でこんな反響は珍しい」と驚きの表情。松坂は「劇場の方からの反応はすごくうれしい作る側と観客の思いが近い作品だと感じた」と力を込めた。


◆本紙・望月衣塑子記者「今の政治に疑問 共感呼ぶ」

 実際の事件や疑惑を彷彿(ほうふつ)とさせる挑戦的な内容だけに、映画のヒットは望外の喜びだ。読者から「政治にもっと関心を向けなければ」「選挙に行きます」といった手紙が数十通も会社に届いたこともうれしい。参院選の取材現場で「映画良かったです」と声を掛けてくれた人もいた。政治に関心が薄いとされる若い世代からも映画は受け入れられていると感じた。

 モリカケ疑惑公文書改ざん閣僚への違法献金疑惑…。安倍政権下ではこの数年、重大事案が相次いだ。なぜこれらの問題は起き、それでも政権は揺るがないのか。その裏に、一体、何があるのか-。映画は、「今の政治ってちょっとおかしくないか?」という素朴な疑問を感じたり、「もやもや」とした感情を持ったりすることが、当たり前の感覚だと気づかせてくれる。それが多くの方々の共感を呼んだのではないか。
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする