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●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を

2013年12月18日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞の社説【袴田事件裁判 納得のできる判断を】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121402000129.html)。

 「最終意見書ではいくつもの疑問点が示された。裁判所は社会が納得できる判断を下さねばならない」・・・・・・「「四十七年間待った。もう、けりをつけていただくころだ」と、再審決定を待つ請求人の姉秀子さんも八十歳だ。十六日には秀子さんの意見陳述があり、来春にも地裁が再審の可否を判断する」。あまりにも長い検察や裁判所の怠慢。証拠が出てくるのに一体何年かかっているのか? 「白鳥決定で示されたように「疑わしきは被告人の利益に」を再審請求にも適用するのか。裁判官には疑問の残らない判断を期待したい」・・・・・・けれども、どうなだろう。静岡地裁の判断は?

   『●冤罪事件映画化: 袴田事件
   『●冤罪によるアリ地獄
   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121402000129.html

【社説】
袴田事件裁判 納得のできる判断を
2013年12月14日

 半世紀も前の強盗殺人事件で死刑が確定している袴田巌死刑囚の再審は実現するのだろうか。最終意見書ではいくつもの疑問点が示された。裁判所は社会が納得できる判断を下さねばならない。

 袴田事件は一九六六年、清水市(現静岡市清水区)のみそ製造会社専務宅から出火、焼け跡から一家四人の刺殺体が発見された事件で、住み込み従業員の袴田巌死刑囚が逮捕された。事件発生から一年二カ月後、働いていた工場のみそタンクから発見されたシャツ、ズボンなどの衣類五点と自供が決定的な証拠となり、八〇年に死刑が確定した。

 静岡地裁で二〇〇八年から始まった第二次再審請求の審理では、裁判官による証拠開示の勧告が地検になされたことが注目に値する。地検から六百点にも及ぶ証拠が弁護団に示された。審理に新たな道を開いた意義は大きい。

 再審請求の最大の焦点はDNA鑑定だ。犯人のものとされる五点の衣類に付着していた血液が最新の技術で再鑑定された。

 弁護側の鑑定人が「袴田死刑囚、被害者いずれの血液とも一致しない」としたのに対し、検察側は「鑑定試料が古く正確な判定ができない」とし、一致する可能性もあると反論している。

 新たに開示された証拠の中には自白供述の録音テープや関係者の供述調書があった。その一つで袴田死刑囚と一緒に消火活動に走ったという同僚二人の供述について検察側は「犯行後のことで犯行時のアリバイにはならない」と一蹴する。そのほかの疑問点もすべて確定判決を覆す新証拠ではないとするのが検察側の見解だ。

 「四十七年間待った。もう、けりをつけていただくころだ」と、再審決定を待つ請求人の姉秀子さんも八十歳だ。十六日には秀子さんの意見陳述があり、来春にも地裁が再審の可否を判断する。

 裁判員裁判が社会に定着。国民一人一人が司法に直接携わる時代になった。証拠の開示はその流れを受けて行われたともいえる。

 弁護団側が主張する証拠はどれも決定的な新証拠ではないようにみられる。しかし、「これだけ疑問のある証拠が出てきたことは、総合的に見て犯人ではない」と主張する。

 再審開始は「明らかな証拠をあらたに発見したとき」なのか。白鳥決定で示されたように「疑わしきは被告人の利益に」を再審請求にも適用するのか。裁判官には疑問の残らない判断を期待したい
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