椹木野衣「感性は感動しないー美術の見方、批評の作法」世界思想社 (教養みらい選書 2018/7)
不明にして著者も出版社も知らなかった.
冒頭の「感性は感動しない」という文章は25校以上の大学入試で出題されたということである.
出版社の名称からは何やら恐ろしい思想を吹き込まれそうな気配を感じるが,真面目なお堅い本の出版社である.
著者は美術と本の批評家で,本書は「 I 絵の見方、味わい方,II 本の読み方、批評の書き方,III 批評の根となる記憶と生活」の3部構成.I, II が著者の職業に直結した内容.です/ます調だが内容は堅い.読んで楽しいのは III である.ちなみに入試出題の「感性は...」だけは,である調で,冒頭に別格扱い.
著者は「批評家」であって,遊び半分にブログに感想文をアップするのとは立場が異なる.評価というものは所詮 個人的なものでしかないと思うが,批評家の発言にはある程度の普遍性が求められるのだろう.
批評家の最初の仕事はまず批評する対象を探すこと,らしい.批評対象と関係を醸し出すには時間が必要で,直ぐに感想を求められても困る,というのは理解できる.
絵を見たら絵を描きたくなり,ジャズを聴いたらジャズを演理宅なるようでは,批評家にはなれない.
カバー挿画 高橋大輔,本文イラスト まきみち.ブックデザインが地味だがいい.
図書館にあるべき図書館本.
不明にして著者も出版社も知らなかった.
冒頭の「感性は感動しない」という文章は25校以上の大学入試で出題されたということである.
出版社の名称からは何やら恐ろしい思想を吹き込まれそうな気配を感じるが,真面目なお堅い本の出版社である.
著者は美術と本の批評家で,本書は「 I 絵の見方、味わい方,II 本の読み方、批評の書き方,III 批評の根となる記憶と生活」の3部構成.I, II が著者の職業に直結した内容.です/ます調だが内容は堅い.読んで楽しいのは III である.ちなみに入試出題の「感性は...」だけは,である調で,冒頭に別格扱い.
著者は「批評家」であって,遊び半分にブログに感想文をアップするのとは立場が異なる.評価というものは所詮 個人的なものでしかないと思うが,批評家の発言にはある程度の普遍性が求められるのだろう.
批評家の最初の仕事はまず批評する対象を探すこと,らしい.批評対象と関係を醸し出すには時間が必要で,直ぐに感想を求められても困る,というのは理解できる.
絵を見たら絵を描きたくなり,ジャズを聴いたらジャズを演理宅なるようでは,批評家にはなれない.
カバー挿画 高橋大輔,本文イラスト まきみち.ブックデザインが地味だがいい.
図書館にあるべき図書館本.
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