Sixteen Tones

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こどもの絵の魅力

2019-02-10 08:13:52 | お絵かき
椹木野衣「感性は感動しないー美術の見方、批評の作法」世界思想社 (教養みらい選書 2018/7)

「子供の絵」という章がある.適当に引用すると

「大人が子供のように描こうとしても,絶対に同じようには描けない.(中略) 大人には子供のような感性がもう失われて久しいからでしょうか.いや,ぜんぜんそういうことではないのです.(中略) まず,子供は大人に比べて手が圧倒的に小さい,その小さな手に特段に小さくもない筆記用具を持って,線をひきます.(中略) これに加えて筆圧があります,子供は握力も乏しく,筆記用具の握り方も,神への力の掛け方も非常に不安定で,均質ではありません.この力の抜き差しが,大人にはどうしても真似ができないのです.(中略) ともかく,一時が万事こうなのです.」

これに続いて,子供の絵の魅力が義務教育を経るにしたがって,どんどんなくなるのは,「こくご」「さんすう」の影響だとおっしゃる.均等なマス目のなかに文字や数字をいれさせることが,子供の能力を抑制する.

裏表紙の惹句のトップに「子供の絵はなぜいいのか ?」と書いてあって,まぁおっしゃるような側面があるとしても,それが全てではないだろう.子供が描く絵の輪郭線がなぜ不安定か,は理解できるけれど.

トップの「伸餅」は 1949 年,熊谷守一の作品.昭和天皇がこの絵を見て「これは何歳の子が描いたのか?」と周囲に聞いたそうだ.子供にこんな絵が描けるわけがない ! とは思うがそれはさておき,なぜ子供の絵と思われたか,と考えると,そこには椹木さんが指摘した要素はない.

子供の絵について,こどもの専門家!?が発言したサイトをあさったところ,「子どもの絵の魅力~評価の高い絵とは?」をみつけた.神戸大学名誉教授 東山明氏への聞き書きらしい.おっしゃることに説得力はあるが,主題は我が子にどのように先生に受ける絵を描かせるか..を教育ママに助言すること,であった.

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