
ファジィ論理とか,その応用のファジィ制御は前世紀の終わり頃流行したが,最近は AI 作曲への利用がささやかれている.
このふたつの図は
P.Elsea "Musical Applications of Fuzzy Logic", http://artsites.ucsc.edu/EMS/music/research/Music_App_Fuzzy.pdf
による.
背が高いとか低いとかいうのは,あいまいな (fuzzy) な概念である.文句なしに背の高い人・背の低い人がいるが,その中間には上の図のように,見方によって背が高いとも背が低いとも言える人がある.このグラフをファジィ関数(専門用語ではメンバーシップ関数)ということにする.
音楽では (一般に芸術では) このようにあいまいな概念が幅を利かせている.下の図はピアニシモ pp からフォルテシモ ff に至る概念だが,例えば pp と p との境界ははっきりせず,あいまい すなわち fuzzy である.

こちらは二つの純音 (単周波数音) を同時に聞いたときの違和感を示したもので,横軸は周波数差である.普通はこの関数を確定的なものとして扱うが,ファジィ関数として扱う方が適当だろう.ふたつの楽音,すなわち整数倍音を持つ2音にファジィ論理を適用して,協和・不協和を計算したらどうなるか? たぶん結果は本に書いたのと同じになると思ぅが....
ファジィ制御のデモンストレーションは倒立振子の制御だが,類似な手法,シーケンシャルな意思決定を作曲に適用する試みがある.
この項続きます.