Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

仙人と呼ばれた男

2018-06-27 08:29:07 | 読書
田村祥蔵「仙人と呼ばれた男 - 画家・熊谷守一の生涯」中央公論新社 (2017/11).

刊行時はタイトルが気に食わなかったので買わなかった.「死人に口なし」とはいえ,本文にも,本人は仙人と呼ばれるのを嫌がったとあるではないか.
しかし古書となるとポテンシャルバリヤが低下して買ってしまった.なかなかおもしろい.

Amazon より*****内容(「BOOK」データベース)
常識や社会通念を超えて生き、仙人と呼ばれた画家・熊谷守一。偉大な父のもとでの特異な幼少期。東京美術学校での若き芸術家たちとの友情。故郷・岐阜県付知の山中での孤独な生活。売るための絵を描けず、超貧乏を続けた壮年期。やがて身近の虫や草花を題材に独自な画風を築いていった。生涯、名利に背を向け、文化勲章も辞退した。日本の洋画史に大きな足跡を残した、九十七年の特異な生涯を探った、ノンフィクションの傑作。*****

70 年代はじめに日経新聞の連載を本にした「へたも絵のうち」を読んで,熊谷画伯のことはなんでもわかっているような気でいた.著者の田村氏は「へたも...」担当の記者だったそうで,新聞には書かなかった / 書けなかったことが面白い.
父親・孫六郎は岐阜市長にして代議士だったが,子供たちは全員父の思う方向には進まなかったこと.親友の妻を奪ったこと,文化勲章では「人が人に勲章をやるなんて」と怒り狂ったこと,等等.

現在の熊谷伝説のネタは「へたも...」にあるらしい.最近映画もできたが,予告を見た限りでは,熊谷伝説の殻を破ってはいないように思える.
コメント
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