Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

やさしい現代音楽の作曲法

2018-06-04 08:31:12 | 新音律
木石岳 著, 川島 素晴 監修「はじめての<脱>音楽 やさしい現代音楽の作曲法」自由現代社 (2018/4).

この本を手に取って見たいと思ったが,丸善・紀伊国屋には置いてない.
結局ネットで取り寄せたが,大正解.☆ ☆ ☆ ☆★

現代音楽は断片的な知識したない者にとっては,ありがたい.ただし,内容に著者のの独断と偏見が混じっていたとしても,ぼくには判断不能.

 第1章 <脱>調整 〜グッバイ、美しい響き〜 無調,12音...
 第2章 <脱>作曲 〜ほとんど作曲しない〜 アルコリズム作曲,偶然性,...
 第3章 <脱>音色 〜知らない響きを求めて〜 新奏法と記譜,クラスター/微分音,...
 第4章 <脱>音楽 〜もはや音楽ですらない〜 ミュージック・コンクレート,サウンド・スケープ,....

章のタイトルが良い.各章の詳しい内容は,ご丁寧に amazon のページに出ている.最近こういう例が多いのはありがたい.

巻末には Open Music という作曲ソフトの紹介と,現代音楽関連年表.後者は 1945 のバルトークとウェーベルンの死から始まる.

帯の新垣隆のことば「ここに書かれている事を「前世紀,すなわち20世紀に起こった,もはや今となってはなっては「なんとも古臭い事象」と捉えてもらっても全く構わないかと思う」に始まる文章が良い.しかし著者も監修者もそのことは十分意識しているようだ.

各節の最後には「発展」と題する項があり,ジャズ・ポピュラー音楽だけでなく,文学・美術・演劇などとの関連も述べられる.著者はなんでも識っているらしい.

現代音楽は俺でもすぐ作れる,と言う気にさせる.多分すぐ作れるのだろう.しかし既存のルールに従って,そこらにありそうな曲を作れば,その結果は誰にでも評価できそうだが,現代音楽では,誰にも評価できそうもない.
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