Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

A・A・ミルンのミステリ

2018-06-12 09:05:51 | 読書
A.A.ミルン, 大西 尹明 訳,「赤い館の秘密」 創元推理文庫 (1959/5).

「くまのプーさん」は次々と新訳が出ているが,こちらは忘れられた存在かも.学生時代に世界の名ミステリとやらの読破を! と思った頃 (この初版が出た頃) 読んだと思うが,ほとんど記憶になかった.古書店で 100 円.

Amazon の内容紹介*****
英国の劇作家ミルンが書いた唯一の推理長編。しかも、この一作でミルンの名が推理小説史上に残った名作。暑い夏の昼さがり、赤い館を十五年ぶりに訪れた兄が殺され、家の主人は姿を消してしまった。二人のしろうと探偵のかもし出す軽妙な風味と、専門家はだしの巧妙なトリックは、通人の珍重するキャビアの味、と評されるゆえんである。*****

イラストはタイトルを見ただけで読まずに描かれたらしい.女性は登場するがほんの添え物.
読んでいる途中では全然 金田一耕助を思い出さなかったが,横溝正史はここの探偵役ギリンガムが金田一助のモデルであると,言っているそうだ.

その名も懐かしい中島河太郎の解説.ここでは「ユーモア」がしきりに強調されている.確かに著者が面白がって書いていることは感じられるが,ことさらに笑いを誘っている気配はない.

ミステリとしてのレベルは三毛猫ホームズ程度.途中で結末がわかるが,前に読んだことが意識下に残っていたのかもしれない.

しかしなかなか読後感が良い.自分なりにその理由を考えると,探偵役も被害者も遊んで暮らせるご身分.だから素人探偵ペアがまじめくさってやることが,プーやイーヨーや (三毛猫の) ホームズごっこみたいで,微笑ましいからだと思う.

ただしこの作品 The Red House Mistery は 1922 年,くまのプーさん Winnie-the-Pooh 1926 年よりも早い作品.

☆☆☆★
コメント
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