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なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

02007年008月029日(水)マルホランドドライブ

2007-08-29 | 休み
先週には借りていたのだけれどバイトなり
遊びに行ったりなんかしていて観れてなかった
デビット・リンチの『マルホランド・ドライブ』
をようやくと観ることとが出来た。

初めてのリンチの映画だったけれども
云われるほど特異でもないような…
シュールだとか、難解だとか云われているけれど
特に意識しなくとも良いように思えた。

正直『かもめ食堂』と同種の映画のように思えた。
特段にストーリーで何か言いたいと言うよりも
気持ちの良い瞬間を楽しめたら良いのかなと。
かけっぱなしにして置くみたいな。部屋の隅で。

ストーリーがあるようで、ストーリーが無くて
映画がストーリーに還元されることを拒否してる。
そこは両者に共通していると思うけれど

比べて良いのかどうか分からないけれど
『マルホランド~』と『かもめ食堂』の違いは
土台が確りしているかどうかだと思える。

『かもめ』は非常に舞台設定が明確で人物もきちっとした
輪郭を持っているが、ストーリーは無い。だからこそ
安心して、ある種のファンタジーとも云える映画の
やわらかい世界に身をゆだねることが出来る。

『マルホランドドライブ』の方もストーリーはあるようで
無いところは同じであるけれど、舞台設定も人物も
非常に不明瞭で、プロットが非常に不安定なので
その世界に安心して身をゆだねることは出来ない。

だけれども、だからと言ってそれが不快なもの
であるかといえば、決してそうではなくて
ハリウッドの超大作映画のような確固とした安定した
プロットよりも観ていて疲れないのが心地が良い。

ハリウッドの超大作や日本で言えばテレビ局製作の
映画などを観ると、「次はこうなるな」とかを考えて
そして大概そのようになり、そういうことを自分でも
無意識のうちにそのことを望んでしまうけど。


硬いベッドのほうが体には良いけれども
やわらかいベッドのほうが気持ち良いみたいな。
大作と書いたけれど、インディーズな映画でも
筋は在って、構成も普通確りしてる。その世界も。

けれどこの監督の映画、まぁこれしか観てないけれど
非常に不安定な土台の上でお芝居が行われているように
思えてきた。次の場面ではなく、もう瞬間に何が
起こるのかが脈略無く裏切られて不安になる。


ストーリーが在る様で無くて、けれど全体がどこか
ぐらついていて、何も寄りかかれない不安が…
あぁ~、ますます『インランド・エンパイア』が
見たくなっちゃったよ。けれど残念ながらDVD待ち…



いや、僕なんかよりも色々と知識を持った人には
もっと様々に深いものを見出せたりするのだろうけど。

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