ようやく試験が始まった。こういうものは待たされるよりもとっとと終わった方がいい。試験が始まれば終わりはすぐだけれど、始まるまでが永遠のように長い。陳腐な形容だけど。ほんとに長い。一体こんな時間を何度経験してきたろう。嫌いなはずなのに、だけれど心地よい。そこから解き放たれて時の快感はえもいわれぬ。便秘の後に似ている。
僕の受験番号は比較的若い方だった。だから緊張の時間はそれほど長くはなかった。とはいっても一人およそ15分ほどの持ち時間だ。前に5~6人いたために試験開始から1時間ほど待たされることとなった。緊張の虜となった僕の膀胱は頻繁にトイレに呼び出されてしまった。2回か。確か。
やっとこさで僕の番。シミュレーションは完璧だった。問題は僕にそれを実行する能力があるかどうか。ノックは完璧。ドアの開閉も申し分ない。着席も促されてから座る。ここまでは完璧だった。顔が赤くなる。早口になる。どもる。だが質問には完璧に答えてゆけた?様な気がした。
「うちの大学でどんなことを学びたいのですか」学部長が柔和な表情で温和に質問された。
「はい、マイノリティの研究をしたいと考えています。」詳細は省くが大体こんな感じで答える。いい感じだった。だけれども冷や水が飛んでくる。
「それが出来なかったら、どうするの?」今でも苦手な某先生が良い感じのボールを気難しい表情でインターセプト。
ボールが途切れてしまった。
僕の受験番号は比較的若い方だった。だから緊張の時間はそれほど長くはなかった。とはいっても一人およそ15分ほどの持ち時間だ。前に5~6人いたために試験開始から1時間ほど待たされることとなった。緊張の虜となった僕の膀胱は頻繁にトイレに呼び出されてしまった。2回か。確か。
やっとこさで僕の番。シミュレーションは完璧だった。問題は僕にそれを実行する能力があるかどうか。ノックは完璧。ドアの開閉も申し分ない。着席も促されてから座る。ここまでは完璧だった。顔が赤くなる。早口になる。どもる。だが質問には完璧に答えてゆけた?様な気がした。
「うちの大学でどんなことを学びたいのですか」学部長が柔和な表情で温和に質問された。
「はい、マイノリティの研究をしたいと考えています。」詳細は省くが大体こんな感じで答える。いい感じだった。だけれども冷や水が飛んでくる。
「それが出来なかったら、どうするの?」今でも苦手な某先生が良い感じのボールを気難しい表情でインターセプト。
ボールが途切れてしまった。