NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

2006年02月21日(火)回顧

2006-02-21 | 休み
 ようやく試験が始まった。こういうものは待たされるよりもとっとと終わった方がいい。試験が始まれば終わりはすぐだけれど、始まるまでが永遠のように長い。陳腐な形容だけど。ほんとに長い。一体こんな時間を何度経験してきたろう。嫌いなはずなのに、だけれど心地よい。そこから解き放たれて時の快感はえもいわれぬ。便秘の後に似ている。

 僕の受験番号は比較的若い方だった。だから緊張の時間はそれほど長くはなかった。とはいっても一人およそ15分ほどの持ち時間だ。前に5~6人いたために試験開始から1時間ほど待たされることとなった。緊張の虜となった僕の膀胱は頻繁にトイレに呼び出されてしまった。2回か。確か。


 やっとこさで僕の番。シミュレーションは完璧だった。問題は僕にそれを実行する能力があるかどうか。ノックは完璧。ドアの開閉も申し分ない。着席も促されてから座る。ここまでは完璧だった。顔が赤くなる。早口になる。どもる。だが質問には完璧に答えてゆけた?様な気がした。
 「うちの大学でどんなことを学びたいのですか」学部長が柔和な表情で温和に質問された。
 「はい、マイノリティの研究をしたいと考えています。」詳細は省くが大体こんな感じで答える。いい感じだった。だけれども冷や水が飛んでくる。

 「それが出来なかったら、どうするの?」今でも苦手な某先生が良い感じのボールを気難しい表情でインターセプト。
 ボールが途切れてしまった。

2006年02月21日(火)回顧

2006-02-21 | 休み
 とうとう試験の当日。それまでの試験の日よりも良く眠れた。予定していたよりも早く起きれたため、集合時刻の一時間前に待合室に到着した。これは一番のりかと思ったが、先客が居た。別に挨拶はしない。
 しばらくすると続々と受験生が待合室にやって来た。やはり別に挨拶はしない。言葉を発することすらはばかれるような雰囲気。誰もが押し黙っていた。まぁそんなとこでぺちゃくちゃ話している方がどうかしているかもしれないが。
 
 そんなコナカで押し黙りながらも頭の中では面接のシミュレーションをはじめた。ドアをノックし、「失礼します」と頭を下げる。ドアはきちんとドアに向かって閉め、呼ばれるまで椅子には座らない。椅子の背もたれからは少し背を離してすわり、手はひざ辺りに軽く握っておく。「どんな本を読みましたか」、「何を学びたいのですか」etc前に受けた試験とは雲泥の差の準備。完璧か?
 
 「ここ、待合室ですよね?」こんな時唐突にそんな言葉が耳に入った。「ハイ。そうですけど」たしかこんな流れの会話だった。なんてことない会話だったがあの場ではとても不思議な感じがした。声をかけてきたのが女の子だというのは覚えているが、顔を覚えていない。かわいかったのだろうか。


 試験が始まるまでの時間は長かった。永遠に終わらない試験までの時間。密室に閉じ込められた人々。昔のSFのような時間。だがそれは錯覚で職員の方らしき人が試験の開始を告げにきた。