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NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

フルメタルジャケット

2010-01-29 | 休み
聴いたことがあったり、多少は内容を知ってはいるけれど観たことがない映画を観るブーム。関係ないけれど、『2001年 宇宙の旅』のDVDがどこかに言ってしまった。レンタルするのも馬鹿らしいけど、観たい…BD版を買い直せと言うことなのか。


full metal jacket


キューブリック作品は『ロリータ』を除くと後年の有名どころしか観てない。『フルメタルジャケット』に関しては口汚い罵詈雑言を容赦無く浴びせるハートマン軍曹自体が一人歩きしていて、ハートマン軍曹のパロディとかは知っていたけれど、内容は全く。で、観てみると口角はもちろん膝辺りのカメラ、暖色系の色を効果的に使う演出とかいつものキューブリック。

本当に綺麗。聞くに堪えない口汚い言葉が飛び交いまくる海兵しか出てこないむさくるしいブートキャンプのシークエンスでさえも、均整が取れた画でとっても美しいと言う不思議。ブートキャンプのシークエンスの中ではハートマン軍曹がトイレで打たれるシーンがそのシーンの陰惨さに比して美しいし、戦争での一連のシークエンスも膝下カメラで綺麗。退屈だけれど。


前半のテンポの良さに比して、後半の戦場のテンポが悪いこと。でもそんなこと関係なく綺麗だから良い。正直退屈。性格悪い美人みたいなもん。そしてEDの「Paint it black」がかっちょ良い。良い映画監督は音楽にも造詣が無いと駄目なのね。キューブリックしかりタランティーノしかり。あぁ~BD欲しい。

40男のバージンロード

2010-01-24 | 休み
『トロピックサンダー』とどっちを借りようかと一瞬悩んだけれど、ハリウッドコメディはビッグバジェットじゃないほうが面白い!という経験則から『40男のバージンロード』にする。2009年5月アメリカ公開なのに日本国内劇場スルーDVDオンリー。ウィル・フェレルとかアダム・サンドラー、スティーブ・カレルさえほとんど一般的じゃない国だもの…



『I Love You,Man』(Official Movie Site)
40男のバージンロード



男子校とか体育会系の言ってしまえばホモソーシャルな世界をくぐっていない人間にとっては極めて身近なテーマ設定だと思う。結婚相手を見つけるよりも親友を見つけることの方が大人になればなるほど遥かに難しい。で、結構そういう世界観をくぐっていない人間は多く、ぼくもその一人。予備校や大学の寮生活時代あのけつを叩き合うのが挨拶な世界観になじめなかった。

小ネタや下らない下ネタ満載でとっても面白く笑いっぱなしだったけれど、根底にはホモソーシャルな世界をくぐっていない人間が社会、殊にホモソーシャルな世界観に基づいて運営されている男社会との適応の話。幾ら女子カルチャーになじんでいたり、そちらの方に許容されていてもそれらはホモソーシャルの鏡写しであり、結局はそれだけでは許してもらえない。

日曜日の夜にHBOの番組を観たり、ジョニー・デップ主演の『ショコラ』に感動したり、女の子の話を聴くのが楽しかったりしても女子でもなけりゃゲイでもない。けれどキレイ目の格好が好きで、エグイ猥談や男臭い関係性は苦手。映画の中でも描かれていたけれど、端的に言えば「友達同士でセックスの話をしない」関係性。いやぁ、死ぬほど良く分かる。

日本で言うセカイ系の話にも絡むし(草食系とは言いたくない)、先週公開された『<500日>のサマー』にも通じる話。面白い、面白いんだけれど、心のそこからは笑えない。笑えないのは観ている側に問題があって、ホモソーシャルな世界観で生きている人間からしたら単純に面白いコメディだろうけれど、そうでない人間からすると問題意識を突きつけられている感じがする。


でもまぁ、最後にはピーターもシドニーも良かったね、と思えて追われるんだけれど…


友達の結婚式に出席して、果たして自分の結婚式(を仮に挙げるとして)に果たして何人の友達が来るのか?と一瞬でもよぎったら、観るべきだなぁ。ただそれにしてものタイトル。劇場スルー作品だし、日本ではほとんど売れないハリウッドコメディだし、売るのが難しいのは分かるけど。『バス男』も酷かったけれど…健全な人なら楽しく笑って観られる良い映画だと思う。

チェンジリング

2010-01-23 | 休み
またゲオ様で4枚ほど。ただ自分の中の「DVDを一杯観るブームが」終わりそうな勢い。近所のゲオはかなり狭い店舗なので在庫も少なく、『ファイトクラブ』観たいけど置いてない…大型店舗に行ってみようか、遠いけれども。



『Changeling』(Official Site)
チェンジリング



クリント・イーストウッド監督の映画をDVDで観るブーム。本当にこれが映画なんだなぁと思わせてくれる映画。演出の切れが良すぎ。特に後半のコリンズ夫人のウォルターへの心象を描いた演出が印象深く。



犯人の裁判シーン。犯人が裁判で判決を言い渡される前、被害者遺族の中で唯一犯人に対して恨み言を言わず凛としていたコリンズ夫人に対して、「ウォルターは生きてる!」、「ウォルターは天使だった!」と言い放つとそれまで息子の死を受け入れて毅然としていた夫人が動揺の色を見せ、判決に際して打ち鳴らされる木槌の音がまるで楔を打ち込むよう。

2年後犯人の死刑執行前日に、犯人から真実を話すと言う手紙を受けて刑務所まで面会に行くシーン。犯人が「ウォルターは生きてる!」と法廷で告げたが嘘だったと。一気に激昂、詰問する夫人。看守は面会を中断しコリンズ夫人を面会室に残し犯人を連れ出す。面会室の鉄格子にもたれかかった夫人を外から録るとか。囚人じゃないのに夫人が事件に囚われている。

さらに5年後。遺族の一人から自分達の息子が戻ってきたと連絡が入り、警察署まで会いに行く夫人。誘拐された子供の一人が生きていた。どうやって生き延びたか、その話の過程でどうやって逃げ出したかという話の中で夫人の息子、ウォルターの勇気ある行動の話を聴かされる。ウォルターもその時逃げ出したことも。そこでの涙と署を出てからの希望に満ちた力強い表情。



起点から転換点、終点まで報われない悲惨な話でしかないのに、一種晴れやかな気持ちで見終えることが出来るって凄い。特にこの後半の3つのシーンが凄すぎる。単体で観ても凄いけれど、これが流れの中で描かれるのでコリンズ夫人の心理描写が丁寧で克明。息子の死を受け入れきれない→受け入れそうになる→息子の生存を確信する。それが分かり易い演出なのに臭くない。

刑務所のシーンは下手な人がやったら冗談ぽくなりそうだけど、全然そんなことも無く自然。あと監督のピアノも効果的で良いし、エンディング、エンドロールに流れるそれが余韻があって特に良い。

アンジェリーナ・ジョリーが良かったのは言うまでもないけど、何といってもジェフリー・ドノヴァンの下衆な警部の芝居。ろくでもない、いけ好かない権力者の役って正にはまり役。『名探偵モンク』の宇宙飛行士役でもそうだったけれど、観ていて犯人と同等、若しくはそれ以上にその非道さに腹が立ってくるって凄い。その警部や医者の言葉に「んなわけねーだろ」と突っ込めるし。


クリント・イーストウッド映画が面白すぎて面白すぎて凄すぎて、『インビクタス』観に行ってしまいそう。

プライド

2010-01-17 | 休み
『愛のむきだし』の満島ひかりさんがとんでも無かったので、もう一本の出世作である『プライド』を借りてくる。面白かったのは先週ゲオに行った際は在庫は1本だけでそれも貸出中であったのに、今回見てみると在庫が2本に増えていた。ゲオって柔軟なんだなぁ、よっぽど回転が良かったのか。



『プライド』(DVD公式)
プライド



泣く子も黙る一条ゆかり先生原作。でも原作未読。これも結構評判が良くて2009年の映画の中で高く評価している人も多かったけれど…満島さんとかうまい人は確かに上手いけれども、微妙な人はことごとく微妙な演技。”演技が初めて”という形容で紹介される主演のステファニーさんは「何不自由無く育ったお嬢様」という役に救われているだけかなぁとも思える。

静と動だから、お嬢様と貧乏人だから、これはこれで演出意図通りといえば、そうなのかぁと納得できなくは無いけれど、あまりにもステファニーさんの動じない演技というかポーカーフェースというか、変わらなさ過ぎる表情については監督も言い逃れできなかったよう。特典のオーディオコメンタリーでの金子監督の「すぐぼけっとする」発言に笑う。

原作未読なので、原作自体の問題なのか映画独自の問題なのかの判断は付かないのだけれど、前半がかなり急な展開。急というか唐突。二人が知り合うきっかけやステファニーこと史緒が無一文になってしまう展開はご都合主義といえばかなりのご都合主義であり唐突。ただそういうのを割り切ればエンターテイメントとして面白い。突っ込み所は多いけど。

そしてまたオペラを舞台とした音楽が題材のストーリーだと思っていると、途中から何だかお水の花道になって行く。オペラ歌手で海外留学云々を言っていたのにいつの間にかクラブ歌手になっていたり、ポップスのような何か(R&B?)を歌うことになるとか良く分からないといえば良く分からない。でも展開としては筋はちゃんと通ってる。そして面白い。


何だろうかお芝居だったり、演出だったり、或いはプロットだったりに不満やら穴やらが沢山あって突っ込み所は満載なのだけれど、根本的な部分はしっかりと作られていたり、満島さんが良い役と良いシーンを演じているので、しまるというか、ちゃんと面白くなってる。というか面白い。前半はちょっとアレだけど後半は歌も含めてグッと面白くなる。

本編も面白かったけれどそれを上回る面白さが金子監督と助監督の方々のオーディオコメンタリー。そのシーンにまつわるエピソードなどを語っているのだけれど、不満に思ったところ、おかしいと思ったところの大半をちゃんと監督自信が奥歯にモノが挟まっている感じで語っているのが面白い。ステファニーさん:ぼおっとしてる、満島さん:悔しがってたとかも。


結局本編とオーディオコメンタリーで2回観てしまう。映画を作るって大変なんだなぁ、ということがオーディオコメンタリーを通して感じられるのが良かった。ご都合主義的に唐突だったりするのに、エンターテイメントとして面白い。ビックバジェットでは決して無いけれど。何で満島さんがこれで注目されたのかは良く分かる映画。

グラントリノ

2010-01-16 | 休み
よくよく考えたら年末年始など関係なく時間があるのだからと、ゲオ様で5本ほど借りてくる。一気に4本まで観たので凄い疲れた。ようやく『プライド』も観れたけれど、やっぱり『グラントリノ』が面白かったというか、凄かった。



『グラントリノ』(映画公式)
グラントリノ



あんまりにも評判だったので準新作だったけど『グラントリノ』を借りる。『ミリオンダラーベイビー』を観た時も思ったけど、これが映画なんだと思わせる映画だった。それがもっと重い感じ。「感動の映画!」、「泣ける映画!」とかそういう文句なんてどうでも良いなぁと思わせるほどに、泣けるとか感動できるという動詞では片付けられないモノが有る。映画ってこういうものなんだなぁと。ラストは身震いとか動悸がした。




コワルスキーがしばしば朝鮮戦争の従軍体験を話し、そこでの自分の行為を恐れ後悔を表明している。それはラストまで変わらず人殺しについて最悪な後味だと言う。それは復讐を決意するタオを止めるための科白だとその時点では感じるが、結末においてそれはタオを止めるための言葉ではなく二度と人を殺したくないと言う心からの吐露であったことが解かる。

朝鮮戦争での体験以来、戦場で自ら人殺しをしてしまったことへの後悔と苦い後味を忘れられなかったというコワルスキーの人物像だからこそのラスト、彼の選択だったのだと思う。人殺しをしたくない、けれどもチンピラを放っておけばタオやスーの将来が無い。ではどうしたら良いのかと言う考えが、ラストの行動だったと言うこと。

ラストの行動に関してはトッド・フィールド監督の『イン・ザ・ベッドルーム』のラストで感じた不可避な暴力にどう対峙するのかと言う部分に違和感でないにしろ拭いがたいもやもやとした後味を抱いていたけれど、今作のラストでコワルスキーが取った行動の後味は『イン・ザ・ベッドルーム』の父親のそれとは異なった後味だった。

それにしても人物描写が丁寧だな。コワルスキーがどういう人物なのか。彼を取り巻く人々はどういった人々なのか。彼の住む街はどういう状況なのか。何故彼が毛嫌いする異人種、移民、モン族に心を開いたのか。ちょっとモン族の習慣で片付けてしまっている感がしないでもないけれど、それでも十分に伏線も丁寧で、彼の動機が説明的ではないけれど明確に解かる。

またタオがラストでコワルスキーのグラントリノに乗っているのは、タオの故郷では「女のする仕事」である庭掃除をさせたり、(アメリカ的な)タフな男の立ち居振る舞いを教え込んだり、仕事を世話してあげたりしていることから分かるように、それは異人種であるタオがアメリカ人として生きていくということを示している。アメリカの魂であるフォードの車を譲ることで。

ことあるごとに、というよりもむしろ口うるさいほどに、細かな人種的な分類を示したり、異人種のアメリカ社会への浸透をこれでもかと描いているところにもその意思を感じさせる。アメ車だ日本車だ、イタリア系だ、ポーランド系だ、モン族だと何かあるたびに個々の民族性を喚起させる科白や演出が目白押しなので、そういうことなのだと理解出来る。うるさいけど、そういう人物像として提示されているので、説明的ではない。



前情報を大して聞いていなかったけれど、観てると結末は大抵予想できる。予想できるんだけれど、そんなことは関係が無いんだなぁ。でもwikiとかは結構核心以外はほぼ記述されてるので、なるべくなら前情報を仕入れないほうが楽しめるかなぁ。まぁ楽しむというのとはちょっと違うか。『ダーティーハリー』な路線も好きだけれど、後年の路線も凄いや。でもぼくのイーストウッド監督の一番は傑作じゃないけど『真夜中のサバナ』。