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40男のバージンロード

2010-01-24 | 休み
『トロピックサンダー』とどっちを借りようかと一瞬悩んだけれど、ハリウッドコメディはビッグバジェットじゃないほうが面白い!という経験則から『40男のバージンロード』にする。2009年5月アメリカ公開なのに日本国内劇場スルーDVDオンリー。ウィル・フェレルとかアダム・サンドラー、スティーブ・カレルさえほとんど一般的じゃない国だもの…



『I Love You,Man』(Official Movie Site)
40男のバージンロード



男子校とか体育会系の言ってしまえばホモソーシャルな世界をくぐっていない人間にとっては極めて身近なテーマ設定だと思う。結婚相手を見つけるよりも親友を見つけることの方が大人になればなるほど遥かに難しい。で、結構そういう世界観をくぐっていない人間は多く、ぼくもその一人。予備校や大学の寮生活時代あのけつを叩き合うのが挨拶な世界観になじめなかった。

小ネタや下らない下ネタ満載でとっても面白く笑いっぱなしだったけれど、根底にはホモソーシャルな世界をくぐっていない人間が社会、殊にホモソーシャルな世界観に基づいて運営されている男社会との適応の話。幾ら女子カルチャーになじんでいたり、そちらの方に許容されていてもそれらはホモソーシャルの鏡写しであり、結局はそれだけでは許してもらえない。

日曜日の夜にHBOの番組を観たり、ジョニー・デップ主演の『ショコラ』に感動したり、女の子の話を聴くのが楽しかったりしても女子でもなけりゃゲイでもない。けれどキレイ目の格好が好きで、エグイ猥談や男臭い関係性は苦手。映画の中でも描かれていたけれど、端的に言えば「友達同士でセックスの話をしない」関係性。いやぁ、死ぬほど良く分かる。

日本で言うセカイ系の話にも絡むし(草食系とは言いたくない)、先週公開された『<500日>のサマー』にも通じる話。面白い、面白いんだけれど、心のそこからは笑えない。笑えないのは観ている側に問題があって、ホモソーシャルな世界観で生きている人間からしたら単純に面白いコメディだろうけれど、そうでない人間からすると問題意識を突きつけられている感じがする。


でもまぁ、最後にはピーターもシドニーも良かったね、と思えて追われるんだけれど…


友達の結婚式に出席して、果たして自分の結婚式(を仮に挙げるとして)に果たして何人の友達が来るのか?と一瞬でもよぎったら、観るべきだなぁ。ただそれにしてものタイトル。劇場スルー作品だし、日本ではほとんど売れないハリウッドコメディだし、売るのが難しいのは分かるけど。『バス男』も酷かったけれど…健全な人なら楽しく笑って観られる良い映画だと思う。

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