よみびとしらず。

あいどんのう。

diary

2018-07-21 10:45:36 | 散文
通り雨に包まれた
気のせいにしたかったことは
気のせいなんかではなくて
気のせいになんかにできないと知った時
雨はやみ
私は歩き出すしかなくなった

晴れ渡る空のしたを歩くことは
思いのほか大変で
たとえ日傘をさそうとも
助けを求めれば雨は降り
潤いに満ちた世界で私は
傘をさしひとり歩いていく

傘から滴り落ちる雫(しずく)は
私の涙と重なって
塩辛い海へと繋がっていく
身体はその場に残されて
傘さしてなおずぶ濡れになろうとも
昇る朝日は私から雨を引きはなす

廻る命に包まれて
誰もが波の音を記憶して
渇望と失望は繰り返し
朔月と望月は循環し
私の世界は照らされる

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