いつもの笑顔の草葉の陰から破顔一笑
その微笑みに夜は来たりて
あなたはようやく息を、吐く
涙のひとつも流せずにいたことすら説き伏せて
そのスマイルの届いた先にある光景に
それでもその場所に立っているあなたから
差し伸べられた手のぬくもりを
握りしめたわたしと同じ形の掌で顔を隠した
あなたもわたしも微笑んで
なにも残らないままお月様は昇る
あの日の涙も微笑みも
なにも意味を持たずに
わたしたちはただ生き抜いた
そのブレスひとつが糧だった
涙の意味も知らずして
水の滴りは一つ二つ三つと音の鳴る
かなぐり捨てたその音をたよりに
わたしたちはただ静かに祈りを待ちわびる
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