よみびとしらず。

あいどんのう。

迷子

2019-03-01 17:16:01 | 詩(イラスト付)
そのむかし、五匹の龍がいた。
ある龍は天へと昇り、またある龍は大空をわたりどこまでもかける雲となった。
また別の龍はつちにもぐりこみモグラとなって、もう一匹の龍は海に魅せられて海そのものになった。
そんななか、一匹の龍だけはどこにもいかず何者にもならなかった。
どこに行きたいという思いもなく、なにになりたいという気持ちももたないこの龍は

どこにも行かずして迷い子の
迷子の自覚もなくただ茫漠(ぼうばく)として
自分が龍であることすら曖昧模糊(あいまいもこ)の
とりとめもなくただいまを生きる
ぼくはロストマン

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