よみびとしらず。

あいどんのう。

ひとひ

2021-12-18 13:58:10 | 散文
夜に落とされた忘れ物から
くらりとめくれば
また新たに産まれるまやかしに
にっこりと微笑んだのは明るい月のした
その悲しみの表情は決して泣くまいと
水を手放したあなたは優しい炎に包まれる
燃えることのない色の葉に
わたしはわたし自身を手放したいと
かそけくささやけば夜は大いに笑壺(えつぼ)に入りて日は昇る
昏い明日に焦がれては
いつも正反対の眼差しからなる
空は空っぽになるつもりなどはじめからなかった
太陽はさんさんと愛をそそいだ日常の
つまびらかな様にあなたの影はそっと寄り添い白い月の夜の訪れを待つ
忘れ去られた記憶をあざむきて
わたしはいつか置いてきた者達と出会うまで

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