よみびとしらず。

あいどんのう。

酔ひ

2021-01-26 09:36:18 | 散文
音に酔い
自分に酔うて夜は更ける

人に酔い
嫌悪を増した世の果てに

此方彼方に明かりは灯る
何処(いづこ)にもあるひとり寝の
泣き濡れた頬に月明かり
月の灯らぬ夜の静寂(しじま)に
とくんとくんと身体は震えて熱をもつ

酒に酔い
へらへらと笑うて過ぎ去る時に
いつか見た知らない誰かの声は鳴り響き
酔い醒めて後には変わらぬ景色

冷たくなった枕の元にも明かりは煌々と灯される
のらりくらりと思惑かわした
酔いどれ共の
染まる思いと染まらぬ頬の色
さめた水の音は
酔いしれぬ日常に光を見つけて色を放った
とるに足らぬともどかしく
酔いを求めた夜の月

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