よみびとしらず。

あいどんのう。

黒猫

2018-12-03 12:00:24 | 散文
傷つき疲れはてた姿すら
丸まってひとり眠り込み癒す
もっと頼って こっちを向いて
そんな願いは届かずに
いま目の前で眠るあなたはどこにいる?
頼らない 頼れない 寄る辺なく 夜まとう

夜をまとう猫の色は
朝焼けの光や青色の空にも染まらずに
ただひとり夜を引き連れ路地裏を駆ける
月はその瞳にひっそりと宿されて
明らかな太陽の世界を静かに笑う

傷口の痛みもそのままに
ただ約束の場所だけを目指して
いま小さな夜が駆けていく

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