よみびとしらず。

あいどんのう。

2018-12-02 14:49:06 | 散文
人魚がかざした手に月は重なり
月は懐かしい誰かをうつしだす
しかしふたりの手が合わさることはなく
月は闇夜に隠された
人魚は暗闇にむかいひとり手をかざす

かざした手のひらから光はあふれた

求めた光とは異なれども
闇夜は明るく照らされて
暗闇の空は新しい朝を連れてくる

明けて照らされ姿は見えず
人魚は海に戻りて眠りにつく
夢のなかの夢で会えたら
たとえ仇であったとて
重なりあうことのなかった手のひら求めて
わたしはあなたに手をのばす

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