よみびとしらず。

あいどんのう。

promise

2018-09-10 14:35:38 | 散文
山桜にささる灰色の雲は
青色の空とは裏腹に
月は隠れた雲の向こうに
どこまでも続く雲海を
黒色の月はひとり泳ぐ

雲海の底から雨は滴り(したたり)
世界は水の重ねをたたえて歌う

底から鳴り響く歌の音に
月は明るさをとり戻し
白色の月光はやがて雲間から
ひとり泳ぐ闇夜から舞い降りて水鏡
あの日重ねた小指の約束を
痛みを解き放ち再会を誓う
今宵こそはと

雲の海地の海たえまなく
袂を分かたれた水の音に耳すまし
掌(てのひら)と掌(たなごころ)は重なりあう
また元の水へとかえられますように

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