少しだけすこやかな時間が過ぎ去った
足を一歩踏み出せばそこは落とし穴
まっ逆さまにどこまでも続く
遠くの海から近くの空き地まで
足元にあったはずのコンクリートも
もとをただせばみんな海のなか
しずまずにしずんだしずまぬ太陽と
よく似たあなたの笑い声から
空耳の居場所はどこへやら
みんなひとりの明日を見つめた
落とし穴の先に待つものは
おしとやかに微笑む麗しき唇の紅色は映えて
少年はそら恐ろしさに後ずさる
喉の渇きを覚えたあとは
もう引き返せない
和太鼓の鳴れや止まらぬ鼓動の果てに
祭囃子は鳴り響く
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