この世の全ての色を重ねても
わたしの悲しみにはまだ足りない
この世の全ての色を合わせても
わたしの歓びにはまだ足りない
どんな彩りを与(くみ)しても
わたしの感情には満ち足りず
与えられた色彩は次第にくすみ光をうしなった
色彩満ちてなお感情は満たされず
あとはもう欠けていくばかりだと
不条理にこの世の全ての色を重ねた夜の月
暗やみにみえる色はなく
そのなかで感情はうごめき静観と躍動をくりかえす
月は満ちて欠け姿消しまた現れた
この世の全ての色の外側にある色でできたあなたのすがた
見えぬすがたは触れずに
それでも思いはあふれる 色彩のかなたまで