よみびとしらず。

あいどんのう。

言葉のみた夢

2019-01-19 11:24:34 | 散文
つかみそこなった私はどこへいったのか
すくいそこなった私の居場所は海の底

堆積されて化石となり
いつか誰かの手元に届くまで

晴れわたり照らされた世界の果ては

いつか誰かの声をきく
声はこぶ風の色はみどりに揺らめいた

おぼろげな瞳はなにもつかめずに
ただ波に揺られてたくさんの渡り鳥の群を眺めた

ひかりドロップ
太陽の落とした飴玉を口のなか含みなめながら

三日月は誰にその行方を告げることもなく
夢のなか誰かの怒鳴り声響いた
目を開いてはじめにみえたものは
始まりのあお

太古に生きた動物の影は太陽を目指さずに
雄大な砂踏みしめてゆっくりと列をなす

澄みわたる空に涙の跡はにじんで雲となり
傘ささぬ身に光の矢はささりにわか雨さえかわかずに

目覚めた私は海の底から泡となり這い上がりあなたの元まで
泡となる人魚は手をのばし最後までつかもうとした

大切な私の欠片をいま君に贈る

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