二つの分かれ難きは
歳月に惑わず綴れ織る
よもやもしやの問いかけも
ただ口を塞いで夜明けを待った
その瞳の明るさは
夜に覆われて色はなくとも
光と影は糾(あざな)える
その頑なな鏡のなかで水面は揺らめき新月は昇る
月に一度のお楽しみ
そうして離れ離れになったいま
逆さまに落ちていく裏や表やどちらやと
それぞれにくるくると年月は巡り
満月に似たかたちの交わるところに
わたしは大切なあなたを置き去りにした
それでも追いかけてきたのは果たして誰の影であったのか
わたしはわたしと重なって
みんなそれぞれ全く異なるその有り様に
ふたつで産まれてひとりになった
糸の便りは月の裏側から投函された
兎追いしや時間に追われて
よもやわたしたちはばらばらになったまま朝を迎える
あなた誰やと問う声もなく
誰かはわたしと重なった
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