よみびとしらず。

あいどんのう。

海の記憶

2021-02-24 11:37:26 | 散文
やがて海へたどり着いた幼子は初めての海にむせび泣くここは怖いと生まれ落ちてきた時と同様に海は帰っておいでと手をこまねいた幼子は海での呼吸をもう覚えていなくてさらに泣くまわりの大人たちは皆一様に笑ってた昨日から迎えに来てくれていたあなたを放置してわたしは海から離れて家路に着いたかなしみは海に置き去りにして漣(さざなみ)揺れる 本当に帰りたい場所は果たしてどちらであったのか迷うことすらしなかった幼子は . . . 本文を読む