冬の除雪や雪下ろしは、重労働です。家に男性がいないと、なかなか大変です。ただでさえ大変なのに、道路から少し離れたところに居を構えている人にとっては、本当に大変なことなのでした。
春から夏、そして秋。田んぼに稲を植えられるようにするため、植えられた稲の生育を、できるだけ順調にするために、水はとても大事なものです。用水路を流れてくる水は、潤沢でないことの方が多かったのでした。そんな時、家に男性がいないと、水を入れていたのをいつの間にか上流側や下流側の田んぼの人が、自分の田んぼに入れたりすることがありました。
現在では高齢者となった農家の女性は、嘆いたものです。家に男性がいないと、こんなにも軽んじられ、何かと苦労が多いと。
一方、何らかの事情で、家の中に女性がいない、あるいはいなくなってしまった家は、何とも気の毒と思われました。三度に三度、365日。食事の支度を家の誰かがしなければなりません。そして、女性がいることによる明るさも少ないのでした。
男女の役割分担とか、ジェンダーとかそういう話をしているのではないのです。ただ、以前、今ほど機械化が進んでいない時、お店で出来合いの総菜など売っていない時代、どちらかいっぽうの性だけの家では、それが引き金となる困難がありました。もちろん、両方いても、それはそれでいろんな苦労はあったことでしょう。
ただ何となく、書いてみました。